オーストラリア海軍の潜水艦艦隊が作成した報告書では、次期潜水艦プログラム「アタック級潜水艦」は高い確率で失敗するだろうと指摘している。
参考:New report urges consideration of submarine ‘plan B’
プランBを用意することを求める報告書、アタック級潜水艦プログラムは高い確率で失敗?
オーストラリア海軍の潜水艦艦隊はInsight Economicsの支援を受けて作成した次期潜水艦プログラムに関する報告書の中で、800億豪ドル(約6兆円)ものコストがかかるアタック級潜水艦プログラムは「危険なくらいコースを外れている」ため、高い確率で失敗するだろうと指摘している。
報告書が指摘したアタック級潜水艦プログラムの問題点は、当初500億豪ドル(約4兆3,000億円)だと言われていたアタック級潜水艦12隻の調達費用は800億豪ドル(約6兆円)まで上昇している点と、プログラムのスケジュールに遅延が発生し12隻全てが就役するのに30年という途方もない時間が必要で、最終艦就役する頃には性能が時代遅れになるという点だ。

出典:Borvan53 / CC BY-SA 4.0
関連記事:1隻あたり1兆円以上? 豪州、次世代潜水艦「アタック級」に要求される総費用は約16兆円
さらにフランス政府は契約当時、アタック級潜水艦建造工程の約90%をオーストラリア国内で行うことを約束したにもかかわらず、実際に設計や建造を担当するフランスのDCNSが示したオーストラリア国内で行われる作業量は極めて低いレベルで、オーストラリア産業界にとっては到底容認できない。
そのため報告書は、危険なくらいコースを外れてしまったアタック級潜水艦プログラムを当初予定されていたコースに戻し、スケジュールを加速させるため「プランB」導入を提案しており、競争原理を取り入れて「プランA」のアタック級潜水艦と「プランB」を競わせることで低リスク・低コストを追求できると言っている。
では、入札に参加して敗れた日本案やドイツ案を対抗馬として「プランB」にするだろうか?

出典:public domain コリンズ級潜水艦
報告書はアタック級潜水艦プログラムと競わせるため、サーブに依頼して新たにコリンズ級潜水艦性能向上型の研究と予備設計を2023年までに完了させ、建造に進むプランを再度選考するという計画だ。
補足:因みになぜ「プランB」をサーブに依頼するのかについては、恐らくコリンズ級潜水艦を設計したコックムスがサーブグループの傘下に入っている影響だろう。
本当にこれでオーストラリア海軍の次期潜水艦プログラムが正常な軌道に乗るのは未知数だが、仮に報告書が提案する「プランB」を導入しても一度契約を締結してしまっただけに、もう一度競争入札を行うという大幅な契約内容の変更をフランス側が受け入れるのか非常に怪しい。
ただフランスと結んだ契約には「契約解除条項」が盛り込まれており、オーストラリアは最大4億4,000万豪ドル(約330億円)支払えば、アタック級潜水艦プログラムを途中でキャンセルすることが出来るため、一度違約金を支払い再度契約を結び直すということも無くはないが、そのような複雑な手続きを行えば次期潜水艦プログラムは更に遅れることになるだろう。
管理人的にアタック級潜水艦プログラムが抱える構造的な問題点は、フランスで新たに設計された潜水艦(シュフラン級原子力潜水艦をベースにした通常動力バージョン)を約20年近く潜水艦を建造していなかったオーストラリア造船所で建造するという複雑な方式がスケジュール遅延とコスト超過を招いている張本人だ。
更に付け加えると、オーストラリア海軍は次期潜水艦にコリンズ級潜水艦で使用してきたものと同じ米国製の戦闘システムや搭載兵器統合を要求しており問題を悪化させている。

出典:public domain 基地でコリンズ級に搭載されている戦闘システム「AN/BYG-1」のトレーニングを行うオーストラリア海軍将兵
フランスが設計するアタック級潜水艦に米国製のシステムや兵器を統合するということは、米国は兵器のデータをフランスのDCNSに開示しなければならず、米国とフランスの関係を考えれば簡単なプロセスではないことぐらい容易に想像がつくと思うのだが、この無茶振りをオーストラリアはやってしまった。
米国はアタック級潜水艦に統合する米国製システムや兵器のデータがフランスからロシアや中国へ漏れることを懸念しており、米国製システムや兵器をフランスが統合するのではなく、オーストラリアが自分たちの手で統合してくれと言い出したため困ったことになっている。
関連記事:2019年ミリタリーニュース10選、1隻5,000億円の豪「アタック級潜水艦」が抱える問題点
このように見ていくと、アタック級潜水艦プログラムが「危険なくらいコースを外れている」のはフランス側だけの問題ではないのではないという結論に行き着く。
果たしてオーストラリア海軍の次期潜水艦プログラム「アタック級潜水艦」は、本当に建造することが出来るのだろうか?
