ウクライナ戦況

ウクライナ軍、本物の反撃計画を秘匿するため裏切り者を根絶やしにした

英Guardian紙は10日、鳴り物入りで開始されたヘルソン州の反撃は「ハルキウ州で計画されていた本物の反撃からロシアの目を欺くものだった」と報じており、本物の反撃には米国製を中心とする最高の武器が与えられたらしい。

参考:Ukraine’s southern offensive ‘was designed to trick Russia’

旧ソ連軍の伝統を受け継ぎ権威主義に染まったロシア軍は前進以外の運用性に欠陥があるのだろう

ウクライナ軍南部司令部のフメニウク報道官は先月末「南部地域で複数方向から反撃を開始した」と発表して前進を始めたが、国家安全保障・国防会議の元メンバーで現在は政治評論家と活動するタラス・ベレゾベツ氏は「南部の反撃は組織的な偽旗作戦で計画されていた本物の反撃からロシアの目を欺くものだった。これに引っ掛かったロシアは装備や兵士を南部に移動させたが、ハルキウのウクライナ軍には米国製を中心に最高の武器が与えられた」と述べている。

出典:Militarylandnet 反撃前に国歌を歌うウクライナ軍兵士

さらに本物の反撃を知るウクライナ軍関係者は「作戦を完璧なものにするためハルキウ地域の裏切り者を根絶やしにした」と述べており、南部での反撃が本物だと信じていたロシア軍にとって「ハルキウでの反撃」は青天の霹靂だったに違いない。

ウクライナ人の軍事アナリストは「クピャンスクの占領=イジューム付近に陣取っていたロシア軍の補給遮断」を反撃成功の要因に上げたが、撤退時の部隊運用がお粗末過ぎて驚いているとも述べ「連中は自信過剰で攻撃に対する備えが全くなく、このことからも分かるようにロシア軍の優位性は砲兵隊と重装備の数だけで、この要素が同じだけあればロシア人を打ち負かせる」と主張している。

出典:Сухопутні війська ЗС України

因みにイジュームの住民も「ウクライナ軍が街に入ってくると占領者は弾薬や装備を残したまま慌てて逃げていった」と証言しており、旧ソ連軍の伝統を受け継ぎ権威主義に染まったロシア軍は前進以外の運用性に欠陥があるのだろう。

関連記事:敗走を重ねるロシア軍、イジューム奪還で終わらないウクライナ軍の反撃
関連記事:ロシア国防省、ドンバス解放のためイジュームからの撤退を正式に発表
関連記事:ロシア軍が装備を捨てて逃げた? ウクライナ軍がイジュームやリマンを奪還か

 

※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

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コメント

    • パセリ
    • 2022年 9月 11日

    敵だけではなく、世界を騙し切る真のハイブリッド戦だな
    やってるのががロシアではなくウクライナなのが最高のジョークだがw

    82
      • ブルーピーコック
      • 2022年 9月 11日

      イェーイ!ゲラシモフ・ドクトリンを考えたゲラシモフくん見てるぅー!?

      それはそれとして、元ウクライナ安全保障会議書記のホルブーリン氏曰く
      『ロシアの「ハイブリッド戦略」の本質は、ロシアが自身の勢力圏への軍事介入を可能とする方法として編み出したものだという。ソ連時代に比べて国力・軍事力共に低下したロシアは、NATOと直接対決することが不可能なため、自国に可能なローコスト・ローテクな方法でNATOに対抗できるようにしたのがこの「ハイブリッド戦略」である』
      らしいので、弱者が強者を倒す手段として考えられた理論が実践・成功したという事ですね。おめでとうロシア。新しいアネクドートが生まれたよ。

      30
      • けい2020
      • 2022年 9月 11日

      これだけのウクライナ軍が攻勢準備していたのに、
      一切探知できないで、急増スパイを根絶されるだけで何も分からなくなるロシアにも責任があるよねw

      26
    • nojigoo
    • 2022年 9月 11日

    おそロシア改めおそウクライナですわ

    28
    • 名無し
    • 2022年 9月 11日

    まんまと騙されたー。こっちの攻撃は完全に牽制だと思っておりました。

    21
    • 通りすがりのななし犬
    • 2022年 9月 11日

    私は、南部ヘルソンが主戦場だと思っていたけれど、ウクライナ軍司令部の陽動作戦だったのか…! 見事なものですね。素人だし読めなくて当たり前だと思うけれども。ロシア軍でさえ引っ掛かったのだから。ヘルソンの解放はもう少し後か。東部戦線の状態が落ち着いてから、南部戦線に差し向ける主力の機甲部隊を編成するのか。

