オーストラリアの公共放送「ABC(豪放送協会)」は11日、豪国防省はコリンズ級潜水艦の後継艦として採用を決めた「アタック級潜水艦」をキャンセルすることを検討していたと報じられた。
参考:Defence Department considered walking away from $50 billion French submarine deal
4億4,000万豪ドル(約330億円)でキャンセル可能なアタック級潜水艦
オーストラリア海軍はコリンズ級潜水艦を更新するため、フランスのDCNSが提案した次世代潜水艦「アタック級潜水艦」を採用、500億豪ドル(約4兆3,000億円)の費用を投じて計12隻を調達する予定だ。
しかし、このアタック級潜水艦12隻の調達費用は、当初、言われていた500億豪ドルから800億豪ドル(約6兆円)に跳ね上がっており、2080年までの運用コスト(サポートやメンテナンス、アップグレードコストを含む)に1,450億豪ドルが要求される見込みで、アタック級潜水艦プログラムの総費用は2,250億豪ドル(約16兆7,000億円)に達する可能性が指摘されている。

出典:Borvan53 / CC BY-SA 4.0
今回、ABCが報じた報告書の内容は、アタック級潜水艦プログラムは予定されたスケジュールよりも9ヶ月遅れており、投資済みの3億9,600万豪ドル(約300億円)について豪国防省は「妥当性」を示すことが出来なかったという監査長官による指摘が含まれており、2018年政府の諮問機関は、アタック級潜水艦プログラムの契約交渉が失敗した際の保険として「代替案」の検討を行うよう豪国防省に指示していたことも明らかにされた。
実際、指示を受けた豪国防省は、新型潜水艦プログラムを再構築する時間的余裕や、コリンズ級潜水艦の寿命延長について調査を行った。
さらに諮問機関、アタック級潜水艦プログラムがもたらす利益がリスクを上回ることが出来るのかについて豪国防省に支持するなど、このプログラムの妥当性について疑問視していたため、DCNSと結ばれた500億豪ドルの契約には「契約解除条項」が盛り込まれた。
豪州は最大で4億4,000万豪ドル(約330億円)支払えば、アタック級潜水艦プログラムを途中でキャンセルすることが出来る。
豪州の野党は、この報告書について「アタック級潜水艦プログラムはコスト、数量、豪州が関与できる経済的部分の3つについて全てが間違っている」と懸念を表明し、元潜水艦乗りだった議員は、このままプロジェクトが困難に直面し続けるのなら「フォールバック計画」の策定が必要だと指摘した。
さらに、遅れたスケジュールを取り戻せるという豪国防省の見解は、本当に見通しが甘いと批判している。
このように懸念や批判が多いにも関わらず、アタック級潜水艦1番艦は2023年にアデレードで建設が開始され、9年後の2032年に就役すると豪国防省は主張しているが、この計画の最も懸念されている点はコストではなく、調達に掛かる期間だ。
豪州は実績のある既存の潜水艦をそのまま輸入するのではなく、海外で新たに設計された潜水艦(シュフラン級原子力潜水艦をベースにした通常動力バージョン)を豪造船所で建造するという複雑な方式で調達を行うため、12番艦が引渡される頃には計画から30年近くが経過し、引渡される前から時代遅れ(性能だけでなく変化する戦場環境に対応できなくなるという意味)になる可能性が高いという点が最も懸念されている。
例えば、そうりゅう型潜水艦を12隻調達した日本の場合、1番艦の起工から12番艦が就役するまで16年しか掛かっていない。
要するにアタック級潜水艦の調達は、日本の倍の時間が掛かるという意味で、そうりゅう型潜水艦12番艦「とうりゅう(リチウムイオンバッテリー搭載タイプ)」が2021年に就役する見込みだが、これが2035年に就役したと考えれば、豪州の懸念も少しは理解できるだろう。
恐らくABCは、アタック級潜水艦プログラムの契約に盛り込まれた「権利(契約解除条項)」を行使するなら今だと豪国防省に訴えているのかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:Andrea Danti / stock.adobe.com
くだならい罵り合いでコメントが50件超えると予想。
当たり
>豪州の懸念も少しは理解できるだろう
知らんがな
コアラ様が腐した日本製導入はありません
韓国製でも中国製でも好きなものを導入してください
どんなアホが見てもこの計画は失敗が約束されてる事は明白だったから辞めるのが次善の策だね。
それでも使ってしまった時間は戻ってこないし豪国内での建造に拘るなら次も同じ失敗をしそうだが・・・。
さて、前回の記事でこの計画がいかに理に適っていて正解かを熱心に説いていた痛い子はこの記事を見てなんとする?(笑
この話に韓国が飛びついてくるに300ペリカ!!
