フランスはA321XLRベースの次期海上哨戒機の開発を進めており、Aviation Weekは4日「アジア太平洋地域でA321XLRベースの海上哨戒機計画に関心が集まっている」「これは米政権への不信感が背景となったP-8Aに代わる機体への関心の高まりだ」と報じた。
参考:Airbus: French Plan Sparks Asia-Pac Interest In Maritime A321XLR
Aviation Weekも「P-8Aに代わる機体への関心」に言及する脈絡でP-1に触れないのは「P-8Aの代替機」として期待していないからだろう
ボーイングがP-3Cの後継機として開発したP-8Aは計10ヶ国に採用され、これまでに186機(米国×136機、英国×9機、オーストラリア×13機、ドイツ×1機、ノルウェー×5機、ニュージーランド×4機、韓国×6機、インド×12機)を納入済みで、特に主要顧客だった米海軍向けの生産がほぼ完了したため、2022年から生産能力を月1.5機から月1機に引き下げ「生産ライン閉鎖」も噂されたが、新たにカナダ×14機、ドイツ×5機、シンガポール×4機が採用を決め、さらにドイツが2023年に3機追加発注し、インドも6機追加発注に向けて交渉中だ。

出典:Boeing
要するに「P-8Aの生産ラインは32機のバックログを抱えている」「現在の生産率なら生産ラインを2.6年維持できる」という意味になり、適当な競合がいないことも手伝って、対潜戦に対応した海上哨戒機の需要はP-8Aが独占する格好となっている。
この分野の最後の希望はフランスが独自に計画しているA321XLRベースの次期海上哨戒機(サイズ感はP-8Aに近い)で、Aviation Weekは4日「アジア太平洋地域でフランスが進めているA321XLRベースの海上哨戒機計画に関心が集まっている」「エアバスはシンガポール航空ショーで『この海上哨戒機はフランス以外にも提供可能な最先端のソリューションだ』『この地域でフランスの計画に関心が高まっている』『既に非常に興味深い話し合いが行われている』と明かした」「これは米政権への不信感が背景となったP-8Aに代わる機体への関心の高まりだ」と報じた。
本来なら実機が存在するP-1がP-8Aの代替機として注目されるべきなのだが、名前も上がらないのは「海外輸出を想定していない設計」「ガラパゴス化した独自の機体とエンジン」「未知数な維持管理のコストや将来性」「運用実績が日本のみで第三国による評価や運用実績が欠けている」と認識されているためで、Aviation Weekも「P-8Aに代わる機体への関心」に言及する脈絡でP-1に触れないのは「P-8Aの代替機」として期待していないからだろう。
海外のディフェンスメディアによる日本製装備品の評価をありのまま言えば「自らアピールもしない」「輸出市場にも出てこないので評価のしようがない」「だから取り上げないし注目もしない」といったところ。

出典:U.S. Navy Photo by Mass Communication Specialist 1st Class William Sykes
武器輸出の観点に限定しても「輸出を前提としたパッケージ化をしていないため比較検討の土台にすら乗っていない」といったところで、国内メディアが作り上げた「日本の防衛装備品は優秀だ」という評価などほぼ見たことがなく、カタログスペックが高くとも市場に存在しない幽霊のような存在だ。
もがみ型護衛艦のような例外を除いては。
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※アイキャッチ画像の出典:Airbus





















海外視点のP-1は例えるとロシア製旅客機のような感じか?