    ウクライナ軍司令部は、ロシア軍司令部が東部戦線を立て直すべく、陽動作戦に引っ掛かって南部に移動した主力を、やむを得ず東部にまた戻し始めたころを見計らって、ヘルソンに仕掛けてくるんだろうね。あるいは、移動を始めそうになったら、ちょっかいをかけ釘付けにするのかな?

    23
      • NHG
      • 2022年 9月 11日

      南部はロシア軍の弱体化に任せる気がする
      今の勢いのまま東部でも主導権を握り大陸側の補給路を脅かしつつクリミア大橋を破壊すれば、南部ロシア軍は継戦能力や抵抗意志を失うかもしれないから、南部での(戦車部隊による)ゴリ押しは最後の最後な予感

      13
    • tofu
    • 2022年 9月 11日

    あまりに展開が早すぎて軍事クラスタが困惑しっぱなしなのが、この事態のある種の異常さを表してるね
    大攻勢で前線突破に成功→まあどこかでロシア軍も反撃してくるから、評価はそれからやろ→反撃どころか潰走で、一気にイジュームまで奪還→一同宇宙猫の顔

    しかもこの大攻勢がまだ終わったわけじゃなさそうというか、東部のロシア軍が混乱してる間に叩けるだけ叩こうという雰囲気だし、プーチンが総統閣下並にお怒りになってそう

    あとはとち狂ってNBC兵器をロシアが使わないと良いけど……

    45
    • 7743
    • 2022年 9月 11日

    過去記事でロシアに横流しされようとした200億円相当の軍事物資が差し押さえられたのが、ハルキウだったと記事になっておりました。
    ハルキウはロシアに近い事もあって、かなり親露派も入り込んでいた可能性が高いですね。
    ヘルソンへロシア軍を手引きした軍人・政治家もいたと言う話ですし、
    戦争において何よりも怖いのは身内の裏切りだと思います。
    日本も有事に備えて、国内の反日活動家を取り締まる体制が必須であることは言うまでもありません。

    組織の腐敗で武器を失うウクライナ軍、支給されたのはマキシム機関銃

    68
      • K(大文字)
      • 2022年 9月 11日

      防諜能力を高めるべしには同感です。欲を言えば更に先を行って諜報能力獲得を目指して欲しいところ。
      その上で個人的な所感を申しますと、日本の場合確信的な裏切り者・思想的強度の高い反日活動家と言うよりも、多くの国民がうっすらと内向き思考で、目先のスキャンダルネタが好きで、外交安保に対して興味が薄く、マスコミもそのような国民に向けた“コンテンツ”を流し続ける…こうした現状の方が危ないと思います。

      なんだかんだ言って有事には目が覚めると思うんですよ、日本人。“覚まし過ぎる”くらいに。
      ただそれまでは寝ボケ倒している訳で、おらが村の下世話な話ばかりに夢中になって何の準備もやろうとしない。
      これを何と言えばいいのか、やはり「平和ボケ」「島国根性」くらいしか表現が見当たらない。
      とにかく『地球儀を俯瞰』出来る人が少ないし、そんなだからそれを成し遂げた人への評価もフェアに出来ない。
      ここ最近の世間様には、ほとほと失望しましたね。某国の大使にも諭されるレベルで、大概だと思います。

      74
        • K(大文字)
        • 2022年 9月 11日

        …すみません、もう少しだけ。
        日本人が『地球儀を俯瞰』しようとしないのは実に問題で、それが出来ない人がどんな事を言い始めるのかというと、例えばウクライナ戦争に対して

        ・ウクライナはクレクレばかりしている癖に感謝が足りない、という一文惜しみ的思考(そもそも日本は大して援助していない)
        ・日本は欧米に盲従せずにロシアとの間で強かに立ち回り、国益を確保すべきだ/仲裁すべきだ、という日本の立ち位置も実力も弁えない絵空事を真顔で主張する
        ・ロシアを追い詰めたのはNATOの拡大なのだからNATOとロシアで“政治的妥結”するべきだ、などという国際規範ガン無視の頭Z大国主義の発露

