インド太平洋関連

ブレるインドの戦闘機導入プログラム、空軍は国産ではなく海外製戦闘機導入を支持

最近、インド空軍が進めている海外製戦闘機導入プログラムの周辺が騒がしくなってきてる。

参考:83 LCA-MK1A deal high priority: IAF chief

印空軍参謀長は国産戦闘機「テジャス」ではなく海外製戦闘機の導入を支持

インドは老朽化した旧ソ連製戦闘機MiG-21などを更新するMRCA(Multi-Role Combat Aircraft)プログラムが不発に終わったため新たに100機以上の海外製戦闘機導入プログラムを開始する予定で、このプログラムに掛かる費用は総額150億ドル(約1.6兆円)とも言われており欧米やロシア企業が受注を虎視眈々と狙っているのだが、どうも雲行きが怪しくなってきた。

出典:Venkat Mangudi / CC BY-SA 2.0 国産戦闘機「テジャス」

最近、印軍参謀長のビピン・ラワット大将は海外製戦闘機導入プログラムを中止して国産戦闘機「テジャス」調達に切り替えると言い出してプログラム参加を予定していた欧米やロシアの国々を慌てさせたが、今度は印空軍参謀長が戦闘機導入プログラムについて国産戦闘機「テジャス」ではなく予定通り海外製戦闘機の導入を進めると発言して注目を集めている。

関連記事:F-21はお蔵入り? インド、海外製戦闘機調達を国産戦闘機「テジャス」に変更か

彼は戦闘機導入プログラムで導入するのは国産戦闘機「テジャス」とは異なる戦闘機なので同プログラム推進のために必要な手続きを進めると語り、さらに彼はビピン・ラワット大将の発言にも触れ「導入する戦闘機はバランスを考慮しなければならない」と強調したらしい。

海外メディアはビピン・ラワット大将の発言を引用して「総額150億ドルの競争入札が吹っ飛んだ」と悲観していたが、今回の印空軍参謀長の発言で「まだ可能性は消えていない」と息を吹き返している。

出典:public domain ラファール

インド空軍が進めている海外製戦闘機導入プログラムにはロッキード・マーティンがF-21(ベースはF-16V)を準備中で、ボーイングはF/A-18E/FとF-15EXを、欧州のエアバスはユーロファイターを、フランスのダッソーはラファールを、スウェーデンのサーブはグリペンEを、ロシアはMiG-35とSu-35を提案する予定だ。

提案予定の機種にはF-35やSu-57が含まれていないため、インドの海外製戦闘機導入プログラムは実質的な第4.5世代戦闘機最強決定戦とも言える。

果たしてインド空軍の戦闘機導入を巡る戦いは予定通り海外製戦闘機で決まるのか、それともちゃぶ台返しで国産戦闘機「テジャス」に決まるのか世界中の防衛産業企業が固唾を呑んで見守っている。

 

※アイキャッチ画像の出典:ロッキード・マーティンが公開したYouTube動画のスクリーンショット F-21

米空軍、5日前にF-22Aが墜落したエグリン基地で今度はF-35Aが墜落前のページ

海外メディアも注目、日本の「島嶼防衛用高速滑空弾」に関する情報流出事件次のページ

関連記事

  1. インド太平洋関連

    嘘みたいな本当の話、予算不足で韓国型戦闘機「KFX」から対地攻撃能力を削除?

    韓国の韓国型戦闘機「KFX」は当初、空対空、空対地攻撃能力を備えた状態…

  2. インド太平洋関連

    原潜保有へ突き進む韓国、ついに国防部長官まで公に「原潜保有」を言及

    国会国防委員会に出席したソ・ウク国防部長官が「原子力推進の潜水艦を検討…

  3. インド太平洋関連

    開発中の技術を信用しない豪州、ティーガーを見切り「AH-64E」導入を決定

    オーストラリアのリンダ・レイノルズ国防相は15日、幾つもの問題に悩まさ…

  4. インド太平洋関連

    タリバン支配に北部同盟が立ち上がる、旧政府軍や治安部隊をパンジシール渓谷に集めて抵抗を宣言

    憲法の規定に則り正当な暫定大統領だと主張するアムルッラー・サレー氏(元…

  5. インド太平洋関連

    印メディア、海軍は艦載戦闘機にF/A-18E/FではなくラファールMを選択

    インドメディアは9日「海軍がヴィクラント向けの艦載戦闘機にラファールM…

コメント

    • 匿名
    • 2020年 5月 21日

    F-21、F/A-18E、F-15EX、ユーロファイター、ラファール、グリペンE、Mig35、Su-35。

    海外に販売可能な、そうそうたる候補機が並ぶ中で国内企業救済の目的以外でテジャスを選択する理由は無さそう。

    隣国パキスタンとの深い関係上中国が参加しないのは当然だけどロシアも参加しているし上記の候補機に対抗出来る売り物は中国には無いかな。

    しがらみが無ければJ-10は候補機になり得たか?

      • 匿名
      • 2020年 5月 21日

      テジャスの性能が優れていればMK-Ⅱなんて作る理由ないからね…でも逆に言えばダメダメだったテジャスを見捨てずMK-Ⅱ作るくらいには国産戦闘機開発に熱心って事だからなぁ

      現場の声としてはそりゃテジャスなんかゴメンだろうけど、既にカオスなインド空軍の陣容を思えば、国産技術振興枠としてテジャスを使い続けるのも悪くない選択肢だと思うよ

      • 匿名
      • 2020年 5月 21日

      インドは国産兵器(戦闘機、戦車、潜水艦)の開発には熱心よね。 未だ結実してないけど(遅延ばっかりしてるし、できても要求性能が満たせてない)・・・
       空軍、陸軍は外国からの購入、国産兵器の開発ってツートラックを長く続けてきたんだけどね・・・

        • 匿名
        • 2020年 5月 21日

        こんだけあちこちが売り込んで来るんだから素直に「開発手伝ってくれー」って言えば手を上げる陣営くらいあるだろうに。
        スウェーデン辺りにメインで手伝ってもらえば上手いことライ国可能なパーツ寄せ集めてそれなりに使える戦闘機仕立て上げて
        技術も色々得られると思うけどな。

          • 匿名
          • 2020年 5月 22日

          ダッソーがテジャスの開発支援をした。

            • 匿名
            • 2020年 5月 22日

            あれ、そうでしたっけ。ご指摘感謝。
            アメリカが手を引いた印象しかなかったです。

    • 匿名
    • 2020年 5月 21日

    日本のXF9(をベースにした改良機)を使いたいってインドの新聞だったかで出てたな

      • 匿名
      • 2020年 5月 21日

      防衛機密がダダ漏れな日本と組むなんて幾らインドでもやりませんよ
      そもそもXF9はベンチ上でしか稼働実績ないし実機搭載なんて夢のまた夢な状況だが?

      • 匿名
      • 2020年 5月 21日

      流石に気が早すぎる。
      量産エンジンの設計すらしてないのに。

    • 匿名
    • 2020年 5月 21日

    ほらほらいろいろと出てきましたよ。
    楽しいことになりそうな予感。
    当事者は大変かもしれませんが。

    • 匿名
    • 2020年 5月 21日

    もしや空軍が自国産の敵味方識別装置を信用してないから輸入したいのだろうか?

    • 匿名
    • 2020年 5月 21日

    現場は現場でちゃんと意見ありますからね。
    ただの主導権の取り合いによる対立の可能性もありますけど。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  2. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  3. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  4. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  5. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
PAGE TOP