豪国営放送は1日「コリンズ級潜水艦6隻のうち2隻で前例のない船体腐食が見つかり、緊急メンテナンスもストライキの影響で遅れている。残り3隻もアップグレードの完了待ちで、運用可能な潜水艦は1隻しかない」と報じ、コリンズ級潜水艦を2040年代まで運用できるのか疑問の声があがっている。
参考:Just one Australian submarine is fully operational as aging fleet undergoes urgent maintenance
参考:‘Alarming’ but ‘not surprising’: Australia reportedly left with 1 operational sub amid repairs, upgrades
我々はタイムリーな決定を下すことを学ばなければならない
オーストラリア海軍はコリンズ級潜水艦をバージニア級原潜とAUKUS級原潜で更新する予定だが、バージニア級の取得は2030年代前半、AUKUS級の取得は2040年代にならないと実現しないため、コリンズ級潜水艦の大規模なアップグレード=Life of Type Extension/LOTEを2026年から開始する予定だ。
このコリンズ級潜水艦について豪国営放送=ABCは1日「コリンズ級潜水艦6隻のうち2隻で前例のない船体腐食が見つかった。この2隻に対する緊急メンテナンスは造船所のストライキが長引いて遅れている。残り4隻のうち3隻もガーデンアイランド海軍基地で予定されたアップグレード(LOTEとは別のアップグレードだと思われる)の完了を待っている状態で、運用可能なコリンズ級潜水艦は1隻しかない。国防省は声明の中で『必要に応じて利用可能な潜水艦は複数ある』と主張したが、ABCが確認したところ(ガーデンアイランド海軍基地で係留中の潜水艦の内)少なくと1隻の潜水艦は再就役の認証を受けていない」と報じた。
Australian Strategic Policy Instituteのマルコム・デイビス氏はBreaking Defenseの取材に「コリンズ級はバージニア級と共に2040年代まで運用しなければならず、耐久年数を伸ばすLOTEに大きな期待がかかっていたことを考慮すると非常に憂慮すべきニュースだ。もしコリンズ級が2024年に運用できなくなると将来戦力として信頼できるのか疑わしくなる」「豪政府はコリンズ級の展開が不可能になった場合『豪展開が予定されている米英原潜がギャップを埋める』と説明する可能性が高いが、この原潜の主権は米英にあるため(コリンズ級のギャップを埋めるものとしては)説得力がない」と指摘。
元豪海軍士官のジェニファー・パーカー氏も「これは歴代政権が海軍への投資を躊躇した結果で、我々はタイムリーな決定を下すことを学ばなければならない。今後は艦艇の1番艦が就役した直後に後継艦開発を開始しなければならない」と述べた。
因みにデイビス氏は「原潜取得までのギャップを埋めるアプローチとしてLOTEを追求するのではなく、日本もしくは韓国からの潜水艦調達を選択肢に含めるべきだった」「これに海軍が反対したのは(政治的に)原潜取得が中止になることを恐れたためだ」とも述べている。
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※アイキャッチ画像の出典:Royal Australian Navy
重厚長大産業は、どの分野もですが、新造・メンテナンスにも時間がかかりますからね。
重厚長大産業を投資面で言えば、設備投資・人材育成にも、時間や多額の資金が必要なります。
重厚長大産業は利益の少ない産業ですから、ある程度は採算度外視で、投資を継続する重要性を感じます。
そうりゅう型が勝ってたらどうなってたかな
勝った。。。。あとに、議会から横槍が入って
、白紙に戻ってたと思います!