        …などと言ったたぐいの言説を、それなりの影響力がある人がテレビなどで垂れ流し続ける状況が現出する。
        ただ、現状で救いがあるとすれば日本政府レベルでは概ね妥当な外交対応ができており、又「ロシアの暴挙を許容すれば次はアジアでも同様のことが起きかねない」と適切な問題提起もなされているところ。
        マスコミ周りについても、個人名を列挙はしませんが信頼できる専門家が登場し出突っ張りなこと。
        そうしたところは、少し楽観的にも考えられます。

        54
        • general
        • 2022年 9月 11日

        前半には同意します。日本人は極端から極端に振れる傾向があるので、覚まし過ぎる危険は確かにあります。

        ただ最後の一文については殺害された前首相を筆頭に政界が反日カルトに深く汚染されていたことが発覚した以上世間が激しく動揺するのは仕方ないように思えます。
        また某大使の言い分については、これだけ世論がはっきりと二分しているデリケートな事案に対して「国民が一丸となって対応することが日本の懐」は些か全体主義が過ぎるでしょう。正直自分はかの国について所詮「旧ソ連のグルジア」でしかないのかと失望しました。

        23
          • K(大文字)
          • 2022年 9月 11日

          >反日カルトに深く汚染されていたことが発覚した以上世間が激しく動揺するのは仕方ない

          ここがまさしく『極端に振れる』悪い癖の発露だと思うんですがねぇ。
          最近やっと、関係の濃淡だのマトモな話も出てきましたがもう大炎上して国論が二分された後の祭りですし…
          あと、私は某大使の発言が全体主義的とは思いませんが、外交使節としてマナー違反気味とは思います。内政干渉とまでは言いませんが。
          ただ傍目から見ると、それだけ異様だったのでしょう。

          49
        • Nanashi
        • 2022年 9月 11日

        政治家の評価は人それぞれ違うのが当たり前なのでは
        サッチャーなんて死んだときに死を祝う歌がチャート入りした位だし

        3
    • アクアス
    • 2022年 9月 11日

    ロシアも第3軍団を東部に向かわせるとしていたあたりからすれば、ウクライナが東部に相当の戦力を集めていることに気付いてはいたんだろうが…

    5
      • tofu
      • 2022年 9月 11日

      ウクライナが攻勢に出ることが無かったから目立たなかったけど、想像以上にロシア軍が消耗してる可能性も

      前線を破られた後、ケアする動きすら無いってことは縦深防御が存在せず、空いた穴を埋めたりせめて退却するための時間稼ぎをするための予備兵力すら無いということに……
      いくら偽旗作戦で南部に兵力を移動してたとしても、ほんの数日でのイジューム陥落も意味不明ならセヴェロドネツクすら危うくなるほどの壊滅っぷりはロシアの歴史に悪い意味で残る敗北だよね

      22
    • makumaku
    • 2022年 9月 11日

    ハルキウ州駐留のロシア軍前線部隊は、攻め込まれたとき防衛線が崩壊して散り散りに潰走した模様。多くのロシア兵たちは、軍用車両に乗ると襲撃されるので、軍装備を捨て、(ある者は平服に着替えて、)徒歩でドネツク州方面へ逃走したらしい。ウクライナ情報部が盗聴したロシア兵たちとその家族の通話記録から明らかに。数多の鹵獲品とロシア兵捕虜が見られるのは、そういう理由なのだろう。

