ウクライナ空軍のイグナト報道官は「ロシア軍が東部戦線で航空攻撃を大幅に活性化させた」と発表したが、キリロ・ブダノフ准将は「予想されていた大規模なロシア軍の攻撃は始まっているが、攻撃の質が非常に低いため従来の攻撃と区別できない」と指摘した。
参考:Враг активизировал тактическую авиацию на востоке, по Харькову ударил из С-300 – Игнат
参考:Буданов оценил “большое наступление России”: Такое, что даже не все видят
ブダノフ准将の指摘が正しいなら、まもなく1年を迎える戦場の日常に劇的な変化はないのかもしれない
欧米当局やメディアは「ロシア軍が国境付近に航空機とヘリコプターを集結させて、消耗した地上部隊を支援するため大規模な航空作戦を実施する可能性」に言及、しかしウクライナ空軍のイグナト報道官は「ロシア軍が国境付近に航空機を集結させた事実はない。国境付近の200km~700km圏内に存在する40の基地に展開するロシア軍機の数(700機以上)は侵攻以来ほとんど変わってない」と述べていたが、ロシア軍が東部戦線で航空攻撃を大幅に活性化させたと発表した。
イグナト報道官は22日「敵との接触線で戦闘機、攻撃機、攻撃ヘリによる攻撃を著しく活性化させた。この航空攻撃は敵地上部隊のある方向への攻撃を支援している」と述べており、ロシア軍が前線空域での近接航空支援を強化し始めたという兆候だろう。
ただイグナト報道官は「現在は戦争中なので敵が航空攻撃で地上部隊を支援することは特別なことはではない。以前から敵は地上部隊の前進を空から支援してきた」とも付け加えており、欧米が懸念しているようなもの=本格攻勢に合わせた大規模な航空作戦ではないと遠回しに否定している。
現段階で活性化させた航空攻撃の規模は不明だが、イグナト報道官の主張通りなら前線に与える影響は軽微で、もし以前と異なる規模と質の航空攻撃なら前線の変化という形で漏れ伝わってくるだろう。
因みに国防省情報総局のキリロ・ブダノフ准将は「予想されていた大規模なロシア軍の攻撃は既に始まっているが、攻撃の質が非常に低いため従来の攻撃と区別するのが困難=誰も大規模なロシア軍を見ることはできない」と述べており、まもなく1年を迎える戦場の日常に劇的な変化(兵士の波による激しい消耗戦は続くので戦いの強度が弱まるという意味ではない)はないのかもしれない。
追記:モルドバ(沿ドニエストル共和国)との国境地域にウクライナ軍が部隊を移動させているという報告と、モルドバの治安部隊とウクライナ軍が共同で24日~28日の間に沿ドニエストル共和国に対する侵攻を計画しているという話はロシア側情報源が拡散しているもので、確認された幾つかの動画に映るウクライナ軍部隊の移動は本物だが規模が小さすぎるため「ロシア側が仕掛けたモルドバの不安定化に関する偽旗作戦だ」という見方が強い。
関連記事:ウクライナ空軍、国境付近にロシア軍が航空機を集結させた事実はない
関連記事:2月24日に向けてロシア軍は攻勢拡大? それとも準備不足で実施困難?
※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России
これはゲラシモフの罠
ロシアは敗走したふりして、伏兵による包囲をしようとしてるのかな?(三国志)
航空衛星とレーダーの時代に伏兵が通用するんですかね..?
プロの偽装を甘く見過ぎ。
小さな単位だと伏兵ありそうです。
T0504号線でロシア軍が一掃されて1km後退したとき
ウクライナ特殊部隊7人がロシア特殊部隊20人を一方的に倒した話があります。
ウクライナ兵には暗視装置が一人一人に支給されているが
ロシア兵には5人に1つだけということで
見えない所から一方的に射撃されたようです。
その動画が公開されてますが
どこから攻撃されているのか分からないみたいで
ロシア兵は棒立ちで近くから撃たれて次々に倒れてました。
これ伏兵と効果は同じですかね。
単に意図しない遭遇戦ということかもしれませんが。
戦史においてもロシア軍の攻勢が敏速に始まった試しはないですからね。攻勢圧はこれから1ヶ月ほどかけてじわじわ上がっていくのではないでしょうか。ロシアの将軍たちにおいても今更電撃的奇襲攻撃が成立するとは思っていないはずで、少しずつギアを上げていきウクライナの対応能力が飽和するのを待つという類の大攻勢なのでは。
これは欧米だか、西側だか、ウクライナが勝手に根拠のない分析や予想を言い合って、西側同士で勝手にそれらの予想や分析を否定し合っているというだけの話で、もはや支離滅裂な状態です。
レズ二コフ国防相が言っていた、ロシアは象徴を重視するから、開戦からちょうど一年がたつ2月24日に大攻勢があるとか、2月24日までに目標がどうとかいう話も、2月24日が過ぎれば、全くなかったことになるのでしょうか?