※アイキャッチ画像の出典:benqook / stock.adobe.com
米国のシステムを要求……って、当初入札参加した国が、仏国、独国、日本と……米国が入ってない時点で、約束された失敗……だったのでは?何処が落札しても、座礁していた気しかしない……。
いや、搭載する戦闘システムが米国製っていうのは別に降ってわいた話ではなく計画初期からの要望であって
仮にそうりゅう型ベース案が採用されていたとしても中身の戦闘システムと搭載兵器は米国のものになってたよ
確か、日本が潜水艦を輸出するって話になった場合は船体は日本製で
そこにアメリカのシステムを組み込むって話になってたような。
オーストラリアがアメリカのシステムを使いたいって言ってる以上、
フランス側も船体の設計の情報をアメリカに開示する必要があったけど、
「それはあんまりやりたくない」ってフランス側も難色示してた記憶がありますね。
いずれにせよオーストラリアはアメリカとの兵器運用の互換性を重要視してるみたいだし、
アメリカのシステムの使用自体は既定路線では?
既に書かれているとおり日本が建造する場合でもアメリカの戦闘システムを組み込むことは決まっていたよ
それなら問題はなかったのかと言えば、フランスに決めたバアイより遙かに問題は少なかったはず
なんせ日本の潜水艦にしなよってオーストラリアに進めたのはアメリカだからね
オーストラリアで政変が起きなければ、或いはその次の政権が中国とズブズブでなければ、日本のプランがそのまま通った可能性は高かっただろうね
プランC 「アメリカから原潜を買う」
原子力の軍事利用を禁止してるので法改正すれば法的には可能
国民感情としての反対があるのかは知らん
オーストラリアは反核感情がかなり強い。昔イギリスが豪内で核実験して被爆した豪兵に健康被害が出たのと、ウラン鉱山の汚染とかで核アレルギーがある。
米国は、最高機密である原潜を輸出したりその製造技術を移転することはありえないと断言してるので無理ですな。
誰ももう見ていないでしょうが、現実はこの方のプランCとなりましたなぁ
国内の産業保護目的とはいえ、ここまで割高になってしまうと
完成品を安く購入して、その差額を技術革新なりの名目で直接軍需産業に注入してあげたほうが
効率が良さそうにみえるんですがねえ
仮にフランス案が白紙化された場合、コリンズ級の延命改修をするだろうがそれも一時しのぎに過ぎない
現状オーストラリアの要求を満たす通常動力型潜水艦で信頼と実績があるのはドイツの216型くらいしかないのでそれになるだろう
もしかしたらタイミングが合えば韓国の島山安昌浩級も候補になるかもしれない
みんな分ってると思うが釣りだからコイツには触るなよ~
いや何を以って釣りと判断したのかは知らんけど、普通に現実的なコメントをしたまでだぞ
216型は要求を満たしているし、信頼と実績のあるドイツ製なので現状はこれ一択
まだ配備されてはいないが、島山安昌浩級も豪の要求を満たしているし、韓国は技術移転に積極的な優良サプライヤーなので可能性は十分ある
優秀なサプライヤーw
韓国が潜水艦のどんな技術を供与すると…w
オーストラリア国内で建造する事は間違いない
韓国の兵器は技術移転と現地生産に積極的なので世界中で売れている
まあ「砲身とパワーパックはこっちで用意するから車体だけ売ってくれ」と言われて素直に応じる「優秀なサプライヤー」は世界でも数少ないだろうね。
で「インドネシアへの戦闘機の技術移転」はどうなってますか?w
>素人の君がさも実情を知ってるかの様な書きぶりだな
214型のトラブルなら「世界の艦船」とかで何度も書かれてますね。
もうその辺で軍事知識が全然ないヤツだってバレバレなんですよ。
>信頼と実績のあるドイツ製
この時点で釣り確定だろ。
ドイツ海軍や韓国海軍での実情を知らないとかありえんだろうしな。
素人の君がさも実情を知ってるかの様な書きぶりだな
ここで韓国を持ち出すのが釣り以外に何だってよ。それともお前、工作員か?
