ウクライナ戦況

ウクライナ政府、ロシアの侵攻計画を事前に把握して入念に準備していた

ウクライナ国防安保委員会のオレクシー・ダニロフ氏は英BBCに対して「自分たちの国で何が起ころうとしていたか事前に知っていた。ロシアは当初2月22日に侵攻を開始する予定だった」と明かした。

参考:Олексій Данілов: план росіян був простий – знищення Зеленського

攻撃を察知していたのなら「なぜ国民を避難させなかったのか?」と非難は現実離れした理想論に過ぎないのだろう

国防安保委員会のオレクシー・ダニロフ氏は英BBCのインタビューに「自分たちの国で何が起ころうとしていたか事前に知っていた。ロシアは当初2月22日に侵攻を開始する予定だ」と明かしており、想定外だったのはベラルーシ領からの攻撃だったと述べている。

出典:Олексій Данілов

ダニロフ氏は英BBCに「侵攻開始の5ヶ月以上前から何が起こるのか正しく認識して入念な準備を進めていた。今年1月に国家抵抗法を施行して領土防衛隊(25個旅団/11万人~13万人)を全土に配備、侵攻を阻止する戦いや計画を実行に移すための法的書類も事前に準備済みで、24日に『ロシア軍が国境を越えた』という知らせを受けると招集された国防安保委員会のメンバーは直ちに必要書類への署名を行なった。侵攻初日に武器を市民に配ったのも思いつではなく事前計画の一つだった。現在も我々が存続して抵抗を続けているのがその証明だ」と述べた。

これに対して英BBCは「事前に何が起こるのか認識していたのなら国民をなぜ避難させなかったのか?マリウポリに多くの食料をなぜ備蓄しておかなかったのか?ブチャの件に責任は感じないのか?」と質問、ダニロフ氏は「発生した全てのことに政府は責任を負っているが、完全に準備を行うのは不可能だということも理解してほしい。我々を準備不足だと批判する人々は単に物事の進め方を理解していないだけだ」と反論しているのが興味深い。

出典:Генеральний штаб ЗСУ 解放されたボロディアンカの様子

ダニロフ氏は「ロシアとの戦争が2月22日に始まると国民に向かって言う事はできない。政府としては到底容認できない。仮に『明日から戦争が始まるので家から離れろ』と発表してどれぐらいの人々が信じると思うのか?多くの人々は戦争の有無にかかわらず家から離れようとしない。戦争が始まった後では幾らでも家から離れる理由を提示できるが、戦争前に理由を提示するのは難しい」と述べており、攻撃を察知していたのなら「なぜ国民を避難させなかったのか?」という非難は現実離れした理想論に過ぎないのだろう。

因みにフランスのマクロン大統領は「ジェノサイドという強い言葉を使用するのは戦争終結の助けにならない、ウクライナ人とロシア人は兄弟のようなものだ」と主張して波紋を巻き起こしているが、ダニロフ氏は「ウクライナ人とロシア人は言葉も文化も異なっていて共通点がない。我々が兄弟だと主張するのはロシアだけで連中は兄弟の鼻先に銃を突きつけて屈服を要求してくる。これのどこが兄弟なのか?」と述べており、フランスは外交の欠点を露呈した格好だ。

出典:President of Russia

フランスは欧州の安全保障が米国主導で動くことに不満を抱いており、マクロン大統領はウクライナ問題でも米国主導の動きに同調せず「ロシア軍の集結は交渉を有利に進めるのブラフで米英が主張するような侵攻は発生しない、交渉による危機の収束が可能だ」と主張してロシアと交渉を重ねたが、結果は米英の主張した通りでマクロン大統領は諜報機関(軍事偵察局)のトップを解任した。

つまり「ジェノサイドという強い言葉を使用するのは戦争終結の助けにならない、ウクライナ人とロシア人は兄弟のようなものだ」という主張は、おおよそ「ウクライナ問題に対して米英と異なる立ち位置=和平交渉時における調停役で存在感を示したい」という意図から来ている可能性が高く、フランスは米英と異なる独自色を打ち出せば打ち出すほど墓穴を掘っているようにしか見えない。

