インド当局者は「パキスタン軍が8日夜から9日未明にドローン数百機で攻撃してきたが阻止した」と主張し、パキスタン政府高官は「まだドローンを使用していない」と反論、さらにCNNは「この紛争激化は中国の軍事技術が西側製装備にどれだけ有効かを示す機会になるかもしれない」と報じた。
参考:India accuses Pakistan of launching hundreds of drones overnight as Islamabad denies the claim
参考:China has spent billions developing military tech. Conflict between India and Pakistan could be its first major test
J-10Cがラファールを撃墜した可能性は分かりやすいアピールにうってつけだが、まだ断片的な情報しかないため結論に飛びつくのは早計だ
インドは帰属問題で対立するカシミール地方のテロ事件の背景にパキスタンが関与していると主張、パキスタン側は「テロ事件はモディ首相の支持率を回復するためのでっち上げ」と反論し「公平で中立な捜査の受け入れ」を表明したものの、インド軍は7日未明にパキスタンとカシミール地方のテロ拠点を対象にした大規模な軍事作戦=Operation Sindoor(シンドゥール作戦)を開始。

出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Samantha White
インド国防省は当初「パキスタン軍の軍事施設は標的から除外された」「これは慎重かつ抑制的ななものでエスカレーションを伴わないものだ」「攻撃はパキスタン国内と占領下にあるジャンムー・カシミール州のテロ拠点に限定された」と、モディ首相も「7日未明の攻撃が成功した」と表明し、インドメディアも軍や作戦に参加した将兵を称賛したが、パキスタン側は7日未明の攻撃でインド軍が大きな損失を被ったと主張。
パキスタンのタラール情報相とアシフ国防相は「7日未明にインドの戦闘機を5機撃墜した」と、パキスタン当局もCNNの取材に「インド空軍との空中戦は現代戦史上最大かつ最長のものだった」「計125機の戦闘機が1時間以上に渡って戦闘を繰り広げた」「両軍の戦闘機は自国の領空を離れることはなかった」「時にはミサイルの応酬が160km以上も離れた距離で発生した」「両軍とも敵領空で自国の戦闘機が撃墜されパイロットが捕虜になることを望んでいなかった」と述べ、SNS上にはラファールやロシア製射出座席の残骸が登場。

出典:Israel Aerospace Industries
衝突2日目に入るとインド国防省は「パキスタン軍が7日夜からインド北部から西部の軍事目標を攻撃した」「インド軍も8日午前にパキスタンの複数地点で防空システムを攻撃した」「ラホールの防空システムを無力化した」と発表、これは「パキスタンが軍事目標を攻撃してきたのでシンドゥール作戦の範囲をテロ拠点から軍事施設に拡大した」という意味で、CNNも「インドがパキスタンの軍事目標を標的にしたのは今回が初めてだ」と報じ、パキスタン軍も「インド軍が発射した25機のイスラエル製無人機=Harpyをソフトキルとハードキルの両方を駆使して全て破壊した」と主張。
衝突3日目に入るとインド当局者は「8日夜から9日未明にレーからサークリークまでの36ヶ所で300機~400機のドローンが侵入してきた」「これはインド軍の施設を標的にした攻撃で大半のドローンを撃墜した」と主張したが、パキスタン政府高官はCNNの取材に「実行支配線沿い沿いでの激しい砲撃」を認めたものの「まだ我々はドローンを使用していない」と述べてインド側の主張を強く否定した。
⚠️Old Video Alert!
