トルコ国防省調達部門のイスマイル・デミール氏は6日、同国が開発した主力戦車「アルタイ」の量産プログラムは大きな遅れに直面していると語った。
参考:Turkey’s first indigenous battle tank production delayed
トルコ国産兵器のネックは、海外からの供給に頼っているエンジンの国産化
デミール氏は、トルコが開発した主力戦車「アルタイ」の開発自体は完了しているが、動力部のパワーパック(エンジンと変速機が一体化されたもの)が手に入らないため、約18ヶ月量産プログラムが停止していると述べた。
当初、アルタイにはドイツ製のパワーパックを搭載する予定だったが、政治的な要因(※)でパワーパックの輸入が出来なくなり、変わりのパワーパックを探すも見つからず、結局、国産のパワーパックを開発する方針に切り替えたが、トルコ国防省は性能的に国産のパワーパック搭載には否定的な態度を見せている。
※補足:トルコの現政権は、国内のクルド人を弾圧する政策をとっており、シリアに拠点を置くクルド人勢力を攻撃・排除を目的とした軍事作戦も度々行っているため、そのような軍事作戦に使用される可能性の高い戦車に、ドイツ製パワーパックを供給したくないという意味だ。そのためクルド人への攻撃に使用される可能性の低い潜水艦などの輸出(トルコ企業による212型潜水艦のライセンス生産)は制限していない。
アルタイの量産は、このパワーパック問題で18ヶ月(1年半)も遅れており、海外からの供給が見つからず、国産パワーパックの完成(トルコ国防省が認めるは別問題)が遅れれば遅れるほど、性能がどんどん陳腐化していき、一度も量産していないアルタイの「アップグレード」を検討する必要が出てくるだろう。
さらにカタールから受注したアルタイ100輛の内、40輛を2021年までに引き渡す条件が盛り込まれているため、少なくとも2020年前半までにパワーパック問題を解決しなければ、カタールからの受注分を失う可能性が高く、サウジアラビアやパキスタンなどからの関心も失ってしまうことになる。
現在、トルコにはMTU社製ディーゼルエンジン「MT883」とドイツ製変速機で構成された「ユーロパワーパック」が4輛のプロトタイプ分しかない。

出典:JohnNewton8 / CC BY-SA 4.0 TFXのモックアップ
トルコが開発中の第5世代戦闘機「TFX」も、アルタイと同じように搭載エンジンが見つからず計画が行き詰まっており、イタリアが開発した攻撃ヘリ「A129 マングスタ」をトルコがライセンス生産した「T129 ATAK」も米国との関係が悪化し生産に支障をきたしている。
第5世代戦闘機「TFX」の問題は数日前に記事にしたので割愛する。
トルコがライセンス生産している攻撃ヘリ「T129 ATAK」には、米国のハネウェル社と英国のロールスロイス社の合弁企業「LHTEC」が製造した「LHTEC T800」を搭載しているため、ロシアから防空システム「S-400」を導入したことで悪化した対米関係では輸出のための許可が下りず、パキスタンから受注していた「T129 ATAK」30機の生産に支障が出ており、トルコはパキスタンと交渉し納期を1年延期することで合意したが、搭載エンジンをどのように入手するのかについては明らかになっていない。

出典: MilborneOne / CC BY-SA 4.0 T129 ATAK
現在、攻撃ヘリ「T129 ATAK」に搭載するエンジンの国産化を進めているが、完成するまでに5年から10年は掛かると見られている。
結局、主力戦車「アルタイ」も、第5世代戦闘機「TFX」も、攻撃ヘリ「T129 ATAK」もトルコで生産された「国産兵器」かもしれないが、どれも搭載するエンジンを海外からの供給に頼っていたため、外交関係が悪化すれば直ぐに影響を受けてしまうという脆弱な欠点を抱えており、この問題を解決するには近道はなく地道に「自力」で開発するしかない。
逆を言えば、海外からの技術導入や輸入に頼っていた部分を改め、時間は掛かっても国産化を進めていけば、数十年後、トルコは世界有数の武器輸出国に浮上する可能性を秘めており、今回はそのきっかけ=高い授業料と見るべきだろう。
因みにギリシャ人は、トルコの主力戦車「アルタイ」のパワーパック問題について、斬新な解決方法を提案している。
もちろん真面目な提案ではなく、皮肉たっぷりに提案だ。
Altay tank engine pic.twitter.com/89WDhiyCYW
— Cynaegeirus 🇬🇷 (@cynaegeirus) January 9, 2020