出典:Kremlin.ru / CC BY 4.0

米英は昨年の夏頃からプーチン大統領の意図=ウクライナ侵攻に気づいて警告していたが、フランスは自国の政治的な都合を優先して米国主導の動きに同調せず、フランスのためにウクライナ人の気持ちを逆なでする発言を行うマクロン大統領を欧州諸国はどのように見ているか容易に想像がつく。

管理人の感覚だとロシアも「自分たちの主張を世界が認めない」と怒り自らの殻に閉じこもるが、フランスも「米国に従属すべきではない=フランス主導で動く欧州が理想」という考えを欧州諸国に押し付け、これが受け入れられないと直ぐに「恨み言=特に欧州製戦闘機ではなくF-35Aを導入した国など」を言うのでフランス主導で動く欧州を望まない国は多そうだ。

関連記事:ロシアのウクライナ侵攻を予測できなかったフランス、諜報機関のトップを解任
関連記事:5時間以上もウクライナ問題を討議した露仏首脳会談、フランスの提案は助けになる
関連記事:ロシア訪問を控えたマクロン大統領、ウクライナ侵攻回避に自信あると表明
関連記事:米英の諜報機関、プーチンのウクライナ侵攻計画を昨年夏に察知か

 

※アイキャッチ画像の出典:President.gov.ua / CC BY 4.0

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コメント

    • tofu
    • 2022年 4月 15日

    確か2月中旬あたりからめちゃくちゃ盛んにアメリカが「ロシアの侵攻の兆候」をオープンにしてたけど
    ウクライナの誰だかはむしろそれに批判的なこと言ってなかったっけ

    完全に全てうろ覚えだから勘違いしれないけど、アメリカの警告に対して「そのようなことはないし挑発するようなことを言うな」くらいのことを言ってた気がするけど
    単純にそれもある種の欺瞞作戦だったのかな
    まあだとすれば、舐めプしようとしたロシアを準備万端でお出迎えできたんだから成功したと言えるとは思うけど

    9
      • ダヴー
      • 2022年 4月 15日

      どこの国でもそうだけど、政府要人全員が同じ情報に接しても共通の認識を持つとは限らない。
      記事を見る限り、安全保障関係の閣僚や委員会メンバーは侵攻は確実として準備をしていたのだろうけど、それ以外の閣僚やゼレンスキー大統領は本気にしていなかったように思う。

      37
      •    
      • 2022年 4月 15日

      ロシアの侵攻が無いと言っていたウクライナの振る舞いは、我々は好戦的ではないとの国際社会を味方につける為のものであろ

      プラスそれを言い続ける事で、国民もパニックにならず、軍も落ち着いてロシアの挑発に乗らなかった

      散々挑発で攻撃もしてたし、サイバー攻撃でATMをダウンさせたりしていた
      そういった挑発に一切乗らずロシアに口実を与えなかった事は、国際社会を味方につける上で非常に大きかったと思う

      77
      • 2022年 4月 15日

      ロシアが戦争を選択するはずがないって言ってたのはほかでもないゼレンスキー大統領本人だったんよ…
      ウクライナ軍部はかなり警告してたけどゼレンスキー大統領はその意見を肯定しきれなかった
      そりゃ誰だってまさかこんなバカなことやらかすわけがないって思ってたって仕方ない
      そのゼレンスキー大統領が腹を括ったのが全世界にとっての最大の誤算だっただろうね

      22
        •   
        • 2022年 4月 15日

        ロシアが侵攻しないとは、ゼレンスキーの方便だと思ってずっと見てたよ

        ひたすらに交渉を呼びかける姿勢は非常に良かったと思う

        51
      • perorin
      • 2022年 4月 15日

      演技なのか知らんけど、開戦直前になってもゼレンスキー大統領は全く信じていない風で国民に避難せず経済活動を続けるよう訴えてたよね。本当に全部知ってたなら後でクレーム来ると思う。

      2
        • 無無
        • 2022年 4月 15日

        ぜんぶ知っていたとしてもプーチンの心までは予想できない、
        侵攻をドタキャンされたら知っていた意味すらなくなるが、
        そんなこと誰にも予測できないよ

