バングラデシュ空軍が進めているマルチロール機調達について「タイフーン導入が最も可能性が高い」と報じられており、ロシア製や中国製の戦闘機から西側製戦闘機に乗り換える経緯も含めて中々興味深い。
参考:Bangladesh Sizes Up Typhoons for Fighter Requirement
果たしてバングラデシュ空軍はタイフーンを適正な金額で調達できるだろうか?
バングラデシュ空軍は何十年にも渡りロシアや中国から戦闘機を購入してきた実績をもち、ウクライナでアップグレードを行ったMiG-29BM/UBM×4機、BM/UBM規格へのアップグレードが予定されているMiG-29B/UB×4機、老朽化が激しいFT-7BG×8機、比較的新しいF-7BGI×28機を保有しているが、流石に周辺国の空軍(インド空軍やミャンマー空軍)と比較すると能力不足が否めないためロシアからSu-30MEを8機調達する計画が進められていた。
しかしロシアはロヒンギャ難民の問題でバングラデシュと対立するミャンマーを支持、さらにロシアがミャンマー空軍にSu-30MEを売却したためバングラデシュとの関係が拗れ、Su-30MEとMiG-35(?)をセットで購入するようロシアが要求してきたためバングラデシュ空軍は保有するロシア製や中国製の戦闘機を段階的に廃止して西側製戦闘機の導入に方針を転換。
調達コストの安価なグリペンやF-16を検討したもののインド空軍やミャンマー空軍より規模が小さいバングラデシュ空軍が数で対抗するのは難しく、高価でも性能が優れた戦闘機導入が最も抑止力が高いという結論に落ち着きラファールとタイフーンが導入候補に浮上しているらしいが、インド空軍がラファールを導入(特に敵対している訳ではないが同じ機種は嫌らしい)したため消去法でタイフーンがリストのトップに繰り上がったらしい。
仮にバングラデシュ空軍がタイフーンを導入すればアジア圏(中東を除く)初の運用国になるため中々興味深いが、同国へのタイフーン売り込みを担当するイタリア政府とレオナルドはクウェート空軍へのタイフーン販売で契約金額を釣り上げる不正に加担した疑惑(クウェート陸軍の士官が合意した金額を上回る契約を発行して見返りを得ようとした不正に加担した可能性が噂されてるがレオナルドは疑惑を否定)があり、担当国ではない英国がバングラデシュのタイフーン導入支援を表明している。
ただ英国もサウジアラビアとのタイフーン契約も王室や政府関係者への賄賂で成立したと告発され、調査の結果限りなく黒に近かったのだがサウジアラビアの追加購入交渉に影響を及ぼすことを恐れた政府が調査の打ち切りを命じて有耶無耶になっており、果たしてバングラデシュ空軍はタイフーンを適正な金額で調達できるだろうか?
因みにミャンマー空軍がJF-17を調達しているため中国製戦闘機という選択肢は消滅しており、タイフーンが駄目になるとF-15EXぐらいしか選択肢(ボーイングがインド空軍に提案中)がない。
関連記事:タイフーンを馬鹿げた金額で契約したクウェート、合意金額を上回る契約をエアバスに発行か
関連記事:ワクチン外交の末路? クアッドに参加すれば2ヶ国関係を損なうと中国がバングラデシュを恫喝
お知らせ:70ヶ国を超える海外の国々から沢山アクセスを頂き感謝しています。って言うか海外在住の日本人の方々ですよね?
※アイキャッチ画像の出典:Copyright Eurofighter
お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。 |
バングラデシュは、インドの保護国じゃなかったかな?
無理しない方が、いいと思いますがね。
インドの保護国はブータンでは?
ムスリムの国で、インドから分離独立したバングラデシュがインドの保護国ってのは初めて聞いたが・・・
元々東パキスタンだったのを、独立させたんだよ。
現パキスタンはウルドゥー語が圧倒的優勢、現バングラデシュはベンガル語が圧倒的優勢と、言語が異なるのだけど、
東西パキスタン時代にウルドゥー語の国語化を進めるなど、西側に偏った政策が行われて、東西パキスタンは対立して内乱勃発。
そして当時も西パキスタンと対立していたインドは、東パキスタンの独立を支持。
第三次印パ戦争のインド勝利とバングラデシュ独立戦争を経て、1971年にバングラデシュか独立との流れの様ですね。
戦闘機ってそんな「隣の子と一緒じゃ嫌」みたいなノリで選択するもんなのかね?
