韓国航空宇宙産業(KAI)は6日、国産軽戦闘攻撃機FA-50(超音速訓練機T-50の派生型)のアルゼンチン輸出が新型コロナウイルス「COVID-19」の影響で無期限延期になったと発表した。
参考:“KAI의 FA-50 아르헨티나 수출, 코르나 사태 후 달러 강세로 중단”
新型コロナウイルスの影響でFA-50の輸出が事実上、白紙化してしまった韓国
アルゼンチンは老朽化した攻撃機「A-4AR ファイティングホーク」を更新するため昨年7月に韓国航空宇宙産業が開発した軽戦闘攻撃機「FA-50 ファイティングイーグル」を8機~10機程度調達することを発表、詳細な調達条件を詰めるため交渉が続けらていると言われていたが、新型コロナウイルスの感染拡大によってアルゼンチンは国防予算を削減しなければならなくなり計画されていた幾つかのプログラムを諦めることになった。

出典:Jorge Alberto Leonardi / CC BY-SA 3.0 A-4AR ファイティングホーク
その中に韓国から調達するFA-50が含まれていると現地メディアが今月4日に報じていてたが韓国航空宇宙産業も6日にFA-50のアルゼンチン輸出が無期限延期になったと発表、アルゼンチン政府の公式発表は今の所ないがFA-50の輸出が新型コロナウイルスの影響で頓挫したのはほぼ間違いないだろう。
韓国にとってアルゼンチンへのFA-50輸出は非常に重要な意味を持っていたため、今回の知らせに韓国航空宇宙産業は肩を落としているに違いない。軽戦闘攻撃機のFA-50や超音速訓練機T-50の昨年正式な受注契約を1件も獲得できなかった韓国航空宇宙産業にとって、アルゼンチンとの輸出契約締結は期待値が高くT-50よりも高価なFA-50(約3,000万ドル)の輸出は契約総額3億ドル(約320億円)以上になると見込まれていた。
因みに新型コロナウイルスの状況が落ち着けばアルゼンチンとの輸出交渉が再開されるは言及されておらず、時間が経てば経つほど機種選定やり直しになる確立が高くなるため今回の無期限延期は実質的に「白紙化」だと見て間違いない。
ただ日本も同じ問題に直面しており、他人事だと笑ってはいられない。

出典:J/FPS-3警戒監視レーダー 防衛省
フィリピン国防省は3月4日、空軍近代化の一貫として3ヶ国(日本/米国/イスラエル)から提案されていた空中警戒管制レーダーを検討した結果、日本が提案した三菱電機製の固定式警戒管制レーダー「J/FPS-3ME」と車両に搭載された移動式レーダー「J/TPS-P14ME」を取得することを発表、今後60日以内(5月末)に日本政府と正式な契約を結ぶと明らかにしていたが、新型コロナウイルス「COVID-19」の影響で日本政府との輸出交渉が行き詰まっている。
関連記事:戦後初の防衛装備品輸出に暗雲? 新型コロナの影響でレーダー「J/FPS-3ME」輸出交渉が停滞
交渉自体は新型コロナウイルスの状況が落ち着けば再開可能だが、アルゼンチンと同じようにフィリピンも経済的な理由で国防予算を削減することになれば真っ先に槍玉に挙げられるのが新規導入などの案件だ。
あくまで可能性の話だが、日本にとって戦後初となる国産防衛装備品の海外輸出が新型コロナウイルスの影響によって立ち消えになってしまえば本当に笑えない。
※アイキャッチ画像の出典:Photo by ROKAF(2013)/ CC BY 2.0 FA-50 ファイティングイーグル
輸出の取れ消しだけならば良いけど次期戦闘機の開発費用の削減とか30ffmの調達数の低減とかは本当にやめて頂きたい
削減するならアホな政治家の思い付きと思われる、必要性の薄い病院船にして欲しい
日本も防衛費の削減が行われるかもな
それにアメリカからの兵器購入の圧力も高まるだろうから国産兵器はかなりピンチだな
「政府自民、次期戦闘機の輸出議論」
リンク
CSISが作った次期戦闘機交渉の非公式フォーラムに、豪政府関係者も参加しているのは、これに関係しているのかな?
コロナ動乱に動じて病院船を作って何らかの利権を獲得したい野郎がいるが
病院船の機能を有したひゅうが級いずも級があるじゃないかと
それでも必要だというのであれば強襲揚陸艦を新造すればいい
今後の日本の国防情勢を鑑みれば絶対必要だし、病院としての機能もある
アメリカ製ウエポンが使える分KFXよりマシなのかも知れない。
TA-50ってどこまでの性能なんでしょう。
A-4を魔改造した方が安価で信頼できそう。
ただし機体強度が限界かな。
アルゼンチンはまだA-4をを使っているんですね。
フォークランド紛争で使っていたのを記憶しております。
ちなみに初飛行は先に空自を退役したF-4より前です。
すごいなー。
フィリピンも正直な話さっぱり信用できないから、売れない方が安全保障の観点から見ると良い事なのかもしれない。
定期的にデフォルトしているようなアルゼンチンに戦闘機を更新する予算はないだろう。
FA-50の輸出も韓国政府の借款がセットになっていたはずだけど、それでも返却できる目処もたたなく
なったってことじゃないかな。
ただ、冷戦終結やバブル崩壊に直面してもF-2を開発し終えた実績は在るから、
今度も、まぁ何かしら形にはしてくれると思います。