インド太平洋関連

インド軍と中国軍が国境地域で衝突、少なくとも両軍合わせて6名以上死亡

インド軍と中国軍がカシミール州ラダック地域で15日、物理的な衝突が発生いて両軍に死者がでたと現地印メディアが報じている。

参考:Galwan Valley conflict | 3-4 Chinese troops killed in face-off with Indian Army in Ladakh: Sources

インド軍と中国軍が物理的な衝突を起こし両軍に死傷者が発生

インドはカシミール州ラダック地域の国境問題で中国と軍事的対立状態が1ヶ月以上続く中、両軍の将兵が殴り合い乱闘を演じインド軍の士官(大佐)と兵士2人の計3人が死亡、中国軍側も3人から4人の兵士が死亡したと報じられている。

両軍の衝突が発生したのはラダック地域のギャルワン渓谷で、インド軍側は両軍の兵士が衝突することになった原因について明らかにしなかったが、中国軍側はインド軍の兵士が国境を2度越えて中国軍兵士を挑発したため物理的な衝突に発展したと説明してインド軍を非難した。

さらに両軍の衝突を報じた中国のグローバルタイムズ編集長の胡錫進氏はSNS上で「中国はインドとの衝突は望んでいないが恐れてもいない」と発言して注目を集めている。一方のインドではギャルワン渓谷での衝突に関して印議会が「衝撃的な出来事で容認できない」と声明を発表、衝突が起こった経緯について明らかにするようラジナート・シン国防大臣に要請した。

インドと中国は6月始めにもラダック地域のパンゴンツォ湖北岸で物理的な衝突が発生、投石や棒で両軍が殴り合う動画がSNS上に流出した注目を集めたが、インド軍はこの衝突直後に数千人の兵士や装甲戦闘車両を同地域に移動させている様子を収めた動画がネットにアップされるなど、この地域の軍事的緊張感は極限まで高まっているので対応を誤れば大規模な軍事的衝突に発展する危険性がある。

管理人の見立ててでは今回の衝突は両軍の死傷者が出た可能性が高いので、今までのように現地指揮官の同士の話し合いで事が収まるとは到底思えない。そのため事態の収集に時間がかかるようなら再び同じような衝突が再び繰り返され、何か弾みで火器が使用されたら取り返しのつかない状況に追い込まれるだろうと予測している。

関連記事:緊張感が高まる印中、中国がインド領に居座らせている部隊に戦車を配備
関連記事:中国軍がインドとの国境に兵士1万人以上を動員、一部は既にインド領へ侵入
関連記事:状況は悪化するばかり? インド軍と中国軍が投石や棒で殴り合う動画が流出
関連記事:互いに戦力増強を続ける印中、今度はインド軍が砲兵を含む部隊を追加配備

 

※アイキャッチ画像の出典:Public Domain インド軍兵士

米潜水艦に使用された高強度鋼データ改ざん事件、日本企業の子会社と和解前のページ

鉄棒で武装したインド軍と中国軍が衝突、両軍合わせて63人が死亡または重症次のページ

関連記事

  1. インド太平洋関連

    なぜ日本だけ? 先端兵器の共同開発に米国から声がかからない韓国の悩み

    韓国は日本と比較して2倍近く米国から武器を購入しているにも関わらず、米…

  2. インド太平洋関連

    台湾外相、ウクライナでの戦いから学ぶべき教訓は非対称戦と民間防衛

    台湾の呉外相(外交部長)は1日、米CNNの番組に出演して「ロシア軍と戦…

  3. インド太平洋関連

    抜け目のない韓国、F-15Kの近代改修を行うなら今直ぐ発注すべき

    韓国の電子戦機開発やKF-Xに関する話題や、韓国メディアによる韓国空軍…

  4. インド太平洋関連

    また上昇した豪アタック級潜水艦の建造費用、約7,000億円ほど増加し6兆円を突破

    豪海軍が進めている次期潜水艦「アタック級」プログラムに必要な費用が再び…

  5. インド太平洋関連

    費用負担が問題、韓国にロッキード・マーティンがF-35整備権限取得を提案

    日本のF-35国際整備拠点「MRO&U」運用が始まったことに関連して、…

コメント

    • 匿名
    • 2020年 6月 16日

    素手でも人は充分に殺人可能だとよくわかった。
    大佐殺害はより悪い。
    インドは絶対に恨みを抱くだろう

    • 匿名
    • 2020年 6月 16日

    盧溝橋のようになるのか注目ですね

    • 匿名
    • 2020年 6月 16日

    投石と棍棒?・・・なんと言うことだ
    第4時世界大戦はすでに始まっていたのか

    • 匿名
    • 2020年 6月 16日

    トルコ・ギリシャ間や、北朝鮮など、色々ヤバそうなのが進行していますね。
    コロナ禍が癒えない内のゴタゴタ、勘弁して欲しいです。

      • 匿名
      • 2020年 6月 17日

      困った事に「疫病が流行ると戦争が起こる」のはお約束なんです。

    • 匿名
    • 2020年 6月 16日

    シナ人は、茶々を入れるとか、相手を試すのが多すぎだ。
    それを、あちこちでやってる。やはり、周辺国はシナ人や華人を追い出し、全方向から攻撃するしかない。

    • wyuki
    • 2020年 6月 16日

    Every Body Says
    Lock Out China Everywhere!

     

    • 匿名
    • 2020年 6月 16日

    リベラル様やマスゴミがちうごくを全面バックアップしてるから全方位から攻撃なんて無理
    インドも単独じゃ分が悪すぎるし、アメリカはあんな状況だからな

    • 匿名
    • 2020年 6月 16日

    中国が全方位からの攻撃で負けたことなんて大してないでそ
    だいたい一方向からの攻撃で負けてる

      • 匿名
      • 2020年 6月 16日

      中国、北や西からの侵攻が弱い印象。

        • 匿名
        • 2020年 6月 17日

        東からもやられてるやん。
        ※朝鮮半島を除く

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  2. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  3. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  4. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
  5. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
PAGE TOP