インド太平洋関連

台湾製の武装ドローン「Revolver860」がポーランド経由でウクライナへ

海外では「台湾企業が製造する武装ドローン「Revolver860」がポーランド経由でウクライナに供給されている」と報じられており、台湾でも注目を集めている。

参考:Taiwan’s Revolver 860 combat drones being used by Ukrainians on battlefield

ポーランドのバイヤーを経由することで「交戦国に武器を販売しない」という問題をクリアしているのだろう

台湾企業のDronesVisionが開発した「Revolver860」は最大重量42kgのクワッドコプターで、8発の60mm迫撃砲弾を搭載した状態で最大40分間(飛行範囲は20km)も空を飛ぶことができ、地上目標を空から攻撃する専用の武装ドローンだ。

このRevolver860についてOryxは今月17日「ポーランドに輸出されたRevolver860がウクライナに提供された」と指摘して注目を集めており、この件にコメントを求められたDronesVisionの担当者は「ポーランドのバイヤーが同社のドローンを購入しているのは事実だが、このドローンが最終的に何処へ向かったのかは契約上の機密事項に該当するため答えられない」と述べたが、ウクライナ侵攻後にポーランドが購入するドローンの量は「着実に増えている」と付け加えている。

ただ台湾メディアの取材にDronesVisionは「ポーランドのバイヤーがRevolver860をウクライナに納品して戦闘に参加しているはずだ」と明かしているので、ポーランドのバイヤーを経由することで「交戦国に武器を販売しない」という問題をクリアしているのだろう。

因みにRevolver860がポーランド経由で何機送られたのかについて台湾メディアは800機と主張(DronesVisionはノーコメント)している。

関連記事:ウクライナ軍、ラトビア製ドローンがロシア軍妨害下でも作動することを確認

 

※アイキャッチ画像の出典:DronesVision

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コメント

    • くらうん
    • 2022年 8月 19日

    ロータリーランチャー形式か。
    今のウクライナ戦線でも迫撃砲弾何発かぶら下げたドローン運用してるの見てたけど、市販品にただぶら下げてるだけで飛んだ瞬間に落とさないか見てる方がヒヤヒヤさせられてたからな。
    これなら安全性も汎用性も高そう。

    16
      • 平八郎
      • 2022年 8月 20日

      このロータリーランチャー自体もデカい爆弾として最後に投下するんじゃないかと
      ちょっと期待してしまいました。

        • 黒丸
        • 2022年 8月 20日

        拳銃弾1発で撃墜されるドローンになるからダメだろ。

        5
        • あばばばば
        • 2022年 8月 20日

        ネオアトランティスの空中戦艦かい

        空想的な想像で言うなら弾倉の部分、別のユニットに交換できたら面白いんだけど
        サンダーバード2号のように

        5
    • ナイトアウル
    • 2022年 8月 20日

    >ポーランドのバイヤーを経由することで「交戦国に武器を販売しない」という問題をクリア
     これって台湾にそのような法律なりがあるって話なのかな。

     記事内容だと戦争の影響で台湾メーカーがウクライナへ直接送るルートが無くなっていると言う感じを受ける。バイヤーのワンクッションは輸送ルート確保の為って感じじゃないのか。

    2
    • バクー油田
    • 2022年 8月 20日

    動画見た感じ、造りがシンプルになってて戦場でも変に繊細な事で壊れずに耐久性がありそうなのは良いですね。
    ただ、最大重量42kgというのは小柄なJK並みの重量ですからね。ローターもいっぱいついてるので飛行音も出るでしょうし、
    ここまでの大きさになると地上の兵士も飛んで来たら気付きそうな感じがしますね。
    これがバンバン撃墜されるかどうかでドローンはどの程度の大きさまでが有効なのかが分かる感じがします。

    10
      • zerotester
      • 2022年 8月 20日

      台湾はドローンの開発に熱心なので、実戦テストという思惑は多いにあるでしょうね。
      アンチドローンシステムもいろいろ作ってるようですが、これは機密度が高いので送らないかな。

      5
        • makumaku
        • 2022年 8月 20日

        メーカー側は、明らかに実戦テストを意識しているように見えますね
        ポーランドとの契約も、実戦データのフィードバックを含む内容なのでしょう

        7
        • 無無
        • 2022年 8月 20日

        ロシアよりさらに強大な侵略国家のターゲットにされてる立場からすると、ウクライナ戦争支援には友愛と義憤以上の理由があっても責められない、実験しその成果を国防に反映させないと、明日は我が身
        むしろ本邦がこの台湾のやり方を真似られないかと思うくらい

        19
      • mo
      • 2022年 8月 20日

      >>小柄なJK並み
      妙なひねりのある例えで笑ってしまいました。
      42㎏は日本の中学生1年生男女の平均体重です。

      2
    • hoge
    • 2022年 8月 20日

    ロータリーランチャーを選んだ理由に興味ありますね。
    機構的にはボーリングのピンのようにグレネードを並べて、尾部だけを保持する形式の方が簡素だし故障にも強いはずなので。

      • zerotester
      • 2022年 8月 20日

      ロータリーランチャーのほうが「回転すれば投下」ということで可動部が一つなので簡素な気がします
      一番下のチャンバーは常にカラということで。あと信管が保護されるのでより安全でしょう
      つねに同じ位置から投下なので命中精度もわずかながら良いかもしれません

      1
        • G
        • 2022年 8月 21日

        ただ搭載数最大の時と0の時以外は重心が崩れるため、ソフト修正にしろ人力修正にしろ命中率や飛行特性への影響がどうなっているのか興味がわきますね

        1
    • 黒丸
    • 2022年 8月 20日

    60㎜迫撃砲弾を利用するということは、M734信管を利用するのかな。
    Wikiの記載から考えるとドローンからの最低投下高度は125m程度になると思う。
    騒音が水平距離100mで40dB減衰するから、80dB程度の飛行音が出るドローンなら
    地上では40dBまで低下しており、他の騒音に紛れてしまい音ではドローン接近がわからなくなるな。

    昔は迫撃砲の発射音を聞いてから壕に退避するのが古参兵、というような表現があったが
    今はそのようなことはできなく、いきなりほぼ無音で迫撃砲弾が降ってくる時代か

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