インドネシアは11日にジャカルタで開幕した防衛展示会で「J-10購入計画を発表するかもしれない」と噂されていたが、実際に発表されたのはKAAN購入に関する合意で、トルコのエルドアン大統領は「締結した協定の枠組みに基づきKAAN×48機がインドネシアに輸出される」と発表した。
参考:Türk Havacılık ve Uzay Sanayii
参考:Indonesia and Turkey ink deal for 48 KAAN fighter jets
参考:Indo Defence 2025: China offers ex-PLAN Type 039 boats for Indonesia’s interim submarine requirement
参考:Türkiye to export 48 Kaan fighter jets to Indonesia in ‘record’ deal
この取引に関して事前情報がまったくなったため大きな驚きをもたらしている
インドネシアはマクロン大統領の訪問に合わせてラファール、軽フリゲート、スコルペヌ型潜水艦、CAESARなど170億ユーロを超える契約を締結したばかりだが、Alert5は「インドネシアは中国から中古のJ-10を42機購入する計画で、ロシア製のSu-35の調達も進める可能性がある」「関係筋によれば両契約に関する正式発表は来月11日に開幕する防衛展示会で行われる予定らしい」「この取引が実行に移されればF-15EX購入の取り組みは終了し、武器輸出を優先事項に掲げるトランプ政権にとっては大きな後退になるだろう」と報告。
Millî muharip uçağımız KAAN ile ilgili çok önemli ve güzel bir gelişmeyi milletimle paylaşmak istiyorum…
Dost ve kardeş Endonezya ile imzaladığımız anlaşma çerçevesinde 48 adet KAAN, Türkiye’de üretilerek Endonezya’ya ihraç edilecek.… pic.twitter.com/D9wZ33wzgz
— Recep Tayyip Erdoğan (@RTErdogan) June 11, 2025
豪国営放送のABC NewsもAlert5の報告を引用し「インドネシアは中古のJ-10購入計画を発表するかもしれない」「ロシア製のSu-35調達交渉も再開する可能性がある」「このJ-10は輸出条件を満たすために改修される可能性が高い」「この情報について公式な確認は取れていない」と、Bloombergも5日「インドネシアのドニ―・エルマワン・タウファント国防次官が水曜日、空軍関係者が中国を訪問した際にJ-10の販売を提案してきた」「もしJ-10の性能が我々の要件を満たし価格も手頃だと判明すれば導入しない理由はない」と報じたが、11日に発表されたのはKAAN購入に関する合意だった。
トルコのエルドアン大統領は11日「我が国の国産戦闘機=KAANに関する前向きな進展を国民と共有したい。インドネシアと締結した協定の枠組みに基づき、トルコで生産された48機のKAANがインドネシアに輸出される予定だ。この協定の調印に大きく貢献したプラボウォ大統領に感謝の意を伝えたい」と、トルコ航空宇宙産業も「ジャカルタで開幕したINDO防衛展示会においてインドネシアとKAAN売却で合意した」「この契約に基づき48機のKAANが120ヶ月以内に引き渡される」「インドネシア向けのKAANには国産エンジンが搭載される」と発表。

出典:Türk Havacılık ve Uzay Sanayii
Breaking Defenseも「トルコ製戦闘機にとって初の大規模取引が成立した」「トルコは10年以内に48機のKAANをインドネシアに引き渡す予定だ」「この機体には開発中の国産エンジン=TF-3000が搭載される」「この協定の枠組みには重要な技術移転も含まれている」「インドネシアの産業能力もKAANプログラムに関与することが想定されている」と報じており、この取引に関して事前情報がまったくなったため大きな驚きをもたらしている。
