インド太平洋関連

インドがマレーシア空軍の軽戦闘機調達に挑戦、テジャスMK.1Aを4,150万ドルで提案か

インドメディアは21日、ヒンドスタン航空機がマレーシア空軍の戦闘訓練機/軽戦闘機調達にテジャスMK.1Aで挑戦すると報じて注目を集めている。

参考:HAL is all set to respond to Royal Malaysian Air Force’s RfP for LCA

マレーシア空軍の需要を巡る戦闘機市場の新規プレーヤー対決は誰が勝利を収めるだろうか?

マレーシア空軍はパイロットの戦闘訓練や対テロ作戦に使用している英国製の「ホーク108/208」やイタリア製の「MB-339CM」を更新するため戦闘訓練機/軽戦闘機(FLIT/LCA)プログラムを立ち上げ、先月に正式な提案依頼書(RFP)を発行した。

このRFPへの回答期限は9月22日に設定されており誰が手を挙げるのか注目されていたが、インドメディアのINDIAN EXPRESSは21日「ヒンドスタン航空機(HAL)がテジャスMK.1Aを提案するため準備を行っている」と報じており噂されていたインドの参戦が確定的な状況だ。

HALの関係者は「テジャスMK.1Aの輸出価格は30.9億ルピー/約4,150万ドル(関連費用は含まれてない機体単価)でインド空軍向けとは異なる構成になる」と言っており、現地メディアはテジャスMK.1Aの輸出に成功すれば「HALの航空機設計能力が海外市場で認められたことになり同社が販売する製品の価値が高まる」と報じている。

出典: Republic of Korea Air Force / CC BY 2.0 離陸中のFA-50

因みにマレーシア空軍のFLIT/LCAプログラムには計8ヶ国(米国がT-7A、韓国がFA-50、中国/パキスタンがJF-17、中国がL-15B、インドがテジャスMK.1A、ロシアがYAK-130、イタリアがM-346、チェコがL-39NG)が関心を示していた。

しかしマレーシア空軍は同プログラムで調達する航空機にF/A-18DやSu-30MKMを補完できる能力(戦闘能力)も求めているためロシアとイタリアは手を引いたと噂(米国のT-7Aは開発中で根本的に間に合わない)されており、韓国のFA-50、中国/パキスタンのJF-17、インドのテジャスMK.1Aが最も有力な候補に上がっている。

出典:Shimin Gu / CC BY-SA 4.0 パキスタン空軍のJF-17

今のところ韓国や中国/パキスタンから「マレーシア空軍のRFPに応じる」といった動きは観測されていないが回答期限は9月22日なので、本当に参戦する気があるのならそろそろ動きを見せるだろう。

果たして戦闘機市場の新規プレーヤー対決は誰が勝利を収めるだろうか?

関連記事:マレーシアが軽戦闘機調達に関する入札を発表、JF-17が最有力候補で次点はFA-50とテジャス

 

※アイキャッチ画像の出典:Venkat Mangudi / CC BY-SA 2.0 国産戦闘機「テジャス」

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 7月 22日

    戦闘機は、何処でも開発できるのだな。

    3
      • 匿名
      • 2021年 7月 22日

      大半を自力で開発する国は応援したい。
      1から9くらいまで他人任せの国は論外だが。

      9
        • 匿名
        • 2021年 7月 23日

        日本の悪口やめろ

        3
          • 匿名
          • 2021年 7月 23日

          エサついてないみたいだけど釣れますか?

          3
      •  
      • 2021年 7月 22日

      練習機軽攻撃機やで

      3
      • 匿名
      • 2021年 7月 22日

      自作パソコンに近いイメージがある
      どんな構成がいいか相談する
      部品買ってきて組み立てる
      わからんかったらショップの兄ちゃんに聞くか代行して貰う

      3
      • 匿名
      • 2021年 7月 22日

      完全に戦闘機でありながら、練習にも使える機体。それが、マレーシア軍の言う戦闘訓練機/軽戦闘機(FLIT/LCA)。

      戦闘訓練機/軽戦闘機は戦闘訓練機に使える軽戦闘機と読むようだ。FLIT/LCAはマレーシア語だね。多分。マレーシアの英語がおかしいから、おかしな感じになる。

      単に、高等練習機を廃して、戦闘機で訓練したいっぽい。つまり戦闘機の話。ロシアとイタリアが手を引くわけだ。

      4
      • 匿名
      • 2021年 7月 22日

      インドはアジアでは航空先進国だったんだよね、一応超音速機(アジートだっけ?)も実用化してます
      核開発で制裁を受けて時空にハマり遅れを取ってしまった

      3
    • 匿名
    • 2021年 7月 22日

    テジャスとかラファールとかは開発開始時期を考えるとかなりの年代物に感じてしまう、ぽっと出のチェッメイトとの争いはどうなるかな。
    グリペンや未だ完成していないKFXやTFXも甚大な影響を受けることになるだろう。
    純粋に価格と性能で選べば由緒正しい血統を持つロシア機が選ばれるだろう、高性能だが高価ななアメリカ機と正面から対決してきたロシアだが発想を変えてアメリカの穴を狙うのは実に正攻法的で理にかなったやり方に思える。
    無理をせず手持ちの技術でそこそこの性能のステルス機を手堅く纏めあげる、ロシアも商売がうまぅなったものだ。

    7
      • 匿名
      • 2021年 7月 22日

      テジャスは計画が昔過ぎて完成したのが最近過ぎてで、却って年代物と言う印象はないな
      ラファールはバージョンアップに力入れてるからやはり年代物と言う印象はないな
      TFXは完成してないというか構想自体はっきりしてないから将来の事はまだわからない
      KFXはステルス機でないのにステルス機染みたデザイン、搭載武装が限定されすぎてる等、影響を受けるもなにも最初から負け確定の機体だから関係ないだろうな

      7
        • 匿名
        • 2021年 7月 22日

        計画自体は昔でも、積んでるアビオはこの中じゃ最も先進的
        発展性もたぶん一番高い

    • 匿名
    • 2021年 7月 22日

    マ空軍の反応から、インドはテジャスの”商品価値”を推算するつもりなのだろう。

    1
      • 匿名
      • 2021年 7月 22日

      設計思想の新しさじゃない?
      第5世代戦闘機以降とのリンクは当然として、クラウドできます、チーミングできます、その割には安いです、で売り込むんじゃないかと
      インドが欲しいのは実績だろう

      1
    • 匿名
    • 2021年 7月 22日

    どれを取っても帯に短し襷に長し
    そんな貴方にチェックメイトw

    1
      • 匿名
      • 2021年 7月 22日

      スケジュールの問題さえクリアできれば
      Su-75が最適解の可能性あるんだよなぁ。

      3
      • 匿名
      • 2021年 7月 23日

      世界的に定評のあるインド時間を考えると、まだニチェボの無責任体質なチェックメイトのほうが納入が速いと思われる
      マレーシアよ、インド商人に引っ掛かるなよ、問題は来世で解決するとか言う連中だから

    • 匿名
    • 2021年 7月 22日

    マレーシア向けにはアメリカからのGE-404エンジンの輸出許可も出るという事なんだよね?

    3
      • 匿名
      • 2021年 7月 23日

      バイデン政権になってマレーシアはアメリカとの関係改善に積極的になってる。
      日経記事 2020.11.8 >マレーシア首相「米国との関係さらに強化」
      リンク
      対中戦略からアメリカもマレーシアに対しては友好的に対応するでしょ。
      同じ理由で対インド軍事協力を全て制裁対象にすることはないだろうと。

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