欧州関連

ウクライナのスタートアップ企業、敵ドローンを迎撃ドローンで破壊する技術を開発

ウクライナのキエフを拠点するスタートアップ企業がドローンを低コストで迎撃できる技術(カウンタードローン技術)を開発したと注目を浴びている。

参考:linkedin UAV INTERCEPTOR (Anti-Drone)
参考:Ukrainian startup develops low-cost drone interceptor

敵ドローンを迎撃ドローンで破壊する斬新な技術を開発したウクライナのスタートアップ企業、製品化のための資金を募集中

この企業が開発した技術は敵ドローンを迎撃ドローンで破壊するという斬新なもので、光学センサーやレーダーなどの外部センサーが敵ドローンを検出すると瞬時に情報がインターセプトユニットに送信され自動(または手動)で迎撃ドローンを射出、迎撃ドローンと敵ドローンの距離が20mまで接近すると機首を目標に向けるための機体制御が始まり約3mまで近づくと迎撃弾を発射して目標を破壊、迎撃ドローンは自動的に射出地点に戻って着陸すると言う仕組みだ。

出典:Oleksii Khomich UAV INTERCEPTOR (Anti-Drone)

迎撃ドローンは円柱型の折りたたみ式クアッドロータ型(総重量910g)で、射出地点に戻ってきた迎撃ドローンの再使用には弾頭の補充とバッテリーの交換に30秒かかると説明されており、迎撃弾は目標の種類や動作モードに応じて複数の種類を用意すると開発者は言っている。

現在、この企業は開発したカウンタードローン技術の実用化や製品化に資金を必要としており「linkedin」で投資家やパートナーを募集している最中だが、複数の海外メディアが「斬新なアイデア」に注目して取り上げているため早々に必要な資金を手に入れる可能性が高く、もしかすると敵ドローンを迎撃ドローンで破壊する斬新な技術が本当に製品化されるかもしれない。

この企業は開発したカウンタードローン技術に「先見性」や「革新性」があるのなら欧米の防衛産業企業がプロジェクトごと買収に動くかもしれないので、今後の成り行きにも注目が集まるだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:Oleksii Khomich UAV INTERCEPTOR (Anti-Drone)

トルコ、垂直離着陸が可能なステルスUAV「バイラクタDİHA」が登場前のページ

センサーとシューターの分離が進む欧州、UAVを活用して対戦車ミサイルを視界外の目標に発射次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    英国軍、バイラクタルTB2の成功を受けて安価なUAV調達を検討

    英国軍はトルコ製UAV「バイラクタルTB2」の成功を受けて、安価で武装…

  2. 欧州関連

    トルコ、T-7AやFA-50と競合する練習機/軽攻撃機「Hürjet」が初飛行

    トルコは第5世代機の訓練に最適化された超音速練習機「Hürjet」の初…

  3. 欧州関連

    ドイツ、次期主力戦車「MGCS」開発計画に参加する新しいパートナー国を今年9月に発表?

    ドイツの国防当局者は9月に開催されるMGCSプログラムの独仏協議後に新…

  4. 欧州関連

    スロバキアがドイツの要請を拒否、レオパルド2A4の提供数が少なすぎる

    スロバキアはドイツから「レオパルド2A4を提供するので保有するT-72…

  5. 欧州関連

    サーブ、年間40万発の対戦車ミサイル生産を2025年までに可能する?

    サーブはスウェーデン工場の生産能力を2025年までに倍増させて「年間4…

  6. 欧州関連

    ポーランド外相、ウクライナとの2ヶ国関係は衰退期に突入しつつある

    ウクライナに対するポーランドの政治的な攻撃はますます激しくなっており、…

コメント

    • 匿名
    • 2021年 1月 22日

    エリア88に出てきた架空の兵器システムみたい。

    6
      • 匿名
      • 2021年 1月 22日

      対空地雷かな? 同じこと考えてた
      まあ、エリア88のはフルサイズの有人機相手だが

      1
    • 匿名
    • 2021年 1月 22日

    フェンネルというかドラグーンというか……そのうち戦車や機動戦闘車両にモジュール化して装備されそうな予感

    母機を地上接地するより無人戦闘車両でも開発して戦場徘徊させとくほうが生存性向上しそう

    9
    • 匿名
    • 2021年 1月 22日

    面白いこと考えたな、レーダー施設との連携が前提だけど、これなら分散配置して拠点防衛に使えそうだし本体と設置装置のサイズによってはカモフラージュして隠せそうだから、上手いこと開発出来たらUAV対策の最適解になりそう

    6
    • 匿名
    • 2021年 1月 22日

    ドローン戦争の始まりじゃ

    7
    • 匿名
    • 2021年 1月 22日

    ドーロンは草www

    1
      • 匿名
      • 2021年 1月 22日

      修正されててさらに顔面草まみれや

      3
    • ソソソナス
    • 2021年 1月 22日

    「迎撃ドーロン」になってますが間違いなのか正しいのか?

    2
    • 匿名
    • 2021年 1月 22日

    これが実用に耐えうるされるならハーピー運用しているイスラエルがとっくに実用化してると思うのだが…

      • 匿名
      • 2021年 1月 22日

      ハーピーは迎撃に本式の対空ミサイルを持ち出しても割に合う存在でしょう。そもそも主目的が防空システム制圧破壊だし
      これは、民生やそれに毛の生えたレベルのドローンが相手でしょう。ジャミングガンでは落ちないか、不安が有る場合の破壊阻止用と

      7
    • にわかミリオタ
    • 2021年 1月 23日

    日本が開発中の兵器レーザーよりも簡単そう。

    2
    • 匿名
    • 2021年 1月 23日

    カウンターUAVを敢えて直撃させず、ニアミス時に何らかの攻撃手段でドローンを繰り返し攻撃させる。
    ターゲット選定はAIがやるようだけど、どのように区別するのか気になる。ディープラーニングで正確に、絞り込めるのかな?

    3
    • 匿名
    • 2021年 1月 23日

    これを戦闘車両に載せて運用できるならば、車両攻撃用の自爆ドローンを迎撃できる
    なかなかのアイデアだね

    2
    • 匿名
    • 2021年 1月 23日

    不審者対策の投網みたいなやつを打つドローンとかどうかねぇ。

    1
      • 匿名
      • 2021年 1月 23日

      マジで警視庁あたりがテロ対策に研究していそうだな
      殺さずに確保、てのは軍でなく警察の範囲だからね

      1
        • 匿名
        • 2021年 1月 24日

        軍事でもアクタン・ゼロや金門砲戦(諸説あり)のサイドワインダーの様に鹵獲によって状況が動いた事は歴史上いくつもありますからね。
        無人のドローンならなおのこと鹵獲を積極的に狙うのは一つの手かもです。

        1
    • 匿名
    • 2021年 1月 23日

    迎撃ドローンを迎撃ドローンするドローンを開発しないと

    2
      • 匿名
      • 2021年 1月 23日

      ドロンドロンとオバQか

      2
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
  2. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  3. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  4. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  5. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
PAGE TOP