インドネシアは2023年8月「F-15EX売却(24機)に関する覚書」をBoeingと締結したものの正式発注には至っておらず、J-10に関しても中国側の提案のみで、正式な契約によって導入が確定しているのはラファール×54機~66機とミラージュ2000-5×12機だけだ。

出典:Turkish Aerospace Industries
トルコと締結した協定の枠組みが拘束力のある契約なら「KAAN導入」は確定的になるが、まだ詳しい情報がないので何とも言えない。
追記:Janesは「中国がINDO防衛展示会でインドネシアに中古潜水艦=039A型の提供を申し出た」と報じている。トルコメディア=DailySabahは「KAAN×48機に関する契約額は100億ドルだ」と報じている。
関連記事:トルコの第5世代機開発、KAANは100年後まで独立を維持するに不可欠
関連記事:インドネシア国防次官、J-10の性能が要件を満たし価格も手頃なら導入
関連記事:豪国営放送、インドネシアが中国からJ-10を42機購入する可能性
関連記事:フランスが170億ユーロの契約を獲得、インドネシアはラファールを追加調達か
関連記事:日本とインドネシアがフリゲート艦交渉を継続、潜水艦提供の可能性も議論
関連記事:インドネシア国防省、もがみ型護衛艦×4隻調達に必要な資金要求案を提出か
関連記事:インドネシアへの護衛艦輸出に新たな動き、両国が契約プロセスについて議論か
関連記事:インドネシアがボーイングからF-15EXを24機調達、売却に関する覚書に署名
関連記事:インドネシア、7.33億ユーロで12機のミラージュ2000-5調達を発表
関連記事:42機のラファールを調達するインドネシア、米国も36機のF-15EX売却を承認
関連記事:インドネシア国防相、F-15EX導入は政府の最終決定を待っているところ
関連記事:インドネシアとボーイングがF-15EX導入を交渉中、アローヘッド140建造もまもなく
関連記事:フランス、オランダ海軍に続きインドネシア海軍からも潜水艦を受注
関連記事:イタリアがインドネシアからPPA級哨戒艦を受注、契約額は11.8億ユーロ
関連記事:リチウムイオン電池搭載の潜水艦、フランスとインドネシアが契約交渉を開始
関連記事:パルリ仏国防相、インドネシアから42機のラファールを受注したと発表
※アイキャッチ画像の出典:Türk Havacılık ve Uzay Sanayii
F-15EX<J-10<KAAN
の順で賄賂が多かったのか。それとも何か意図があるのか。
米中の争いに巻き込まれたくなかったのでは
それにしても気が早すぎる気はするから、米中どちらにも与しないという意思表示と根拠なく書いてみるテスト
イスラムの国だし。中国アメリカ西側ロシアとの距離も取れるし。一応NATOだし。
今の西側は軍事費激増中だから、発注しても、どうせ待ちだし。
グローバルサウスの自立かな。
>48機のKAANが120ヶ月以内に引き渡される
こう書かれると凄い早い気がするけど、「10年以内」と書くと結構先に感じる不思議
KAANって輸出締結出来るほど開発が進んでいた事に驚き
インドネシアとしてはアメリカ、中国、ロシア、EUの影響下に無い戦闘機を1機種欲しかったって事ですかね
トルコ製エンジンなんてどうなるかもわからない物に思いきりしたね。
韓国のKF-21の共同開発の件ってどうなったんですかね。機体はこれともろ被りだと思うんですが…
機体サイズは全然こっちの方が大きいですね。F-22より一回り大きい。
エンジンはトルコ製がダメならプロト同様F110積むでしょうね。
中古J-10の話が出た後すぐにこれか…
もうJ-10なくていいんじゃないか?
インドネシア空軍の運用環境、どれだけカオス化するんだ一体…
まさかのトルコですか、驚きましたね。
インドネシア空軍の整備要員に心から同情を禁じ得ない
4月の時点でKF-21への参加は解消寸前で、KAAN開発に参加したいとかいうニュースは各所にあったし、別に意外でもないというか。前から声をかけてるっぽいマレーシアもKAANに参加するって報道が出たら驚くけど。
やはり、KAANはイスラム教圏の国家には売りやすい感じですかね?
KF-21よりは出来が良いと思いますが、エンジンはどうするつもりなのでしょうね?