時間と資金を度外視すれば艦艇の近代化はできると思います。それこそテーセウスの船みたいな大手術を要するにしても、他の選択肢を自分で潰してきた以上は豪州国民の税金と時間を非効率上等で拠出するよりないでしょう。
むしろ、将来よりも今の潜水艦隊の戦力配置のほうが深刻なのでは…。パトロール展開可能な原潜が1隻しかない=ほとんどの海域がほとんどの時間、水面下は無警戒ということですよね。米海軍のバージニア級による豪州展開もまだまだ先ですし、30年代より20年代の後半を心配するべき局面な気がします。そう考えた時、日韓の潜水艦に目を向けるのは正しくもあり間違いでもあるように思うんです。いかに日韓の造船所が仕事が早くて通常動力型を毎年作っているとはいえ、新規に発注していたら設計無変更でも納品までどうしたって5年はかかる(本国向けを融通してもらうにしても、乗員の訓練まで含めるとやはり5,6年は要する)訳で、即応性としては不十分です。優先順位から言えば米海軍の豪州展開を早めてもらうか、それが無理なら潜水艦以外の手段でASW能力を補う方法を模索するしかないでしょう。効果は限定的ですが、米国の水上艦や対潜哨戒機部隊も展開してもらうくらいしか思い浮かばないですけどね。
コリンズ級は通常動力潜水艦ですが…
コリンズ級が原潜だと書いたおぼえはないですね…
>パトロール展開可能な原潜が1隻しかない
こう書かれていたらあなたにそのつもりがなくてもコリンズ級を原潜として扱っていると解釈されても仕方ないでしょう。
「今の潜水艦隊の戦力配置のほうが深刻なのでは…。パトロール展開可能な原潜が1隻しかない」ってまるで現在の豪に原潜があるかのような誤認でしょ。
本文の稼働できるコリンズ級が1隻しかないって話を誤読しているとしか思えません。
間違いは素直に認めてしまったほうが楽ッスよ。
前例が無い、しかも1隻でもなく複数となると未知の欠陥かと少々怖い話ですね
真っ先に思い付くのは保守作業の不備ですが…
原因究明が待たれます
原潜が欲しかったけど核アレルギーが凄い国民を抱える豪海軍からしたら、日本やドイツは論外で通常動力潜からの原潜化が可能なフランスを選択したのは仕方なかったでしょう。
まあその後ご破算になって米英の原潜になるわけですが、その間に韓国はちゃくちゃくとSLBM搭載の潜水艦を建造して、さらにロシアとの間で開発してた潜水艦用原子炉についても濃縮?とは概念の違う方式で高濃度ウランを手に入れて準備万端。
中国で艤装中に沈没した潜水艦が通常動力なのに補助的に原子炉を積んでいたとされるように、これからは通常動力潜水艦+小型原子炉もありと考えると、本命の米英製の潜水艦の前に補助的に韓国製の小型原子炉搭載通常動力船あるいは原潜化可能な通常動力潜の調達の可能性もあると思います。
自衛隊はやっとVLSとかちょっと眩暈がするぐらい遅れてて本当に悲しい。
>自衛隊はやっとVLSとかちょっと眩暈がするぐらい遅れてて本当に悲しい。
自衛隊の要求とは異なるので、そもそも方向性が違うんじゃないかな。
原子炉は動作音が大きく、停められないというデメリットがあるので、優れていると一概に評価はできないかと。
一応、静粛性を重視したリチウムイオンバッテリーにおいて、自衛隊は最先端です。
韓国の兵器の素晴らしさを謳ってるみたいですけど、張保皐3に搭載する弾道ミサイルが短距離弾道ミサイルの玄武2をSLBM様にした玄武4-4なので射程距離は500kmだから日本とは運用が違いますし。そもそも、玄武2がロシアのイスカンデルをコピーして作られた物なので輸出したらロシアに睨まれるので、輸出が難しい物になりますし。
>自衛隊はやっとVLSとかちょっと眩暈がするぐらい遅れてて本当に悲しい。
