印主要メディアが一斉に「インドが欧州が主導する第6世代戦闘機プログラムのいずれか(GCAPとFCAS)への参加を検討している」と報じたが、War Zoneは「この話の発端=常任委員会には実権がない」「政府が承認するまで願望の域を出ない」と指摘した。
参考:India eyes joining one of Europe’s 6th-gen fighter projects: Parliamentary report
参考:India looking to join one of two European consortia developing 6th-gen fighter jets
参考:India may join 6th-generation fighter jet consortium
参考:India Eyes Entry Into European 6th-Generation Fighter Program. What It Means
参考:Is India’s sixth-generation fighter jet plans taking definite shape?
参考:India Joining One Of Europe’s Fighter Programs Is Anything But Easy
いつもの「大騒ぎ」で終わるかもしれないが、潜在的な敵対国=中国の軍拡がインドを従来と異なる動きに向かわせるかもしれない
Times of India、Economic Times、Hindustan Times、NDTV、The Weekなどの印主要メディアが一斉に「インドが欧州が主導する第6世代戦闘機プログラムのいずれかへの参加を検討している」と報じ、これは、国防省が国防常任委員会に報告した内容に基づいており、まだ委員会の公式報告書は公開されていないが、リークされた報告書には以下のように書かれている。
BREAKING ⚠️
India will join either the Tempest or FCAS 6th generation fighter programs, Indian MoD tells Parliamentary Standing Committee on Defence pic.twitter.com/EC9N4d8zSS
— Livefist (@livefist) March 18, 2026
“委員会は第6世代航空機の開発に2つのコンソーシアムが取り組んでいることの報告を受けた。1つは英国、イタリア、日本によるコンソーシアムで、もう1つはフランスとドイツによるコンソーシアムだ。空軍が先進的航空機の目標達成において後れを取らないようにするため、いずれかのコンソーシアムと協力して直ちに第6世代戦闘機の検討を開始する意向であると報告を受けている。先進中型戦闘機(AMCA)は設計が完了した段階で、その製造に関する議論が現在進行中である。委員会は世界的な戦闘機技術の進歩を考慮し、現在の安全保障情勢に対応するため航空技術のアップグレードが戦闘能力強化のため最優先であると理解している”
“委員会は省庁に対し、この点に関して道筋を描き出し、第6世代航空機の開発および取得のための計画プロセスを前進させることを勧告する。これにより今日の高度に航空中心的な現代戦においてインドの航空領域能力が最終的に強化されるであろう。この件に関する進捗は措置報告を提出する際に委員会に知らせてほしい”

出典:GlobalCombatAir
War Zoneも「インド空軍が特定した2つの取り組みは英国主導のGCAPと欧州のFCASで、GCAPの中心となるのは次世代ステルス戦闘機のテンペストであり、FCASの中核となるのは有人次世代戦闘機のNGFだ。インド国防省は少なくともAMCA、F-35、Su-57といった第5世代戦闘機をスキップして第6世代戦闘機に移行する選択肢を検討しているようだ。中国やパキスタンに追いつくという点において理解できる願望だが、どちらのプログラムに参加するにしても課題がある」と指摘。
“現時点ではGCAPに参加する方が有望に見えるかもしれない。FCASと比較して3カ国間の関係は比較的穏やかだ。さらにサウジアラビアが何らかの形で参加する可能性が取り沙汰されており、さらに最近ではポーランドも同機の購入に関心を示していると報じられている。しかし、3カ国の間ですでに作業分担の取り決めが合意されているため、インドがGCAPやテンペストに直接的に参加する可能性は低く、完成した機体を購入せざるを得なくなる可能性が高い”