        28
          • perorin
          • 2022年 4月 15日

          ドタキャンされるならその方がいいのでは

          2月の新聞記事 > しかし、ブリンケン米国務長官は17日に出席した国連安全保障理事会で「ロシアが侵攻せず、われわれの予測が間違っていたと証明してくれれば安心する。喜んで批判を受け入れる」と説明。警告をためらって侵攻を許す事態は避けたいとの思いをにじませた。

          4
    • 匿名
    • 2022年 4月 15日

    ベ領から南下でキエフ電撃はやはり想定外なの常識的に考えてご法度だからだろしそれ許したルカシェンコもこれで勝ち馬乗れると信じ切ってたんだろな
    キーウ空挺侵攻を主に国家親衛隊でおおかた撃退できたのウ軍過小評価し自らの能力過信しすぎて無謀すぎた露軍の戦術的失策による自爆だったんだろね

    29
      • zerotester
      • 2022年 4月 15日

      ベラルーシ領からキエフし攻め込むのはさすがにやらないだろうというのが大方の見方でしたが、ウクライナ政府もそうだったのですね。政治的にも軍事的にもリスクありすぎるからやらないと考えるのは当然で、実際大失敗したわけです。
      でも軍はしっかり準備していたから対応できたわけですね。侵攻に備えて軍を準備させるのは「念のため」でできるのですが、住民を大規模に避難されるのは「念のため」とはいかないので全く別の話でしょう。

      26
    •    
    • 2022年 4月 15日

    まあウクライナ側からすれば、ロシアに散々直接交渉しようと呼びかけてもガン無視されてたので、連中はやるつもりだとの印象強めただろうな

    フランスの分析を察するならば、侵攻に全くメリットが無い事を重視したのかな?
    あと首脳会談で、まさか露骨に嘘は吐かないと信じてしまった事だろうか
    プーチンはヒトラーやスターリンと同じ類いの虚言癖だと分析できていなかったのかね?

    13
      • 無無
      • 2022年 4月 15日

      スパイの仕事は要するに他人を騙して利用するに尽きる
      KGB生え抜きのプーチン相手に素人意識の政治家がかなうはずない、
      日本国総理も手玉にとられてたしな

      14
        • tarota
        • 2022年 4月 15日

        別床異夢

        1
        • G
        • 2022年 4月 15日

        >KGB生え抜きのプーチン

        最盛期のプーチン大統領ならともかく、現状を見ると今は他人を騙すどころか一般人でさえ知ることのできる範囲のウクライナ情勢やロシア軍(自軍)の情報さえ正しく知ることもできてなさそうという、騙されるよりさらに酷い有様な気が

        4
    • だいぶ溜まってんじゃん
    • 2022年 4月 15日

    まぁ、「ジェノサイド」って認めてしまうとジェノサイド条約が言うところの「処罰」に動く必要があるから、ロシアとの緊張をより高めてしまうことを考えるとマクロンの言動は、ま、多少はね?

    マクロンの思い腰は先週送った国家憲兵隊の調査結果が出るまで上がらんでしょうねー

    残酷な言い方をすれば「NATO加盟国でもEU加盟国でもない国の為にロシアと第三次世界大戦を起こしかねない緊張状態を作りたくない」そんな感じでしょう(それが最善だとは思わないけど)

    まぁこんな塩対応でもル・ペンやメランションの公約を考えると、まだマシな方だから(精一杯の擁護)、

    頼むからマクロン再選してくれ、いやホントに

    55
      • AAA
      • 2022年 4月 15日

      ほんとそれ
      ルペンもブチャ等の虐殺現場見たら親ロシア的な公約は取り下げるだろと思ってた俺はとんだ甘ちゃんだった
      いまだに親ロシア・制裁解除路線とかどうなってんだあいつの頭は
      とにかくどうにかして当選しろマクロン!(無茶振り

      27
    • 無無
    • 2022年 4月 15日

    この期に及んで、まだロシアを怒らせたウクライナに原因があるだの語る経済評論家もいるし
    要するに自分の絡んだロシアビジネスが心配なんだよ、ドイツもフランスもしかり、自己の利益に目が眩むから本質を見損なう
    ウクライナに非があるとすれば、ロシア隣接地なのに核を放棄したのが誤り、その一点のみ

