日本政府はもがみ型を建造するAustalの筆頭株主に韓国企業がなることを懸念していたが、豪州のチャーマーズ財務相は12日「HanwhaのAustal株持分比率引き上げを承認する」と発表し、Hanwhaに様々な制限を課すことで三菱重工業の知的財産を保護する予定だ。
参考:Treasurer Jim Chalmers gives green light to Hanwha’s double stake in shipbuilder Austal
Hanwhaは持分比率引き上げ条件を尊重しており、今後も全面的に尊重していくと声明を発表
日本はオーストラリア海軍向けのフリゲート艦入札で勝利し、三菱重工業は100億豪ドル規模とも言われるフリゲート艦調達の優先交渉者に選べれ、正式に契約を締結出来れば1番~3番を日本国内で、4番艦~11番艦を西豪パースにあるヘンダーソン造船所で建造する予定だが、Hanwhaは以前から造船所を所有するAustalの買収に動いており、ナショナルプレス・クラブの講演会に出席した鈴木大使は「もしHanwhaがAustalの筆頭株主になれば日本政府から何らかの反応があるだろう」と述べている。

出典:海上自衛隊
鈴木大使の発言は「日本政府がもがみ型護衛艦を建造するAustal株の持分比率を注視している」という意味で、The West Australianは先月16日「韓国企業がパース郊外で日本の護衛艦を建造するAustal買収に動いていることに日本政府が非公式な懸念を表明した」「日本の政府高官はHanwhaの動きに驚き、防衛装備庁は豪国防省に対して『Austal株の持分比率引き上げへの懸念』を少なくとも2回伝えてきた」「豪政府関係者は『HanwhaがAustalの筆頭株主(9.9%→19.9%)になっても知的財産権保護について保証できるが日本は神経を尖らせている』と述べた」と報じた。
Austalのグレッグ最高経営責任者も「Austal株の持分比率引き上げに関する日豪間の協議については一切関与していない。企業視点で三菱重工業が自社の知的財産保護に神経を尖らせるのは当然だと理解しているが、同じプライムとして当社にも高度な情報保護システムがあり、三菱重工業の知的財産にリスクが生じないとことを確信している」「そもそも会社の20%を所有したところでAustalの技術データや社内システムへのアクセス権は得られない」「Austalと三菱重工業の提携は三菱重工業の企業秘密に何もリスクをもたらさない」と述べ、豪州のチャーマーズ財務相は12日「HanwhaのAustal株持分比率引き上げを承認する」と発表。

出典:Hanwha
豪国営放送のABCも「今回の決定は造船能力と専門知識の向上に役立つ可能性があるが、韓国と難しい関係にある日本はHanwhaのAustal株持分比率引き上げに懸念を表明している」「AustalはAUKUS協定の原潜取得において重要な役割を果たす予定であり、2030年代からはヘンダーソン造船所でもがみ型フリゲート艦の建造にも協力する見込みだ」「そのためHanwhaと競合する三菱重工業は自社の技術にアクセスさせるリスクを懸念している」「この点についてチャーマーズ財務相は『徹底的で慎重な議論の末に決定が下された』『外国投資審査委員会も同じ結論に達している』と述べた」と報じている。
外国投資審査委員会はHanwhaのAustal株持分比率引き上げについて「条件付きで異議を唱えない」と結論を下し、この制限についてABCは「持分比率を19.9%以上に引き上げこと、社内機密に対するアクセス、取締役就任への制限が課される」「豪政府は三菱重工業の知的財産を保護するため十分な措置が講じられていると日本政府に保証し、日本側の不安を和らげた」と報じ、チャーマーズ財務相も「我々は外国からの投資を歓迎し、オーストラリアの国益に結びつくよう差別のない外国投資の枠組みを運用している」と強調した。

出典:Commander, U.S. Naval Forces Europe-Africa/U.S. 6th Fleet
因みにHanwhaは「今回の決定は非常に喜ばしいもので、オーストラリア政府の期待に応えられたことを嬉しく思う。我々も持分比率引き上げ条件を尊重しており、今後も全面的に尊重していく」と声明を発表し、HanwhaはAustalの筆頭株主になることで「オーストラリアにおける防衛産業協力の強化」「米国防総省のプログラムに元請けとして参加する資格をもつAustal USAへの関与」を手に入れた格好だ。
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※アイキャッチ画像の出典:Defence Australia





















まあまずあり得ないでしょうけど、仮に日本側が韓国企業が筆頭株主になるのを認めないと発表して、もがみ型の輸出を認めなかった場合違約金はどっちが支払うんでしょう?
