Japan Timesの取材に応じた駐日インドネシア大使は「日本とフリゲート艦の共同開発・建造に関する協議が続いている」「この議題は石破首相や中谷防衛相が訪問時も議論された」「プラボウォ大統領と石破首相の会談では退役するそうりゅう型潜水艦提供の可能性なども協議された」と明かした。
参考:Japan, Indonesia continue frigate talks looking to boost defense-industrial ties
日本は天然ガスやニッケルといった資源確保のため「安全保障分野に関する何らかの協力」をインドネシアに提供することになるのだろう
日本とインドネシアは2021年3月に開催された外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で防衛装備品・技術移転協定に署名したが、6月にイタリアとカルロ・ベルガミーニ級、9月に英国とアローヘッド140=31型フリゲート調達に関する契約を締結したため「インドネシアへの護衛艦輸出は失敗した」という見方もあるが、複数の現地メディアは同年8月末「駐インドネシア日本大使の金杉憲治氏が防衛駐在官(1海佐)を伴いプラボウォ国防相や国防省の高官と会談した」「この席で三菱重工業(MHI)からフリゲートを取得するための契約プロセスについて議論が行われた」と報じた。

出典:インドネシア国防省 プラボウォ国防相と会談する駐インドネシア日本大使
この交渉はウクライナ侵攻の勃発や大統領選挙の影響で進展が見られなくなっていたが、Japan Timesは21日「取材に応じた駐日インドネシア大使はフリゲート艦の共同開発・建造に関する協議が両国間で続いている」「この議題は石破首相や中谷防衛相がジャカルタを訪問した際も議論された」「今月下旬に予定されている吉田幕僚長のインドネシア訪問でも重要議題になる予定」「プラボウォ政権にとってもがみ型護衛艦の共同建造に向けた取り組みは引き続き優先事項だ」と報じて以下のように述べている。
“日本はインドネシアの要求を満たす4隻のフリゲート艦を国内で建造し、同数のフリゲート艦をインドネシアで建造することを提案した。総額3,000億円と見積もられた提案はCOVID-19の感染爆発、前政権の野心的な首都移転計画に伴う財政的制約のより交渉が行き詰まってしまった。日本政府はインドネシア側に融資を申し出ているものの、インドネシア側の規則によって政府は計画に必要な資金の10%~20%を前払いする必要があり、まだインドネシア側のその財源を見つけられていない”

出典:海上自衛隊 潜水艦艦隊
“それでもヘリ・アフマディ大使は「この取り組みはプラボウォ政権下で勢いを増している」「この交渉の重要な側面の1つは技術移転だ」「我々はもがみ型護衛艦に採用されている技術へのアクセスに関心がある」「プラボウォ大統領と石破首相の会談では退役するそうりゅう型潜水艦のインドネシア提供に関する可能性なども協議された」と述べた”
石破首相は中国との競争が激化する中「東南アジアとの経済協力強化が日本の重要課題で、この取り組みの中で「インドネシアが中心的な役割を果たす」と強調しており、大使も「この点においてエネルギーと安全保障が非常に重要な役割を果たす」「両国間の重要鉱物協定の交渉も最終段階にある」「この協定は2023年に日本とカナダの間で署名された協定より包括的なものになる」と指摘してるため、日本は天然ガスやニッケルといった資源確保のため「安全保障分野に関する何らかの協力」を提供するのかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊
中国に情報を抜かれても日本側に損害が発生しない状態での契約でしたら歓迎ですね
まぁインドネシアは国防相がロシアを支持する程度には信用できない国ですしね…まぁそれ込みで売り込みをするのが武器輸出だと思うので、駆け出したばかりの本邦は相手を選びすぎている場合じゃないのでしょう。
新幹線の件で、インドシアの評判は暴落しましたからね。
どこまで信用できる国なのか、ちょっとよく分からないなと感じています。
騒いで終わり。
ジュゼッペガリバルディの話しは、どうなったのかな?
もがみ型売れるといいですね
もしもの時の予備戦力になりますし
でもインドネシアはオーストラリアと仲が悪いから
もしもの時はもがみ型が相討つ地獄絵図に…
どっちか選べるならオーストラリアですかね
セルビアとクロアチア両方にラファール売ったフランス…
軍事ビジネスはルール無用だろ
ボクは経験も無いし実績もありません これまで武器輸出はしたことがありません それでも武器輸出国になれますか?