    40
      • えっくす
      • 2022年 4月 15日

      今の時点でもロシアのかたをもつ輩がいるんですから、国民避難させて動員をかけて表立って備えてたらもうロシアの思う壺だったでしょう。
      ウクライナは戦争の準備(ドンバス地方侵攻)していてジェノサイドを予防するためってロシアの主張は国際的にほぼ無視されていますが、ロシアの挑発に乗ってたらこれもそれなりに支持されていたでしょう。

      11
    • 2022年 4月 15日

    ドイツもそうだが地政学的に絶対に攻められることのない立地故だろうなぁ…
    一方でイギリスは北海付近で日常的にロシアからの領空侵犯を受けてるから危機感が違い過ぎる
    EU全体を想うなら経済面で影響力があったイギリスが離脱してしまったのはかなりの痛手というほかない

    24
    • ななし
    • 2022年 4月 15日

    進撃の巨人の登場人物のセリフで
    「結果を知った後で選択をするのは誰でもできる。後で『こうすべきだった』って言うことは簡単だ。
     でも・・・選択する前に 結果を知ることはできないだろ?」
    というのがあるが、後出しじゃんけんはホント非建設的だと思う。
    質問した本人が侵攻前にロシアが侵攻してくるから住人を避難させるべしと警告でもしていたのなら話は別だが

    51
    •    
    • 2022年 4月 15日

    たかだか20万で全方位侵攻するとは流石になあ
    兵力少ないと言われたイラク戦争でさえ、30万だし
    しかも入念な空爆をしてからで、かつ戦後の統治は失敗してる

    ベラルーシのロシア軍は牽制目的で、東部だけ切り取るつもりだろうと思ってた
    失敗したのは必然か
    それにしても失敗しすぎだけど

    22
    • ミリオタの猫
    • 2022年 4月 15日

    米英の情報機関が収集した情報ではプーチンを止められなかった(ある種の世界観に囚われた独裁者を翻意するのは不可能)様に、ウクライナが事前に情報を知っていても万全の対策を取る事は不可能なのは言うまでもないね。
    ちょっと考えただけでも兵力や物資を集めるのが容易では無い(実際マリウポリには物資どころかS-300地対空ミサイルの防空網を提供する事さえ出来なかったからロシア軍に包囲された)し、国民に避難指示を出そうものならロシア軍は侵攻を中止する事でウクライナ政府を「狼少年」に仕立て上げる事さえ出来た(そうなったらこの後どうなるかは言うまでも無いだろう)。
    こうしてみると、戦争に限らず全ての物事は「完璧に遂行するのは不可能」と言う前提で考えるべきだと思う。

    それにしても、マクロン仏大統領は夜郎自大な奴だねえ…今度行われる大統領選の決選投票でルペンに勝つつもりが有るのか疑いたくなる。
    そんな彼は「ウクライナ人とロシア人は兄弟の様なものだ」と言って自爆したらしいが、俺に言わせれば『マクロンとプーチンこそ兄弟の様なものだ』と思う。
    だって二人共「米国に従属すべきではない=我が国主導で動く欧州が理想」と本気で思っているんだから。

    32
      • 2022年 4月 15日

      言っちゃなんだけどフランス大統領選で一番論点に上がってるのはフランス国内の経済対策だよ
      ルペンなんかは国民の負担を減らすために30歳以下はみんな所得税を無くすとかっていうどう考えても実現不能なことを公約にしてるし、それを真に受けてる層がかなりいる
      これに対してマクロンが脱ロシアを全力で打ち出してしまうとロシアとの亀裂が決定的になっていろいろとロシアに依存してるフランスの国内経済が悪化することが目に見えてる
      故に今回のフランス大統領選は荒れるね…

      4
        • ミリオタの猫
        • 2022年 4月 15日

        まあ、どっちにしてもマクロンとプーチンが兄弟みたいな立場である事には変わらないなあと思って読んだ次第。

        9
        • だいぶ溜まってんじゃん
        • 2022年 4月 15日

        そうなんだよ
        あと対露制裁のガス禁輸でフランス国内の燃料費が高騰してるのもル・ペン支持に一役買ってしまってるんですよね

        ル・ペンはロシアの天然ガスのルーブル支払いに応じると公言していてまさに国民にとっては願ったり叶ったりの公約なんですよね(安全保障上では大問題)