出典:AIRBUS
“さらに言えば英国主導のGCAPが、今後待ち受ける技術的および政治的な課題を乗り越えられた場合の話で、全く新しい戦闘機、特にステルス技術を組み込んだものを開発するプロセスは非常に長い開発期間と多額の費用を伴うからだ。テンペストの運用開始は2035年より後になる可能性が高く、インド空軍は新しい戦闘機を可能な限り早く必要としている。FCASにも同じことが当てはまるが、フランスとドイツの間の深刻な亀裂を加味するとNGF開発に辿り着けるかも怪しい。FCASに参加した場合の最良のシナリオは大幅に遅れて完成する機体の購入、最悪のシナリオはプログラムの崩壊だ”
“逆に両プログラムにとってインドの参加は予期せぬ巨額の財源をもたらすだろう。これは両プログラムが何よりも必要としているものであり、また生産率の向上は単価の低下を意味し、プログラムがデス・スパイラル(開発コストの高騰→調達数の削減→1機あたりの単価上昇→さらなる調達数削減の繰り返し)に陥るのを防ぐことにも繋がる。最後にGCAPやFCASへの参加を望んでいるのは空軍の意向を受けて動いている国防省であり、必ずしも政府の意向を反映したものではないということだ”

出典:GlobalCombatAir
War Zoneは「インドの国防を観察してきたある専門家は『常任委員会には実権がない』と言う」「政府が承認するまで既存の第6世代戦闘機プログラムに参加することは願望の域を出ない」と記事を締めくくっており、いつもの「大騒ぎ」で終わるかもしれないが、潜在的な敵対国=中国が第5世代戦闘機を大量に配備し、第6世代戦闘機と見られる複数のプロトタイプを飛ばしているため、インドが従来と異なる動きを見せるかもしれない。
因みにWar Zoneが「GCAPを英国主導のプログラム」と「GCAPの有人戦闘機をテンペスト」と呼ぶのは欧米で一般的な見方なので、そこに日本人が腹を立てても無意味だ。
関連記事:空自の武藤元空将、GCAP契約遅延が試作機製造に最大1年程度の影響を及ぼす
関連記事:イタリア国防相は狂気の沙汰と批判、英国が伊日にGCAPの技術共有を拒否
関連記事:日英伊が共同開発する次期戦闘機、英国の資金不足で契約締結に遅れ
関連記事:イタリア国防相がGCAP開発コストの高騰を報告、3ヶ国の負担総額は約10兆円か
関連記事:GCAPは新たな国にプログラムを解放する条件を検討中、ドイツ合流に前向き
関連記事:GCAPに参加するLeonardo、英国が情報共有なしで計画を進めていると批判
関連記事:英国のステルス技術と専門知識、イタリアや日本よりも遥かに優れている
関連記事:エアバスがFCASとGCAPの統合を主張、戦闘機ビジネスに規模の経済は不可欠
関連記事:サウジアラビア、GCAPへの参加協議は英国を通じて順調に進展している
関連記事:テンペストとFCASは統合されるべき、伊空軍参謀長の発言に関心が集まる
関連記事:相互運用性の確保が重要と説く独空軍トップ、欧州の戦闘機計画を統合すべき
関連記事:経済的に無理、英国と欧州の次世代戦闘機プログラム統合を訴えるエアバス
関連記事:日本の次期戦闘機開発に参加する英国、狙いは日本の技術ではなく資金
関連記事:仏ダッソー、次世代戦闘機開発について傲慢なのはエアバスの方だ
関連記事:エアバス、顧客から要望があればFCASの有人戦闘機2機種開発を支持
関連記事:独首相は仏設計戦闘機ならFCAS離脱を示唆、ベルギー国防相もFCASが死んだと発言
関連記事:独ディフェンスメディア、GCAPはFCASの代替案にはなり得ない
関連記事:仏独西は再編でFCAS生き残りを模索、有人戦闘機の開発は分裂が濃厚
関連記事:伊紙、GCAPにドイツの資金を確保するにはワークシェアの調整が必要
関連記事:伊首相はドイツのGCAP参加に前向き、これに決定的な発言権を持つのは英国
※アイキャッチ画像の出典:Edgewing





















ポーランドがGCAPに関心がある、ってのは始めて聞きました
どの辺りが気になっているんだろう
