ウクライナ戦況

ウクライナ軍が再びドニエプル川に掛かる橋を攻撃、クリミアでは本土に逃げる車で大渋滞

ウクライナ軍が再びHIMARSでアントノフスキー橋とノーバ・カホフカ水力発電所を攻撃、クリミアでは防空システムや対空火器が連日作動する街から現地住民や観光客が逃げ出し大渋滞が発生している。

参考:В ЗСУ підтвердили удари, завдані по Антонівському мосту в Херсоні
参考:ЗСУ вчергове обстріляли міст біля Каховської ГЕС
参考:В Севастополе срочно начали проверку бомбоубежищ после серии взрывов

このままパニックが広がればクリミアに浸透しているウクライナ軍特殊部隊やパルチザンは動きやすなるため好都合だ

ウクライナ軍は再びアントノフスキー橋とノーバ・カホフカ水力発電所を攻撃、特にアントノフスキー橋への攻撃は「弾薬を満載した車輌に命中した」と言われており、現地住民はドニエプル川を自家用車で渡るためのアントノフスキー橋はもう存在しないと話しているらしい。

さらにクリミアのラズヴォジャエフ知事は「信頼できる防空システムが保護しているのでパニックを起こす必要はない」と呼びかけているが、一連の爆発や無人機の侵入を受けて防空壕や避難所の準備を始めており、防空システムや対空火器が連日作動するセバストポリやエフパトリアから逃げ出そうとする車が大渋滞が引き起こしている。

つまり線路が謎の爆発で損傷したため鉄道輸送がストップ、毎日夜になると空襲警報が鳴り響き防空システムが作動するため、不安に駆られた現地住民や観光客は我先にクリミアから車で逃げ出そうとしているため現地の交通事情が悪化しているという意味だ。

このままパニックが広がればクリミアに浸透しているウクライナ軍特殊部隊やパルチザンは動きやすなるため好都合だが、これを阻止したいロシア軍にとっては頭の痛い問題だろう。

関連記事:セバストポリでは4日間連続で防空システムが作動、市内にはサイレンが鳴り響く

 

※アイキャッチ画像の出典:Photo by Lance Cpl. Nicholas Guevara

三菱電機がエジプトとレーダー輸出について協議中、ネックは米国の承認か前のページ

ウクライナ軍総司令官、179日間で約9,000人の英雄が戦死したと発表次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    独KMW、ウクライナへPzH2000×100輌提供をドイツ政府に提案

    独クラウス・マッファイ・ヴェクマンは9日、ドイツ陸軍が保有するPzH2…

  2. ウクライナ戦況

    155日を迎えたウクライナでの戦い、HIMARS用弾薬の供給問題が浮上

    ウクライナ軍はロシア軍の前進を2ヶ月間も阻止してきたルハンスキーを放棄…

  3. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍、HIMARSでメリトポリとアントノフスキー橋を再び攻撃

    メリトポリの工業地区に配備されたロシア軍部隊がHIMARSの攻撃を受け…

  4. ウクライナ戦況

    スイス、ゲパルトの弾薬に続きピラーニャIIICのウクライナ移転を拒否

    ドイツが要請した35mm弾薬のウクライナ移転をスイス政府は拒否して注目…

  5. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍、補給を阻害して守備的な戦いをロシア軍に強いている

    英国防省は13日、ノーバ・カホフカ水力発電所と陸地を繋ぐ併用橋について…

コメント

    • 迷子の無人機
    • 2022年 8月 22日

    ウクライナが上手く扱えてるのはいいのだが、どうも別方向からロシア軍が来てて迂回ルートで補給ライン狙われてるみたいなのよな。後退しすぎて兵站用の道潰されなきゃいいんだが…。

    5
      • くらうん
      • 2022年 8月 22日

      確実にロシア軍の戦力を削っているもののまだ一部押されてますからね。
      南部はここでヘルソン市郊外まで前進しておかないと反撃の機運を逃してしまうと思うんだけど、それでも動いてないのはやっぱり機動戦力が足りないのかな。

      7
    • くらうん
    • 2022年 8月 22日

    クリミアの善良なる市民()からしたらテレビやTeleglamで「快勝!ファシストを壊滅!」と見続けて信じ切っていた矢先にいきなり連日キノコ雲を生で見せられてるんだものな。取り乱さないわけがない。
    ドゥーリットル空襲が10日間連続で来てるようなもんだし。

    15
    • 鳥刺
    • 2022年 8月 22日

    「クリミア大橋を破壊する手段が無い? 橋上の満載の弾薬列車にコマンド攻撃か自爆無人機を突っ込ませればよろしい」なんて事を実現性度外視で玩んだことはありますが、あながち冗談じゃなくなってきましたね。

    それにしても、ロケット弾の迎撃も出来ず探知警報を流すでもないヘルソン橋周辺のロシア軍防空システムはどうなっているんでしょう? やはりロシア製兵器システムはウクライナ人が使わないと駄目なんですかね?

    >「信頼できる防空システムが保護しているのでパニックを起こす必要はない」
    情報遮断下でも、黒海艦隊最高司令部を防護出来ないていたらくでは虚しく響くんでしょうね。

    20
    • 2022年 8月 23日

    「ロシア人にとってウクライナ侵攻は他人事」みたいなことが言われてるけど、
    クリミアにいるロシア人にとっても他人事なのかなぁ? だったら慌てて逃げなくても良いじゃないですかぁ?

    5
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  2. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  3. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  4. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  5. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
PAGE TOP