米国防長官はアジア諸国に「国防費を増額している欧州の例=総額5.0%」を参考にするよう促し、トランプ政権はオーストラリアに「少なくとも国防支出を3.0%まで引き上げろ」と要求、これに対してアルバニージー首相は1日「国防費の増額は不要だ」と述べて要求を一蹴した。
参考:AUDIO: PM says no need to increase defence spending
参考:‘We’ll determine our defence policy’: PM pushes back on Hegseth pressure over China
どうやらオーストラリアは「2033年までに国防支出を2.33%まで引き上げる」という立場を守るらしい
NATOは6月末の首脳会談に向けて加盟国の国防支出=2.0%基準を見直し、ルッテ事務総長は3.0%以上を提案したもののトランプ大統領は5.0%を要求、最終的にルッテ事務総長も「総額5.0%(国防支出3.5%+軍事インフラとしても活用できる分野への投資1.5%)という高い目標で合意できるだろう」を表明、これ受けて国防総省のコルビー政策担当国防次官は「NATOは5%の国防費目標を達成するため非常に強いコミットメントを示した」「これは世界中の同盟国、特にアジアにとって新しい基準となるだろう」と言及。
. @SecDef meeting with Deputy Prime Minister Richard Marles 🇺🇸🤝🇦🇺
“Long standing incredibly important partnership with our friends in Australia. It’s as strong and true as it’s ever been.” pic.twitter.com/oIRP8rE91D
— DOD Rapid Response (@DODResponse) May 30, 2025
ヘグセス国防長官もシャングリラ会合で「この地域の安全を保証してきた米国の役割に頼るのではなく、米国の同盟国はより大きな軍事負担を受け入れる必要がある」と発言、Defense Newsは「ヘグセス国防長官は国防費を増額している欧州の例を参考するよう促した」「オーストラリアや日本など米国の同盟国は国防費の増額を発表しているものの、国防総省はこうした国防費の増額が現実の脅威に見合っていないと考えている」「コルビー国防次官もNATOの5.0%基準がアジアの同盟国にとっての新基準だと述べた」と報じている。
オーストラリアの国防支出は既に2.0%をクリアし、アルバニージー政権は2033年までに国防支出を2.33%まで引き上げる予定だが、シャングリラ会合前にヘグセス国防長官と会談したマールス国防相は「国防費増額を話し合う用意があると伝えた」「具体的な数字は挙げないものの『国防費の増額が必要である』とヘグセス国防長官も指摘してきた」と明かし、豪国営放送のABC Newsも「トランプ政権は少なくとも国防支出を3.0%まで引き上げるよう圧力を加えてきている」と報じた。

出典:DoD photo by U.S. Navy Petty Officer 1st Class Alexander Kubitza
アルバニージー首相はタスマニアでの会見で「ヘグセス国防長官の発言」や「国防支出の3.0%引き上げ」について尋ねられると「我々がやることは国防政策を決定することで、最近だけでも100億ドルの追加投資を行った。我々がやることは能力と地域との関係に投資を続けることだ」と述べ、ABC Newsを始めとする複数の豪メディアは「米国が要求してきた国防費の大幅増額を一蹴した」「マールス国防相とは正反対の態度」と報じており、どうやらオーストラリアは「2033年までに国防支出を2.33%まで引き上げる」という立場を守るらしい。
因みにトランプ政権が要求する3.0%基準はNATOが採用する見込みの「総額5.0%」を構成する「国防支出3.5%」に近い数字で、この基準は日本にも要求されている可能性がある。
関連記事:米国防長官がアジア諸国に国防費増額を要求、NATOと同じ5%水準か
関連記事:台湾と日本の国防費増額は実現不可能なのか、それとも意思の欠如なのか
関連記事:NATOの新基準は総額5.0%、世界中の防衛企業が欧州に集中する可能性
関連記事:メルツ新首相、ドイツ軍を欧州最強にするため必要な資金を全て出す
関連記事:エストニアが国防予算の増額を発表、GDP比はポーランド超えの5.4%
※アイキャッチ画像の出典:Anthony Albanese
もがみ型を準同盟国の日本から買いましょう、日豪防衛省会談を今日やってますね。
日本のインフラを使える、もしかしたら手を組む可能性があると見せるだけで、かなりの抑止力になりますよ。
国防費を引き上げろ=俺様の兵器をもっと買え!と言っているようにしか
思えませんね。遅延続発のポンコツ兵器・システムしか作れない、
凋落まっしぐらのアメリカの要求などガン無視でよろし
その予算でAUKUSとか諸々出来るの?陸軍切り捨て?