バングラデシュの国土で中露機を相手にするならグリペンでええやん、と思うけどなぁ…。
同じの使うと利点欠点も知られてるし運用実績が長い方が有利な上に数の上でさえ劣勢とくれば勝ち目が殆ど無い、って判断でしょ。
周辺国が持ってないAWACSとか電子戦機とかと一緒に運用出来るなら話も変わってくるがそんな金は更にないだろうし。
> 同じの使うと利点欠点も知られてるし運用実績が長い方が有利な上に数の上でさえ劣勢とくれば勝ち目が殆ど無い
仮想敵が相手ならともかくインド相手にそんな算段いるの?
すまん、読み違えてた。
>インド空軍がラファールを導入(特に敵対している訳ではないが同じ機種は嫌らしい)したため消去法でタイフーンがリストのトップに繰り上がったらしい。
↑これの話かw
こればっかりは当人達に聞いてみないことにはわからんな~・・・。
まあ「嫌【らしい】」ですからね。
とはいえ「調達コストの安価なグリペンやF-16」とか「高価でも性能が優れた(略)ラファールとタイフーン」とか、
なんとも雑と言うか子供じみて見えるんですよねぇ。
勝目を問題にするなら、ラファールに勝目が無いタイフーンを選ぶ理由が無い。
DACTではドッグファイトで0勝10敗、BVRで0勝4敗
スイスの審査では全項目でラファール以下、2項目(空対地・偵察)ではグリペン以下
韓国の審査でもラファール・F-15E以下
インドの評価ではコストがラファールの25%増
それをなぜか今さらになっても爆推しする人(達)がおりまして
そしてラファール乗りから、
「Typhoon is a joke, very easy to shoot.」
と言われる始末。
とはいえ、タイフーンの良さを消した上での話しみたい。
リンク
あれも嫌これも嫌で消去法でタイフーンか…完全に余り物扱いで涙が出ますよ。
名前ワロタ
“特に敵対している訳ではないが同じ機種は嫌らしい”で草
車買う感覚で戦闘機選ぶなw
ご近所さんと同じ車を買うのは嫌だと言うのなら分からんでもないのだが国防に関わる事だからな~
結果として見たこともない不人気な車をつかまされる様なものか。。。
タイフーンは機体性能より不正関係がでかすぎてなぁ。
ミャンマーと対立はともかく、インドとは仲悪いわけでは無いんだし、テジャスにすれば良いのに。
なんなら韓国製では。
KF-21で。
いつ納品されるかわからんが。
あれ性能に対して高くない……?
アイキャッチ画像でなんとなく戦闘妖精雪風のハードカバー版思い出した。
海外在住の日本人もいるんでしょうけど、外国人も結構見てるんですね。海外からのアクセスってどのぐらいあるんですか?
「英国もサウジアラビアとのタイフーン契約も王室や政府関係者への賄賂で成立したと告発され…(中略)政府が調査の打ち切りを命じて有耶無耶に」
軍事商品の販売は、どこも黒いことやってんのね
オーストリアの二の舞に・・・
>タイフーンが駄目になるとF-15EXぐらいしか選択肢(ボーイングがインド空軍に提案中)がない。
何故、スパホではなくF-15EX提案なのだろう?
記事内に「調達コストの安価なグリペンやF-16を検討したものの、インド空軍やミャンマー空軍より規模が小さいバングラデシュ空軍が数で対抗するのは難しく、高価でも性能が優れた戦闘機導入が最も抑止力が高いという結論に落ち着き」と書かれているのが全てかと。マルチロールではなく、ファイターとして優れる機体が欲しいということなんでしょう
有り難うございます。
「ボーイングの手札の中では」とのエクスキューズ付きで、理解しました。
たまには売れ筋と違う機体の導入はうれしいですね。
戦闘機も多様性が無いと見ていて面白くない。
因みに70か国の件ですが、海外からの諜報機関にマークされてるんじゃないですか?
とある軍事ブログ主はどこぞの国の情報を普通に得ようとしたらアクセスが遮断された、とかいう記事を見た覚えがあります。
(ちょっとうろ覚えで、すいませんが)
インドは分かるけどミャンマー空軍も数は似たような気がする。まあSu30相手だから質は必要ですが
地上攻撃はできないけれど、英空軍やオーストリア空軍が持て余してるトランシュ1なら安値で買えるけど
運用コストで足が出るよね・・・