216型はこのプロジェクトにオリジナル設計のドイツ企業が提案しててフランスに負けている。そこで今このタイミングで韓国がのこのこ出てきて契約勝ち取るってか?そんなのドイツが許すわけないだろう。
かつてドイツから設計図入手して214型作って、水漏れやら電池システム不良やら何やら不具合満載でドック入りして放置されて、その後の続報ないよな(笑)。
何が技術移転に積極的だよ。封印解いてリバースエンジニアして失敗する半島国家が何だって?
技術の横流しに積極的なインチキ武器輸出国の間違いじゃないのかwww
故障しまくりでろくに動いていないドイツや韓国の潜水艦に信頼とか釣り以外にないわな。
意味不明 少しは調べたら?
>コリンズ級の延命改修
は計画済み、2020、2030年代も使う
アタック級が就役するのは2030年代
>信頼と実績があるのはドイツの216型くらい
まだ紙の上にしか存在しない216型の「信頼と実績」って一体www.
こいつは5chで有名なキヨもどきの「オッペケ」だろうなw
止めて旅に出たほうがいい
放っておくを通り過ぎてソッとしておきましょう。
遂に、開発中止へのカウントダウンが始まったな。
仏国側がアタック級潜水艦建造工程の約90%を豪国内で行う約束をDCNSが事実上反故にした上、システム統合の件で米国まで怒らせた以上、此の儘建造を続けるのは無理筋と言う他ない。
恐らく、プランBどころか国産も不可能になり、輸入するにも建造してくれる国すら無い可能性がある(サーブによるプランBの件も豪海軍側からの提案に過ぎない)。
先の競争入札でイカサマ同然の評価を出して、日本だけでなく独国側の提案も蹴った以上、因果応報とか言い様が無い。
端からオーストラリアは原潜が欲しいだけ
原潜にも後から改造出来るよ…と言う胡散臭過ぎる甘言に乗ってしまった
オーストラリアは原子力アレルギーがすごいから
それはない
それは国民
軍は兵器の能力しか見てない
その折半案が今回のこの事態を引き起こした
政権が変わるたびに、風見鶏のように日本寄り中国寄りと態度を変えるオーストラリアは信用できないので、この件も割と他人事として笑っていられる。
こんな国に日本の潜水艦技術が流れなくて本当に良かった。
システムはアメリカ製で作るので日本が作った場合でも技術流出はないです。
イージス艦情報とかを中国に渡す自衛隊員がいる日本もあんまり変わらないです。
日本も政権が変わると中国よりになりますよ。
潜水艦なんてシステム以外も機密の塊なんだけど…
もうちょっと勉強しような…
まるで日本がそうじゃないかのような言い方だな
現に安倍政権が習近平主席を国賓として招いたりと、中国との距離の取り方はその時々によって変わるでしょう。
しかし日本の安全保障環境からは、アメリカより中国に接近することは考えられません。
民主党政権でもそれはなかったし、恐らくは共産党が政権をとってもないでしょう。
流石に、共産党に政権を渡す程……総体としての日本人の民意は、未だ狂っていない……とは、思いたいけれど。
もし那由多に一、不可思議に一……共産党に政権が渡ってしまう様な、不幸な人災があったら……赤旗側に寄りそうな気も、しますけれど?
