インド太平洋関連

F-21はお蔵入り? インド、海外製戦闘機調達を国産戦闘機「テジャス」に変更か

複数の海外メディアは15日、インドは海外製戦闘機調達プログラムを中止して、国産戦闘機「テジャス」調達に切り替えると言い出したと報じている。

参考:India seeks local warplanes as overseas purchase plan stalls

まさかのどんでん返し?欧米やロシア企業が狙っていた1.6兆円規模の戦闘機導入プログラム消滅か

インドは老朽化した旧ソ連製戦闘機MiG-21などを更新するMRCA(Multi-Role Combat Aircraft)プログラムが不発に終わったため、新たに100機以上の戦闘機導入プログラムを立ち上げ欧米やロシアの企業が契約獲得を狙って受注活動を活発に行っているのだが、ここに来て印軍参謀長のビピン・ラワット大将が衝撃発言を行った。

彼は新しい戦闘機導入プログラムは海外製戦闘機を調達するのではなく国産の戦闘機「テジャス」調達に切り替えるだろうと言い出したのだ。

出典:ロッキード・マーティン F-21

インドの戦闘機導入プログラムは総額150億ドル(約1.6兆円)規模になると言われており、これを獲得するためロッキード・マーティンはわざわざインド向けにカスタムしたF-21(ベースはF-16V)を準備中で、ボーイングはF/A-18E/Fだけではなく米空軍向けに開発したF-15EXまで提案すると明らかにしている。

出典:public domain ラファール

さらに欧州のエアバスはユーロファイターを、フランスのダッソーはラファールを、スウェーデンのサーブはグリペンEを、ロシアはMiG-35とSu-35を提案するつもりで準備を進めているにも関わらず、やっぱり国産でと言い出したのだからショックを受けているだろう。

ただ正式の海外製戦闘機調達を中止して国産戦闘機「テジャス」調達を行うと決まった訳ではないが、インドの苦しい国防予算事情を考えるとあり得ない話ではない。

インドは装備調達のため結んだ契約の支払いが積み上がり過ぎて装備調達に割り当てられた年間予算(約2兆円)の90%を既存の支払いに回さなければならい状況に陥っているため、高価な海外製装備品の新規調達は控える傾向にあるのと、インドのナレンドラ・モディ首相は新型コロナウイルス(COVID-19 )によって打撃を受けた国内経済を立て直すため、より一層の国産製品購入(メイク・イン・インディア政策)を強調しているため状況的には十分あり得る話だ。

出典:Premshree Pillai / CC BY-SA 2.0 国産戦闘機「テジャス」

さらに能力不足だった国産戦闘機「テジャス」も大幅に能力が向上した「テジャス Mk.2」開発が順調なので、このような要素も国産戦闘機への切り替えを後押しするはずだ。

前回のMRCAプログラムにも言えることがだ、本当にインドの装備購入プログラムは先行きが不透明すぎて結末が予測不可能過ぎる。

補足:MRCAプログラムの勝者はラファールだったのだが、その後の契約交渉で揉めて当初200億ドル(126機調達費用)と見積もられていたがプログラムコストは300億ドルを超えてしまいインドが契約をキャンセルしたため違約金代わりにラファールを36機購入する契約を別途結ぶことになる。

逆を言えば、外野で見ている分にはハラハラして飽きないのだが、防衛産業企業の担当者からしてみれば堪ったものではないだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:Venkat Mangudi / CC BY-SA 2.0 国産戦闘機「テジャス」

ドイツ海軍、次期水上戦闘艦艇「MKS180」を訴訟から守ることに成功前のページ

空母への着艦に非対応な謎仕様? 米海軍の次期訓練機プログラムが始動次のページ

関連記事

  1. インド太平洋関連

    今回で3度目、韓国が主力戦車「K1A2」のアップグレード開発に着手

    韓国メディアは29日、韓国陸軍が主力戦車「K1A2」の戦闘効率の向上、…

  2. インド太平洋関連

    国産潜水艦の建造準備が整った台湾、今月中にも1番艦建造を開始

    台湾メディア「Taiwan News」は3日、今月中に台湾初の国産潜水…

  3. インド太平洋関連

    全研究員が事件に関与? 韓国が国防機密流出事件の中間報告を発表

    韓国国防部傘下の国防科学研究所(ADD)から機密に分類される技術データ…

  4. インド太平洋関連

    中国への配慮? フィリピンが超音速対艦ミサイル「ブラモス」調達を中止

    フィリピンはインドから超音速対艦ミサイル「ブラモス」を調達するため交渉…

  5. インド太平洋関連

    韓国、民生用固体燃料ロケット開発を隠れ蓑にICBMやSLBMを開発か

    韓国メディアは15日、軍が開発を進めている超小型偵察衛星を2025年に…

  6. インド太平洋関連

    鉄棒で武装したインド軍と中国軍が衝突、両軍合わせて63人が死亡または重症

    インド軍と中国軍が15日に軍事的衝突した結果、少なくとも両軍合わせて6…

コメント

    • 匿名
    • 2020年 5月 16日

    フランスの後だし予算超過はお家芸なのだろうか

      • 匿名
      • 2020年 5月 16日

      軍事産業に限った話ではないが、途中で何らかの追加予算が必要になるというのは欧米でも中露でも隣の韓国でも割と良くある話だがな。
      それをフランスのお家芸と評するのはどうだろうな?