    19
      • 名無しさん
      • 2022年 9月 11日

      戦場で逃走するときは平服に着替えて、自転車で逃げるのがベストだなw

      14
        • あお
        • 2022年 9月 11日

        全然関係ないけど、「大脱走」の成功例の1つですね

        7
      • makumaku
      • 2022年 9月 11日

      CNNがこの件を記事にしていました。

      ”ロシア兵士、軍服捨て私服姿で逃走か 東部ハルキウ州”(9/11)
      リンク

      3
    • トブルク
    • 2022年 9月 11日

    私もロシア軍の防衛戦術が気になっていました。
    バラクリア、クピャンスク、イジュームと進撃したウクライナ軍は、止まることなく3日で100km以上を走破しています。
    進撃速度と現地の道路事情を考えると、ウクライナ軍の先鋒部隊は1個機甲旅団程度のように思えます。
    事前に浸透した遊撃部隊が進撃路を確保していたとは思いますが、途中のどこかでロシア軍が大隊レベルで組織的な抵抗線を築いていたら、1日ぐらいはウクライナ軍を食い止め、戦線を再構築する時間を稼ぐチャンスもあったはずです。
    BTGは運用が難しいとのことですが、部隊レベルの編成や運用の問題以上に、軍司令部レベルでの防衛準備ができていなかったことが大きい。
    ロシア軍は、7月後半には戦争の主導権を失っていたのに、攻勢から守勢に戦略を転換しなかったことが、大失態の要因かなと思います。

    18
      • 名無しさん
      • 2022年 9月 11日

      本来であれば第二陣を用意して、備えておくべきでしたが、根こそぎヘルソンへ連れて行ったのでしょうね。

      ウクライナの東部戦線はこの所、遅滞戦術を採って、少しずつ撤退しながら戦い続けましたが、
      それが簡単ではないことを、今回のロシア軍は身をもって示してくれましたね。

      25
        • きっど
        • 2022年 9月 11日

        >本来であれば第二陣を用意して、備えておくべきでしたが、根こそぎヘルソンへ連れて行ったのでしょうね。
        なお、連れて行った先はヘルソンではなく、極東のボストーク演習だった模様
        ……これがマジならば、西側総宇宙猫どころか、ロシアの頭Z族ですらブチギレますわと

        11
      • けい2020
      • 2022年 9月 11日

      BTGって、指揮系統・通信系統・補給系統が確立されてる前提だと思われるので
      その全てが最低限しか存在してないロシア軍には、最初から機能しない部隊構成だったのではないかと

      今するべきは第二次世界大戦のソ連のように、逃げるものは全部殺す督戦隊と
      指揮も通信も最低限ですむ、ただ前にだけ進む戦術でしょう

      7
    • nojigoo
    • 2022年 9月 11日

    ド素人の自分は東部反攻が始まった時は、こちらが陽動で第三軍とやらを足止めするためかなとか思ってました。こっちが本線だったんですね。ド素人ついでにお教えいただければと思うんですが、この21世紀、超精細な衛星画像ありドローン飛びまくりで戦場認識力爆上げの陸上戦で、奇襲やら電撃戦やらってもう成立しなくなったと思ってたんですが、なんでこんなことが起こったんでしょうか。おまけにスパイ狩りが対策とか戦国時代かよとか思っちゃうんですが。

    10
      • すえすえ
      • 2022年 9月 11日

      ロシア軍も第三軍団を東部に入れようとしていたあたり部隊が集結しつつあったことは具体的にはわからずとも察してはいたと思います

      ただヘルソン方面の方が部隊の人員数的にはたぶん多かったんじゃないかなそれ故ロシアは主攻をヘルソンと判断していたんじゃないかとハルキウ方面は陽動だろうと。

      ただ開けてみれば最新兵器をハルキウ方面に固めて主攻はこっちだった。
      だからといってヘルソン方面で戦っているウクライナ軍も本気でヘルソンを奪還するつもりで戦っていると思いますが
      それゆえウクライナ軍内部にスパイがいたとしてもスパイはヘルソンが主攻だと報告したかもね
      少なくとも一般兵にはヘルソン主攻ハルキウ助攻と信じさせていたともう

      反攻が始まる直前にハルキウの部隊には情報をオープンにしたとおもうけど

      15
      • てつ
      • 2022年 9月 11日

      私も不思議だったのでちょっと考えたのですが、衛星やUAVがあっても結局判断するのが人間だからではないかと思います。
      今回の反攻作戦は、ヘルソンで始まり、次にザポリージャで少し動きがあった後、最後にハリコフの順でした。
      ヘルソンではウクライナが優勢ではあったものの、やや攻めあぐねているようにも見えました。
      そんなときにハルキウに集結中のウクライナ軍部隊をロシア軍が発見しても、ヘルソンへの援軍と判断してしまう可能性もあるのではないかと思います。
      自分達もヘルソン方面に援軍を出している訳ですから、ウクライナ軍もそうするはずと考えても無理はないです。
      寧ろウクライナ軍よりも早くヘルソンに到着させなければと、急いで出発させた可能性すら考えられます。
      「ハルキウのウクライナ軍がイジュームに侵攻してくる」という情報を知らせる可能性のあるスパイの方が厄介でしょうね。
      敵がどの侵攻ルートを使うのかが明らかになると防衛側が有利なのは、日本海海戦を見るとよく分かりますし、不明のままだとエラいことになるのはマリアナ沖海戦を見ると分かりますね。