キリロ・ブダノフ准将の遠回しな話も、要するに大攻勢があるという西側欧米当局の予想や分析が、根拠のないもので間違っていた、誤っていたんだ、と考える方が理解が早いでしょう。
問題はこういう状態で、果たして次の作戦計画、防戦の計画がちゃんと立てられるのか?ということですが、イギリスのウォレス国防相がいっているように、NATO各国の政府が、保有する兵器の状態をちゃんと把握していない、などと公言するようでは、現地のウクライナ軍もとにかくその場にある兵器で場当たり的な抵抗を続ける以外にないでしょう。
いずれにしろ、動員をかけてまで行われるとされていた鳴り物入りの2月大攻勢は不発。今後も再興の見通しはなしということですな。
ウクライナの根拠のない分析、例えばロシアが2回目の動員始めたとか総攻撃を開始したとかは危機感を演出して西側に対して早く武器送ってくれというシグナルでしょうね。
情報の正誤のみを評価した場合は支離滅裂かもしれませんが、
上の方が書いているようにウクライナへの兵器供与に対するNATO国民の理解を得るためには非常に重要な仮説です。
また(規模はどうであれ)ロシアが現在攻勢を仕掛けているのは事実ですから、ロシアに対しても「侵攻を劇化させるロシアに対応するために兵器供与を質量ともに増加させる」という理由づけになっています。
普通に考えて泥濘期に攻勢かけても頓挫するので春から夏にかけて攻勢かけて秋からの次の泥濘期に広げた占領地の防御固めるのが合理的でしょ
圧力を減らさないこともそれはそれで強い攻撃と言えなくは無いのか。
従来の攻撃をウクライナが余裕を持って撃破出来てるってわけでも無いし、いつまで続くか分からないってのはなかなか焦燥感が募って厄介かも。
ロシアが開始した質の低い大規模攻勢は、ヘルソンやリマンを奪還された軍の面子を保つために行われたということかしら?
損害は度外視で何でもいいから戦果を残す必要があったと。
クレミンナ方面とバフムート方面ではそれなりの規模の攻勢をかけていたものの、予想されたような大規模攻勢は結局無さそうですね。
進捗が思わしくないので取りやめたのか、これから本気出すのか、それともロシア軍が劣化しすぎていて本気出そうにも出せない状況なのか。直接対峙しているウクライナ軍の見解は三番目のようですが、第三者の手による今後の検証も待ちたいところです。
まあ第155独立親衛海軍歩兵旅団の3度目の壊滅とかを見ると、今のロシア軍は精鋭と機甲戦力の損害が重なり過ぎて補充が間に合わず、機動力と衝力が足りなくなって不十分な人海戦術以外取りようがない状態というのは確からしく思えますが。赤いスチームローラーはもはや過去の幻影ですね。
>赤いスチームローラーはもはや過去の幻影
だって、めちゃくちゃな数の航空機やトラックその他を
アメリカから借りて代金を踏み倒してますもん。
ちうごくさんが、それくらいお人好しかもしれんし。
それに最大でも溶けた兵士は100万ぽっちでしょうし
あと1300万人(1400-100)兵士溶かしてからじゃないと
本番はこれから、まだわからないでしょう。
例の訓練してた15万の動員兵は何処にいったのやら・・・
ロシア軍は損害を受けた部隊の動員兵を
逐次投入していって穴を埋めていっているそうです。
既に死傷してたりして残りは前線で
突撃を繰り返して頑張ってるのかもしれませんね。
どこかで力を貯めていて
ウクライナの弱点を突く
威力偵察説があります。
でも偵察が長すぎませんかねえ。
なんかロシア軍の突撃回数が
減ってきてるそうですし。
数ヶ月たったら答えあわせができるので
見ていれば遠からず分かりそうです。
クピャンスク、クレミンナ-スヴァトベ、バクムト、アウディーイウカ、ヴーレダー
攻撃している方面の数だけは大攻勢と言えるかもしれませんね
少しずつだが確実にウクライナの首都防空は強化されてるから、あとは地上部隊の再編成が完了すれば多少は良くなるかな?そろそろ膠着状態に入る可能性は高いと思うけど、気になるのはロシアの次の動員かな