日本共産党にとっても、スターリンとか、毛沢東は、共産党の同志なんでしょう?(多分、習近平も)
6兆円まで膨れたが、違約金条項での金額は、1%以下。 しかも、豪州の都合で破棄できる。 しかし、あっちの政治家と官僚は、かなり硬直しているので、政治的理由で破棄の決断は、現実的でないそうだ。
後日漏れた、機密以外のそうりゅう型への、豪州の不満。 通路 トイレ ベッド 食堂の幅も、天井高も不足で、発狂しそう。 魚雷装填が人力で、2次大戦レベル。機械化しろ! だそうです。
この要望だと、魚雷数 バッテリー 燃料タンク容量が、犠牲になって、カタログ性能が低下しそう。
芋でもキムチでも米帝装備との摺り合わせ問題がある以上候補にはならない
まして後者はレッドチーム入り寸前なのだから事実上の敵性勢力
宗主国(ライミーのほう)へ泣きつくのが妥当かな……
ほとんど存在しないと言ってよかった国内の潜水艦製造業雇用保護などという寝言で票を集めようとした報い
アップホルダー以来通常型造ってないから
イギリス本国でも代替プランないやろ
割とガチで「キャンセルして島山安昌浩」案はありそうな気がする。
彼の国なら自国生産も技術供与もホイホイと了承するだろう。
アメリカ製のシステムとの統合も自信満々に勝手に引き受け、
開発始めてからアメリカに拒否されて「後頭部を殴られた」と大騒ぎするところまで目に浮かぶ。
どこにもメリットがないなら、早々に損切りして出直せばいいのに。
国内製造とかアメリカ製装備とか、ワガママ満載な条件付けたからこうなった。出来ますといったフランスもどうかと思うが。
そして最後は日本のせいにする。
あの国ならやりそうですね。
大丈夫、韓国に助けてもらえ
お前らオーストラリアと似たもの同士だから気が合うだろ
もちろん、日本は関係ないからね☆
その通り。
さわらぬ神にたたり無しです。
適当に外国から購入してからリバースエンジニアリングして自力開発した方がいいんじゃね
オージーどもですぜ?
リバースエンジニアリングなんて、途中で投げ出すのがオチ。
いやいや、大々逆転で中国と手を組む。
まさかね。
コリンズ級にアメリカのシステム組み込んでいるから、「大々逆転で中国と手を組むむ」をやるとアメリカが黙ってないかと。
潜水艦建造基盤があるならね。それがないからコリンズ級がああなった訳で。
コリンズ級は習作と考えて、次々と次のを建造していればねぇ…不具合有るまま定数揃えて一旦安心するのって馬鹿すぎる
プロジェクトにLMが係わっている、スペイン製s-80プラスをラ国なりした方が良いかも。プロジェクト自体はかなりグダっていますが。
そもそも、米国製戦闘システム搭載の話はそうりゅう型採用を見込んでのことであり、常識的に考えてドイツやフランスに米国が戦闘システムを開示するわけないだろ・・・
もうドローンでよくね
その手がありましたか。
海洋ドローンですね。
でもそれをどこから輸入するかでまた揉めたりするんでしょうね。
無難に米国製辺りで良いんじゃないかな?
他との連携も考えるなら。
現地製造や、技術開示を要求しなければ……米国は売ってくれるのでは?
それなら韓国製で手を打つ手もらいましょう。
とはいっても彼らはレッドチームか。
ドイツ212型は欠陥艦、韓国はそのドイツのコピー
最初から韓国は候補にも挙がっていなかった事で察して下さい
貧乏国にねじ込むのは可能だろうけど、
豪州はそうじゃ無いから、提案したら鼻で嗤われるだけ
とはいってもオーストラリアの立場では選んでいられないかと…。
どうしても潜水艦が欲しいならば以下の3択で。
・とりあえずコリンズ級を延命し、フランス製に腹をくくる。
・国外品調達としドイツ製に切り替える。
・国外品調達とし韓国製に切り替える。
嫌な妄想としては、当面のコリンズ級の延命に加えて、
・退役する「おやしお」級をシステム改装またはそのままで購入
とか?
確かに、なんで宗主国に頼まないの?まだアプホルダー級の設計資料や
人は残ってるのでは?という疑問うかぶ。
おやしおはさすがに船体寿命が厳しいのでは・・・
あと、通常型としては結局うるさい方になっちゃうんじゃなかったっけ、おやしお
比較対象はキロとかそうりゅうではあるけど
中々笑える。 フランスは、60年近く前からソ連に浸透されていて、政治はともかく
軍事情報がソ連に漏れるのは、英米では常識だった。 そのフランス潜水艦に、操縦室の
兵器管制システムをアメリカ製して運用なんてwww、アメリカが開示しないどころか
完全に封入したユニットだけ提供して、その情報接続口の規格くらいしか説明しないだ
ろう。 その情報のやり取りの変換ソフトや機器は、豪州の責任でやってくれ!! って
米国の言い分も解る。 そうりゅう型の、海自仕様は3000憶円以下なのにな・・・・。