In an old video, it is being claimed that Indian soldiers are crying and abandoning their posts as the India-Pakistan war intensifies
✅ This video was posted on Instagram on April 27 and is NOT related to the Indian Army!… pic.twitter.com/wy6EzBUnab
— PIB Fact Check (@PIBFactCheck) May 9, 2025
両国は自国メディアを巻き込みながら「相手の攻撃」を非難し「如何に自国が抑制的で敵が戦いをエスカレーションさせているか」を、SNS上には「如何に自軍が有能で敵が無能か」をアピールするフェイクニュースが溢れており、ウクライナとロシアの戦いと同様に「事象に対する認識を曖昧にして相手の信憑性を攻撃する戦い=情報戦や認知戦」が活発で、もはや外野からは何が事実か分からない状況だ。
因みにCNNは「インドとパキスタンの紛争激化は中国の軍事技術が西側製装備にどれだけ有効かを示す機会になるかもしれない」「パキスタンは7日未明の空中戦でJ-10Cがラファールを含む戦闘機を撃墜したと主張した」「まだ空中戦の結果は判明していないがJ-10Cを製造する成都飛機工業の株価が40%も上昇した」「中国政府もJ-10Cの関与を把握していないと主張しているものの主要兵器供給国として戦い行く末を熱心に見守っているはずだ」「もし仏製戦闘機やロシア製戦闘機の撃墜が事実なら西側諸国の技術にアクセスできない中東やアフリカで中国製装備品に対する関心が高まるだろう」と報じているのが興味深い。
但し、安全保障分野や軍事分野のアナリストらは慎重な立場を崩しておらず、米War Zoneは「現代の航空戦術は日頃の訓練、弾薬、ネットワーク、早期警戒、電子戦、戦術など多くの要素が結果を左右するため、ラファールの撃墜はプラットホーム自体の失敗を意味するものではない」と、米シンクタンク=FDDも「ラファールは最新鋭機でも戦闘自体は統合、調整、生存能力を掛け合わしたものだ」「ラファールは航空戦力を構成する様々な要素の一部でしかない」と指摘。
オスロ大学のホフマン氏(防衛政策、ミサイル技術、核戦略の専門家)も「インド空軍のパイロットは政治的な要請で先に発砲することが出来なかった可能性もある」「こうしたケースではパキスタン側の兵器がより効果的に見える場合がある」と、さらにパキスタンは7日未明の攻撃を阻止できなかったため「インド軍の長距離攻撃兵器=SCALP、AASM、BrahMosが中国製防空システム=HQ-7、HQ-9、HQ-16で構成されるパキスタン軍の防空網を突破した」と示唆しており、LSEのゴーヘル博士は「これが事実なら中国製装備品の信頼性に悪影響を与えるだろう」と指摘している。

出典:Indian Air Force
J-10Cがラファールを撃墜した可能性は「中国製戦闘機が西側製戦闘機に勝利したという分かりやすいアピール」にうってつけだが、まだ断片的な情報しかないため結論に飛びつくのは早計だ。
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※アイキャッチ画像の出典:Pakistan Air Force
別に最新鋭のステルス機では無いので、仮に撃墜されていたとしても「単なるミサイルによる攻撃が成功しただけの一戦闘の結果」ですから、(不可能だと言われる程に困難な事例な訳でも無い)それで優劣を競うのはプロパガンダ以外の何物でも無い訳で。
中華製戦闘機と言ってもマッコイ爺さんの激安ミサイルじゃないんだから、ちゃんと当てればそりゃ墜ちるだろと、そういう点では「キャッキャと喜び過ぎだ」と、一部のネット言論には冷ややかな目を向けたくなります。
それはともかく、1999年のカルギル戦争は明白にパキスタン軍部による意図的な侵攻作戦だったことが分かっていますが(結果として計画は失敗してますけど)、今回もイスラム教徒によるテロが発端で、隣国アフガニスタンのイスラムテロ組織や武装勢力とパキスタンの軍部や政治家が利権絡みのズブズブの切り離せない関係にあるのは知られている事実です。
彼らにしてみればカシミールは取り戻すべき未回収のイスラムの土地として、「ジハード」と化しているのかもしれません。
それをやっているのがテロ組織なのか、それらと繋がりのある一国の軍部なのかは大きな違いではありますが。
ここまで大規模な衝突が起きた異常、双方日和った発言が出来ないのはしょうがない
日本ですら、仮に死傷者が出る空戦が起きて、相手が〜機撃墜と発表したのに黙ってたら暴動が起きるだろう
ただエスカレートしても良いこと無いのは解りきってるだろうし、何とか初動が対テロだって事を利用して早期に解決して欲しいな
各種衛星を保有していれば、交戦範囲・前線の長さ・航空基地の状況など、様々な情報分析ができるのでしょうね。
ウクライナ戦争は、陸上の戦闘ですから塹壕戦などの衛星情報により判断できましたが…
今回のように、空中戦・無人機・撃墜のみとなれば裏付けが難しいですね。
順当にエスカレーションしている
まじ核戦争まで行きそうなのでやめて欲しい
カシミール地方などインド北部は、もともとイスラム教徒の多い地方なので、カースト制度のインド政府に不満を持つ人間は多い。当然、ISのようなモサド・CIAに資金提供されているエセイスラム団体が扇動して暴れるのは当然考えられる。イスラム教徒の眼を別方向に向けるため、インド政府としては、本来、国内の治安回復のため、モサドやCIAのような非合法組織を弾圧するのが一番良いと思うのだがね。
イスラマバード近郊のヌル・カーン空軍基地(パ)で爆発が発生。同基地は輸送機や空中給油機を運用する後方の基地らしいのですが、ガッツリ防空システム抜かれてますね…
NASAのFIRMSでも同基地で高温反応が出ています。
まだつて事は其の内使うつて事だよね。笑
インドもパキスタンも一番量が多くて値段も安いのは人間だから地上戦の方が案外総コストは低かつたりして。
両軍入り乱れて地上戦した方がお互いに核使用出来ない可能性も?