      • 匿名
      • 2020年 5月 16日

      まぁ、オーストラリアの潜水艦のイメージが強い

      • 匿名
      • 2020年 5月 17日

      でも日本も一度設定した予算の数倍に膨れ上がるの昔から得意だよね。F2も然り、東京オリンピック競技場も然り、イージスアショアも然り。インド政府もそうだろうけど、言いにくいことは、まずは見かけの低い予算で話だけ通して、後で追加予算にするのは政治家なら誰もがやっちゃう方法では。

        • 匿名
        • 2020年 5月 18日

        F-2に関しては、日本の当初想定の1650億円が
        3270億円と高騰したけど、米国側が想定した6000億円に対しては大幅減でしたよ。

    • 匿名
    • 2020年 5月 16日

    デジャヴュ!(アージュンの)

    • 匿名
    • 2020年 5月 16日

    いつものインド時空。
    やかましいくせに人の話を聞かない事で定評のあるインド人はやはり碌な連中ではない。

    • 匿名
    • 2020年 5月 16日

    テジャスのエンジンはアメリカ製のf414だったはずだが、アメリカが輸出しないと言ったらどうするの?本来の GTX-35VS カヴェリはフランスの協力を得て、名を変えて開発は継続されていると記憶していたが、完成したのかな。

      • 匿名
      • 2020年 5月 17日

      言うてもクソみたいにポンコツなXF9-1より遥かにマトモなエンジンだけどな
      カヴェリは

        • 匿名
        • 2020年 5月 17日

        またニホンハーかよ。

        • 匿名
        • 2020年 5月 17日

        「お前の母ちゃんデベソ」としか聞こえないwww

        • 匿名
        • 2020年 5月 17日

        根拠のない思い込みでも言わなければ自尊心を保てないのは見ていて哀れだな

        • 匿名
        • 2020年 5月 17日

        XF9-1ってなにかあったの?

        • 匿名
        • 2020年 5月 17日

        お前は何でもいいから日本sageしたいだけなんだろ。
        自慢のネタが何もないパカテョン。哀れだな。

        • 匿名
        • 2020年 5月 17日

        レーダーで叩かれまくったから今度はエンジンに矛先変えたのか?

        前にも言われたと思うが他人のを呪えばそれはいずれ自分に帰って来るぞ

        • 匿名
        • 2020年 5月 17日

        XF9-1は頭にXがついている通りただの研究開発用エンジンで、量産機ではないし量産機が同型になる保証もないからね?
        で、どの部分がクソでポンコツなのか分かりやすく教えてほしい。

    • 匿名
    • 2020年 5月 16日

    テジャスとJF-17がアストラとPL-15撃ち合うのか

    • 匿名
    • 2020年 5月 16日

    テジャスって性能の話がイマイチ無いからよくわからないけど、不思議な造形してる気がする

      • 匿名
      • 2020年 5月 17日

      初見で「なんぞこの中翼配置のミラージュ2000」って思った
      トップ画みたいに斜め下から見るとカッコいいけど、平面形は翼デカすぎと言うか前縁が前にありすぎて違和感ある

        • 匿名
        • 2020年 5月 17日

        ミラージュⅢを介してだけど、ミラージュ2000とテジャスの比較。
        リンク
        推定される空力中心は、ミラージュ2000より282mm程前にあり、よりCCVを採り入れた設計になっているみたい。
        ﹙重心位置を基準とした空力中心の相対位置は、ミラージュⅢ→ミラージュ2000が81mm前進、ミラージュⅢ→デジャスが363mm前進﹚

        空力中心が大きく前進するのは、離陸時のみなミラージュ2000と、常時なデジャス、といった感じかな。

      • 匿名
      • 2020年 5月 17日

      ビゲンのカナードなし版みたいなデルタ翼形状だなと。

    • 匿名
    • 2020年 5月 17日

    「ノルウェーのサーブはグリペンEを」となっていますがサーブはスウェーデンの企業です

    • 匿名
    • 2020年 5月 17日

    インド人も商売人だからね
    狙いは輸入機体の価格交渉のネタ、
    インド人自体が国産兵器を信用してないし

    • 匿名
    • 2020年 5月 17日

    テジャスMk.2 って本当に完成するんだろうか…
    確かMk.1 ですら計画のスタートから30年位かかったって記憶してるけど

      • 匿名
      • 2020年 5月 18日

      双発版デジャスになると、絶望的ですかね?

      リンク

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  2. インド太平洋関連

    日米からのオファーがない? 韓国空軍、日本のF-35整備拠点利用を否定
  3. 軍事的雑学

    ようやく本領発揮、世界最強の戦闘機F-22Aが「神の視点」を味方に提供
  4. 欧州関連

    再掲載|英海軍の闇、原潜用原子炉の欠陥と退役済み原潜の処分費用
  5. 軍事的雑学

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
PAGE TOP