日本はオーストラリア海軍向けのフリゲート艦入札で勝利し、三菱重工業はフリゲート艦調達の優先交渉者に選ばれただけで、まだ法的強制力が生じる契約を締結していないので現段階で交渉が決裂しても違約金などは発生しません。
おお管理人さんありがとうございます
となると本気で日本側が筆頭株主の件を問題視すると、もがみ型の輸出は無くなる可能性が充分有りそうですね。
オーストラリアはこれ以上調達スケジュールは遅れさせられない。
日本は初大規模輸出は何としても獲得したい。
韓国はアメリカへのアクセスを獲得したい。
よって予防措置の内容にもよるでしょうが止まることはそうないでしょう。
記事には報道で「社内機密に対するアクセス、取締役就任への制限が課される」とありますが
例えば、株式の面は
・オーストラリア政府が筆頭株主になる
・三菱重工が同規模の株式を取得する(そして、オーストラリア国内の造船所の近代化に積極的に関与していく) 等
実務面は
・FFM建造には韓国からの労働者を入れさせない。
・ヘンダーソン造船所にはアクセスさせない 等
どんな条件が提案がされているのか、日本側の反応はどうなのか、等はわかりませんが、撤回の可能性は低いでしょう。
>韓国企業が筆頭株主になるのを認めない
そんな権利は日本にはないでしょう。
あるのは「(韓国企業が筆頭株主になったら)Austalによるフリゲートの建造を認めない」権利で、もちろん豪にはそれに対して「フリゲートの輸入を(日本国内建造分を含めて)やめる」権利はあってもそれ以上の権利はないでしょう。
とはいえそんなことになれば日豪それぞれ機会的/時間的な損失は大きいですから今後日本による株の取得やら分社やら合弁会社の設立やら色んな解決案が出てくる可能性はあるし、HanwhaはHanwhaで本来の目的のAustal USAへの関与を邪魔されたくはないでしょうからおそらく豪の提案してる「条件」やそれら「解決案」に異は唱えないでしょうが。
とりあえず。今後進めるならトラブル対策かねて日豪両国の国の持ち株会社にAustalが人材出向って形にした方がいいと思うの。
だけど最終的にはAustalの造船所で建造する事になるのでは?
持ち株会社に造船所の貸し出し契約結べばいいんよ。
あとAustalからは韓国系の人材出向禁止して
多分これが一番無難よ。
まあしょうがない。
こんな事をイチイチ気にしてたら武器輸出なんて出来んよ。
タイガーアイこじ開けの時みたいなことやらかさないで
欲しいものですね。
同じ西側のポジションなのに信用できないんですよね。
間違いなくHanwhaは、Austalへ韓国人技術者を大量に出向させるでしょう。
そして、製造現場での三菱重工のノウハウを知ろうとするでしょうね。
機密とか知的財産といった明文化されていない製造現場のノウハウは、守られないでしょう。
そんな動きを見せれば日本側は対抗措置を講じるし、豪側もそれに協力するでしょう。
対抗措置は色々あり得るけど、一番の直球は日本による株式の買収で、そうなってHanwhaのAustal USA関与に支障がでたら困るのは韓国だし、そうならなくてフリゲート輸出がポシャって困るのは豪州(日本的には輸出実績逃して痛恨ではあるけど困りはしない)。
既に日本側はそこの懸念は伝えて、豪側はその懸念を「当然」と理解した上で韓国に条件を課す、といってる訳で懸念を助長する様な動きを許さないと思いますけどね。
そうであればいいのですけども…
もちろん何の心配もない、とは言いませんけどね。
少なくとも「日本やMHIが適切な金を出すのを惜しまなければ」解決策はいくらでもあるし、当のMHIがその金を出さないならそれによる損失もその程度ということではないかと。
> 間違いなくHanwhaは、Austalへ韓国人技術者を大量に出向させるでしょう。
それではオーストラリア人の雇用確保というこのプロジェクトの根本的な目的の一つが損なわれることになります。