戦闘機なども他国の技術に全て依存しながら自国で製造して輸出するってのが甘すぎる、そんなことに協力する国は無いだろう。
陸ならともかく空と海では2~3世代遅れの技術では戦いにらない。
最先端の軍事技術は先進国の最後の砦だからガードが固く簡単には技術は手に入らない、中国のように金に飽かせてかつハッキングするようなことをしても追いつけないのが現実、アキラメロン。
アタック級計画の白紙化が本当なら216型を豪州国内でライセンス生産するのが一番現実的で最良の選択肢だな
もしもドイツと話がまとまらなければ韓国に頼めば良い
島山安昌浩級なら豪州の要求を満たせるし、韓国は技術移転とライセンス生産に前向きな優良サプライヤーだしな
商売にも慣れてるから変なリスクを抱える心配も無い
”溺れるコアラはキムチをも掴む”
新しい諺の誕生である
艦内で、異臭騒動でも起きそうな悪寒あり
216型は実物がないし島山安昌浩も戦力化がまだで韓国以外の国からの技術導入が多いのでやっぱり炎上するんじゃない?
豪州が国内建造と技術移転にこだわる限りアタック級と大して変わらん事になりそう。
実物が無い事に関してはどれも同じだろう
少なくとも現在の唯一の選択肢はドイツの216型しかない
タイミングにもよるが韓国の島山安昌浩級も可能性がある
句読点の使えない貴方は、どうしてそんなに韓国押しするんですかねw
最近はどこ行っても奇怪なコメントが目に付きますw
韓国推しというより事実だからなあ
現状ドイツの216型以外にまともな選択肢が無いが、タイミングによっては島山安昌浩級が候補になる可能性は十分あるって話
事実上その2つのどちらかだな
まあよっぽど話がまとまらないとかでない限りは216型になるだろうが
候補にすらあがっていない島山安昌浩級の「可能性」にやたら拘るのは、
事実から目を逸らした願望、ただの韓国推しでしょう。
白紙に戻せれば、一番いいのだろうけど、政治問題化しすぎて、そう簡単に行かないだろうな。
最初から機密保持の理由で蒼龍の輸出には反対だったけど
機密云々とかのレベルじゃなくて想像を絶する地雷案件でビビってるわ
本当に日本は関わらなくて良かったと思う
想像を絶するったってそうりゅう導入に横槍入った時点で分かってたじゃん
当のオージー議員が国内じゃカヌーも作れないって発言してんだからさ
予想通りに事が進んでるだけで損切りできるかどうかってだけの話だよ
それは軍オタがそうりゅうを拒否られた恨み節、願望含みで「炎上しちまえ!」って喚いたてただけ
そういうのは予想とは言わん
結局それなんだよな
勝手に決まったものだと思い込んで選ばれなかったら逆ギレって本当にたちが悪い
ここのコメント欄でも多く見受けられるが、逆恨みして失敗する事を願ってる者が多い
本当に卑しいと思うわ
カヌーも作れないって言ったの当時のオージー防衛相なんですが…?
なに的はずれな事言ってんだコイツは??
そのカヌー発言も豪州内で散々批判された挙句に当の国防相は撤回してる
いい加減に私怨丸出しの見苦しい後出しジャンケンはやめなさい
発言撤回すりゃ工業力上がるんだ…おもしろ~い
撤回したのは単に現地リベラル系マスコミがぎゃーぎゃー言ったからなだけだったような?w
当初は豪 新規潜水艦導入~日本潜水艦に興味、またはフランスかドイツか~ なんて一般マスコミの記事だったものが
どんどん泥沼化してますからね。
ま、その一般紙は興味も失せたのか続報見ませんが・・・・最早日本は関係ないからそんなもんですかね。
しっかりしないと大損するフランスとの付き合い(国際社会全般でいえるでしょうが)のヤバさが良く分かった案件でした。
ま、なにより豪のあれもこれもと欲張りすぎで事前計画も決定もかなり杜撰だったのが元凶でしょうが。
インドでのラファール売り込みと
採用決定後のゴネだしで、値段を吊り上げていく寝技。
フランスの商売は、えげつないよ。
オーストラリアも、自分たちの願望が満たされる契約かと思ったら、
想像以上に、調達価格が上がっていくので、焦っているのだろう。
カスタマイズの要求も多すぎる。
どの国に依頼しても、成就しがたい案件だ。
話しや予算が別とはいえ、未曽有の大火災で今後の厳しさも予想されるかと思うがこんなグダグダやってる場合なのか。
豪州は最大で4億4,000万豪ドル(約330億円)支払えば、アタック級潜水艦プログラムを途中でキャンセルすることが出来る。
とはいえ、今更どうするのか。
今更完成品を導入するとは思えないので妥協として部品パーツを豪州で組み立て最低限の造船雇用を確保するのか?
