フランスのマクロン大統領は訪問先のインドネシアで「仏企業によって170億ユーロを超える契約が締結された」と、ルコルニュ国防相も「今後の調達に関する意向書(ラファール、フリゲート、スコルペヌ型潜水艦、CAESARの追加調達)に署名した」と発表した。
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インドネシア軍は調達が順調に進めば2030年代には大きく生まれ変わる
フランスのマクロン大統領は東南アジア歴訪に出発し、ベトナムの次に訪れたインドネシアで「仏企業によって170億ユーロを超える契約が締結された」「これは両国、両国の経済界、そして我々共通の未来に利益をもたらすものだ」と、ルコルニュ国防相も「インドネシアと今後の調達に関する意向書に署名した」「ラファールの追加調達にDassaultが、フリゲートとスコルペヌ型潜水艦に追加調達にNaval Groupが、CAESARと弾薬の追加調達にKNDSが署名した」「我々への信頼を示してくれたパートナーのインドネシアに感謝する」と発表。
Bergandengan tangan dengan Indonesia.
Lebih dari 17 miliar euro dalam bentuk kesepakatan telah ditandatangani hari ini oleh perusahaan-perusahaan Prancis — yang akan membawa manfaat bagi kedua negara kita, bagi dunia usaha kita, dan bagi masa depan bersama kita. pic.twitter.com/Y3LIOPpHJh
— Emmanuel Macron (@EmmanuelMacron) May 28, 2025
L’Indonésie confirme sa confiance dans l’excellence de l’industrie de défense française !
À l’occasion de la visite d’État d’@EmmanuelMacron, signature avec mon homologue d’une lettre d’intention portant sur l’acquisition future :
➡️ de Rafale supplémentaires à @Dassault_OnAir… pic.twitter.com/fkL8KsBbPR
— Sébastien Lecornu (@SebLecornu) May 28, 2025
Le Mondeは今回の発表について「今のところ170億ユーロの詳細は不明で何も決定的なことは起こっていない」「それでもフランス政府は今回の約束が実現されると信じている」「政府はインドとパキスタンの衝突でラファールが撃墜された悪評についても一蹴している」「今回の契約に関与した国防省関係者は『心配する必要はない』『新しいバッチの契約が決まった』『全て順調だ』『彼らは常に約束を守る』と言う」「この関係者はラファール(12機もしくは18機もしくは24機の)追加発注の可能性について言及した」と、海外のディフェンスメディアも「ラファールの新しい取引にフランスが近づいた」と報じている。
インドネシアは2022年2月にラファールを正式発注、2023年6月にはカタールとミラージュ2000-5売却で合意、2023年8月にもF-15EX売却に関する覚書へ署名しており、ここに今回の追加発注を加えるとインドネシア空軍の戦闘機戦力はラファール×54機~66機、ミラージュ2000-5×12機、F-15EX×24機、F-16×33機、Su-27×5機、Su-30×11機、T-50i×13機、Hawk200×26機、スーパートゥカーノ×13機となり、無人機戦力もトルコにAnka-S×12機、Akinci×9機、TB3×60機を発注済みで、将来の航空戦力は中々充実したものと言えるだろう。

出典:Boeing
さらに国内ではArrowhead140×2隻の建造を開始、イタリア海軍向けに建造中だったパオロ・タオン・ディ・レヴェル級哨戒艦×2隻の購入、スコルペヌ型潜水艦×2隻の購入が確定、今回の契約に含まれる追加のフリゲートが何を意味しているのは不明だが、Japan Timesの取材に応じた駐日インドネシア大使は今年4月「日本とフリゲート艦の共同開発・建造に関する協議が続いている」と述べているため海軍の戦力強化も侮れない。
インドネシア軍は調達がこのまま順調に進めば2030年代には大きく生まれ変わるだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Albert Morel
オーストラリアが恐れるのも分かるわ
大小様々なインドネシア諸島からラファールやF-15exを展開されるのはダルイやろなぁ
だから、キャンベラ級強襲揚陸艦にF-35Bを積めと。
米、露、仏とインドネシアもインド並みに航空機の調達元が多様になっているなぁ
それに加えて韓国のT-50にトルコの無人機
石油とか天然資源で儲けた金が沢山あるのかな?
高度経済成長期に入ったからね。
元イタリア海軍の軽空母とAV-8Bの購入はするのかな?。
一時期、どこかで記事にになっていたと思うのだけれど。
インドネシア、韓国に支払いを渋っておいてこの振る舞いとは…。
そもそも支払いのアテはあるんでしょうかね。
「将来の経済成長が支払いの原資です」ってのは危なかっしい。
ラファール42機とF-15EX24機だけでも合計150億ドル~200億ドルぐらいではありませんでしたっけ?
インドネシアのGDPは約1.4兆ドル。
ラファール42機とF-15EX24機の支払いだけでもGDPの1%を越えているのでは…。
その上でまたラファール追加購入して、さらに海軍も大幅戦力増強ですと?
支払いが滞ったり、遅延金をゴネたり、キャンセルしての違約金支払いにもまたゴネたり…なんかそういう不安を感じるのは私だけでしょうか。
4.5世代機の需要は根強いですね。
ロシアはロシアでMiG-35の生産を再開するかも知れないそうです。
北朝鮮が主要顧客になるのではないかとのこと。
JSIがいつになるか不透明なことを考えると、中国だけでもアレなのに、頭が痛い話題です。
なお本当はSu-57が欲しかったらしいです。くわばら、くわばら……。
ラファール、大人気ですね。
やっぱり確実な運用ができて、使い勝手良い方がいいのだろうなと。
素朴な疑問ですが、複数国の戦闘機を運用していて、整備や部品管理どのように各国やっているのか気になりますね。