ロシア国内では普通に運用されているっぽいが実態は見えてこない。航空業界やマニア界隈では認知されていても、世間の関心はエアバスとボーイングに集中している。維持管理が色々と面倒なのが容易に想像でき、ロシア以外の航空会社の導入候補にはまず挙がってこない。
まあP-1は日本のこだわりを詰め込んだ機体ですから諸外国からすれば使いずらいという判断になるのも仕方ないでしょうね。
P-1のように厳しいものがある一方、もがみ型のように大型輸出に成功した事例がでてきたのは素晴らしいと感じています。
防衛省=防衛産業が、武器開発において海外輸出を考慮していくのは大きく前進しているわけですが、今後の武器開発・設計思想の変化に大きく期待していきたいと思います。
追記です。
自衛隊の入隊者数が、3年ぶりに1万人超えそうだと、小泉防衛大臣が言及しています!やっぱり投資大事ですね。
(輸出視野に入れた)防衛装備品開発~自衛官の待遇改善まで、防衛部門にドンドンお金を投資して、日本の防衛能力強化に繋げて欲しいですね。
ボコボコで草
まあ輸出考えないで作ったから仕方ない
で終わる話ですね
稼働率を見ると普段使いも考えたのか
と言いたくなりますが
P-1は設計の段階から輸出を想定してない機体なので選考の俎上にも上がらないのはしょうがないと思います。
ただ兵器というのはその国の地形、気候、用兵思想、経済力、技術力、地政学的位置に合わせて設計する物でガラパゴス化というのはある意味当然なのかと。
M-1のガスタービンエンジンはアメリカの強力な補給能力あっての物ですし、メルカバはイスラエルの国情を明確に反映しています。
ですので日本の防衛装備品は優秀だ(自衛隊が運用するのに最適化さてる)=輸出商品として魅力があるにはならないと思います。
日本の防衛装備品輸出についての問題は政府、メーカーがどこまで本気で売るつもりがあるのかですね。
国民感情、法整備等の問題があるんでしょうけど艦艇以外はそこまで売る為の熱量を感じないです。
そもそも日本政府の動きからして日本の防衛に直接メリットがある輸出にしかあまり興味がない(フィリピンや豪州)
韓国みたいに産業にして外貨を稼ぐとかまでは無いんじゃないですかね
てか輸出して1番メリット大きいのって有事にアホほど消費されるミサイル含む弾薬類なんよね。現状ではそこを5類縛りで完全に封じられてるからなぁ。
まあ「消費される弾薬を輸出してメリットを得る」ってことの重さを考えれば仕方ないことではあるけど防空と対艦はよしとしよーよ。事故ならともかく吹けばとぶよーな民間船舶や航空機を好き好んでクソ高いミサイルで攻撃する顧客なんてそうはおらんて…
長らく公明党が与党に入ってた影響かなと思います。
武器輸出に根強く反対してましたから、作る側としても輸出を考慮しても無駄でしたから。
公明党が外れて今後は変わっていくと思いますが、だいぶ出遅れてしまったので今後はどうなるやら。
何かとエンジン関係で低評価になるP-1だけど、専用に開発された機体だけあってP-8よりもソノブイランチャーが充実してるし、機外からソノブイラックごと搭載出来るし、予備座席の位置が洗練されてるとかスペックに現れない良いところは沢山あるんです……
運用面においてP-1はP-3Cの延長上に高性能化を図ったのは明らかです。残念ながらその構想はP-8の登場と無人機の進化によって時代遅れになってしまった感があるのかなと。
防衛装備移転に道が開けた当初は欧州の航空ショーに実機を派遣・展示する等、海外へのアピールも積極的に行われましたが商談に発展することはありませんでした。
現在では政府も海自もKHIもP-1の海外移転は見限った部分があるんじゃないですかね。
P-8が掲げる構想は一見すると先進的に見えますけど、そもそもその構想は未だに実現できていないような絵に描いた餅状態なので、P-8の登場によってP-1が時代遅れと化したというのはいささかP-8を過大評価し過ぎなのでは?