記事内に国産エンジン搭載予定って書いてある。
インドネシアってライ国でもなにかジェットエンジン生産した実績あるんですかね。
背伸びしすぎの印象。
まだ韓国のGE製エンジン輸入の方が堅実。
「(輸出できるか分からん)米のF110じゃなくて『トルコ』国産のエンジン積む」って話でインドネシアは「産業能力もKAANプログラムに関与することが想定されている」程度にしか書いてなく中核の一つであるTFエンジンの生産に関われる可能性は低い(というかほぼない)かと。
KAANの今後は試作機6機の予定を見ないと何とも言えませんが、インドネシアは思い切りましたね。
KAANは所謂0号機を飛べるように改修させて無理矢理2回飛んだだけで本当に完成するのかわからないレベルの機体なので、既に先行量産が始まったKF21と比較対象になりません。普通に考えたら購入契約はしませんねえ。つまりインドネシアは純軍事的な基準で判断したわけでは無いです。それが国際政治舞台でのリスクヘッジなのか、はたまた賄賂が欲しかったのかは現時点ではわかりませんが
KF-21はそもそも現状第5世代機じゃ無くて、現状4.5世代機で第五世代機相当へのアップグレードの目処が立ってない現状では比べる事は出来ないのでは?
いえいえ、そういう意味では無く、KAANの完成度は実験機レベルの完成度の機材が2回離陸成功し低速で短時間飛行したに過ぎませんし、ステルス技術も本当にあるのか不明ですので、第5世代になれる保証が無いどころか第4世代レベルの実用機になる保証もありません。そう意味で比較する意味が無いと申し上げる次第です
インドネシアが欲しいのは実機じゃなくて、技術なんじゃないかな?
KF-21は独自開発するって言うから協力してたのに、結局根幹技術は米国のを輸入して技術発展に繋がらないから手放したのかと
トルコはNATOでありながら米国とは距離がある希有な例出し、賭けにはなるだろうけど、分は悪くないと踏むだけの根拠はあるんだろう
まだ完成してない戦闘機を48機購入契約って…。
インドネシアからすると今後の戦闘機購入の交渉力を高めることができる
トルコからすると内外にKAANの実績をアピールできる
というような、謎のWin-Win関係から成立した謎の契約って感じなんでしょうか
開発も生産も、見通しが立たない内ならリスクの分だけ安く有利な条件で買えますからね。
その辺はKF-Xの時と同じでしょう。あっちは何の成果もなく軋轢だけ残して解消した?っぽいですが。
正直びっくりしたな
即戦力を欲しがってると思ってたから、まさか未知の第5世代機に掛けるとは、、、
まあ、ラファールだけでも結構な戦力だし、未来を見据えるなら案外悪くない投資なのかもな
インドネシア空軍は先の印パ紛争の結果を見ると統合的な運用に支障をきたしてそう
たぶん見かけより弱い
そもそも最低限の対抗戦力の輸入がまずだろうしねぇ
ごめん、どゆこと?
戦力強化もありますが、国産戦闘機製造に向けた能力の獲得が主目的なのではないでしょうか。おそらく相当数の技術供与が協定に含まれているのだと思います。同様の目的でKF-21事業へ参加をしたものの、結果的に十分な成果はなく、その代わりにKAANに関わるのではないかと。
”インドネシア向けのKAANには国産エンジンが搭載される”
どこかの国の工場を誘致するのかな?。狙い目(笑)は、ウクライナかな?。
設計/製造技術を持ち合わせているし。狙われた国(笑)は、よく考えないと?。
製造したものがロシアに渡る可能性すらありそうだし。
なんだか、ロシア帝国の後はオスマン帝国か?と言う気もしなくは無いです。
要注意なのかな。きっと。いや、昔からだけれど。
この国を牽制しようと思うなら、ギリシャとブルガリアに協力してもらって、
ボスポラスとは別に運河(!!)を作ったりしないとならないのかな(笑)。
インドネシアの軍ヲタは楽しそう
特に飛行機ヲタ
わかる羨ましい
日本は艦艇が豊富なんで一長一短だけど
皆様仰ってますが技術移転は魅力的ですよね、センサーどころかエンジンまで含めて自国開発の機体。どこまで移転してもらえるのかは未知ですが完成品買うしか無かった国からしたら手を出しておきたいところでは。
オフセット契約はないのか一部はバーター契約が含まれているのか、同じイスラム教国家なだけに無条件の購入で終わったのか続報が気になる商談ですね
やっぱり最後に愛は勝つんですね。
心配ないからね、って心配しかありませんが…
最初に思ったのは「KAANって飛べたんだっけ?」ですわ
まだロクに実績の無い機体を48機も調達ってのがすごい
たぶんGEのF110エンジンを積んだ試作機が1度は飛んだみたいです。