        フランス人からしてみらば「確かにウクライナは可哀想だけど、こっちにも生活があるんでね」という本音

        8
    •   
    • 2022年 4月 15日

    事前に住民避難を行なっていたら、戦争準備などと言われかねないしな
    それにまさかここまで戦争犯罪を行なってくるとは、まさにまさかだよ
    人道回廊攻撃までして住民の避難さえ許さないってんだから責めるべきはロシア

    誰か住民避難させろと事前に警告したのか?
    警告した奴だけが非難する権利あると思う

    27
      • 四凶
      • 2022年 4月 16日

       住民待避させただけで戦争ふっかけられたらたまったもんじゃないだろう。国境付近をきな臭くさせていたのはロシアであって、その結果の待避なら責められる言われもない。

       避難させる大元は国で地方自治体が積極的に持てるリソース使って行動はすべきだろう。外野が避難云々言わなくても国の責任として国防を軍にさせて避難は警察中心で同時に進めるべき話でそこは責める奴がいても仕方ない事ではないか。現状のウクライナの戦果は国民切り捨て純粋な軍事行動を優先させた事で得た物もあるだろうし。
       後出しだけど侵攻が分かっていたなら住民避難は無理だろうが、事前の部隊や兵器移動をあらかた済ませておいていざ開戦時に鉄道や道路で強制避難に全振りと言う事も出来た可能性はあるだろう、上手くいった保証もないけど。

       避難に関しては何かと話題のマリウポリだと人口44万超えで逃げられなかったのが12万人位?聞くところの死者が正しいなら15万人位が逃げられなかった事になるのかな。
       マリウポリが包囲されるまでは避難に使えた時間は4日間ほどで北西方向の2車線の道と鉄道路線は恐らく使える状態にあったと思う。第一弾は2車線を一方通行、その後にマリウポリ~ザポリーシャ間をピストン輸送で片側一車線ずつ普通に使っていれば残っている住人は4桁位になっていても不思議じゃなかったと思う。

       ウクライナ政府が国民に対して強権発動して避難にリソース振り分けたら西部に逃げられた人は多かったと思うが避難にリソースつぎ込んだ結果、ロ軍侵攻が進んだとしたらまた違う結果が生まれて批判されるだけ。早々に降伏していればジェノサイドも無かったかもしれないし、外野ならなんとも言える。

      2
    • エア
    • 2022年 4月 15日

    市民の避難に関してはもっとやれる事はあったと思う
    ただその検証や政府への批判は戦争中の今やる事じゃない

    6
    • K(大文字)
    • 2022年 4月 15日

    >攻撃を察知していたのなら「なぜ国民を避難させなかったのか?」という非難は現実離れした理想論に過ぎない

    なぜ事前避難の指示が難しいのか?
    それは、「戦争をいつ起こすかどうか決められるのは戦争を仕掛ける側」だから。
    ウクライナ政府が「2/22に戦争が勃発するから避難しなさい」と住民に指示していたら、ロシアはどうしただろうか?
    たぶん、何もしなかっただろう。
    ウクライナ政府が国民から狼少年扱いされるまで、何度でも肩透かしを食らわせたのではないか。
    だから、「分かっていたのなら避難させろ、怠慢だ人命軽視だ」というのは的外れな議論。
    元首長のH氏には理解出来ないかもだけど。

    49
      • ああああ
      • 2022年 4月 15日

      第四次中東戦争もイスラエルの情報部門が警告をだしすぎて、オオカミ少年化してからの奇襲でしたからね。

      13
    • AAA
    • 2022年 4月 15日

    もちろん米英と情報共有してるっぽいからまあそうだろうなとは思っとったけど黙ってるほうが良くないか?
    建前としては「完全な奇襲だった、不意打ちで国民を殺し続けているロシアは許せない」とか言っといたほうが
    同情を引けそうだけどなあ

    1
      • Hal
      • 2022年 4月 15日

      この戦争は知っててスルーしたウクライナとアメリカによる陰謀なのでロシアは悪くない、って真珠湾攻撃アメリカ責任論と似た理屈の陰謀論が広まるんだろうなって気はする

      8
      • ナニガシ
      • 2022年 4月 15日

      リスク管理だよ。
      後ですっぱ抜かれると、何を言っても言い訳にしか聞こえないから、先に公表したんだろう。
      ロシアとプーチン信者が、どんなファンタジーを語り出すかは分からんが。