P-8を補完するはずだったMQ-4Cはそもそも海中捜索能力すら無いですし、MQ-9Bはヘリコプターよりはマシ程度の速度しか出せない上に攻撃能力も無いしソノブイ搭載量もヘリコプター程度なので継戦能力も低いです。おまけにMQ-4CやMQ-9Bは衛星通信や衛星航法への依存度も高く、高強度環境では活動できない。
あと、P-8の無人機連携構想を持ち出してP-1は時代遅れなんだと評価している人が多いんですけど、P-8の無人機連携能力というのはそんなにすごいものではまったくなく、MQ-4CやMQ-9Bと戦術データリンク(Link16)を介して情報共有ができるよという程度の単純な話で、MQ-4CやMQ-9Bの操縦はP-8ではなく遠方にある地上施設から実施されるんですよね。
昨今話題のCCAは戦闘機の機上から直接操作できますが、MQ-4CやMQ-9BはP-8から直接操作することができないなどなど両者は根本的に全くの別物で、P-8ができることはデータリンク経由で情報の共有ができるだけなので、その程度のことなら能力向上型P-1どころか初期型P-1のシステムでも余裕で対応できます。
初期型P-1でも戦術データリンク(Link16)程度のシステムなんて当たり前のように最初から搭載されていますし、Link16を介した各種アセットとの情報共有も当たり前のように行われています。P-1はLink16に対応しているので、あとは無人機がLink16に対応していればP-8と同レベルの無人機連携ぐらい朝飯前にこなせます。
P-8が掲げる理想は一見するとなんかすごそうで先進的っぽく聞こえるんですが、理想を形にするという肝心なことができておらず、現状では言ってることが立派なだけのただの机上の空論に過ぎないです。
耳障りの良い理想論という金メッキでコーティングされているから一見するとなんかすごそうなものっぽく見えますが、ぶっちゃけ本質的には妥協の産物でしかないと思いますよ。
今現在どうかを言ってるのではなく、今後の発展性を見据えてなんですが。
システム・オブ・システムとしての拡張性はP-8のほうが高く、その完成度は今後も向上されていく前提かと。P-1もやれば出来るでしょうが、その計画も無い現状ではそれこそ机上の空論です。
世界の潮流はP-8のような運用構想に将来性を認めているのだろうと思います。
ボーイングてだけでその発展性には疑問符が付くんよなあ
>P-8のような運用構想
開発元はボーイングでなくとも構わないんですよ。
P-8が革新的との説明を見る度に、正直モヤモヤ感が残っています。
何だか、機器や周辺環境を取り入れただけの正統進化な部分と、真に革新的な部分との区別が成されていないような気がして。
システム化に舵を切って前世代と隔絶したのは、P-2→P-3の頃との説明を目にしてからは尚更です。
データリンクを介しての無人機との情報連携は、正統進化の部類だろうし。
オフセット契約を交渉窓口の日本政府主導で行うと、昭和の時代に野党が公共事業について唱えていた政官財癒着の構造と言われる所をクリアできるのかな大丈夫なのかな?とは思います。
今の防衛省やオフセット契約に関わる他官庁に守屋元防衛事務次官のような官僚がいなければ良いのですが。
輸出を考えると提携契約でぼられるでしょうが、兵器輸出のノウハウがある欧州の企業と提携して多々ありそうな問題についてダメ出しをしてもらって買い手が付きそうな国へ、自衛隊機やら陸上兵器やらをセールスで派遣したりして、アピールしないと難しいですよね。
取り敢えずスタートが遅すぎますし、法律面の課題も多いだけに期待はしないですが期待できる展開になってほしいものです。
例外のもがみ型も、いつまでも通じる商材ではないし、次に売れそうな日本製兵器はやっぱりGCAP?
輸出用の艦艇とか作れないですかね、艦艇供給に関しては、アメリカはあてにならなくなってしまったので、その隙間に入り込む感じで
もがみ型ベースの普通の艦から、13DDXやこんごう型後継艦ベースの高級艦、補給艦や哨戒艦とか色々やれないですかね
高級艦は運用国が限られるので、なかなか厳しい気がします。
イージス艦であれば、現在運用中で自国設計能力がない国はオーストラリアくらいしかなく、そのホバート級駆逐艦は2017年運用開始なので、更新は20年後くらいでしょう(その頃にはまや型後継艦になってるかも)。
DDはまだイージス艦より可能性があると思いますが、アジアの国で自国設計能力がなく運用できる国は現在見当たりませんし、欧州となると、英、独、仏、西、などがいるので、一筋縄ではいかないと思います。
もがみ型が売れたら何故か例外ラインナップからすら外された警戒管制レーダーとか。
5類型の縛り考えたらむしろ看板商品だと思うんだけどなぁ…
非ミリタリー系の航空系雑誌に320シリーズは2032年まで生産枠が埋まっていると書いてあったけど、調達するとしたらいつ手に入るんだろう?
A321XLRなんて中古機も出回ってないだろうし、試験改修する機体を入手するだけでも大変そう。
フランス(軍)は大株主特権で横入り出来るのかな?
気になって調べてみましたがA321XLRって欧州企業のエアバス社製ですね
性能とか日本の防衛装備輸出云々以前に、そりゃそうなるでしょうという話なのでは?