「間違いなく」オーストラリア政府が差し止めると思います
そんなことにならない程度の技術者数ですよ。出向人数は、Hanwhaと Austalとの交渉でしょう。
そもそも Austalは、筆頭株主である Hanwhaの意向を「間違いなく」止めることはできませんよ。
筆頭株主と言っても過半数の株式を押さえた訳ではありません。当然経営陣はHanwhaの要求を拒否可能です。
三菱重工とAustralは秘密保持契約を結ぶでしょうから、Hanwhaに情報を流したらAustralは契約違反で訴えられることが予想されます。その賠償金は株主代表訴訟でAustral経営陣が個人で払うことになるでしょう
拒否可能な要求をわざわざ受け入れたわけですから。
そんなリスクをAustral経営陣がわざわざ背負うとは思えません
現地側(韓)メディアでしか報じられていない、しかもその報道の中身というやらを見ても問題のブツをこじ開けた事実とかなかったとされている、十数年前の古臭いガセネタをわざわざ持ち出して信用云々って、情弱にもほどがあるでしょ
タイガーアイの件はそうでしたね。
とちりました、ごめんなさい。
皆さんがおっしゃるように、
韓国も防衛産業がここまで漕ぎ着けてるから
今滅多なことをする可能性は低い、やれば自分たちにとってマイナスにしかないと考えるのが理論的ですね。
少し怪しいですが。
韓国は日本みたいに退役した護衛艦に対艦ミサイル当ててデータ取りとか長年積み上げてないからノウハウは手が出るほど欲しいだろうね
日本人はなぜこのような愚かな偽りを信じるのだろうか?知能がそんなに低いからか?
韓国のミサイルは海外に輸出もするため、国際的に厳格な評価を受けていますが。
リンク
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コメ主は艦の話をしているのに、あなたはミサイルの話をしている。
日本語の使い方、リンク先を見たところ、あなたは韓国人のようですが、ちゃんと文を読みましょう。
いずれにせよ、なんとか韓国を下げてみようとする日本人の妄想が込められたレスというのは変わらない。韓国がある分野で日本より優位にあるという現実を認められない日本人が多すぎる。
それならば「日本人はすぐに韓国を卑下する態度を改めた方が良い」とでも言えばよかった。あなたは日本人を「知能が低いからか?」と馬鹿にしている。あなたも同類。
韓国人だって自国内のインターネットではすぐに日本を卑下する人が多いでしょう。お互い様。
それに、ここの住人の多くは、韓国のK2をはじめとした世界中で多くの受注を獲得している姿勢、手管を賞賛してますよ。
>護衛艦に対艦ミサイル当ててデータ取り
これが「『艦の』データ取り」である、という解釈ですか?
艦齢数十年過ぎて事故歴やら移植修理やらある上に除籍後メンテナンス疎かになった標的艦にミサイルぶち込んで「艦の意味あるデータ」が取れるとも思えませんし、普通に「対艦ミサイルのデータ取り」と解釈してミサイルの話が返ってくるのは当たり前かと。
この記事は造船所の持ち株比率を高める話。
どうやって造船所からミサイルのデータを得るのですか。
記事の流れからして、艦のデータと解釈できると思いますが。
元記事がどうあれ元コメントは「退役艦に対艦ミサイル」の話をしており、そこで艦のデータは得られません。
コメント内に登場しない元記事の内容とコメントその物、どちらがコメントの趣旨を解釈する材料になるか、議論の余地はないと思いますが。
バーナーキングさんに1票
コメ主が海上自衛隊の対艦ミサイル試射の目的を勘違いしているという指摘の方が説得力あります
役員を送り込む
人事に影響力行使
表面上は無関係な個人を雇うように要求
裏で組織化
現場レベルの規律をなぁなぁで解体
上から「法律をつくったよ」「方針は伝えたよ」というだけではどうしようもない気がしますが、大丈夫なんでしょうかね?