      9
    • アクアス
    • 2022年 4月 15日

    フランス国民にとっては、マクロンかルペンのどっちをとっても地獄という最悪の2択を迫られているわけか。

    5
      • 無無
      • 2022年 4月 15日

      自分たちの民度に責任を持つしかないでしょうな、選んだ政治家がその国民の程度
      ロシアや中国みたく、もう選択すら出来ない状況に追い込まれてから後悔しても遅いし

      10
    • L
    • 2022年 4月 15日

    ロシアの肩を持つフランスは歴史通りではある
    フランスがNATO抜けたらタレスのセンサー輸出して儲けるつもりか。その利益と釣り合わないリスクをポーランドが受けるんだが

    2
    • zerotester
    • 2022年 4月 15日

    ウクライナ語は同じスラブ語でもロシア語よりはポーランド語に近いです。文法が近いですし、単語も例えばありがとうはロシア語で「スパシーバ」ですが、ウクライナ語では「ジャークユ」でポーランド語は「ジェンクーイェン」です。文化的なつながりもポーランド、ひいては欧州のほうが強かったが、その後ソ連に占領されたのです。その際ウクライナは頑強に抵抗しており「おれたち兄弟だろ」と銃を突きつけながら言ってるのは昔からですね。マクロンの言葉が反発を買うのは当然です。

    19
      • Gan
      • 2022年 4月 15日

      ベラルーシもそうだがここ百数年はロシア支配が続いたとはいえポーランドリトアニアの影響下にあった時代のほうが長いわけで
      歴史も知らずに兄弟扱いするなってウクライナの怒りは当然のものですね

      個人的には今回の戦争を機にキリル文字を捨ててラテン文字への切り替えも起こるんじゃないかと思います

      9
      • 匿名
      • 2022年 4月 15日

      兄弟とか言い出すの流石にヤバすぎだしそんな言うなら一夫多妻ロシア組長さんの元妻で出自が歴史と由緒ある名家から嫁いできた設定にしろと
      どうあがいても他人なのに同族意識持つのまさかの八紘一宇思想では

      1
      • イヤミ
      • 2022年 4月 17日

      ハンガリー動乱かプラハの春の時だか、有名なアネクドートがあるざマス。
      「ロシアとハンガリー/チェコは友人どころか兄弟のようなものである。友人は選ぶことができるが、兄弟は選ぶことはできない。」
      おフランス一流のエスプリざマス。

      1
    • スポンサー・ドリンク
    • 2022年 4月 15日

    公に言えないような、もっと隠された裏事情があるのかもしれません。
    いずれにしてもフランスとドイツは信用を落としたように感じます。

    日本在住ドイツ人、マライ・メントラインさんが2/9の記事の中で「ドイツの主導権を握っているのは50歳代の世代。彼らは中東産油国に依存したくない!という意識が。中東への依存はアメリカ合衆国への従属につながる。文化・対話基盤の共通性が高いロシアのほうがマシ」と書いていていました。

    7
      • samo
      • 2022年 4月 15日

      ただまあ、ドイツとフランスでも違いはある
      ドイツのショルツ政権は有象無象があつまった連立政権な上に、政権発足時点から支持率が低くて、超不安定だった
      そこで、国是をひっくり返してウクライナ全面支援に舵を切ったところ、一気に支持率が上昇、政権運営の安定度が増した。
      おかげでここのところは、強気な政権運営にショルツは打って出られれてる

      けれど、マクロンは支持率が下がってしまってボロボロ
      プーチンに弄ばれてるマクロンっていうイメージが国内外で完全についてしまった
      だからルペンなんかに支持が集まるんだよ

      8
    • ACS
    • 2022年 4月 15日

    ロシアとウクライナは兄弟国である
    ただし、弟(ウクライナ)は兄(ロシア)に絶対服従な、つまり内戦だから手を出すなよ

    (私の野望達成のために)私たちには選択肢がなかった

    ジェノサイドが起きている(確認はしていない)、ロシア系住民の保護が必要だ(生かすとは言っていない)