パキスタンの中国兵器がインドのS-400の防御を破壊できるかも早くやるべき
情報戦だけやってくれるのが一番よ
インドはもう引く気なさそうですしパキスタンの首都のイスラマバードは位置が喧騒地域のカシミールに近いので、パキスタンは当然世論的にも国防的にも簡単にはもう引けないだろう段階なのでしょうから水面下の交渉もプロレスで終結も失敗したと見て紛争長期前提で紛争激化する前提で見ていく必要がありそうですが、核保有国同士の全面戦争に突入だともう何が起きるか全くわからず非常に心配でしかないですね。
SNSやヤフコメあたりはまぁ論外
近場の人は情報量の不足とバイアスで的を得ない
専門家の方と直接話し合えれば論点がすっきりして疑問が晴れるかも知れんが、そもそも会えないしコストが高すぎる
そこで chatGPTちゃんですよ
壁打ち相手にちょうどええ
現時点で修士くらいの力はある。どちらかと言えば人間の質問力が問われている
確かな情報を元に考えることが重要であって、どこかに答えがあってそれを探すというのは労力の無駄
このニュースはインパは情報を出し渋ってるのでむずかしいんだけれど(でもパキスタン戦闘機撃墜したらインドでもウキウキ公表しそうだが
ネットの情報でうだうだ言ってる我々くらいの能力は十分あってChatGPTすごいと思うんですけども、しっかり取材や文献調査される人が無駄にはならないですし、ネット情報使うにしても緻密なOSINTのようなことも現状ではまだできてないですよ。
それに論文のような「ツッコミようがある(反証可能)」フォーマットで仮説を立てて議論するというのも中々大変なことで、かなりのトンデモでない限り研究されてる方のことはやはり尊敬します。
取材やフィールドワークしている人たちはこれまでと変わらないかむしろ強化されるでしょうけれど、
文献調査や既知のデータベースを用いて分析を行う社会学者とか経済学者とかはこれから大変だろうなぁと
新聞の論考とか負けちゃいますよ普通に
現場は強化されるし中枢も同じだけれど、間の中間層的なレイヤーは結構食われるだろう
2年前は結構バカにしてたんだけど、3.5から4への変化でこれなんで
計算資源の増産と集中であと2回はスケーリングによる世代向上ができるから、どこまで延びるか楽しみでもあり怖くもある
パが印のミサイル貯蔵施設攻撃し始めた…
えらいこっちゃ…こりゃ戦争や…
う、ううう、す すごい、あのインドとパキスタン!!
そういう文化なのか分かりませんが、
インドメディアもパキスタンメディアもすごい煽情的・挑発的で、エスカレーションさせる気満々なのがなんとも。
インド(14億5000万人)vsパキスタン(2億4000万人)という国内人口(パキスタンだけでロシアとウクライナ合わせた数より多い)がこれに感化されて
SNSや動画サイトは自国の戦果と相手国の無能を喧伝しあう場と化しており、
パキスタンのカラチをインド海軍が攻撃したというソースがない情報を国内メディアが拡散したり、
大量の「キエフの幽霊」が誕生しそうな空気が既にあります。
これで非ステルス機に拘る意見は後退を余儀なくされるだろう。中国製が勝つという一番嫌な形でステルス機の脅威を示されてしまったんじゃないかな。
練度が言うがパキ側が恐ろしく練度が高い訳でもないんだし、そもそも長距離でのミサイル撃ち合いに必要なのは先ずはパイロットの練度ではなく、戦闘機本体のレーダーやスタンドオフミサイルみたいなシステム側の問題だろと。
AEW&Cで言うとスウェーデン機がロシア機に勝った可能性が高いとも言えるわけですし、陣営でいうと何がなんだかよくわかりませんよ、ほんと雑に早計な判断をするのは禁物だなあと
ステルス機で全部解決するなら(F-35などが)とっくに危険な任務に投入されてるはずなんだけど、実際は運用側がビビりまくって安全な任務にしか投入されてないからなぁ…
ステルス機を過信しすぎると、その時が来たら今回のように「評判が地に落ちる」かもね?
ワガ国境地帯の様に派手なダンスによるダンスバトルで決着するまでやればよいのに