アメリカの防衛力の依存を減らすことが議論の出発地点なら、アメリカの同盟国の日本製の防衛装備で代替するのは戦略的にも心情的にも抵抗感があるし、欧州企業で代替品を開発したいというのは十分筋が通った言い分です
どのお国だって大事なお買い物をする際に選択肢があるんなら、国産を買いたいでしょう
英仏独など欧州諸国もアメリカの同盟国なのでその理屈は成立しないでしょう。
いや「米帝様の意向に逆らって輸出できるか」という観点で日本と欧州(というかエアバス)を「米の同盟」の一言で同列視はできんでしょう。
P-1は最初から哨戒機として設計されてるから性能は良いんだろうが
旅客機ベースの機体よりランニングコストは高そうだもんな
P-1は機体そのものはさておいても、中身はP-3Cの発展型ではあるが実際には発展型と言えるほどでもない程度の改良じゃなかったけ?
まあ、P-1は、F-1みたいなもんだったのでしょう。P-2が計画されるかどうかはわかりませんが。
当ブログの過去記事で紹介されてますね。
2023.09.5「川崎重工業が次期海上哨戒機の検討を開始、2040年代の配備を想定か」
元ネタは英JANESの記事で
>P-1の後継機(将来の固定翼哨戒機)開発に関するプロジェクトチームを発足させた
>2040年代にP-1の後継機を配備することを想定している
>防衛省の担当者は「まだ将来の航空機計画は検討段階だ」と回答
ということらしいです。それまでの間、防衛予算が更に増額されれば既存P-1の発展改良も検討されるかも。
冷戦時とすら決定的に違う要素が有ります。仮想敵に空母が有る以上、海岸線500海里以遠に敵戦闘機は存在しないって想定が出来ないのです。
無人機化以外の結論は無いと思います。
個人的には、P-x三菱初期案みたいな解が好み。
MRAAMを多数搭載し、20mmバルカンも装備した、四発戦闘機的なヤツ。
現代の一式陸攻みたいですね(縁起が悪い)。
「逆の立場」ならバックファイアが必要だって事でしょう。20年前に逆の立場になる事を予想できたかは別として。
S-400やSM-6の射程を考えると高度10000mの見通し線で駆逐艦を発見しても「お釣り」が返って来かねない。
P-1もP-8も無人機との通信中継機位しか使い道が無い様に思えます。
そんなの低軌道通信衛星が有れば要らんでしょう。
輸出したいならまず、寝技を解禁にしないとどうしようもない
先進国に売りたいなら、まず途上国に売ることで見せかけの実績を作る必要があり、途上国に売りたいなら担当者への寝技は欠かせない
まずはばれたら袋叩きにする日本のマスゴミをどうにかしないと
韓国人がP-1をセールスしたら飛ぶように売れるだろうね。
要は日本人の受け身で消極的な国民性が問題
韓国なら整備に時間とコストを要する4発機にはしないでしょうね
もしかしたら4発の哨戒機はP-1が最後になるかもしれません
4発採用は海面上を低空飛行する運用条件があったからです。ターボファンエンジンの場合故障以外に海鳥吸い込み等のリスクがあるわけで、4発を選択するだけの理由はありました。
P-8と同様の運用を念頭に置いて計画していたならば双発とするのが自然だったかと。
そりゃ、韓国企業の寝技はえぐいからなぁ
ハニトラとかも普通に使ってくるし
業種によっては製品開発費より宣伝費の方が高いことも割とあるお国柄だし
あとできもしない約束を普通にしてくるのも韓国企業の怖いところ
その手の悪癖を知らずに契約してえらい目に合うパターンは今でも噂に聞こえてくるのがちょっと…
日本は同志国以外に兵器輸出する気がないんじゃないかな
あるいはコスト面、部品の入手性でP-8に勝てなかったから輸出を諦めてるのかもしれない
小泉大臣がフリーになったら積極的にセールス始めるかもしれないけど、選挙終わるまでは動きようもない
タイトルのA321XLR海上哨戒型についてはファクトについて少し触れただけで、それ以外の内容としてはP-8に関するファクトの話が少々、P-1や国産兵器輸出に関するオピニオンが半分、というのはあまり誠実な記事の立て方ではないように考えます。
それなら後者の話題はそれだけで記事を立ててやるか、もしくはA321XLR海上哨戒型についてのオピニオンの話もすべきではないでしょうか。