    プーチン(ロシア)の主張は主語がない、または枕詞が必要だったり論点のすり替えが散見されるなど、詭弁と呼べるものが多く、言葉通りに受け止めるなら友好的であると判断する者がいてもおかしくはないでしょう。わかりやすく敵対的な発言をするのなら対策は容易でしょうが、こちらが好戦的と認識されない、尚且つ現実的な対抗の準備としてはこれが限界なのでしょう。結果論で論じることはいくらでもできますが、それは戦後にその後の対策を話し合う際にするのが最適なのではないでしょうか。
    また、当事者たちが思慮の末出した結論を、第三者が結果論で非難して不当に評価を下げることは、今後の適正な人事に影響を及ぼすため、国(会社や個人間でも)力の低下につながります。
    もちろん本当の最適解など誰にもわかりません(少なくともその場では)。コミュニケーションの結果一つでも簡単に変わってしまいます。難しいですね。

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    • 黒丸
    • 2022年 4月 15日

    わずか半年前、アフガンで米国が他国の要望聞かずに撤退したことがあるから
    米国主導での軍事作戦を避けたいとフランスが考えることはありとは思う。
    ただ、その割には自国の利益優先姿勢と、情報分析や相手の国民感情の分析が下手なような。

    米国はカーブル空港までの安全を保証しない、英仏は自国民保護のため空港外に兵士を派遣
    リンク

    4
      • ミリ猫
      • 2022年 4月 16日

      >>常識的、というか人として選択するとすればマクロンを嫌々ながら選択するだろうけれども、
      これでルペンを選択するなんてことはしないよね…?

      はあ。。。。だといいんですが。
      少なくともうちの旦那はマクロンに投票すると言ってます。
      私には投票権がないのが歯がゆい😥

      1
    • samo
    • 2022年 4月 15日

    フランスでもウクライナ支援の声であふれているけれど、
    マクロンがプーチンにいいように弄ばれてるってことで、支援表明で一時的に回復していたマクロンの支持率が急落してしまってるからね
    それでも懲りずにプーチンの会談してるけれど、特段の成果なし
    プーチンはNATOを手玉に取ってるってロシア国内で喧伝される材料にされてきただけ
    マクロンの外交センスの無さは呆れる他ない

    だけどその対抗がルペンってどういうことだよ…
    ロクでもない二者択一
    常識的、というか人として選択するとすればマクロンを嫌々ながら選択するだろうけれども、
    これでルペンを選択するなんてことはしないよね…?

    5
    •  
    • 2022年 4月 15日

    事前非難は無理だとしても戦時の交戦地域の設定と住民への退避勧告はウクライナ当局の責任だよ
    これは後知恵ではなく侵攻されてからでも出来たこと
    国境のハリコフや電撃的に占領されたブチャはともかくとしても、マリウポリやヘルソンは包囲もしくは占領されるまでには数週間の時間的余裕があったのだから
    それに武器を配られた民間人とただ残留している民間人が一緒にいれば後者にいらぬ危険が及ぶのは子供にだってわかる
    正直なところウクライナは民間人が攻撃を受けたという絵が欲しいがためにあえて住民を前線にとどめているようにしか見えない
    ロシアの侵略は打ち砕かれなければならないが、政体を守るために非戦闘員を盾にするようなウクライナ当局のやり方は全く支持できない

    3
      • 無無
      • 2022年 4月 15日

      正論とは思うけど、国民に徹底抗戦を呼び掛ける政府が、住民に故郷と生活を棄てて避難せよって同時に呼び掛ける難しさを感じる
      満州での日本軍はほぼ無責任だが、沖縄戦の場合どうすれば良かったのかよくわからんし
      他国の戦史でも大差あるまい、ロシアが市民にジェノサイドを行う確信があれば別だが、これも後だしジャンケンだよ

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        •  
        • 2022年 4月 16日