・・・となればフランスの別案かドイツか韓国製を導入か? それとも完成品導入か
今後が興味深い
そもそも最初っから胡散臭い計画だったからね
コリンズ級の経験から「豪州で潜水艦を作るのは無理」と言って
日本にそうりゅうの購入を打診してきたのに
途中から「やっぱ国内で作るわ」とか言い出し始めた
それだったら当初の予定通りコリンズ改を作りゃ良いじゃん
全くその通りかと。政治的に耳障りのいい話が自分にできる、身の丈以上のことを要求しているだけ。素人が口挟んじゃいけないわな。
ただ監査指摘も適切に為されているようだし、中止まで至ればそれはそれで評価できるとも思う(日本なんかは中止できないこと多いもんね)
今後が楽しみですなぁ(不謹慎)
何度も言うけど、対地攻撃できる潜水艦を抑止力と考えているならば、既に導入済みのキャンベラ級強襲揚陸艦にF-35Bでも積んだ方がよっぽど使い出が有るかと
F-35Bを40機導入しても、予備部品等を含んでも1兆円程度で済むのでアタック級2隻に過ぎず、アタック級1番艦が就役するまでに全機納入されて作戦行動につけるでしょう
カヌーも作れない と言われた豪造船業界の為にやってたんだろう?
次は見放すのかね?
それと、議員たちは軍にゴメンナサイしないと軍も怒りが収められんだろう。
島山安昌浩級潜水艦出してる奴
まず就役させてからそういうこと言おうよ 運用も何もしてないのに他の国に売り込むなよ
まず返信を使おう
そしてあからさまなのには触らん方が良いという事も知っておこう
異音、水漏れ、潜航時間不足。その後不具合が改善されたという話もない。
韓国潜水艦の実態を知ってる人ならまず薦めることなんか絶対にないはず。
そして「触らん方が良い」とはどういう意味なんですかね?
軍事を扱うブログのコメ欄で意見を言うことの何がいけないんですか?
>そして「触らん方が良い」とはどういう意味なんですかね?
徒労時間の無駄だから、関わらない方が無難、と言うことでは。
>そして「触らん方が良い」とはどういう意味なんですかね?
わざと下らん事を書き込んで場を荒らすのが目的だからだよ。
こういうのは触ると枝が無駄に延びていくから無視を決め込んで誰も触らないってのが最善の策なの。
あなたのように物事を真面目に捉えてる人ばかりじゃないって事。
2035年なら、そうりゅう後継のさらに後継が建造されてる頃かね
全固体電池なのか何なのかわからんが、結構な技術進歩があって今の計画どおりだと陳腐化したものをせっせと作ることになるかもしれない
当初、国防目的だけだったので、日本からの完成品輸入だけを念頭に置いていた。
ところが、わずか数百人の雇用のために自国建造を要求し出し、何兆円もの追加予算が容認された。
ポピュリズムに走る国と付き合ったら、面倒見のよい日本は、想定外の持ち出しを余儀なくされる。
オーストラリア人にとって、スウェーデンが駄目で、フランスも駄目なら、ドイツがある。
ドイツがいいとは思えないが、日本は自国の潜水艦建造計画に支障をきたさないためにも、
たとえ完成品輸出であっても、関わらない方がよい。
建造は日本を予定してたけど、システムをAN/BYG-1に換装予定だったので、日米豪共同開発の想定でしたね。
「ズブズブな関係」とも評される米海軍と海自だけに、こんな合の子潜水艦の構想に米国も歓迎ムードだったのですかね。
もう余程の事が無い限り、その構想が復活する事は無いと思いますが。
元々が米国に通常型打診したら「この惑星で一番良いものを建造してるのは日本だ」って薦められて出てきた話だから、米国は文句なかったでしょう。
英連邦ならアスチュート級原子力潜水艦を売ってもらうか、レンタルすれば問題ないだろう
英は2024年以降はアスチュート級原子力潜水艦建艦計画がない、イギリスとしても売れないとしてもレンタルは他の原潜所有国もやっている、前例があるので他の国に批判はされないと思うがね
ざまみろ、オーストコリア
こっちみんなよ
単純な事を言えば、造船所の職員に生活保護を渡して外国で建造した方がよほど安上がりで性能がいい潜水艦が調達できるんだろうな。
>恐らくABCは、アタック級潜水艦プログラムの契約に盛り込まれた「権利(契約解除条項)」を行使するなら今だと豪国防省に訴えているのかもしれない。
英連邦国への宗主国の忠告とも取れるね。オーストラリアは素直に聞いておかないと。
オーストラリアの優先事項は、潜水艦の国内建造、技術習得の順であって、価格高騰は条件を満たすためにある程度は必要だったということになり止むを得ない。
我が国にとっての優先事項は、潜水艦技術の国内秘匿(門外不出)であって、例えビジネスになっても技術の国外流出につながる案件には手を出さないが正解になる。新幹線を忘れるなということ。
どのみち国内で高張力鋼材を製造できないのだから雇用促進を目的とする国産潜水艦の製造は不可能事である
政権交代による政策の変動があまりにも大きいから一貫した計画が持てない悲劇だが日本が関知する問題ではない
元より、気分による反日要素が強い国との軍備共同開発は成り立たない
アメリカからも釘を刺されていたのに「国内世論」を優先した結果はこのように……
高張力鋼材の供給先を確保出来る場合は、高張力鋼材の自国生産に拘らなくても良いのでは?