      7
      • ブルーピーコック
      • 2022年 9月 11日

      スパイ狩りは今でも日常茶飯事です。例を上げるなら2年前にアメリカで元CIA職員だった中国系アメリカ人が逮捕されたり、10年前はCIA内部の二重スパイにより中国国内でCIA協力者を一斉摘発したりしてます。
      日本でも昨年末に警視庁公安部が法人向けウイルス対策ソフトを不正に購入しようとした元留学生・王建彬の逮捕状を取ったりしてます。既に中国に帰国してるけど。

      戦場監視に関しては詳しくは分かりませんが、黒海などに展開している航空機のみならず、200以上と言われる軍民両方の人工衛星による情報を得たアメリカから情報提供されているウクライナとロシアでは情報収集能力に差があるんでしょう。

      15
    • nojigoo
    • 2022年 9月 11日

    ド素人の自分はこっちが陽動と思ってしまいました、第三軍とやらを足止めするためとか。ド素人ついでにお教えいただければと思うんですが、超高精細衛星画像にドローン飛びまくりとかの21世紀の戦場で、奇襲やら電撃戦やらとか成り立つもんなんでしょうか、って立派に成り立ってるわけですが。しかもその秘匿対策がスパイ狩りとか戦国時代かよっていう香ばしいものだったりするのが不思議です。なんだかこのベレゾベツさんの言うことも疑い始めてしまう脳内カオスをお救い下さい。

    1
      • TKT
      • 2022年 9月 11日

      そりゃ当然ですよ。偵察衛星もドローンも完璧でもなければ万能でもありません。機械であるから故障もあるし、通信障害もある。デジタル庁のe-Govも不具合が続いているし、コロナの感染対策の全数把握が無理になって、定点観測とかいっているのも、入力作業が医療機関の負担になるというような理由です。

      今回のウクライナ軍の反撃が成功した理由は、T-72戦車だとか、Pzh2000自走榴弾砲だとか、あるいはMiG-29戦闘機によるレーダーやジャマ―の破壊だとかいわれますが、対レーダーミサイルなどは、逆に電子戦、電気通信兵器の欠陥をつく兵器です。

      おそらくロシア軍の方はハルキウ州方面のウクライナ軍には、すでに多数の戦車は装備されていない、T-72が回されているのはヘルソン州の方面だ、と判断して、比較的軽装備の空挺軍の部隊をイジュ―ムに配備する戦略予備部隊としていたのでしょう。

      そういう判断から、第1親衛戦車軍の部隊などもヘルソン州へ移動し、代わりに予備として配備されたのが空挺軍の部隊だったのでしょう。

      空輸可能な軽量の装備しかない空挺軍の部隊は、精鋭ではありますが、本格的な装備の戦車部隊、機械化部隊には正面からは対抗するのは難しいと言えます。

      ウクライナ軍の方も、虎の子の切り札であるT-72戦車を配備して再編成をするからには、T-72戦車に慣れたベテランで生き残りの戦車兵に優先的に与えたのではと想像できます。

      今ヒットしている映画
      「トップガン マーヴェリック」
      などと同じで、対レーダーミサイルを装備するMiG-29のパイロットもそうでしょう。

      T-72も、MiG-29も最新鋭の兵器では決してありませんが、そうであるからこそ、戦車兵やパイロットは
      「トップガン マーヴェリック」
      のマーヴェリック大佐のように、経験に裏打ちされた直感的な判断で兵器を操作することができるのです。

      マスコミにT-72戦車が時代遅れだ、すぐに誘爆するビックリ箱だと罵倒され、嘲笑されていたときも、ウクライナの戦車兵はT-72を信頼し、T-72の重要性を訴え、T-72の供与を求め続けていたのです。