FCASが最早、どういう形になるのかすら分からずF-47は、米国製だし輸出許可がされるかも不透明な現状だとGCAPがポーランドが最速で取得できる見込みの六世代機だから以上でも以下でもないかと思われます
というかFCASは現状の空中分解状態じゃなかったとしても運用開始は2040年代を見込んでいるスローペースな計画だったので装備更新のスピードが最優先の今のポーランド軍だとどの道、GCAPしか選択肢が無かったのではないかと
>2026年3月18日、ポーランドの「国家資産」副大臣コンラッド・ゴウォタ氏がGCAPへのパートナーシップ参加交渉をしてる
とメディアのインタビューに答えたみたいですね。
軍や国防省の人間の発言ですらないし、まああまり重く考えなくていいかと。
GCAPに来て邪魔者扱いされるより分裂したFCASに金だけ出して口を出さず、見返りにAMCA手伝ってもらうのがみんな幸せだよ、多分。
資金出していただいて、ライセンス生産でお願いします
GCAPについてはこの先この手の話がいっぱい出てくると思います。
アメリカ、ロシア、中国以外でまともに動いてる第6世代戦闘機計画って実質GCAPしかないですから。
FCASは迷走中、KAANとKF-21は第五世代戦闘機ですから選択肢ないですよね。
だからポーランドが興味を示しているのもそういう事だと思います。
テンペストの位置づけって良くわからなかったのですがそういう事なんですね。
※余談ですがフランスの次世代空母フランス・リーブルの展示模型にNGFの予想図の機体の模型が乗っていました。
ダッソーは艦載型作る気満々ですね。
>KAANとKF-21は第五世代戦闘機ですから
第五世代戦闘機とは、ステルス機能を有するものですが、KAANと KF-21はステルス戦闘機だったんですか?
両機共どれぐらいのステルス機能があるかは機密なのでわからないですが、機体形状から明らかにステルスを意識したデザインになってるので。
KAANはウェポンベイを有してるので分類として第5世代機に当ると思います。
KF-21は厳密にいうと今のバージョンは4.5世代戦闘機ですが将来的にウェポンベイにする計画があるので。
ポーランドにしろドイツにしろインドにしろ現地組立や一部部品現地生産とかが前提かね
何にせよGCAPは無事完成してくれよ
身内で起きたらラファール2、タイフーン2とか言って笑ってはいられんからね
英日伊沙独印波共同開発戦闘機
初飛行は2050年代予定
非アメリカの西側艦載機はあっても100%絶対に損することはないからFCASやフランスには頑張ってほしいところなんだけどね
>因みにWar Zoneが「GCAPを英国主導のプログラム」と「GCAPの有人戦闘機をテンペスト」と呼ぶのは欧米で一般的な見方なので、そこに日本人が腹を立てても無意味だ。
記事を読んでた時、GCAPとテンペストの使い分けが今一わからなかったので、この一文は助かりました。
烈風って噺も暴風じゃオカシイだろってネタだし、空自でもテンペストじゃないですかね。
初鷹、若鷹、旭光、栄光なんて誰も呼んでませんでしたよ。
烈風が暴風じゃおかしいのにテンペストならセーフという理屈が分かりませぬ。
空自じゃ普通に「F-3」でしょう。
その次があればどうするのか分かりませんが。
なんだかんだ第6世代機の需要は高そうで、益々GCAPの重みが増えるな
GCAPってうまく進むのかね。どうみてもイギリスがお金を出せないように見えているんだけれど。
結局、将来的にはサウジアラビアや他の国もいれて分担金を減らす方向にゆくのかしら?
その場合、ポーランド辺りが興味持ってくれてるのはありがたくて、
出資比率や調達数は少なくても「有人機の機体やエンジンには口も手も出さない」条件の準パートナー参加の先例を作ってくれれば、ドイツやサウジ辺りの金も口も出してくる相手との条件交渉がし易くなる。
日本の軍事界隈だと
GCAP:順風満帆、FCAS:壊滅寸前
という見方が強い気がするけど、単純化しすぎだと思う。
FCASについては、フランスとドイツで揉めているというより、
ラファールの単独開発・輸出成功を根拠に
「主導権を握れない共同開発には意味がない」という立場を貫いていると見るべきじゃないかね
GCAPは現時点では波風が立っていないけど
英日伊で安全保障環境や輸出方針、対外関係が完全に一致しているわけじゃないしね。
特に対中国で、ヨーロッパ圏と日本の間に温度差ができた場合に2枚舌のイギリスがどう対応するか次第なところ。