ウクライナ戦況

クラファンでウクライナ軍支援、ポーランド人もTB2購入資金の調達を開始

リトアニア人やウクライナ人に続きポーランド人もロシア軍と戦うウクライナ軍にTB2を送るため資金調達を開始、クラウドファンディングを活用したTB2購入集めは定着化しそうな勢いだ。

参考:Польский журналист начал сбор средств на Bayraktar для Украины

流石に何時までも「ウクライナ軍への連帯を示せばTB2を無償提供」というギミックを続けるのは難しいだろう

リトアニアメディアはウクライナ軍にトルコ製UCAV「バイラクタルTB2」を送るため購入資金500万ユーロを84時間で集めることに、ウクライナ人の慈善活動家でもあるセルヒィ・プリトゥラ氏もクラウドファンディングを活用して3日間で2,000万ドルを集めることに成功、この様な動きにTB2を製造するBAYKARも「ロシア軍と戦うウクライナ軍への連帯に感銘を受けた」と述べて計4機のTB2を無償提供を発表、両者が集めた資金については「別の方法でウクライナ支援に役立てて欲しい」と述べている。

出典:BAYKAR リトアニアに引き渡されるTB2

このような成功を見てポーランド人もTB2の調達資金をクラウドファンディングで集めるキャンペーンを開始したと報じられており、もはや民間人主導で購入資金を集めTB2をウクライナに届けるというキャンペーンは定着化しそうな勢いだ。

再びBAYKARがTB2の無償提供を行うのかは謎だが同社は2,000万ドル分のTB2を無償提供しており、流石に「ウクライナ軍への連帯を示せばTB2を無償提供」というギミックを何時までも続けるのは難しいだろう。

出典:President.gov.ua / CC BY 4.0

因みにBAYKARは2月24日以降(ロシア軍のウクライナ侵攻開始日)もウクライナ軍へTB2の納入を継続しており、レズニコフ国防相は「ロシア軍による侵攻以降に配備されたTB2の数が50機に達した。7月中に追加のTB2が幾つか届く予定で、BAYKARと数十機の追加購入についても交渉を行なっている」と明かしている。

関連記事:BAYKARがTB2を無償提供、ウクライナ人が集めた2,000万ドルは他の支援に
関連記事:BAYKARがウクライナ向けTB2を無償提供、寄付金は人道支援に使って
関連記事:ウクライナ侵攻以降に引渡されたTB2は50機、7月にも新たに到着予定

 

※アイキャッチ画像の出典:BAYKAR

ドイツとオランダ、共同でウクライナにPzH2000を追加供給すると発表前のページ

米メディア、30万人以上に拡張されるNATO即応部隊の80%は欧州が負担すべき次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍がアウディーイウカで苦戦する理由、陣地を守る兵士がいない