      そういう経緯があったうえでなおも今、T-72に乗り込むウクライナの戦車兵は、もはや
      「一心同体」
      の境地に達しているかもしれません。

      ガスタービンで燃費の悪いM1エイブラムス戦車だったら、これほど早い前進はできなかったかもしれません。

      逆にハイマースやバイラクタルの方が単なる囮の見せかけで、本命はT-72や、MiG-29だったということでしょうか。

      スパイ狩りという風魔一族と伊賀忍者と戦いのようなのが重要というのも当然で、サイバー攻撃だとか、通信傍受だとか、SNSの情報だけでは正確な状況判断、状況認識はできないということです。

      偽情報も多く、コロナの感染者の全数把握が困難というように、全ての情報をアップすることは元から困難なのです。

      ドローンにしてもUAVジャマ―というのがあり、常に監視ができるとは限りません。人間の眼で見る方が速いということも多いのです。

      10
      • tofu
      • 2022年 9月 11日

      真相は藪の中なので分からないんですが、ロシアの偵察衛星が機能していない可能性は指摘されてますね
      ドローンについては、ウクライナ軍の防空網が健在である以上、前線監視ならともかく戦術レベルの偵察をできるほど前には出せないんじゃないですかね

      そもそもロシア軍がグローバルホーククラスの高性能偵察ドローンを持ってるから知らないですけど

      15
      • 航空太郎
      • 2022年 9月 11日

      ロシア版GPSのGLONASSですけど、予定性能を維持する為の代替衛星打ち上げも2009年から滞っており、その大半が姿勢制御用の推進剤を使い果たしているとも言われています。そのせいで、衛星軌道がズレていて、一応ソフトで補正はしようとしてるけど、補正しきれないときにはかなりおかしな値が出たりもしてるんだとか。

      ロシア軍が自軍専用の通信網を構築できず、ウクライナの民生通信網を連絡に使っていたり、誰でも聞けるアナログ無線で、平文(隠語を使わない)で会話してるなどの体たらくでもあります。

      なので、推測でしかありませんが、偵察衛星がまともに機能していないか、或いは衛星から情報を得ても、それを迅速に処理して、意味のある情報を引き出す部門の能力がとても低いと考えられます。

      ロシア軍は、精密誘導兵器の用意にも苦慮していて、攻撃機が無誘導爆弾をばら撒いてる有様ですし、精密誘導兵器と言いつつ、その誘導性能は初期の頃のレーザー誘導爆弾にも劣るので、ロシア軍の構成は、レーザー誘導爆弾が導入される前の米軍、つまりベトナム戦争中期(1970年頃)の技術レベルが基本で、そこにドローンを組み合わせてる、そんな奇妙な状態じゃないか、と思います。

      16
        • きっど
        • 2022年 9月 11日

        >ロシア軍の構成は、レーザー誘導爆弾が導入される前の米軍、つまりベトナム戦争中期(1970年頃)の技術レベルが基本で
        重箱の隅を突きますが、米軍ならば1972年にはレーザー誘導爆弾を導入して、かの有名なタン・ホア橋を破壊していますよ

        2
          • 航空太郎
          • 2022年 9月 11日

          いえいえ。その事例が念頭にあるので、1970年頃(1972年より前)って感じに書きました。誤解を招く表現ですみません。
          同橋撃破前の爆撃では、橋の近辺を月面かと思えるほどストライクパッケージでボコボコに爆撃したのに橋は健在、橋という細くて爆風が抜けてしまう構造物を爆撃で壊すことの困難さに、米軍が頭を悩ませた時代でした。

          7
    • 無無
    • 2022年 9月 11日

    裏切り者ってひとくくりにするような単純思考は現代にそぐわないよ、
    しかし裏切り者は確実にいるし、それはむしろ反戦だの平和だの公言してない奴さ
    どこのスパイがわざわざ平時に身バレするような発言をするものか、保守や愛国を騙ってるのが反日カルトだったりする現実を厳しく認識すること
    戦時下のウクライナを今の日本と被せるのは安易に過ぎる

