ウクライナ戦況

これで5機目、ポーランド人がウクライナにTB2を送る資金集めに成功

ポーランド人がウクライナにTB2を送るための資金集めに成功、これまで民間人によるウクライナへのTB2提供に「無償提供」で応えてきたBAYKARが再び同じ対応を発表するのかに注目が集まっている。

参考:Brawo! Polacy zebrali ponad 22,5 mln zł na zakup drona dla Ukraińców. Zbiórkę rozpoczął dziennikarz Sławomir Sierakowski

同社は4機分=約2,000万ドル相当の無償提供を約束しており、どこまで善意の対応を続けるのか?

リトアニアメディアはウクライナ軍にトルコ製UCAV「バイラクタルTB2」を送るため購入資金500万ユーロを84時間で、ウクライナ人もクラウドファンディングを活用して3日間で3機分に相当する2,000万ドルを集めることに成功、この様な動きを見てポーランド人も6月末にTB2を送るための資金集めを開始して7月24日に寄付額が目標額2,250万PLNに到達した。

出典:BAYKAR リトアニアに引き渡されるTB2

TB2を製造するBAYKARはリトアニアメディアやウクライナ人の活動に対して「ロシア軍と戦うウクライナ軍への連帯に感銘を受けた。我々が寄付金分のTB2を無償で提供するので集めた寄付金は別の方法でウクライナ支援に役立てて欲しい」と対応したため、ポーランドメディアは「今回も同様の対応が期待されるが、BAYKARが同じ対応を取らなくても集めた資金でTB2を購入する契約を締結するだろう」と報じており、数日以内にTB2をウクライナに送るための詳細が明らかになるらしい。

現在、ノルウェーでもプーチンと戦うウクライナ軍に連帯を示すためTB2を送るための資金集め(5,500万クローネ)が始まっており、ポーランド人の成功がキャンペーンの追い風になるだろう。

出典:spleis Norsk Bayraktar-drone til Ukraina

問題はBAYKARが次々と開始されるTB2を送るための動きに「無償提供をどこまで続けるのか?」だが、同社は4機分=約2,000万ドル相当の無償提供を約束しており、どこまで善意の対応を続けるのかにも注目が集まっている。

因みにアゼルバイジャンとパキスタンの代表団がBAYKARの視察に訪れ、強襲揚陸艦からの運用に対応した無人戦闘機「バイラクタルKızılelma(クズルエルマ)」をバックに写真撮影をする様子が公開されているが、両代表団の手には「バイラクタルAkinci」の模型が収まっているのが意味深だ。

関連記事:これで4ヶ国目、TB2をウクライナに送るためノルウェー人も資金調達を開始

 

※アイキャッチ画像の出典:BAYKAR

ウクライナ軍、都市攻撃に使用されたS-300システムをHIMARSで破壊か前のページ

ブラスザック国防相、ポーランドは欧州最強の地上部隊を手に入れる次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍はハルキウで失地奪還、ロシア軍はルハーンシクで攻勢

    まだロシア軍の本格的な攻勢は始まっていないもののハルキウ州、ルハーンシ…

  2. ウクライナ戦況

    ウクライナ侵攻385日の戦況、ウクライナ軍が守るバフムートは刻々と状況が悪化

    シルスキー陸軍司令官は15日「敵はバフムートを包囲しようとして失敗し続…

  3. ウクライナ戦況

    ロボーティネの戦い、ウクライナ側とロシア側で状況の評価が大きく異なる

    ロシア軍はアウディーイウカ陥落直後にロボーティネ方面で攻勢を開始したが…

  4. ウクライナ戦況

    キーウ中心部で4回目の爆発、インフラが破壊されたドニプロで緊急停電

    17日早朝に始まったロシア軍による首都キーウへの攻撃は現在も続いており…

  5. ウクライナ戦況

    アウディーイウカ西郊外、ウクライナ軍が戦線の安定化に成功した可能性

    ウクライナ人が運営するDEEP STATEは4日「ベルディチに対する攻…

  6. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍、年内にクリミアを解放して春先までに全土を解放する

    ウクライナ国防省のハヴリロフ次官(元少将)は19日、英SkyNewsに…

コメント

    • みくす
    • 2022年 7月 25日

    トルコはTB2をウクライナに売りつける、フィンランドのNATO参入賛成する、会議に来たプーチンを立たせたまま待たせて辱める、ついにプーチンにブチキレられたな。
    トルコが仲介して締結させたウクライナ小麦輸出合意の翌日にも反故にされ、オデーサへミサイルぶち込まれるのは相当なおこだよ。
    TB2売ってる場合か?ロシア怒らせて小麦をどこから輸入するつもりなのか

