インド太平洋関連

豪州、グレネードランチャーから発射出来る徘徊型弾薬をウクライナに提供か

豪メディアの7NEWSは「オーストラリア製の徘徊型弾薬D40をウクライナに提供するためポーランドでテストが行われている」と報じており、出来るだけ早く300発のD40をウクライナに引き渡す予定らしい。

参考:Australian senator heads to Ukraine frontline amid Russian assault reports

D40は最前線で戦うウクライナ軍兵士の戦場認識力を拡張するのに役立つはずだ

オーストラリアのDefendTexが開発した「D40」は40mmグレネードランチャーから発射可能な小型の徘徊型弾薬(作動範囲は12マイル)で、モジュール式のペイロード(ビデオカメラ、電子妨害装置、対装甲弾頭、スモーク弾、閃光弾など)を交換することで用途を切り替えることができ、偵察・監視任務の場合は回収して再利用することも可能らしい。

出典:DEFENDTEX DRONE40

この「D40」は米海兵隊の一部、マリに派遣された英陸軍部隊で使用されているのが確認されており、イスラエル企業が開発した「Ninox40」と競合するグレネードランチャー対応の徘徊型弾薬として注目を集めているが、豪メディアの7NEWSは「オーストラリア製の徘徊型弾薬D40をウクライナに提供するためポーランドでテストが行われている」と報じている。

オーストラリアは300発の「D40」を出来るだけ早くウクライナに引き渡す予定で、最前線で戦う兵士の戦場認識力を拡張するのに役立つはずだ。

関連記事:斬新な運用形態、グレネードランチャーから射出するUAVをイスラエルが発表

 

※アイキャッチ画像の出典:British Army

台湾製の武装ドローン「Revolver860」がポーランド経由でウクライナへ前のページ

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コメント

    • ブルーピーコック
    • 2022年 8月 20日

    UAVマニアなのかってくらいにポーランドに多種多様なUAVが集まってるなあ

    5
    • 幽霊
    • 2022年 8月 20日

    ここぞとばかりに色々なドローンが使われてますね
    ウクライナはハイテクなドローンを手に入れられて提供国は実戦データが集められる
    win-winな関係といったところでしょうか。

    23
    • ザコ
    • 2022年 8月 20日

    SFだのサイバーパンクで見たようなアイテムがいつのまにか実用化されてるのか…技術の進歩は恐ろしい。

    10
    • hogehoge
    • 2022年 8月 20日

    徘徊型をわざわざグレランから射出する意味ってあるのか?
    正直、一般的なドローンと比べて何が優れてるのかわからない。

      • 猫ちゃん
      • 2022年 8月 20日

      ・サイズが小さいので歩兵の機動力を削がず、歩兵の戦闘力を底上げできる
      ・サイズからして使い捨てなので回収を考慮する必要がなく、(大量配備できれば)運用の幅が広がる
      ・ドローン弾薬に注意を向けさせて擬似的に挟み撃ちを仕掛けるなど小規模部隊での戦術の幅が広がる
      ・市街地みたいな近距離での戦闘なら壁の向こうや曲がり角の向こうに潜む的に一方的に攻撃できる
      などなど

      アメリカのOICW計画の副産物であるスマートグレネードを更に向上させたようなもので、歩兵戦術に革新を起こすポテンシャルまであると思うニャン

      22
        • hogehoge
        • 2022年 8月 20日

        いや、だからそれってグレラン式でなくてもいいでしょと。手に載るサイズは色々種類ありますし。
        あえて言うなら、打ち上げ速度が早いってぐらいかと・・・・。

        3
          • くれくれ
          • 2022年 8月 20日

          短時間かつ操作不要で正確に飛ばせる
          なので使用後は即移動できる
          新規武装ではなく既存の兵器で運用可能

          実用化されたら出来ることが多すぎて効率的に運用できるの精鋭部隊位なのでは…?
          そして効率的に運用出来たらもはやジャミングなしの籠城戦とか不可能になるかもしれん
          どんどん戦場がゲームの世界に近づいてる気がするな

          18
          • 無無
          • 2022年 8月 20日

          手元にあるプラットホームを利用するのが自然と思うけど
          兵士に違和感なく、なるたけ荷物を増やさないのは大切だよ

          5
          • h4
          • 2022年 8月 20日

          ・普通に飛ばすと最初の高度と速度を得るのにかなりのバッテリーを消耗する
          ・電池のエネルギー密度は低い(ガソリンの1/50)
          ・離陸だけランチャーで行えば、飛行中にデッドウエイトとなる消耗した電池を運ばずに済む(2段ロケットと同じ理屈)

          ということで、重量あたりの活動時間を大幅に伸ばせることになるでしょう。

          21
      • ネコ歩き
      • 2022年 8月 20日

      参考リンク先の映像を見ると、40mmグレネードランチャーから発射(も)できる小型ドローンてことですね。
      映像最後の方では、地面に垂直に立てたパイプ状の射出機から、遠隔で同時多数的に飛び立つ様子が映っています。単純な射出装置から発進可能とすることで使い勝手が広がるという発想なのかと。

      5
      • 匿名
      • 2022年 8月 20日

      ゲームと似たような事が出来るのは戦術の幅広がると思うけどなぁ
      モジュール変えて用途も変更できるとか、凄い時代になったもんですな

    • 58式素人
    • 2022年 8月 20日

    今回の戦争を見ていると。
    双方が絶対航空優勢を取れないので、最前線は双方の歩兵戦に見えます。
    砲兵と戦車兵はそれを支援する形でしょうが、見つかるとすぐに
    撃たれるので、下がり気味でしょう。歩兵は携行武器で戦う形でしょうか。
    結果、歩兵の仕事が増え、それに連れ携行武器も増えているのでは。
    その対策として、発射機を兼用するのは良いことと思えます。
    歩兵が手で運べる重量は昔も今も変わらないでしょう。
    今後の検討として、最前線まで行ける運搬手段を再考すべきと思います。

    1
    • エニグマ軍曹
    • 2022年 8月 20日

    上コメでも一部議論されてますが、グレランという分隊火器から発射されるのにペイロードがモジュール式=ドローンだけでなく同数以上のモジュールを持ち歩いて行動しなければならないというのは、むしろデメリットだと思います。歩兵は下車して戦闘するのが前提です。既に理想的な歩兵装備の重量(体重の1/3)を超過しているのに、更に装備を増やすなど、戦術機動に支障をきたします。

    4
      • エニグマ軍曹
      • 2022年 8月 20日

      追記
      歩兵の主任務は目前(1キロ以内)の敵に接近し倒すことであって、2キロ先の敵を間接攻撃で倒すのではありません。後者の任務は戦闘支援部隊が担当すべきです。中隊、欲張って小隊隷下の多目的ドローン部隊を増設するなら機動力を削ぐことなく戦闘力強化を望めますが、歩兵分隊での運用が前提であるグレランとの運用が前提だと、既に装備・任務過多になっている歩兵小隊にさらに負担をかけることになります。故にグレランである必要はないと思います。

      3
        • 58式素人
        • 2022年 8月 20日

        そうですね。
        追加で新兵器を運用するなら、専門の人員が必要ですね。
        上の方のお話ならば、米軍はすでに回答をしていますね。
        後は各国がどのように続くかということでしょうか。

      • きっど
      • 2022年 8月 20日

      米海兵隊ですと、分隊(分隊長 + 4名火力班x3)に、副分隊長とUAV・情報パッド手を追加していますからねぇ

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