韓国メディアは、韓国型戦闘機「KFX」に搭載されるAESAレーダーの設計が完了し、ついに試作品の製作に入ると報じている。
参考:‘KF-X사업’ 5부 능선 넘어…AESA 레이다 시제품 제작
今年AESAレーダーの試作製作に着手し、来年には完成する?
韓国の防衛事業庁は、韓国型戦闘機「KFX」に搭載されるAESAレーダーの詳細設計に関する評価会議を行い、軍の要求条件が設計に正しく反映され、試作段階へ進む事が可能だと確認した。
2016年8月、AESAレーダーの設計に着手し、2018年6月までに、レーダーの基本設計を終え、ハードウェアと、ソフトウェアの両方で詳細設計を終えた。韓国の防衛事業庁は、今年下半期に行われるKFXの機体に関する詳細検討会議で、最終確認を行った後、問題がなければレーダーの試作に入る予定だ。
開発関係者は「当初、AESAレーダーを国内で開発出来るのか、懐疑的な見方が多かったが、詳細検討会議を通過しただけにKFX事業は、5合目を越えた」と話した。
順調に進めば、AESAレーダーの試作品は2020年中に出荷予定で、試験機に搭載し飛行試験を行う。2023年にはKFXの試作機にレーダーを搭載して、地上試験と飛行試験を実施した後、2026年までにAESAレーダーの開発を完了させる予定だ。
韓国メディアは、「韓国にAESAレーダーの開発は無理だと言う世界中の偏見を覆し、快挙を成し遂げた」と報じながら、AESAレーダーの技術移転を約束したにも関わらず、その約束を破ったロッキード・マーティンをこき下ろし、韓国の技術力を称賛することを忘れていない。

出典:Public Domain F-35A
韓国は技術移転を信じて7兆4000億ウォンもの天文学的な金を支払った。高価なF-35を40機も購入できる国は世界でもそう多くない。世界の武器市場で「大口の顧客」である私達は、天文学的な金を支払ったにも関わらず、後頭部を殴られた。しかし韓国特有のチャレンジ精神が発動し、AESAレーダーを国内で開発することに成功したと、自画自賛だ。
KFXの機体は、設計の完了を待たず、今年の2月から試作機の製造を開始し、2021年には試作機が完成する予定で、韓国国会、国防委員会所属のアン委員長(共に民主党)は、「2023年」からKFXを戦力化できると話していたが、AESAレーダーの開発は2026年までかかるらしいので、どうやら2023年のKFX戦力化は、どう足掻いても無理だ。
搭載兵器の問題解決したというニュースは聞こえてこない
以前の記事「軍事的雑学|丸腰に近い韓国型戦闘機「KFX」、米国製空対空ミサイル使用を禁じられる!」で書いたが、韓国は米国に対して、米国製の航空機搭載兵器の、KFXへの搭載=KFXのシステムへの統合を行うための、兵器情報を開示を要請したが、米国に拒否され、事実上、KFXへの米国製兵器の搭載が禁止された。

出典:Public Domain F-22のウェポンベイに搭載されたAIM-120“アムラーム”
戦闘機に搭載できるミサイルを一切、国産化していない韓国は、米国製のAIM-120“アムラーム”や、AIM-9“サイドワインダー”、空対地ミサイルのAGM-65“マーベリック”、空対艦ミサイルのRGM-84“ハープーン”などの搭載が出来ないので、欧州製ミサイル搭載へ方針を変更した。
韓国が米国製の代わり選んだ欧州製空対空ミサイルは、AIM-120の代わりに「ミーティア」を、AIM-9の代わりに「IRIS-T」を選んだ。
果たして、ミーティアを開発したMBDA社、IRIS-Tを共同開発したドイツ・スウェーデン・イタリアの企業が、韓国に兵器データーを開示するだろうか?
韓国にとっての吉報は、未だに届いていいない。
※アイキャッチ画像の出典:Attribution: Alvis Cyrille Jiyong Jang (Alvis Jean) / CC BY-SA 4.0 KFX
以前の韓国型AESAはドイツ製レーダー素子を使ったアメリカ製でソフトウェアの無い置物だったけど、今回の製造国はどこなの?
>KFXの機体は、設計の完了を待たず、今年の2月から試作機の製造を開始し、2021年には試作機が完成する予定
ここがよく分からない。
ここでいう設計は些末な部分なのだろうか。
イスラエルのエルタ社のELM―2052(AESA)の派生型でしょう?
テストヘッドの航空機(輸送機)に搭載しての飛行試験(対空試験)もエルタ社に丸投げ。
レーダーの後処理のSWの開発はどこが? は現時点では不明。
計画ではBatch-1では対空のみ、ルックダウン機能を搭載して(地上、海面からのバックグラウンド・ノイズを処理、しかも素早く)、対地もできるのは2030年?以降のBatch-2から
※ 金議員は、「現在のAESAレーダー含めて4つの主要なセンサの開発の成功は不可能であることが大半の意見」とし「AESAレーダーのソフトウェア(S / W)開発進行現況とイスラエルのメーカーとの共同開発の形であることを国内開発なのか、所有権は、どうなるのか曖昧である」と指摘
リンク
※ 2018年10月、韓国国会での国政調査報告での発言 国政調査=議員が調査権を行使して実施する各種の調査、国勢調査:9月~10月、各種委員会での予算審議:10月~11月、本会議での予算審議:11月~12月15日ってスケジュール。
前の朴クネ政権下では野党だった極左の正義党が大好きだった=お笑い韓国軍のソースだった、現在のムン政権下では正義党はほぼやって無い
訂正:飛行試験(耐久試験、対振動など)
心神ガーF-3ガーと言ってる間に韓国は日本の何歩も先に行ってしまったね…
MRJも「見直し」という名の廃棄みたいだし航空後進国の日本が韓国や中国の先進性に追いつく事は今後も限りなくゼロに近いだろうなぁ
>>心神ガーF-3ガーと言ってる間に韓国は日本の何歩も先に行ってしまったね…
釣り?
F2戦闘機は世界初のAESA搭載戦闘機だし
実は去年末にF3用AESAを公開しているのだが
リンク
管理人さん、興味深い記事をありがとうございます。
世界で初めて量産戦闘機に装備されたJ/APG-1では試作・開発開始からおよそ8年で試作発注ができました。
韓国防衛事業庁のそれは、順調に進めば約4年で試作品出荷とあります。
韓国メディア記事の読み方にもよると思いますが、本当は純国産ではなく外国製部品を購入・組み立て前提の製品化と読んでいます。
AESAレーダー開発で避けて通れない、アレイ型アンテナ素子の開発に触れていないので、やはり韓国の通例である外国製部品購入後、国内で組み立ての形でしょうかね。
日本がAESAレーダーの開発に拘った理由は函館へミグ25が低空侵入してスクランブルしたF-4が見失ってしまったことが原因。
この結果、空自は敵機が低空で侵入したら対処は不可能だと青くなってしまった、だから日本は航空機用AESAの開発に全力をあげた。
それゆえF-2のAESAのルックダウン能力は優れているし、最近のAESAシーカーを搭載した国産の対空ミサイルは地表付近を飛行する巡航ミサイルも確実に撃墜する能力を持っている。
今では日本はAESAの最大の使用国になり、他国がやっと戦闘機に装備したAESAを気軽にミサイルに使いまくってる。