Hanwha Aerospaceは2日「UAV開発の最大手企業=GA-ASIとGray Eagle-STOLを共同開発する」と発表して「UAV市場への進出」を宣言、両社は2027年までにGE-STOLの量産機を初飛行させ、同機を米国、欧州、中東、アジアの国々に売り込んでいくらしい。
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今回の投資によってHanwhaはUAV分野の全ライフサイクル(計画、設計、生産、統合、販売)をカバーするつもり
Hanwha Aerospaceは歩兵に随伴可能で直接射撃、関節射撃、物資輸送、ISR、EW、C-UASなどの任務に対応できるマルチプラットフォームのArion-SMET(ペイロード550kg/走行距離100km)を開発済みで、米国防総省の比較評価プログラム(FCT)にも選定され、Andurilも「米陸軍が実施する無人地上車輌の入札に実績のあるHanwha製UGVをベースにした車輌を提案する」と発表して注目を集めたが、2024年10月にArion-SMETを発展させたGRound UNcrewed Transport=GRUNTを発表。
GRUNTは弾薬輸送、負傷者移送、偵察、火力支援といった歩兵作戦を支援するUGV(ペイロード900kg以上/走行距離290km)で、より大型な兵器システム(30mm機関砲、対戦車ミサイル、レーザー兵器など)を搭載可能なマルチプラットフォーム=UCV-Lの開発も進めており、今年2月にはUGV開発の最大手企業=Milrem Roboticsと戦闘用UGVを含む無人地上車両の開発や国際的なマーケティングで協力するための協定を締結し、3月に開催された防衛事業庁のイベントで「2028年までにUGV製品群のフルラインナップを完成させて海外のUGV市場を主導する」と発表した。
さらにHanwha Aerospace、Hanwha Systems、Hanwha Oceanの3社は陸海空の有人・無人システムを統合運用するMUM-Tソリューション構想も披露し「Hanwha Aerospaceの無人地上車両、Hanwha Systemsの低軌道衛星通信システム、Hanwha Oceanの無人水上艦艇を組み合わせて運用すれば作戦効率が高まる」と主張、防衛事業庁も「有人・無人システムを開発して効果的に運用する能力は『将来戦場への対応』と『防衛産業の競争力強化』に不可欠だ」「そのために必要な関連法案と制度を整備して防衛産業界を支援する」と述べている。

出典:국방과학연구소 大韓航空の航空宇宙部門が開発を進めているステルス無人編隊機=LOWUSのプロトタイプ
但し、無人航空機の主導的立場は韓国航空宇宙産業や大韓航空に握られており、Hanwhaにとって「UAV分野の穴をどうやって埋めるか」が製品ポートフォリオ上の課題だったが、Hanwha Aerospaceは2日「UAV開発の最大手企業=GA-ASIとGray Eagle-STOLを共同開発する」と発表して「UAV市場への進出」を宣言した。
Gray Eagle-STOLはGE-ERを再設計してインフラが整っていない前線運用に対応させたMojaveの技術を流用したGray Eagleの短距離離着陸機バージョンで、GA-ASIは同機の需要を「今後10年間で600機以上」と見積もっており、Hanwha AerospaceはGE-STOLの開発に7,500億ウォン以上=5.1億ドルを投資して国内に開発拠点と生産インフラを整備、両社は2027年までにGE-STOLの量産機を初飛行させ、同機を米国、欧州、中東、アジアの国々に売り込んでいくらしい。
Yesterday, Gray Eagle STOL launched from the ROK helicopter ship Dokdo (deck length, 653ft/199m).
GE STOL gets up so quick, we might launch it off surfboards next. 🌊🏄 pic.twitter.com/H8GUuzQPLT
— C. Mark Brinkley (@cmarkbrinkley) November 13, 2024
GA-ASIは今回の提携について「Hanwhaとのビジネス関係拡大に興奮している」「彼らがUAV事業成長のため投資準備が整っていることを承知している」と、Hanwha Aerospaceは「GA-ASIとの協力を通じて我々は主権を確保した防衛力を強化し、国際的なUAV市場で韓国のプレゼンスを拡大し、より強固な韓米同盟の関係に貢献する」と述べ、防衛市場の動向を報じるShephardも3日「HanwhaはUAV市場を未来に向けた戦略的支柱に位置づけている」「今回の投資によってHanwhaはUAV分野の全ライフサイクル(計画、設計、生産、統合、販売)をカバーするつもりだ」と指摘している。
因みにHanwha Aerospaceは武器輸出を拡大するため過去最大規模の有償増資=3兆6,000億ウォン(約3,650億円規模)を決議し、2035年までに売上70兆ウォン=約7.1兆円、営業利益10兆ウォン規模の防衛産業トップティア企業に成長させると宣言している。
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※アイキャッチ画像の出典:General Atomics Aeronautical Systems
韓国の防衛産業で気になるのは、国内政治でしょうね。
ユン大統領罷免により、大統領選挙が行われるわけですが、北朝鮮寄りの候補が優勢に見えます。
ロシア=北朝鮮の関係強化が進む中で、どうなっていくのかは少し気になっています。
ノルウェー・ポーランドなどが、契約に積極的なのを見ると、武器購入の契約条件である程度なんとかなるのかもしれませんね。
少し前の韓国海軍計画見直しで、駆逐艦KDDX優先でアーセナルシップなんかと一緒に有人空母CVXは中止になったけど、ドローン空母取得は諦めてないとのことだったし、艦載ドローン開発は重要事項だろうね。
ドローン製造も複雑になってきてるなぁ
多国間開発が出始めたら、兵種として定着した感がある
韓国は陸軍、海兵隊ともに改編に併せて無人機運用部隊を大隊規模で各師団に組み込むとの事だけど地上戦もどんどんと変わっていくんだなぁ。
ただ台湾、韓国も頭を悩ませているように無人機運用に絡む専門の通信、電子戦、情報管理、整備、技術研究と教育の人材が足りてないようだし無人機=省人化ってイメージはまだ早いのかなと。
Hanwha AerospaceがUAVを開発して売るのは、何の不思議もないけど海軍分野はHanwha OceanにしておいてK9とかUGVまでAerospaceが売るのはよくわからない。
彼らなりの理屈があるのだろうか。