インドネシア海軍関係者は自衛隊の中古潜水艦に関心を示しているが、本命のスコルペヌ型潜水艦建造に関する準備が整い、国営造船所のPT PALは7日「フルリチウムイオン蓄電池方式を採用した仏製潜水艦の国内建造を開始した」と発表し、2034年までに2隻を引き渡す予定だ。
参考:Launching of construction for Indonesia’s first Scorpène submarine
PT PALは1隻目のスコルペヌ型潜水艦を2032年までに、2隻を2034年までに引き渡す予定
フランスとインドネシアは2022年2月「スコルペヌ型潜水艦の調達に関する合意文書(MOU)」に署名、ジェーンズは2024年4月「Naval Groupの関係者がジャカルタに到着し、リチウムイオン電池搭載のスコルペヌ型潜水艦に関する契約交渉が始まった」と報じ、Naval Groupは「インドネシアと現地建造するスコルペヌ型潜水艦 Evolved-Full LiBの契約を締結した」「この契約に基づいて潜水艦2隻がPT PALで建造される」と発表した。

出典:Naval Group
この新型潜水艦は従来の鉛蓄電池をリチウムイオン蓄電池に変更したモデルで、推進システムは「AIP機関+リチウムイオン蓄電池の組み合わせ」と「リチウムイオン蓄電池のみ」から選択でき、Naval Groupは「前者はAIPグレードの水素や液体酸素のインフラが必要になる。AIP機関を扱った経験もインフラもないインドネシア海軍にとって後者の方が導入や運用上の負担が少ない」と説明し、インドネシアもEvolved-Full LiB=リチウムイオン蓄電池のみのタイプを選択。
Naval Groupは今回の契約に基づいて広範囲に渡る技術やノウハウをPT PALに移転し、インドネシアはスコルペヌ型潜水艦 Evolved-Full LiBの建造、運用、保守を主体的に行えるようになり「高度な技術職の雇用を何千人分も創出する」「インドネシアの防衛産業界にとって利益となるような主権構築に協力する」と説明している。
Naval Groupは2年以上の歳月をかけてPT PALの技術者を訓練し、国際的な潜水艦建造基準を満たしていると証明する認証を経て全ての準備が整い、PT PALは7日「スコルペヌ級潜水艦の鋼材切断式がスラバヤのPT PAL造船所で行われ、インドネシア海軍向けスコルペヌ級潜水艦の建造が開始された」「この成果はNaval GroupとPT PALがシェルブールで行われた事前訓練と認証段階を経て円滑な協力関係を築いたことによるものだ」と発表した。
Naval Groupが公開したスコルペヌ型潜水艦 Evolvedのスペックは排水量1,600トン~2,000トン、全長72m、水中速度20ノット、潜航深度300m、乗組員31名、弾庫容量18発、魚雷発射管6門、連続行動時間80日間、航続距離8,000海里以上、年間稼働率240日で、Evolvedの戦闘管理システムにはイタリア製のBlack Shark、フランス製のF21、 エグゾセの水中発射バージョン、フランスが実用化済みのD-19(魚雷発射管から発射可能でISR、電子戦、対潜戦、機雷戦、スマート機雷、訓練といった用途に使用できる多機能UUV)が予め統合されているのが特徴だ。
PT PALは2027年に2隻目の建造を開始する予定で、2隻のスコルペヌ級潜水艦を1隻ずつ建造するのではなく並行建造し、1隻目は2030年から海上試験を行って2032年までに、2隻目は2034年までに引き渡され、スコルペヌ型潜水艦の運用維持全体に関わる作業で2,000人以上の雇用が創出されると見積もられている。
ちなみにPT PALは2021年9月にBabcockとアローヘッド140フリゲートのライセンス契約を締結し、既に1番艦は2025年12月に進水し、2番艦も来年には進水する見込みで、両艦とも2030年までには引き渡される予定だ。

出典:PT PAL
さらにBabcockは2026年1月「インドネシアと40億ポンド相当の海洋パートナーシップ計画に基づく初の契約を締結した」「アローヘッド140フリゲートのライセンスを追加で2隻売却する」と発表、これでインドネシア海軍はアローヘッド140フリゲート×4隻、イスタンブール級フリゲート×2隻、パオロ・タオン・ディ・レヴェル級哨戒艦×2隻を確保した格好になる。
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※アイキャッチ画像の出典:Naval Group Scorpene Evolved





















AIPは導入にハードルあるんでしょうけど、世界的に充分実績がある技術ですからね。採用国も多いですし。逆にリチウムイオン電池の潜水艦を運用してるのは日本だけですから。
初めてインドネシアで作る潜水艦が実績の乏しいリチウムイオン電池なのは大丈夫なのかと思ってしまいますね。
エネルギー密度低いから嫌だろうけどせめてリン酸鉄リチウムイオン電池にすりゃいいのにね
インドネシア潜水艦でいきなり三元系リチウムイオンは怖すぎる
自衛隊の予算がもっと潤沢なら、
フランス製原潜(退役後の廃棄の責任はフランス持ち)、
日仏共同FCAS開発(核兵器運用と空母艦載機)、
なんて意味あるのかな?
フランスの場合、AIPは、閉サイクル蒸気タービンなのでしょう。
艦内で液酸やエタノールを扱うのは大変でしょう。
電池の方が安全か?、といえば、そうなのでは?。
どちら製のリチウム電池なのか、素人は知らないのですが、
フランスの潜水艦での使用実積はあるのかしら?。
あと、東南アジアでスコルペヌ級は、マレーシアに継いで二カ国目ですね。
現在選考中と聞くフィリピンは何を選ぶのかな?。