インド太平洋関連

韓国、国産MLRS「天武」で新型ロケット弾を発射出来ない問題が浮上か?

韓国が国産した多連装ロケットシステム「天武」が今年6月に新型230mmロケット弾を実射した際、射撃管制システムにトラブルが発生していたと韓国メディアが報じている。

参考:[단독]천무 신형 로켓탄 실사격에서 ‘발사 장애’ 확인

韓国が開発した多連装ロケットシステム「天武」、実際に試射すると発射トラブルが発生?

韓国は2009年に米国製の多連装ロケットシステム「M270A1 MLRS」や国産の多連装ロケットシステム「九龍」の後継開発に着手、1300億ウォン(約120億円)の予算と5年の歳月を掛けて開発した多連装ロケットシステム「天武」を2015年から陸軍に配備して運用を開始した。

この天武は米国のMLRSとよく似ているが開発時期が新しいので、MLRSよりも性能が高い油圧駆動装置とデジタル制御装置を備えているため高度と方位角の同時駆動が可能で、射撃に要する時間もMLRSより20秒ほど短縮されており、再装填時間に至ってはMLRSより100秒近く短縮されているのが特徴だ。

使用するロケット弾もMLRS同様、各種無誘導弾や誘導弾が用意されており、弾薬を除いた天武の車輌本体価格は約30億ウォン(約2.6億円)程度と言われている。

今回問題が発生したのは既存弾よりも射程が延長された新型230mmロケット弾(射程80km)で、国内で開発したのだが実際に試射できる広さの演習場が国内に無いため、イスラエルの試験場と国内の海上試験場に新型ロケット弾だけを持ち込み計4回の試射のみで実用化されてしまった。そのため今年6月に行われた実射が多連装ロケットシステム「天武」に新型230mmロケット弾を搭載して運用する初実射だったのだが、実際に新型ロケット弾を運用してみると射撃管制システムにトラブルが発生してしまったという話だ。

現在、韓国の国防技術品質院でトラブルの原因について調査を行っているらしい。

ただ注意すべきは今回の報道が「チャンネルA」という韓国メディアのもである点だ。

このチャンネルAというメディアは韓国軍に関する報道に関して、事実を捻じ曲げて大きく報道する傾向が強い(特にチャンネルAの単独報道)ことで有名なので、他のメディアの取り上げないと信ぴょう性が薄いか、そこまで大きな問題でない可能性が高いので、今回はその点を踏まえて読んで欲しい。

 

※アイキャッチ画像の出典:公開されたYouTube動画のスクリーンショット

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 8月 31日

    >イスラエルの試験場と国内の海上試験場に新型ロケット弾だけを持ち込み計4回の試射のみで実用化されてしまった。

    アッハイ・・・

    2
    • 匿名
    • 2020年 8月 31日

    >チャンネルAというメディアは韓国軍に関する報道に関して、事実を捻じ曲げて大きく報道する傾向

    自称軍事評論家KYTN某の朝鮮版みたいな感じ?

    4
      • 匿名
      • 2020年 8月 31日

      同じ事考えたわwww

      どこにでもいるもんやな。そういう奴らは。

      3
        • 匿名
        • 2020年 8月 31日

        記者クラブに入れてもらえないのか、入れてもらっても質問を受け付けて貰えなかったりするのかな?

        3
    • 匿名
    • 2020年 8月 31日

    コリアン清谷かどうかはともかく「ありがち」なので>計4回の試射のみで実用化

    3
    • 匿名
    • 2020年 8月 31日

    >既存弾よりも射程が延長された新型230mmロケット弾(射程80km)
    問題が発生してるのは239mm誘導弾のクラスター弾頭かな?
    (無誘導のクラスター弾頭は射程:45kmだった)に比べて延伸
    なお、通常弾頭は最初から射程:80km
    239mm誘導弾のクラスター弾頭はアメリカからの技術導入ができなくてダメってことでは?

    ・K-239 
    開発:2009~~2013年、1314億ウォンを投入し、
    配備:2016年8月から
    目的:K-136の代替え  (仕様の概要はwikiなどを)
    機能:
    239mm誘導弾(12発) 射程:80km  ※3
    KM26A2・227mm(230mm)無誘導弾(クラスター弾、DPICM) 射程:45km 12発 ※
    130㎜無誘導弾(K30/K33) ※2
    価格:約30億ウォン(ロケット弾を除く)
    ※ クラスター弾(無誘導)は不発率:1%以下を満たせななったので、製造承認が出ず アメリカから購入 (アメリカからの技術導入)
    ※2 130㎜無誘導弾(130㎜ロケット砲弾)は新規製造では無く、既存のロケット弾の再生
    ※3 通常、クラスターの2種類がある  クラスターは仕様が不明
    つうか、開発中なのでは?

    ・K-239-II  KTSSM  (開発中)
    開発:2019年1月?~2021年 420億ウォン
    400㎜級の天武-Ⅱ誘導弾:4発、と600㎜級戦術地対地誘導兵器:2発を

    2018.12.08
    リンク
    2020.05.10
    リンク
    천무 다연장로켓  wiki 天武多連装ロケット
    リンク

    • 匿名
    • 2020年 8月 31日

    だって「韓国型」だもの。
    兵器開発は、見よう見真似でケーキつくるのとはワケが違うことが判らない模様。

    1
    • 匿名
    • 2020年 8月 31日

    まあ本当でも所謂初期不良の内でしょ

    1
    • 匿名
    • 2020年 8月 31日

    相手に炸裂しない優しい兵器

    • 匿名
    • 2020年 9月 01日

    自慢たらたらなK2も要求性能を切り下げての試験合格だもんなぁ
    北朝鮮に勝てないって本当かもな

    3
    • 匿名
    • 2020年 9月 01日

    もしかしてこれはすぐ直る類いなのかな?
    公式発表でも出ない限り条件反射で叩くのは良くないね

      • 匿名
      • 2020年 9月 01日

      どこだって上手くやったときは公式発表するけど、コケたときのデータなんて滅多に出さないよ。

      2
    • 匿名
    • 2020年 9月 02日

    韓国を舐め過ぎ。兵器輸出では日本より完全に上なんだから、4の5の言わず、マネるとこはマネて外販に注力しなきゃ日本軍事産業の縮小化はいよいよ極まり、現状維持すらまま成らない状況になるのでは?兵器開発を多重に行えない現実が有るように見えますよ。

    2
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