      • ああああ
      • 2022年 7月 25日

      トルコはそう安々とロシアと敵対しようと思わないだろうなあ。
      ウクライナへ無人機を送りつつも既にロシア寄りの姿勢を隠そうとしていませんし。
      この戦争、西側が本気で勝ちたければ、インディアンなどにやったような民族浄化がマジで必要だと思いますが、やっぱり白人様の命は大切なんでしょうね。
      だから世界中の大半の国は未だロシアが勝てると思い、ロシアにすり寄るわけですよ。
      ついでにいうと、国際法など既に何の価値もない、破っても大したペナルティなぞ無いことが露呈してますから、ロシアは一方的にやりたいほうだい出来るわけで、そのロシアを支持すれば、ロシア勝利の暁には世界中で同じ事を(特に西側へ)繰りかえしたい輩なのでしょう、今ロシアを非難しない国は。
      西側は歴史の中で散々やらかしてる以上、秩序やら国際情勢やら善悪やらではなく、既に民族の生き残りをかけた戦いになってるのを西側は理解してないのでは?

      11
      • ナイトアウル
      • 2022年 7月 25日

       立ちんぼさせられたぐらいで怒る様なら会談とかに遅刻ばかりするのをやり方こそ改めるべきだろう。たかがロシアの大統領如きでどれだけ偉そうにしたいのか。
       仮に小麦輸入があったとしてもウクライナから奪った小麦をロンダリングした様にしれっと高く売れるなら外貨獲得の為に売るんじゃないだろうか。

      8
        • 匿名
        • 2022年 7月 25日

        それも、待たせたのはせいぜい50秒と来たもんだ
        他意はなくとも靴紐やら結んでりゃそれ位は掛かるだろうに…

        6
        • 無無
        • 2022年 7月 25日

        安倍総理をはじめ、遅刻魔のプーチンにまたされた要人の数を数えられる人いないかな、
        さんざん他国を軽んじ続けてるご本人が待たされても、それこそ自業自得
        エルドアンもなかなかやるの印象しかない

        11
          • hiroさん
          • 2022年 7月 25日

          今頃蒸し返す意味があるの?
          5時間も待たされても、笑顔でウラジーミルと温泉に入ってるんだから終わった話しでしょう。
          非礼だというなら、その場で指摘しないと。

          4
            • ナイトアウル
            • 2022年 7月 26日

             蒸し返す必要もないが、自分の行いが許されて他人がやるのは許せないのは筋違いだろう

            1
          • Rex
          • 2022年 7月 26日

          いや、そうじゃなくて、、
          トルコや日本を待たせてた頃のプーチンと違って、今は待たせられる側に落ちたって事でしょ。
          力関係が逆転しつつある。

          プーチンの待ってる時の顔見た?
          もう「あーあ、終わりだよ」って顔してたからな。

          2
    • 匿名
    • 2022年 7月 25日

    今さらTB2を寄付されて使い道あるのかな?
    ロシアも防空網が整備されてバタバタと撃墜されてるらしいけど

    5
      • ドローンに釣られたシン・ゴジラ
      • 2022年 7月 25日

      前線での運用は厳しいかもしれないけど、
      ベラルーシ国境の監視任務や、イザというときに囮として使えることも考えると、あって損はないんじゃないかなと

      10
      • 匿名
      • 2022年 7月 25日

      莫大な防空機材が投入されている東部の前線ではキツイだろうがそれ以外の戦線では十分に使えるだろ
      あらゆる戦線で防空コンプレックス敷くなんて不可能だっての

      13
      • hiroさん
      • 2022年 7月 25日

      撃墜されているから補充が必要と思うよ。
      TB2か分からないけど、UAVで探知した目標を攻撃する映像は、相変わらず上げられているし。
      モスクワと蛇島を失った黒海の監視には良いんじゃないの。

      1
    • タイヤキ
    • 2022年 7月 25日

    トルコは僅かに食糧輸出国だから、ロシアが約束破りしても売っている自国の食糧高くで売れるから、ロシア理由に食糧販売価格あげてトルコが一番利益得るな。
    ロシアが約束守ろうが破ろうが、実利とれるように動いたのは昔からの大国だな。

    2
    • 無無
    • 2022年 7月 25日

    約束破り常習犯のロシアをハメるための小麦合意とみた、愚かなりプーチン
    トルコはどう転んでも損はない、すでに外交的力量がロシアと逆転してるのに、まだ気がつかないプーチン

    1
    • くらうん
    • 2022年 7月 25日

    さすがにこれ以上はBAYKARに渡してあげなくちゃ道理としてどうなのと思う。
    一度無償の善意を示した側は、次の同じ機会にもやってあげなくてはいけないという心理はどうしても働く。
    BAYKARは今戦争で市場拡大できそうだし、寄付を集めた側がそのまま懐に入れるわけではないだろうけど、今度はちゃんとBAYKARに受け取ってもらえるような建前を、寄付する側が考えてあげるべきじゃないかな。

    2
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  2. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  3. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  4. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  5. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
PAGE TOP