政治的理由で大地攻撃できる装備を保有できなかったからね
>自衛隊はやっとVLSとかちょっと眩暈がするぐらい遅れてて本当に悲しい。
海上自衛隊の潜水艦は長らく対潜水艦、対水上艦の機能、特に隠密に敵水上艦隊を抹殺することを目的に作られていたので、VLSは不要装備とされていたので、遅れているとは言い難いかと。
音の出る原子力よりも、電池の性能を高めて長く潜れる静かな通常動力を追求したりと、いわゆる海の忍者戦法に特化させてきたという歴史がありますね。
しかし、時代の流れ的に、潜水艦の敵に見つかりにくいという特性を敵基地攻撃能力に適用したいという意見が出てきたので、研究が始まった感じですね。
将来的に海自の潜水艦隊は敵基地打撃を行うVLS潜水艦群と、従来通りの海の忍者やる攻撃潜水艦群の2種類になるんじゃないですかね〜
日本のVLS潜なんですが、基本サイズの通常潜にVLS用の縦穴なんて開けて強度大丈夫なんですかね。
韓国は近海の浅っい海で運用する前提だから深く潜ることは考慮してない(ミサイル発射後、中露海軍相手にどう逃げ切るつもりか知りませんが)でしょうが、日本としては深度犠牲にするのは苦しいですよ。
従来型の非VLS艦とVLS艦で運用変えればいいだけでしょ。
米軍だってSSNとSSGNじゃ同じ運用しているわけもなし。
まあいつもの我が国のあれもこれも1艦種でって悪癖が出なければよいのですが。
日韓は既に運用からして別物を作り上げてますよ。
日本は深い海溝部での長期の待ち伏せ、韓国は隠匿性の高いミサイルのプラットホームとして設計してますから。
同じくドイツが潜水艦用対空ミサイルを開発してるのも当国が浅く狭い海にしか面してないからです。設計思想や環境による差異を優劣で議論するのは誤りですし、豪州にとっては恐らく通常潜は何れも不向きですよ。
今では問題潜水艦の代名詞のコリンズ級ですが、就役時にはコリンズ級と比べて自衛隊の潜水艦は悲しいくらい遅れていると言ってる人がいましたね
清谷とか言う人なんですけど
>眩暈がするぐらい遅れてて本当に悲しい
自衛隊は必要最低限の防衛力を保有するに留めているので、周辺国との武力の均衡を図るために突出した武力の保有は計画していません。そのため、周辺国より一歩遅れての武力整備になります(原子力推進や核兵器は別です)。
これは、平和国家を希望する国民の意思によるものなので、悲しく思うことは無く、むしろ文民統制が効いていることを世界に誇るべきです。
自衛隊は運用が違うんだ原潜は煩いぞ等多くの指摘を受けましたが、これからの時代は空だけではなくて海中もUUVが有人潜水艦に随伴し偵察をしたり、場合によっては中国海軍が既に演習で行ったとされるUUVによる単独での有人潜水艦の追尾・撃沈も当たり前になると思います。旧来の待ち伏せ主体の自衛隊のやり方では、複数のUUVが撃沈覚悟で先行してきた場合対処ができなくなるのではないでしょうか。深い海溝部で待ち伏せといっても主戦場である東シナ海はとても浅く、さらに1万mだろうが潜ることが可能でそれ自身が魚雷にもなるUUV相手では深度はあまり意味のない状況になってきています。
韓国は哨戒用UUVの母艦として更に大きな原子力無人UUVを開発中とも聞いています。随伴するUUVに小型原子炉でも搭載できればいいのですが、それが無理な場合は母艦である有人潜水艦から海中で給電も想定しないとなりません。待ち伏せといった危険な任務はUUVに任せて、有人潜水艦は後方からSLBM発射やUUVの母艦としての機能を果たす方向にすべきではないでしょうか。
30年代からゴーストフリート(無人艦隊)実現できるよう自衛隊も動いとるよ。
UUVや可潜USVなどかなり攻めたコンセプトで研究開発しとります。
コリンズ級ってそんなに古い潜水艦だったっけ?