        では人道回廊はなんだったのかと
        包囲が完成した後に脱出ルートの確保を要求されて受け入れる軍人がどこにいようか
        いわんや名指しされているアゾフ連隊を含む包囲だ
        あれこそウクライナ当局の姿勢を示すものだと思う
        ジェノサイドを行う確信が持てないから避難させなかったのではなく、ジェノサイドを起こさせたかったから避難させなかった、そしてジェノサイドが起こる恰好の状況になってから敵の認めてない人道回廊を避難させたのが真相だろう
        結局マリウポリの住民数十万人が今もロシアの圧制下で飢えてる、酷い話だ
        後出しジャンケンではなく誰もが予定出来た展開だよこれは

          • 無無
          • 2022年 4月 16日

          いやロシアの兵糧攻め作戦だの予めのどこからも聞いてないよ、
          戦争対応が後手後手になるのはそんなもんだ、
          ウクライナは良くやってるほう

          6
            •  
            • 2022年 4月 16日

            いいや東西からロシア軍が迫りマリウポリが包囲されるのは時間の問題だった
            包囲されれば物流が遮断されるのは当たり前
            あらかじめ聞くまでもない
            さらに言うと兵糧攻めではなかったとして破壊的な都市攻撃になってたらより多くの死者が出ただろう
            戦争対応が後手後手になるのは仕方ないだろう、満州のように早期に戦線が崩壊し全土掌握に1週間かからないような戦局なら対応するにも限界があろう
            それでマリウポリが包囲されるまでにどれだけ時間的余裕があったのかと
            開戦直下ロシア軍がアゾフ海沿いにマリウポリに迫るのに3日、そこから一度撃退して戦線を押し戻してから包囲されるまでは3週間あったわけだが

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      • 匿名
      • 2022年 4月 15日

      マリウポリの市民感情って必ずしも政権側やアゾフ側でなく親露側なの幾らもいるのポルシェンコ支持エリアだったから明らかだがにも関わらず早々に降伏したメリトポリと死数で格差あるの継戦の結果だよね
      市民が居座って都市で継戦するとそんなの当たり前だがドンバス防衛でそれが必須だった言うなら結果は想像されてたわけでなぜマリウポリ市民をさっさと疎開させんで市民も火炎瓶で戦え言ったのか釈明は要る

      1
      • 匿名11号
      • 2022年 4月 17日

      「戦時の交戦地域の設定」が前提である以上、無理筋な主張ですな。

      交戦地域のコントロールなんて侵攻側でも困難なのに、ましてや被侵攻側(ウクライナ)にできるわけがない。前提となる状況は時々刻々と変わるのだから、開戦からの時間的余裕が数週間あろうが関係ない。避難民が大勢なら避難先の設定も困難だから、そうそう動かせるわけがない。

      もちろん、どんな場合でも国民の生命財産を守ることはその国の責任だが、だからといって大規模かつ一方的な侵略である以上、侵攻先で多くの民間人が巻き込まれてしまうのは自明のことでしょう。

    • ネコタ
    • 2022年 4月 15日

    マクロンが2018~19年あたりにトランプ批判を繰り返した辺りから思ってたんだけど、この人の行動・言動は自分の評価が高めることだけを目的にしてるように見える
    もちろん調競争社会のフランスで若くして大統領になれたんだから、それなりの上昇志向を持つのは当然なんだろうけど
    仮にマクロンの行動が自己の利益のためでなくフランスの利益のためだったとしてもそんな「フランス第一主義」の国がヨーロッパのリーダーを標榜するのはまったく不適格だろう

    6
    • 陰謀論者
    • 2022年 4月 15日

    これが数十年後には「アメリカとゼレンスキーはロシア侵攻を知っていてわざと攻撃させた⁉︎」みたいな陰謀論に繋がるんでしょうなぁ。理由?ユダヤのせいにしておけばいいやろ(適当

    2
      • ぬっこ
      • 2022年 11月 15日

      春から言われてますね…むしろアメリカが後押しした、とまで。

        • ぬっこ
        • 2022年 11月 15日

        あ、これが春の記事だったw

    • LLLLL
    • 2022年 4月 16日

    『だろう?』でイチイチ避難してたら相手がプレッシャー掛けてくる内はズッと避難してなきゃならん!自然災害ならともかく相手の望む反応をホイホイ見せてれば与しやすしと侮られる。ブラフもある話で与しやすいと思われるのは戦争以前に交渉で敗れる。
    (´・ω・`)

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