>もがみ型が相討つ地獄絵図に
オーストラリアに売り込んでいるのは、もがみ型じゃないよ。もがみ型の能力向上型と言われる新型だよ。だからインドネシアがもがみ型を採用するなら相討つことにはならないと思う。
インドネシアの問題点は、インドネシアを信用できるのか、信頼できるのか、だからなぁ
自国の利益のために米中を秤にかけるのは理解できるけど、蝙蝠外交が周りからどう思われるかという問題があるわけで
そもそも凄まじい数の多民族で形成された国家、各諸島毎に勢力が異なる世界最大級の多諸島国家なので
よほどの独裁者でもない限り、政策に継続性を持たせる事が出来ないという致命的な問題を抱えているから、蝙蝠外交に見える行き当たりばったりの外交にならざるを得ないわけだけど…
(しかも途上国なので簡単に賄賂で転ぶし、個々の官僚もぞれぞれの民族や出身地などの影響を大きく受ける)
交渉内容は至極普通なのに、相手が相手だから不安感が増す。戦闘機開発で韓国から情報抜き取ろうとした挙げ句、トルコに鞍替えしたばかりだし。
KF-21の場合は当初予定の契約内容の品々(技術や情報、商品)を提供できてない韓国側にも問題があるから、今回の話に絡めるのは微妙な感じも
トルコに鞍替え云々も、約束の時間からどれだけ立っているのかを考えるとなぁ、たも
勿論だからといって、インドネシアが信用に値する国だと言ってるわけではないです
日本にFMSのような国家間で供与する枠組もない以上結局契約するのは企業なのですが、果たしてこの話、企業にとって魅力的なんでしょうか?
国として足を引っ張る様な事をせずに契約に対する支援だけをすると言うならワンチャンだけど、そもそもの企業としての輸出実力がね。
企業で動くしか無いとはいえ安全保障貿易管理とかで規制は有るだろうから、官邸にお伺い立ててすんなり行くのかも不透明。
本邦の防衛装備海外移転事業は全て政府管理下で行われます。
たとえ企業活動で需要を掘り起こしても、日本政府の定める移転条件を満たすかの審議を経て認可されなければ事業化はできません。認可される諸条件は防衛装備移転三原則運用指針に定められてますよ。
「もがみ型FFM」は当初から海外移転を意識して計画されたと言われています。運用指針が定める共同開発の体を取るならば海外移転のハードルは比較的低いのかと。
「そうりゅう型」に限らず、自衛隊法で「武器」と定義される装備は、現行制度では用途廃止後であっても海外移転不可です。可能性の協議なので、現状ではできないという説明で終ったのでは。
まあ、そうりゅう型を提供することはないでしょうけど、もし提供しても40年とか使い倒して事故で沈めそう。
日本は20年も経たずに退役させるから、老朽化によるトラブルとは無縁だけど。
そうりゅう型の退役始まるの10年後とかだけどさすがに陳腐化してないかというのと
散々言及されているとおりインドネシアの商習慣は信頼できないから不安しかない
高速鉄道の件では煮え湯を飲まされた日本はもちろん、中国も事実上の開発国であるにも関わらずその痕跡が見えないようにされていて不満があるとの話がある
東洋経済かどっかの記事で読んだか、インドネシアは事業に貢献した国を公表したがらない(自国でなしとげたことを印象づけたい)という傾向があるらしく、まあ誠実な態度ではないよね
KFXの件も、韓国だから横目に見て笑ってるけど冷静に見たらとんでもない不義理かましてるし
軍事分野以外でもそうだけど、地域大国としての意識が強くなりすぎてあまりお付き合いしたくないような国になりさがってる印象が強い
フリーゲートも潜水艦も上手くいったらそれはそれで困りそうというのがなんとも
退役するそうりゅう型潜水艦のインドネシア提供とか何年先だよ、先月におやしお型の2番艦が除籍されて毎年除籍されるにしても順番来るのは10年後、事故したそうりゅうが嫌と言うなら更に伸びる。
思うのだけれど。
もがみ級を提供しうる(国内建造能力がある?)として、
豪州とインドネシアに同時には、できないのでは。
豪州とインドネシアは、それぞれ別個の防衛(同盟)枠組みにいるのでは?。
であれば、仮に豪州向けに話が成立すれば、
豪州はインドネシアへの提供を阻止しようとするのでは?。
なんだか、日本の現政権は危ない橋を渡ろうとしているようにも見えるのでは?。
現政権の思惑は、前政権までのそれとは相当異なっているような?。
日本はどっちの枠組みに属しているのだ?。そんなふうに見えます。
近年の豪州とインドネシアの外交関係は大幅に改善されていますよ。各種協定を結び安全保障協力や貿易も拡大する方向で両国の友好関係は現在も進展中です。
両国にとって中国が安全保障上の共通する懸念事項になっていることが大だと思われます。インドネシアが完全に中国に屈する状況になれば対立構図に戻る可能性がありますが、日米豪始め周辺国はそうならぬよう配慮しているわけです。
日本にそんな”腹芸”みたいなことは、
おそらく、できないと思いますが。
開発援助とかならともかく。
納期的なものなら納得出来るが空軍ならボーイングの機体を双方が使用する事になるし両方ともドイツが関わった戦闘車両を使っている。装甲車両もメーカーは違うが韓国が作った物を双方が採用しているのに日本の艦船だけがどちらかを選べと言うのはおかしな話。
その理屈通りで有るならあらゆる武器に関して両国に売れる国はない事になるが、そんな装備体系になっているだろうか?