と思ってらおやしお型とほぼ同年代じゃないですか
こりゃ整備に掛ける予算を相当ケチったな…
整備費は結構掛けていたような・・・
主に不具合是正にですが
設計元のスウェーデンでも造ったことない大きさ
初めて造った潜水艦
造船技術が高くない
不具合起きまくりで多数の修理歴
これだけ重なれば整備に力入れてても、こういうこともあるでしょうねぇ。
テキトーを言いますが。
QUAD構成国で、豪州近海での演習を頻繁に行ってみたら?。
日本の場合、演習の常連になって、演習時に豪州へ必ず寄港をしてみては?。
そうすれば、豪州近海にQUAD加盟国の潜水艦が不定期に居ることにならないかな?。
南シナ海とか、マラッカ近海とか、ロンボク近海とか、に。
日本の潜水艦は、さすがに、豪州の南岸までは行かないと思うけれど。
俺がやる俺がやるどうぞどうぞの駆け引きの末に、気が付いたら、日本が自腹で日本防衛用艦艇を引き抜いて、オーストラリア海洋防衛義務を負う羽目に。。。
QUAD内の交渉によると想像します。
日本は通常潜なので、行動が限られますし。
プレゼンスの提示に終わると思います。
米/英?は原潜なので立場は変わると思います。
英国は、2021年の段階で、ブルネイに拠点を
作ることを目指していたようだから、その後、
どこまで進展したかはわからないのですが。
オーストラリアがそれなりの金出してくれるなら多分イギリスは喜んで原潜部隊を貸し出しそうにも思う。金欠イギリス海軍と艦欠オーストラリア海軍の相性は悪くないんじゃないかな。
>オーストラリアがそれなりの金出してくれるなら
もう1行目から、絶対に有り得ない前提じゃないですか。。。そんなこと出来るなら、こんなことなってないよ。。。。。
「これは歴代政権が海軍への投資を躊躇した結果で、我々はタイムリーな決定を下すことを学ばなければならない」
実に耳が痛い言葉ですね。ここ数年は改善したとはいえ自衛隊の装備・投資不足はなんとかならんものか
通常潜を作ってきた国の内、瑞独韓は完全に内海の海軍で、日本も内海(東シナ海)と外海(フィリピン海)の境界部で運用する前提だし、ロシアも内海にだけ通常潜をおいて、外洋に投入されてるのは米英露何れも原潜だけなのに、外洋(南太平洋)で通常潜を投入しようとしたのが全ての間違いだったんではないかな
>外洋(南太平洋)で通常潜を投入しようとしたのが全ての間違いだったんではないかな
約80年前に、太平洋や大西洋の外洋で潜水艦を多数実戦投入した国々があってだな。外洋での通常潜の運用実績は腐るほどある(戦果は別問題)。
お気の毒ですが日本が出来ることはもうありませんね。
外国に発注すればー(ほぼ無関係なので素知らぬ顔で)
コリンズ級建造時期が1990-2001なのやばいですね
弊国のおやしお型と同世代ですが、おやしお型の一番艦は既に練習潜水艦ですらなく、除籍まで行っています
いくら修理・近代化したとしても、2040年まで現役ってのは難しいんじゃないかな…
海自の潜水艦は割と色々特殊なので運用年数の基準としては不適切かと…
22隻体制への移行で潜水艦の運用期間が18→24年になったものの、それでも、おやしお型最終艦のもちしおも2030年には除籍わけで、まだまだ贅沢な調達なのは変わりませんね。
近所に強力な外敵いないし除籍する日本の潜水艦を繋ぎで買えばいい
多少維持整備に金や手間がかかっても何も無いよりましでしょ
運用としては深度制限したTSSで潜水艦乗りの練度や定員を維持しないと新規に原潜とか練成がいつになるやら
真面目にありじゃないでしょうか
ぼったくりはしないでしょうし
アフターケアに不安はありますが
海自が毎年潜水艦を作ってまだ使えるのに捨てていくのは金の無駄だと思っていましたが
開発・生産能力を維持するためと考えれば合理的ではあるんですね
しかし我が国と同等以上の原子力否定世論の強い豪州で、原潜導入がすっかり既定路線になった雰囲気ですね。
むつの事故で停まってしまった我が国はつくづく原子力とは相性が悪いなぁ…。
同じ英語圏で装備や武装も大体同じようなものを使い
大洋に面しているが潜水艦戦力ダメダメ国家のカナダと
共同購入・共同運用すればいいのでは、どこで製造するかはしらんけど。
それはもう問答無用で宗主国様の金欠海軍しかないでしょ?
そうりゅう型退役は間に合わないので、おやしお型でも取得して運用されたらどうでしょうか?