    14
    • タイヤキ
    • 2022年 9月 11日

    ウクライナ軍の戦力の優位勢である数で押しているでしょうね。
    ヘルソン囮というかヘルソンとイジュームの両面作戦でヘルソンはロシア軍が互角に戦えているが、ヘルソンから兵力引き上げたらヘルソンが陥落するし、ウクライナ軍ヘルソンは数で、イジュームは電撃戦用の戦車部隊で戦っているからロシア軍なかなか東部に援軍送れないでしょ。
    東部には第三軍団送られているはずだがまだ到着していなかったか別方面に配備されていましたかね。
    クリミアせめてクリミアの飛行機部隊もロシア国内に下がったために余計に予備兵力が東部に到着おくれそう。
    新ロシア派やロシア人が道路つかい逃げているのもあり道路もミサイル攻撃難しいでしょうね。
    スターリンの冷酷さあれば出来たでしょうが、プーチン大統領は部下含めてロシア国民の支持で成り立っている政権なためにロシア人大量犠牲者は政権揺るがしますからね。

    2
    • 猫ちゃん
    • 2022年 9月 11日

    しれっと「裏切り者は根絶やしにした」と言えるの結構すごいことだよね。
    暗殺作戦も実行中なんだろうか。

    12
      • 匿名さん
      • 2022年 9月 11日

      >暗殺作戦を実行中なんだろうか
      露助なら実行する事をウクライナもやるように書いて欲しくないな。

      ってかいくら裏切り者を排除してもこれだけの作戦が全く漏れないとか異常。
      それだけウクライナの結束が強固だと言えますね。

      12
        • 霞ヶ浦
        • 2022年 9月 11日

        いや正直これはガチのサイレント粛清だと思ってる…
        後々話は出てくるだろうが

        6
        • けい2020
        • 2022年 9月 11日

        裏切り者がつかう通信がウクライナのものを使ってる
        ロシア軍の通信傍受分析してるので、同じ要領で裏切り者の通信で炙り出せるのかと

        8
      • 名無しさん
      • 2022年 9月 11日

      ウクライナは死刑制度が廃止されているので、建前上、極刑は出来ないんですよね。
      根絶やしがどのような方法かは不明ですが、投獄するだけで済ませられるのかな。

      2
      • 名無し
      • 2022年 9月 11日

      日本も赤狩りやろうぜ

      10
        • きっど
        • 2022年 9月 11日

        やったら、事実上テレビも新聞も無くなるでしょう
        下手したら、県単位で警察すら無くなるかも……

        14
        • ブルーピーコック
        • 2022年 9月 11日

        慌てるんじゃあない。まずはスパイ防止法からだ!

        5
        • 月虹
        • 2022年 9月 11日

        戦後日本では1949年のイールズ声明を機に1952年のサンフランシスコ講和条約が結ばれるまでレッド・パージが行われ「日本共産党員とその同調者(シンパ)」という理由で1万を超える人々が公職や民間企業から追放・失職した。1952年に日本の主権が回復すると1947年に施工(公布は前年の1946年)された日本国憲法が効力を持ち、憲法が保障する「思想・良心の自由(19条)」から「共産主義」を理由とする赤狩りは違憲となり実施が不可能となった。

        一方、憲法では「信教の自由(20条)」も保障されていることから当時の自民党ではこれを逆手に取り、反共を掲げていた統一教会と手を結び、統一教会の布教により共産主義(社会主義)の浸透を押さえて行こうと考えたのでしょう。また当時、勢いのあった日本共産党や日本社会党といった左派政党に選挙で勝つためには票田の開拓が急務であり、組織として選挙協力を行った統一教会の力は自民党にとって心強いものだったと考えられます。

        5
    • ブルーピーコック
    • 2022年 9月 11日

    ロシア軍は改革を進めていたアナトリー・セルジュコフをスキャンダルで追い落としたツケが回って来たかな。まあ自業自得だが。

    13
    • タイガ
    • 2022年 9月 11日

    ロシアの占領統治に協力する裏切り者って
    敵前逃亡とかの何十億倍も国家に対しての叛逆行為だと思いますけど
    「裏切り者は根絶やしにした」
    ってのはやはり、こう…物理的に地球上から処理したんですかね?