日本と関係が難しいということだけではなく、韓国は左派政権の親中姿勢というリスク要因が大きいという話なんですけどね。
「社内機密に対するアクセス、取締役就任への制限が課される」そうです
アレな話、もがみってティア1の主力戦闘艦ではなくティア2の補助的多用途艦ですし、技術的にも唯一無二の最新技術というよりは企画設計領域の統合らへんの新規性が注目されている船ですから、韓国勢が本気で真似しようと思ったら自前の技術でいくらでも作れると思うんですよね。そのうえでやっていないのは自国海軍含めたメインターゲットの要望のボリュームゾーンはもがみ型っぽい大型フリゲートをあんまり求めてないからですし、正直そこまで警戒するのもなんかなとは思っています。もちろん、知財云々は中身じゃなくて流出しうる事自体が問題ですし、韓国は最近もいろんな領域で中国への情報流出が多いので武器システムや情報処理装置なんかの構成要素の技術管理は厳密にやらなきゃでしょうが。
いや、意外ともがみ型には最新技術が使われてるんですよ。OPY-2もそうですが、日本にとって流出しちゃ一番マズイ部分はOYQ-1ですね。OYQ-1には平成26年度から令和元年度にかけて実施した「次世代護衛艦用新戦術情報処理装置の研究試作」で得た成果が反映されていると推測されており、あさひ型のOYQ-13からシステム区分がOYQ-1に戻っていることからももがみ型のOYQ-1はこれまでの護衛艦とはシステムの世代が違うと思われます。日本で建造中の新型FFMはレーダーがOPY-2A、戦術情報処理装置はOYQ-2へと更新されますが、もしもオーストラリアに輸出されるFFMがもがみ型ではなく新型FFMに準ずるシステム構成ならば、日本にとって流出すればなおさらマズイことになります。
参考までに、もがみ型のOYQ-1についての情報のリンクを貼っておきます。もがみ型のOYQ-1は艦隊規模でのSystem of Systems(SoS)の考え方に基づいて開発されており、これまでの護衛艦に搭載されていた戦術情報処理装置とは世代が違うことがわかると思います。もがみ型より昔の護衛艦では、国産の統合戦闘システムであるATECS(Advanced Technology Combat System)の開発によってドクトリン管制(処理時間の短縮、自動化を図るため、判断基準、処理要領などをルール化、データベース化し、目標探知から攻撃まで大幅な自動化が図られた)などが実現していましたが、イージス戦闘システムなどと同様に個艦規模における自動化にとどまっていました。なお、日本で建造中の新型FFMにはもがみ型のOYQ-1の後継となるOYQ-2が搭載されるので、さらに性能が向上していると思われます。
艦隊全体を1つの戦闘システムとする戦闘情報処理システムとOYQ-1・https://posfie.com/@tebasaki_s/p/EsNDaUv
あっさり豪が「あ、戦術システムは米国製にしてね」とか言いそう。
ここで言う機密ってなんなんだろ
戦闘システムは別なところのやつを入れるという記事があったが、船に付随するなにかってこと?
人がどこにいるかみたいなのは汎用的な技術としてあるけど(高価であまり導入されないが)
いや、オーストラリアに輸出される改もがみ型の戦闘システムは日本製ですよ。オーストラリアのマールズ国防相は入札の勝者に選ばれた改もがみ型について「調達スケジュール上のリスクを減らすため海自向けからの変更点は最小限にする」「戦闘システムも日本製のまま」「主な変更点はオーストラリアの規制要件を満たす部分」「例えば艦内の標識などが英語表記に変更される」と述べています。あと、日本の政治的原則に基づき国産兵器は輸出できないため、搭載兵器は米国製へと変更されます。
日本は紛争になった際に日本企業が巻き込まれない様に日本企業による現地防衛企業の買収は行わないと考えています。
それと同時に紛争時に相手国に自立してもらって巻き込まれない様に現地生産や整備はある程度認める。
なので三菱等がAustalの株式を取得する提案は基本戦略から逸脱するので選択肢に無いんじゃないかと。
三菱重工も電機もオーストラリア法人あって国防相と共同開発とか防衛事務局設立したりとかしてるんですが…
国防省ね。
「国防相と共同開発」は腐臭か昭和のアニメ臭…
今のところ、韓国企業の持ち株は19.9%に固定、取締役などの決定の厳格化、機密情報へのアクセス制限は守られるようです。
また、建造はさせてもシステムの革新技術はオーストラリアには開示されない。
しかし、設計までは漏れないでしょうが、現場単位での情報漏洩は止めようがない。
これは韓国だけではなく、アメリカなどにも。
米国向けも作ってますからね、あの会社。
しかしこれは、別に筆頭株主にならなくてもある事の気がします。
現場の技術やノウハウが流れてアメリカの艦艇建造技術が多少でも回復するならむしろ歓迎まである…