ウクライナ戦況

ウクライナ軍、HIMARSでメリトポリとアントノフスキー橋を再び攻撃

メリトポリの工業地区に配備されたロシア軍部隊がHIMARSの攻撃を受けて100人以上が死亡、復旧に取り組んでいたアントノフスキー橋も3度目となるHIMARSの攻撃を受けて炎上している。

参考:Ночью HIMARS ударили по пунктам оккупантов в Мелитополе, 100 убитых – мэр
参考:ЗСУ знову вдарили по Антонівському мосту в Херсоні й ще по п’яти місцям дислокації окупантів в області

今後もヘルソンへのロシア軍の補給は水力発電所経由か、渡し船に依存することになるのだろう

メリトポリ市長のイヴァン・フェドロフ氏(メリトポリはロシア軍の支配下にあるため実際の行政には関与していない)は8日、自身のTelegramに「メリトポリの工業地区へ一時的に配備されたロシア軍部隊をウクライナ軍がHIMARSで攻撃した。仮設兵舎にいた100人以上のロシア軍兵士と相当量の装備が破壊された」と報告しており、ロシア軍はメリトポリに配備していた防空システムの大半を先週ヘルソンに移動させたため「メリトポリを攻撃するなら今夜が最も効果的だった」と付け加えている。

メリトポリに飛来する攻撃を映した動画もTelegramに投稿しているが、メリトポリのどこに着弾したのか、ロシア軍部隊が被った被害を示す視覚的な証拠はないのでフェドロフ氏の言及内容が真実かどうかは不明だ。

ただウクライナ軍はメリトポリを攻撃した同じ日、ロシア側が復旧に取り組んでいたアントノフスキー橋への3度目となる攻撃を行い「橋の構造物に着弾したシーン」が投稿され注目を集めているが、まだ攻撃によって生じた被害は不明で、橋を修復するため持ち込まれた装備がHIMARSで攻撃され炎上しているという指摘もある。

どちらにしてもアントノフスキー橋に対する3度目の攻撃が行われたのは事実で、今後もヘルソンへの補給はノーバ・カホフカにある水力発電所を経由するルートか、アントノフスキー橋の脇で運行される渡し船(渡河機材を流用した一時的なもの)に依存することになるのだろう。

因みにロシア軍はアントノフスキー橋を守るためレーダーリフレクターを設置していたが、やはりHIMARSが使用するGMLRS弾(GPS+INS誘導のロケット弾)には効果がないのだろう。

関連記事:ロシア軍はアントノフスキー橋の復旧を急ぐ、ウクライナ軍はHIMARSによる攻撃を継続

 

※アイキャッチ画像の出典:Telegram経由

対レーダーミサイルAGM-88の残骸がウクライナで見つかる、HIMARSから運用か前のページ

ロシア軍がウクライナ軍が保管していた4.5万トン分の弾薬を破壊???次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍の反攻、ヘルソン州のノボボロンツォフカ奪回に成功

    ロシア軍参謀本部作戦本部のセルゲイ・ルドスコイ大将は金曜日の会見で「ヘ…

  2. ウクライナ戦況

    バフムート市内の戦いは駅周辺とMiG-17モニュメント周辺が激戦区

    バフムート市内を巡る戦いは駅周辺とMiG-17モニュメント周辺がホット…

  3. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍、1400輌以上のロシア軍車輌と5710人の兵士を無力化

    ウクライナ国防省は1日午前6時時点までロシア軍に与えた損害について車輌…

  4. ウクライナ戦況

    ゼレンスキー大統領、西側製防空システム「NASAMS」を受け取った

    米CBCが25日に放送した番組の中でゼレンスキー大統領は「NASAMS…

  5. ウクライナ戦況

    ウクライナ侵攻372日の戦況、ロシア軍がバフムートのアクセスルート遮断に王手

    ウクライナ侵攻372日の戦況はロシア軍がバフムートのアクセスルート(0…

  6. ウクライナ戦況

    バフムート市内のウクライナ軍後退は鮮明、ロシア軍が駅方面から西部に侵入

    ロシア軍がバフムート駅方面の線路を越えたことを視覚的に確認、しかも抵抗…

コメント

    • 成層圏
    • 2022年 8月 08日

    工業地帯がどこか分からないが、HIMARSがメリトポリに届くのか。
    結構距離がありそうだが。

    1
    • 鳥刺
    • 2022年 8月 08日

    >ロシア軍はメリトポリに配備していた防空システムの大半を先週ヘルソンに移動させた

    しかし、アントノフスキー橋は守れなかった…HARMも飛んできた…

    さて、ロシアは戦域最西端のヘルソン橋頭堡決戦と決め込んで装備をどんどん突っ込んでるようですが、メリトポリ自体が前線から80kmで南はすぐ海(潟湖)、周辺に地形的障害の無い地域なんですがね。

    2
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  2. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  3. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  4. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  5. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
PAGE TOP