    アウディーイウカで戦う大統領旅団の司令官は「ロシア軍に防衛ラインを突破…

  2. ウクライナ戦況

    ウクライナ侵攻で結束するNATO、ロシアの失墜で空中分解寸前のCSTO

    ウクライナとの戦争に手一杯のロシアは南コーカサスや中央アジアでの軍事的…

  3. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍部隊が蛇島に上陸、但し恒久的な駐留は当面難しい

    ウクライナ軍の特殊作戦部隊(SSO)は7日、ロシア軍が放棄した蛇島に上…

  4. ウクライナ戦況

    ショルツ独首相、プーチンはベラルーシとウクライナの生存を許さなかった

    ドイツのショルツ首相は21日、侵攻前に行われたロシアとの首脳会談で「鹿…

  5. ウクライナ戦況

    アウディーイウカの戦い、兵站ルート遮断まであと1kmの位置にロシア軍が前進

    危機的な状況のアウディーイウカ方面についてウクライナ人が運営するDEE…

  6. ウクライナ戦況

    衰える気配がないロシア軍のミサイル攻撃、6月の発射数は200発以上

    ロシア軍は5月にShahed-136や各種ミサイルを計593発もウクラ…

コメント

    • ido
    • 2022年 6月 29日

    比較的安価なUAVとは言え無償提供はいつまでもできるわけではないですしね。日本もこういうことはできないのだろうか。引っ掛かる法律も無さそうだし。

    11
      • バクー油田
      • 2022年 6月 30日

      日テレは24時間テレビの募金で今年はTB2を買うとアナウンスすべき

      7
    • あばばばば
    • 2022年 6月 29日

    もしかしてBAYKARには、2機分の予算で3機機体を作るノウハウが……?

    (冗談はともかく、各国の民間で集めたTB-2の購入費をほかの支援へ回す事が、その国でBAYKAR製品を購入する機運につながる広告になるだろうから、話題を広げるにはちょうどいいんだろうな)

    7
      • K(大文字)
      • 2022年 6月 29日

      >2機分の予算で3機機体を作るノウハウ

      ベルカ脅威の科学力…(笑)

      広告宣伝代わりの無償提供というのは面白い試みですが、主戦場が東部に移ってからは余りTB2の戦果は聞こえませんね。
      ドローン自体は相変わらず偵察に観測に活用されてるようですが。

      1
      • perorin
      • 2022年 6月 29日

      妄想原価
      100馬力のガソリンエンジン (←200万円
      カーボンファイバーの機体 (←500万円
      カメラセット (←原発事故で話題になったNHKヘリの1250倍ズームカメラが3000万円
      通信機モジュール (←1000万円

      こういうのって、開発費と事業リスクと諸費用を上乗せした価格設定であって、実際の製造原価は販売価格の1~2割ではないかな。

      • ぬるぽ
      • 2022年 6月 29日

      少なくともアメリカ製と比べたら3機どころじゃないですね

      1
        • NATTO
        • 2022年 6月 29日

        アメリカ製のデコレーションプレーンになれたあんたにゃコイツの良さは分からないさ。
        が無人機の世界にも通じる?

        5
    • WSO
    • 2022年 6月 29日

    バイラクタルTB2で憎きロシア兵をぬっころせキャンペーンの寄付先はどこですか!?
    ヨーロッパのたくさんのお子様たちが少ないお小遣いから寄付を申し出ています!てか
    メンタリティを理解するのがちょっと困難だな、ヨーロッパ人って

    いや、上記はけっこう真面目にいろいろ考えての揶揄なんですよ、本当に。
    BSの報道番組だったかな、確かポーランドだったかな?学校の体育館か何かで軍人が小学校高学年か中学生くらいの子供にアサルトライフル持たせていろいろ教えてる映像なのよ、で、子供がみんな笑顔でガチャガチャアサルトライフルいじったりサイト覗いたりしてるわけ。なんかすげー絵面だな、とぼんやり思ったわけ。古から彼らの体内に流れる狩猟民族の血がそうさせてるんだろうか?良い悪いじゃなくて、ただ、なんか不思議な光景に見えてね。

    ところでどうしてバイラクタルTB2なんだろ?聖ジャベリン様でもなく。なぜ。

      • NATTO
      • 2022年 6月 29日

      銃の組み立て大会はロシアじゃないかな。

      2
    • うろ
    • 2022年 6月 29日

    ロシアの対戦車歩兵狩が徹底してて戦果に対して損害が大き過ぎるとか
    TB2は今時の装甲車両なら相打ちでも元が取れるし何より熟練兵が死なないからじゃない

    2
    • samo
    • 2022年 6月 30日

    ただ、TB2の効果が下がり始めているとの報道もある。

    その理由としては、TB2以外に飛ばせる航空機がほぼないため、
    ロシア軍側の対地レーダーも、TB2の探知に最適な周波帯に集中できるようになってしまい、TB2のステルス製がほぼ封じられてしまっているのかも

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  2. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  3. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  4. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  5. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
PAGE TOP