最先端やそれに準じるのを狙う場合は、自国で高性能な高張力鋼材が必要となるだろうけど。
豪州は既にコリンズ級の建造実績があるから、最低限の条件はクリアしていると思います。
まともに作れなかった失敗作を引き合いに出されてもなあ
さすがにこの火事では難しいだろう。
少なくとも数年先送りで予算を復興に回さないと、政権が倒れるだろうな。
そうなると今度は調達価格の話になるし、雇用問題とどちらを取るかという話になるわな。
そうりゅう型だって1隻500~600億円するのに、いったいいくらで購入できると思ったんだろう・・・。
まあ調達の不合理さで価格が馬鹿みたいに高くなるのは日本は笑えないけどさ。
普通に考えれば、広大な外洋の哨戒なら、外洋艦隊(強襲揚陸艦、防空のミニイージス)を強化する方が普通だと思うけど・・・違うのかな?
外洋艦隊では無く、仮想敵国であるインドネシアの高速艇への対応、特殊部隊による上陸作戦がメイン?
現在は予算:300億ドル(USDで)、潜水艦×6、強襲揚陸艦×2、フリゲート×12(アデレート級、アンザック級など)、 掃海艇×8、哨戒艇×14、など
外洋艦隊はもれなく潜水艦をメンバーに入れてるんじゃない?
潜水艦を狩るのに最も適しているのは潜水艦らしいし
ただ艦隊にくっついて行くのに通常動力だと航続距離やら航行速度やら厳しそうだけど
外洋艦隊保有国が軒並み原潜保有国なのはそれが理由だろうし
>ただ艦隊にくっついて行くのに通常動力だと航続距離やら航行速度やら厳しそうだけど
アタック級は、ポンプジェットを選択したことで、水持続時間や航続距離がプロペラ選択時との比較で約63%になる予定。
日本のSSに積む重要装備にはアメリカ製も多い
だからアメリカはコアラが日本の潜水艦を購入する話を歓迎した
このまま代替策を講じられずコリンズ級の寿命が尽きるまで使い続けることになるだろう
16兆あれば自力で開発できるんじゃね?と思うのが素人
急速に工業力を失ってるからこの先も潜水艦の自主制作計画は闇路を這うことになる
陸自がこんなの欲しいなとレオパルド2のカタログを政府に見せたら90式を買ってくれた。
豪海軍がこんなの欲しいなとそうりゅうのカタログを政府に見せたら、もう収拾が!初めはホントこんな気楽な感じだったんですよ。
90式と言えば、昔戦鳥でsorya氏が紹介したエピソードによると、
米国が90式の装甲に関して、「設計データや設計法を政府間協定でくれ」と何度も無心してきたようです。
1990年代~2000年代の事だと思いますが、
時期的な問題なのか門外不出故かは知りませんが、日本は拒否したとか。
10式の初期試作時点で、90式に対して約70%程装甲は能力向上した様ですが、技術的には90式の延長線上とのことなので、
上記の際に米国が90式系の装甲の「設計データや設計法」を入手していたら、﹙質量効率が劣悪な重金属系特殊装甲から脱却出来るので﹚現実のM1A2に比べかなり軽量化してたでしょうね。
「市ヶ谷の噂」レベルの信憑性の話だなw
sorya氏が「それは秘密です。」と名乗ってた頃の記述ですが、
米国の無心話しや試作3号車の耐弾試験の事が(19)で、
本邦での特殊装甲開発史の概略が(26)で、
米国側のしくじり具合が(36)(38)で、
各々触れられています。
リンク
試作3号車耐弾試験のビデオの存在について触れたのは、上記が初出だったかな。
あとついでに、時折見掛ける拘束セラミック装甲の解説も、元をたどれば下記の最後のsorya氏の書き込みだった筈です。
リンク
現場のサブマリナーにとっては心臓に悪い話だな、廃艦直前までコリンズ級に乗り続けるのは・・・・。
古くなった潜水艦は繰り返される圧縮と膨脹でいたるところでガタがきているし古いスマホのように電池が持たなくなってくる。」
とりあえずスコルペヌ級で我慢してもらうわけには…。