ウクライナ戦況

ウクライナ軍がヘルソン州のカリニフスキーを解放、スニフリフカ郊外にも国旗

ヘルソン州のウクライナ軍がカリニフスキーを解放、スニフリフカ郊外の鉄塔にウクライナの国旗が掲げらている様子が視覚的に確認されており、マイラブ方面の拠点からもロシア軍が後退しているという報告(未確認)もある。

もしかすると一気にロシア軍はヘルソン付近やベリスラフ付近まで後退するのかもしれない

ロシア軍のスロビキン総司令官は「ドニエプル川右岸地域での防衛は難しい」と判断してヘルソン市の放棄=ドニエプル川左岸地域への撤退を進言、これに同意したショイグ国防相は部隊の撤退を進めるよう指示したため額面通り受け取れば「ドニエプル川右岸地域の放棄」が事実上確定した格好だ。

出典:Google Map ヘルソン州の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

民間軍事会社ワグナー(PMC)創設者のプリゴジン氏も「スロビキンの決断は簡単なものではないものの彼は責任を恐れない男で、この決定で生じる全ての責任を受け止める覚悟だ」と、統一ロシア党のトゥルチャク書記も「ヘルソン近郊の物流はいつ途絶えてもおかしくない状況で防衛は困難だ」と今回の決定を支持、クレムリンを擁護するアナリストも「ヘルソン市からの撤退は予想されていたことで、ロシア軍は兵士の命を優先して右岸から撤退する余裕があるとも解釈できる」と分析している。

しかしウクライナ政府や西側諸国は「今のところロシア軍撤退の兆候はない」と表明しており、本当にロシア軍が撤退するのかは暫く様子を見なければならないが、恐らく左岸に展開したロシア軍砲兵部隊の火力支援を受けて秩序ある撤退を計画している可能性が高い。

と書いたところで「カリニフスキー解放」と「スニフリフカ郊外の鉄塔にウクライナの国旗が掲げらている様子」が視覚的に確認され、マイラブ方面の拠点からもロシア軍が後退しているという報告(未確認)もあり、もしかすると一気にロシア軍はヘルソン付近やベリスラフ付近まで後退するのかもしれない。

追記:ウクライナ軍南部司令部は「ヘルソンからの撤退は仕組まれたショーだ」と述べており、ロシア軍による罠である可能性が高いと考えている。

関連記事:ロシアのショイグ国防相、ドニエプル川右岸地域から部隊の撤退を命令か

 

※アイキャッチ画像の出典:Twitter経由

ロシアのショイグ国防相、ドニエプル川右岸地域から部隊の撤退を命令か前のページ

ロシア軍発表を信じないウクライナ、戦いもせず敵が土地を明け渡すことはない次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    クリミア攻撃、オペレーション・トップガンの主役はF-14ではなく無人機

    ウクライナ国防省情報総局は26日「黒海艦隊所属の第126沿岸防衛旅団を…

  2. ウクライナ戦況

    アウディーイウカの戦い、ウクライナ軍はオプトネ北西の採石場を失う

    アウディーイウカ方面についてロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは…

  3. ウクライナ戦況

    スバトボ方面の戦い、ウクライナ軍が敵を押し戻しノボエホリフカを奪還か

    スバトボ方面の状況はウクライナ側とロシア側で食い違いを見せていたが、視…

  4. ウクライナ戦況

    ドネツク西郊外、ロシア人はクラスノホリフカ市内での戦闘拡大を主張

    ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは「数日前にシェフチェンカ通り…

  5. ウクライナ戦況

    ロシア軍による13日のミサイル攻撃、ウクライナ空軍は40発中8発を撃墜

    ウクライナ空軍は13日「ロシア軍が計40発の無人機とミサイルを発射した…

  6. ウクライナ戦況

    ブチャやマリウポリに続きイジュームでも集団墓地、遺体の数は440体以上

    イジュームでは440体以上の遺体が埋められた集団墓地が見つかり、ゼレン…

コメント

    • 7743
    • 2022年 11月 10日

    確かに、ロシアの意図は不明ですが、「撤退」を明言したのは大きなことだと思います。
    ロシア国内でどう報じられているかは、まだ情報収集中ですけど、
    ロシア国防相自ら劣勢であることを認めたのは、ロシア世論にも大きな影響を与えると思います。

    9
    • h4
    • 2022年 11月 10日

    ヘルソンの親ロ派幹部で「副知事」を名乗るストレモウソフが「交通事故死」したことがロシア国営メディアからも報じられているので、ヘルソンでの支配体制が変わるのは間違いないでしょう。ストレモウソフは、もともとの現地有力者がなびいたというわけでもなく、ロシア諜報部の犬でもなく、独自の信念に基づいて親ロ派をやっていた人物らしいので、邪魔になったということなんでしょうね。

    14
    • 匿名
    • 2022年 11月 10日

    ハルキウ州での攻勢の時盛んに「空城の計」じゃないかと言われたが
    待ち伏せの危険があると判断された場合は当然こうやって警戒しながら進軍するんだよなと
    まあ露軍が仮に警戒感を持たせるような動きをしつつ実際に撤退するなら
    正しい意味での「空城の計」になるわけだが

    5
    • 高嶺
    • 2022年 11月 10日

    久しい以前に希望らしい希望を完全に失って中国との対峙を強いられてる日本としては、中国に関連するニュースを見ると連日気が沈みますが、遠いウクライナでの善戦のニュースに接すると元気が出ますね。

    ウクライナの善戦は必ず中国の指導層にも永久を与える筈なので本当に頑張って欲しい

    22
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  2. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  3. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  4. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  5. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
PAGE TOP