勝手な想像になりますが。
好き嫌いで装備を選ぶわけはないし、鎖国などはできないでしょうから、
同盟者を選び、万一の装備供給に留意すると想像します。
製品を供給する側にも見通しはあるのでは。
見通しに反した時は、供給者は、紛争当事者のいずれかに付くのでしょう。
供給者が付かない側では、時間と共に損耗すると思います。
実際、現在のロシアでは、欧米製の航空機は、壊滅状態と聞きます。
インドネシアは、新幹線問題、日本からの鉄道車両輸入禁止だけでなく、韓国KF-Xの技術泥棒と踏み倒し、など問題多い。アメリカに対しても喧嘩を売ることがある。この国には資源に金銭を与えるだけにすべき。技術を一切与えてはいけない。
インドネシアは、仕事で現地工場の人間と関わったけど、公務員どころか民間企業まで上から下まで完全に汚職体質。
地位に紐づく利権を活用するのは当然と言う文化です。警官がUターン禁止の道路を封鎖、仕方なくUターンするドライバーを捕まえて賄賂を要求する、なんてことが日常的にある、とさして怒った風でもなく話してるぐらいですし。
だから大統領など高位高官が不正をやっても、さして問題にならないし国民も怒らないのだと思います。
彼らからすると、日本からの売り込みは利権の種でしかないし、また移転した技術の機密情報もやはり利権の種と看做す可能性もあります。地政学的に重要な位置にあることは承知していますが、無理くり取るべき契約ではないと思います。
ちなみに「そうりゅう型」の退役艦の移転と言ってますが、未だ「おやしお型」すら現役です。一番艦のそうりゅうの就役は2009年の4月ですから、就役期間が25年(現役→練習艦)とすると退役は2034年3月で、まだ随分先の話の筈です。運用実績に問題があり、早期退役させるのかもしれませんが、建造キャパのことを考えるとそうそう繰り上げられるものではないはずで、どんなに早くても2030年以前とは考え難く、本当に話題になっているのか眉唾だと思います。
中国から買えば
仮に中国に頼んだ場合、どんな船をインドネシアに提示してくるんだろう?
もがみ型で話が進んでいるのなら、054B型フリーゲート(江凱(ジャンカイ) III型)あたりじゃないかな。
結構本格的な船だけど、インドネシアの予算的に行けるんだろうか?
中国の物価だって今はそこまで安いわけではないだろうし…
新幹線の時の経緯(日本に調査させる→中国に調査結果流して安値で落札させる)を思い出すと
護衛艦でもギリギリなところなのに
潜水艦(しかも海自で現用のそうりゅう型)をインドネシアに渡すのは危険すぎます。
100%中国に情報が流れてしまうので、それ前提で情報流されてもいいようなものだけしか渡せないでしょう。
しかしこれまでの振る舞いの上でこんな打診を堂々としてくるというのは日本も随分甘く見られたものですね。
豪州のように信頼を積んでから出直してきてもらいたい。
中国に流れても別に良いや位のノリでやってそうですからね現政権・・・
てっきりカナダ辺りにそうりゅう型かおやしお型を供与して、たいげい型を買ってもらう方向に進むと思ってたらインドネシアにそれやるのか。
カナダは韓国が現地企業取り込んでるから形勢不利と、早々に諦めちゃったのかな。しかし、インドネシアに対しては護衛艦売るのに潜水艦もお付けします〜では赤字も良いところじゃないか? まして彼の国は技術窃盗の常習犯で、金も無い。どういう経過を辿るのか気になりますね。
> 「プラボウォ大統領と石破首相の会談では退役するそうりゅう型潜水艦提供の可能性なども協議された」
と「インドネシア大使が」言っただけ、だからね。
嘘ではないだろうけど中身は
プ「そうりゅうくれ」
石「無理」
かもしれない。これだって十分「提供の可能性の協議」な訳です。
そして「フリゲートの共同開発」も「もがみ型を参考に、船体をインドネシアの技術・産業レベルで生産可能な形に簡素化・デグレードし、艤装は極力インドネシア任せ」の可能性もあり、これなら諸々のリスクは最小限で済みますし、それでも立派な「防衛装備輸出実績」にはなります。