    10
      • TKT
      • 2022年 9月 11日

      バラクリアの市役所の屋上にウクライナ国旗を掲げていたクラーケン連隊は、もともとハルキウのサッカーチームのサポーターを中心に編成されたというアゾフ連隊を除隊した元・兵士を、ロシア軍の侵攻後に召集して編成したという、国防省直属の連隊、アゾフ連隊の予備隊であり、ロシア政府が主張するところの民族主義者の過激派の連隊です。

      今は削除されていますが、昔は公安調査庁のホームページでもアゾフ連隊はテロリストと説明されていて、ウクライナ政府も、昔はそういう人も多かったが、今は一般人が増えて、そういう過激な感じは薄まっていると説明されています。

      しかしこういう状況であれば、ただの一般人が過激化してもおかしくありません。太平洋戦争中の日本でも、一般市民が竹槍で米兵を刺殺する訓練を行っていました。

      太平洋戦争中のアメリカでも排日運動があり、多くの日系人が強制連行されて砂漠にある収容所に入れられました。フィリピンでもアメリカ軍に協力するフィリピン人ゲリラが日本兵を襲撃しました。

      米軍統治下の韓国でも、韓国軍による済州島四・三事件のようなのがあり、朝鮮戦争中にも保導連盟事件のようなのがありました。

      ポーランド政府は、第二次世界大戦末期にウクライナ蜂起軍が多数のポーランド人を虐殺したと主張し、ウクライナ政府はそれを否定していますが、私にはどっちが本当だかはよくわかりません。

      しかしもっと詳しい説明のないことには、反撃を行ったウクライナ軍が虐殺をしているように誤解や勘違いされても仕方のない部分もあるでしょうし、あるいはひょっとすると誤解や勘違いではないのかもしれません。

      2
        • とくめい
        • 2022年 9月 12日

        >今は削除されていますが、昔は公安調査庁のホームページでもアゾフ連隊はテロリストと説明されていて、

        「国際テロリズム要覧」は、内外の各種報道、研究機関等が公表する報告書等から収集した公開情報を取りまとめたものであって、公安調査庁の独自の評価を加えたものではなく、当該記載についても、公安調査庁が「アゾフ大隊」をネオナチ組織と認めたものではありません。
        リンク

        1
      • TKT
      • 2022年 9月 11日

      もともとハルキウのクラーケン連隊は、アゾフ連隊を除隊した予備役、OBで編成した予備のアゾフ連隊ともいうべき連隊で、ロシアからすればいわゆる民族主義の過激派の連隊です。

      ウクライナでは、ポーランドが第二次世界大戦末期に多数のポーランド人を虐殺したと主張する
      「ウクライナ蜂起軍」
      の名誉回復などもあり、過激な言動が増えているのは事実と言え、行動の方もよくわかりません。

      たとえ宣伝であっても、過激な言動や主張。煽動が増えれば、それを真に受けて実行するウクライナ兵などがいても決しておかしくありません。

      関東大震災では、日本人の一般市民が在日の朝鮮人を虐殺したという話もありました。朝鮮戦争でも保導連盟事件のような虐殺事件がありました。

      国家や政府、上官の命令でなくても、煽動された一般市民や、兵卒が、自主的に、あるいは勝手に虐殺を行う場合もたくさんあります。中国文化大革命の紅衛兵もそうです。

      1
    • ゆが
    • 2022年 9月 11日

    あり得ない話ですが
    突如日本中の自衛隊の駐屯地に宇宙から巨大隕石が落ちてきて自衛隊が半壊したその隙をついて
    半島の某国が北陸地方で限定的な特殊軍人作戦を開始する!!
    とか宣言して侵攻来たとして、

    北陸地方での某国の軍政に協力して、
    自衛隊の行動を密告したり統治に反発する近隣住人を密告したり
    北陸は永遠に半島のものである!!
    とか発言する今のロシア軍の支配地域にいるような裏切り者居たとして

    そういう裏切り者は敵軍より先に地球上から除去するべきだと思いますから、
    ウクライナが少し過激な事をしていたとしても我が身に置き換えれば当然の事だと理解できます。

    3
      • あお
      • 2022年 9月 11日

      まあ、分かるけど、それを立法府で審議してできた法律に則って実施しなければ、某権威主義の国家と同じ、というところが重要
      また、審議にあたっては、可能な限り広く意見を集め、お互いが他を尊重しながら、落としどころを擦り合わせることが必要
      民主主義というのは、そういう面倒なもので、でも最善にはならんけど、誤りの振れ幅を狭めた次善を取れるもののはずです
      ウクライナに民主主義国家になって欲しいなら、法律の遵守は当然求めなければね

      8
    • 通りすがりの動物号
    • 2022年 9月 12日

    ハリコフ地方のSBUの元長官 (治安担当)が拘束されたことが明らかにされましたね。
    リンク
    裏切者はSBUの地方長官だったのか。

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