追記:トルコは国内企業が進めている第5世代戦闘機「TFX」向けエンジンが2026年に完成し、このエンジンを搭載したTFXの初飛行は2029年に行われると明らかにした。
※アイキャッチ画像の出典:CeeGee / CC BY-SA 4.0 戦車「アルタイ」
モーやダァ
元になったK2がパワーユニットの国産化が出来ないと云う同じ状態なのにトルコは自分の所にはドイツのPUを回してもらえると思っていたのか・・・輸入元の韓国と同じ状態になって笑うに笑えないなトルコは
一応は国内での民族紛争はないから、韓国はドイツからパワーパック、ミッションは買えてます
(ロット-1の100両 MTU/レンクのパワーパック、ロット-2のレンクのミッション)
ロット-1:100両 MTU/レンクのパワーパック 配備済み
ロット-2:106両 斗山(韓国)/レンクのパワーパック 2020/03~2021/12に生産予定 (確定) 理由はレンクのミッションを決めたのは2019年春だったかな? レンクに在庫が有るはずも無く、発注、新規製造、なお、期末は12月だから2021/12に感応できなければ現代ロテムに納期遅延の賠償金が更に請求される
ロット-3:54両 斗山(韓国)/レンクのパワーパック??? (※) 2022年以降に生産予定 (計画段階、承認はされてるけど、予算は未確定)
総計で260両(計画では780両 4・機甲化師団)
https://www.sedaily.com/NewsVIew/1VE93I3365
※ 決定はされていないけど、ミッションを担当してたS&T重工業はバンザイしてるので、ミッションはレンク・確定
トルコの潜水艦は214型ですね(韓国のと同じだけど導入した各国で仕様が違うみたい トルコのにAIPが搭載されてるか? は不明。 単殻の209型からの発展型も214型と言っており、韓国の214型よりは小型だけど複殻・AIP非搭載の214型も各国で採用されてる)。
X舵の212型はドイツ、イタリアが配備済み、ノルウェーは検討中だそうです
オーストリア(豪州ではない)とのパワーパック製造・合弁事業もトルコのクルド人迫害の理由で破断、トルコ国内で開発ってのは「Tumosan」って大型トラクターの会社だけど、開発経験は無いし、船舶用ディーゼル・エンジンのKD生産の経験さえ無い、ついでに建設機械の製造経験も無い。
トルコは何をしたい?
トルコも反・共産の橋頭保(ソ連・ロシアが黒海から地中海へのボスポラス海峡を持ってる)として、韓国同様に甘やかされてた・・・自らの要求は必ず通るとでも思ってる?
>トルコも反・共産の橋頭保(ソ連・ロシアが黒海から地中海へのボスポラス海峡を持ってる)として、韓国同様に甘やかされてた・
全くその通り。共産国と隣接する国の中で、甘やかされた挙句、駄々っ子のように生産(調達)する国が目立ってきたと思う。ランキングにすると以下の通り。
韓国 >>>>>>> トルコ > ポーランド
韓国と似た様な国ですね・・・お互い過去の美談を大事にして【友好的な雰囲気】の間柄だけに残念ですが身の無い過去美談より現実の実利を取るのは当然か。
米兵器保有で米から制止されてたロシア兵器(s400)強行購入して保有米製兵器(戦闘機)でテストしたりでクルド人迫害の様な事が無ければまだマシだったのですが、昨今はさらに悪い方に加速している感じ
韓国のエンジンを使えばいいじゃん
兄弟国なんだろ
韓国製は使い物にならないから、ドイツからの輸入品を転売しろと言うことですか?
輸出管理でダメ出しされた国なので、やらかしても不思議ではないけど、
モノがモノだけに、流石にバレるかと。
そうなれば、﹙転売防止のため﹚ドイツは韓国向けも止めたりして。
韓国ならドイツ製PPをこっそり解析してトルコに技術を売りつけそう。
まぁ それが出来ないから現状なんでしょうが
仮に韓国が、PPを開発する際ベースにしたドイツ製PPの設計情報をトルコに流し、それを元にトルコが自主開発した場合、
韓国製とトルコ製のどちらがより酷い結果になるか、少し興味があります。
兄弟国って言ってるのは朝鮮人なんで皮肉で言うのはちょっとかわいそうかな
でもぜひとも韓国製パワーパック積んだフルスペックK-2の性能見せてもらいたいねw
是非、フルスペックK-2の機動力を見てみたい。
ロシア主催の戦車バイアスロン世界選手権でデビューを期待
怖い怖い、フルスペK-2 (饅頭)
…クルディスタン共和国樹立して難民全員帰還でもしないと無理か
ユーロパワーパックと同等のを国産化は無理そうだし、戦車開発に日本が裏で技術協力するとか現実味はあるんかなあ。。。。