ウクライナ戦況

ウクライナ軍、オスキル川の対岸にあるクピャンスク東部地区を解放か

ウクライナ国防省直轄の特殊部隊「クラーケン」がクピャンスクの東部地区=オスキル川の対岸にある地域に到達したことが視覚的に確認され、ウクライナ軍の反撃はオスキル川の東岸地域にも及んでいる。

参考:Eastern part of Kupiansk, Kharkiv Oblast, has been liberated – military

ウクライナ軍はオスキル川を越えてルハンシク州境に向けて東進している可能が高い

ウクライナ軍がクピャンスクの解放に成功したのはオスキル川西部地区だけで、対岸の東部地区は依然としてロシア軍の支配下だと考えられていたが、ウクライナ軍の兵士がクピャンスク東部地区(49°42’30.3″N 37°38’33.7″E)に到達したことを示す動画が登場した。

出典:管理人作成

この動画に登場する兵士はクピャンスク解放を大統領に報告した特殊部隊クラーケンの所属で「東部地区を解放した(※ウクライナ軍公式の発表ではない)」と主張しており、これが事実ならハルキウ州北東部でもウクライナ軍はオスキル川を超えているという意味で、イジューム方面でオスキル川やドネツ川を越え始めた動きを加味するとウクライナ軍はルハンシク州境に向けて東進しているのだろう。

ただオスキル川やドネツ川に架かる橋の殆どが破壊されているので重装備を対岸地域に持ち込むのは難しく、当面は歩兵主体の攻勢になるのかもしれない。

出典:Google Map 東部方面の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

ハルキウ州方面のロシア軍はどこまで後退するのか不明だが、オスキル川西岸地域に展開していたロシア軍部隊は装備を捨てて逃げており、この部隊を再編するための装備も不足しているため歩兵主体のウクライナ軍といい勝負なのかも?

因みに「他の地点でもウクライナ軍がオスキル川を渡河して東岸地域に入っている」という話があるが、今のところ視覚的な裏付けがないので戦況マップには反映させていない。

関連記事:ウクライナ軍がオスキル川の対岸に拠点を確保か、米国はエクスカリバー砲弾を追加供給

 

※アイキャッチ画像の出典:Telegram経由

ウクライナ軍がオスキル川の対岸に拠点を確保か、米国はエクスカリバー砲弾を追加供給前のページ

イジュームはブチャの悲劇を上回る、ロシア軍は捕虜や民間人を縛ったまま処刑か次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ウクライナの戦場を支配する砲兵、クラスター砲弾とM109A6が効果的

    第58連合軍の司令官や南部軍管区の副司令官を務めたアンドレイ・グルレフ…

  2. ウクライナ戦況

    ロシア軍のターミネーターがセベロドネツクに移動、いよいよ実戦投入か

    ロシア軍の戦車支援戦闘車両「ターミネーター2」がセベロドネツク方面に移…

  3. ウクライナ戦況

    ロシア領ノヴォロシースク港で爆発、ウクライナ軍が自爆型USVで攻撃か

    ロシア海軍はクリミアにあるセバストポリ港の安全確保が困難なため黒海艦隊…

  4. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍、黒海に浮かぶ石油掘削リグの支配権をロシア軍から奪還

    ロシアはクリミア併合後にタルカンクート岬の沖合に浮かぶ石油掘削リグ(通…

  5. ウクライナ戦況

    ロシア軍はウクライナで約5万人が死傷、戦車や装甲車輌を5,000輌以上を失う

    BBCの番組に出演した英国軍制服組のトップは「ウクライナでロシア軍は約…

コメント

    •  
    • 2022年 9月 17日

    ついに映像が出ましたか
    東部方面に橋頭堡が出来たのであればまた慌ただしくなる可能性がありますね

    9
      • 2022年 9月 17日

      記事にも書かれていますが、重装備を対岸に持ち込むのは難しそうなので先週のような前進速度で戦況が変わるのは多分無いと思います。じっくりとでも解放が進むことを期待します

      29
    • 58式素人
    • 2022年 9月 17日

    ウクライナ軍が何箇所でか渡河作戦が行われたようですが。
    架橋資材は何を使ったのでしょう。
    以前、ドイツが架橋戦車を提供するという話があったと思いますが、
    それを使ったのかな。川幅が意外に広いようにみえるので、
    架橋戦車では無理なような気がします。
    自前の装備(浮橋?)を使ったのかな。

    4
      • zerotester
      • 2022年 9月 17日

      そこまで深さはなくて流れも緩いようなので、浮橋のようなものでよいと思えます。たぶんもうあると思いますが、さすがに映像は出るわけありません。

      5
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  2. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  3. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  4. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  5. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
PAGE TOP