インド太平洋関連

欧州が開発中のEurodrone、日本に続きインドもオブザーバー参加が決定

フランス、ドイツ、イタリア、スペインは中高度を長時間飛行できる武装可能な無人機=Eurodroneを開発中で、防衛省は2023年12月「同計画へのオブザーバー参加が決まった」と発表していたが、インドのオブザーバー参加も決まった。

参考:India gets an observer seat in the Eurodrone program

EurodroneのサイズはUACVとしては大きすぎる気がするため真似しないほうがいい

中高度を長時間飛行できる武装可能な無人機=MALEタイプのUACV開発・製造は米国、イスラエル、トルコ、中国の土壇場で、この状況を打破するためフランス、ドイツ、イタリア、スペインは独自の無人機開発=Eurodroneを計画したものの、試作機製造に関する契約締結はCOVID-19の影響で2019年から2022年に、初飛行も2024年から2027年に、量産機引き渡しも2027年から2028年以降にずれ込んでしまったが、Eurodroneは開発国から計60機の発注が確約されている。

出典:Airbus

Eurodroneのサイズは「単発機の場合、エンジンが停止すると最悪都市部に墜落する可能性があるので双発機として開発してほしい」とドイツが要求したため大型化し、MQ-9ではなくMQ-4に近いサイズ感(全長16m、翼幅30m、最大離陸重量11トン)と報じられていたものの、Airbusが発行する最新のデータシートによれば翼幅は30mではなく26mと判明したが、全長や最大離陸重量の数値に変更はないためMALEタイプのUACVとしては非常に大型で高価なシステム(開発費用は79億ドル)だ。

この計画には日本も関与しており、日本はEurodrone計画を管理する防衛装備協力共同機構=OCCARにオブザーバー参加を2023年9月に要請、防衛省は同年12月「Eurodrone計画へのオブザーバー参加が決まった(日経曰くMALE UAV開発・運用に関する知見や技術取得が目的)」と発表していたが、Defense Newsは22日「インドにもオブザーバー資格が与えられた」「日本と共にインドもEurodrone計画にオブザーバーとして参加する」と報じている。

出典:Airbus

インドは既にMQ-9やHermes900を運用しているためEurodroneを導入する可能性は低く、国産MALE UAVを開発するための知見や技術取得が目的だと思われるものの、流石にEurodroneのサイズはUACVとしては大きすぎる気がするため真似しないほうがいい。

関連記事:米国やイスラエル依存からの脱却を目論む欧州、Eurodroneの量産で合意

 

※アイキャッチ画像の出典:Airbus

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コメント

    • Mr.R
    • 2025年 1月 23日

    ドイツ君······?
    言いたい事は分かるけどそれって本末転倒って奴じゃ

    21
    • 大型、高額化はアリ
    • 2025年 1月 23日

    個人的意見だけど、今後MALE機は更に単純で安価な徘徊爆弾に前線での役割を奪われて、寧ろ後方的な通信中継、レーダー監視辺りに収束すると予想しているので、双発を採用して、大型+高額化はアリなんじゃないかな?
    問題は肝心のエンジンを仏独伊西&日印で用意出来るのかと…
    この面子で米機に勝てる気が全くしないのは何故だろうか。双発にして単発の米機とほぼ同じ性能(ただデカく重いだけ)とか笑えないよ…

    8
    • 無印
    • 2025年 1月 23日

    日本はこの開発にオブザーバー参加してどうするんですかね?
    今使ってるグローバルホークの、後継機の開発とか考えているのだろうか

    1
      • たけやぶやけた
      • 2025年 1月 23日

      私はRQ-4Bグローバルホークの後継として導入を考慮する機体かと思っています。

      3
      • ネコ歩き
      • 2025年 1月 23日

      主な目的は情報収集でしょう。
      諸外国に比して日本の無人機開発はそれだけの遅れがあり、その差を詰めようと効率的な技術取得を目指している状況です。オブザーバーでも開発過程を俯瞰できるのは大きいと思います。
      研究開発ビジョンを参照すれば、弾道ミサイル警戒監視機の開発を視野に研究を進めており、次の防衛力整備計画で開発が具体化するかもしれません。

      6
        • 通りすがり
        • 2025年 1月 23日

        もしユーロドローンがポシャっても「なぜ開発失敗したのか」という知見は得られますからね😅

        5
    • 匿名希望
    • 2025年 1月 23日

    日本が使うのはほぼ海上だろうから墜落を恐れる必要はない気がする

    10
      • のー
      • 2025年 1月 23日

      確かに。
      海上に向けて離陸し、海上から着陸する運用に限定すれば良さそう。
      日本周辺の東アジア圏は海が主戦場ですから、商売を考えても安価な単発でも良いのかも。

      7
    • 名無し
    • 2025年 1月 23日

    外見の話になるけどペラの位置に凄い違和感ある
    ジェット機だとリアエンジンの機体は見慣れてるけどプロペラ機だと尚更

    4
      • kitty
      • 2025年 1月 23日

      プッシャー式で双発にするにはあの位置しかないのでは。
      なんとなくですけど、最初は単発式で設計して、急遽設計変更した感あり。

      4
    • マンゴー
    • 2025年 1月 23日

    >流石にEurodroneのサイズはUACVとしては大きすぎる気がするため真似しないほうがいい
    本当にそうだね
    ドイツ君は本当になんというかもう……

    11
    • 白髪鬼
    • 2025年 1月 23日

    このサイズのドローンは、ステルス機体か、それこそ20000m以上の高空を飛ぶでもなければ、真っ先に打ち落とされるんじゃ無いでしょうか。
    先日、ウクライナで発表されたドローンの空中母機にも言えますが。

    5
    •  
    • 2025年 1月 23日

    安定のドイツ仕草でユーロファイターの二の舞いになるでしょう

    1
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