安全保障上必要な兵器の購入、整備、アップグレードの為に結果的に防衛費増額3.5~5%なら理解も納得も出来るけど
最初から増額の率が決まってるなんて本末転倒いいとこだわ
日本も金額ありきで考えることはしないという姿勢ですし
結局アメリカの最重要同盟国の日豪ですら
アメリカの庇護を得るためのコスト(=防衛予算を増やして米製兵器を買え)
が青天井で伸びていく状況に国の財政を傾けてまでお付き合いする気はないんですよね
同盟国にガンガン金を吐き出させて中国と真っ向対峙させる、
その一方で同盟国だろうが高関税を課してアメリカ市場で稼ぐことは許さない
という虫の良すぎる振る舞いを続けてたら
アメリカと同盟国で居るメリットがぼやけて米中の喧嘩で米国に付く国がどんどん減っていってしまう
その辺りちゃんと分かってんですかねトランプ政権は。マジで覇権取られちゃいますよ
ヘグセス「アジアの同盟諸国は欧州を見習い国防費を5%に引き上げろ=欧州の顧客を失ったから俺達の為に引き上げた分の金でアメリカ製兵器を大量に買いやがれ。」という意味でよろしいのかな?
俺個人の意見としては5%引き上げ自体は雇用と地域経済恩恵を含めた国内の防衛産業に安価でコスパに優れスケジュール通りに納品される兵器調達に回すなら反対しない。
アメリカ製のバカ高い、トラブルで遅延を繰り返す、いつ納入されるか分からない様な兵器購入に使うんであれば大反対。
数字そのものに意味はないだろう、要するに物理的防衛力がどうなっているかが
問題であって…
今のオーストラリアの問題点は南シナ海への距離だと思う。
インドネシアもはさんでるし、距離自体かなり遠い。
これじゃ台湾の自立を認めろとか航行の自由を守れとかっていう政治的主張に
軍が有効なプレゼンスを付与できない可能性が高い。
じゃあ外洋フリゲートをそろえようっていうのはまあまあ理にかなってる。
近場しか行動できない通常型動力潜水艦より原潜にいくのも同じ。
こうして見ると結構やることやってるかも?(けっして早いわけではないが)
単純に日本で3.5%の防衛費だと21兆円だよ?5%だと30兆円。
陸海空に5兆円ずつ割り振って海保に1兆円で16兆円。んで残り5兆円で各種関連経費にしたとしても超々増額だわ。
…あれ?これぐらい増額しても良いような気がしてきた!w
F35を500機!10式戦車1000両!パトリアAMV5000両!護衛艦100隻体制!陸自の給料3倍にして30万人に増員!
…まぁ無理だね。
オーストラリアも中国から海上封鎖を示唆するような攻撃的な軍事演習を近海でやられてましたよね。
そう簡単に軍備増強要求を一蹴するのもどうかと思います。
台湾有事で日米豪が動員する戦力とその改善案・増強案を決めて
そこから逆算していくとどれぐらいの負担になるのか?って考えないといけないのは確かでしょうから。
NATOで増額やるって言ってるとこも予算の定義を変えて(軍事費でなかったものを軍事費とする)誤魔化そうとしてるしピンハネで悲惨なことになるとしか思えない