ニュージーランドは2025年発表の国防能力計画の中で「アンザック級フリゲートは同等の最新鋭フリゲート艦で更新する」と言及していたが、日本経済新聞は20日「中谷防衛相と会談したニュージーランド海軍のゴールディング司令官は『日本の護衛艦を導入する意欲』を伝えた」と報じた。
参考:NZ海軍、日本の護衛艦導入に意欲 司令官が中谷防衛相と会談
参考:2025 Defence Capability Plan
参考:NZ navy may need to work with Australia to grow capability – experts
参考:Thousands of vacancies across the Defence Force after record attrition
アンザック級フリゲートの更新を実行するなら日本にとって2ヶ国の海外顧客を獲得するチャンスだ
日本はオーストラリア海軍向けのフリゲート艦入札でドイツを破って勝利し、三菱重工業は100億豪ドル規模とも言われるフリゲート艦調達の優先交渉権を獲得したが、日本経済新聞は20日「日本を訪問しているニュージーランド海軍のゴールディング司令官は中谷防衛相と会談し『日本の護衛艦を導入する意欲』を伝えた。ニュージランド政府内で新しい海軍の資産になると提案していると述べ、中谷防衛相も謝意を示した」と報じ、この発言にはオーストラリアが採用したもがみ型護衛艦の能力向上型が念頭にあると指摘した。

出典:NZDF/CC BY 4.0
ニュージランドはオーストラリアと共同で調達したアンザック級フリゲートの耐用年数を2030年代半ばまで延長する予定で、2025年に発表された国防能力計画の中で「アンザック級フリゲートは同等の最新鋭フリゲート艦で更新する」と言及しているため、日経の報道が事実なら「ニュージーランド海軍もアンザック級フリゲートの後継艦としてもがみ型護衛艦に関心を示している」という意味になる。
ニュージランド国営放送のRNZも今年3月「ニュージランド海軍は装備と人員が極めて不足しているためオーストラリア海軍との協力が必要になるかもしれない」「アンザック級フリゲート2隻の後継艦調達には最大40億NZドルもの費用がかかるかもしれない」「使用する艦艇と訓練方法の両方でオーストラリア海軍と緊密に連携しなければ合理的な時間枠とコストで能力を強化できない」と指摘しており、もしニュージランドがアンザック級フリゲートを更新するならもがみ型護衛艦を選択する可能性が高いものの、ニュージランド軍の人員不足は致命的なほど酷いため計画通りアンザック級フリゲートの更新が行われるか怪しい部分もある。

出典:Australian Defence Force/Kym Smith
2025年3月時点でニュージランド軍全体の現役ポストには3,066人分の空席が、海軍の現役ポストには600人分以上の空席があり、この記録的な欠員数の原因は低賃金による離職で、海軍は幾つかの艦艇とヘリの運用を中止しなければならず、豪海軍が採用した無人潜水艦=Ghost Sharkにも関心を示しているため、フリゲート艦2隻、哨戒艦2隻、哨戒艇2隻で構成される有人艦戦力の一部を無人艦に置き換えるかもしれない。
それでもアンザック級フリゲートの更新を実行するなら日本にとって2ヶ国の海外顧客を獲得するチャンスだ。
関連記事:豪海軍とAndurilが無人潜水艦を実用化、Ghost Sharkの量産開始を発表
関連記事:オーストラリア国営放送、日本がドイツを破って100億豪ドルの入札に勝利
※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊





















いいですね。フィリピン、オーストラリアに次いでニュージーランド。確かベトナムもあぶくまに興味を示してたかな?軍事産業もアメリカ一強でなくなりアジアも情勢不安定な今、政府や防衛省は足踏みせずこのまま環太平洋の軍艦輸出で覇権を取るまで行って欲しいですね。ただインドネシアはまぁ…慎重に
寧ろインドネシアを信頼できない以上、更に南方のオセアニアとの友好を深めるのは日本の戦略上必須事項になってるね
ベトナムと防衛協力しているから輸出はあり得る話だけどフィリピンに6隻全て渡すかもしれないし、最新情報の最低でも3隻確保したいなら3隻は余るからフィリピン次第な面はあるでしょう。
ただ日本の国情からすると護衛艦の装備そのままで輸出する訳にも行かないので形ばかりの装備品共同開発をどの装備でやるかなんだよね。日本としてプラスになるのはロシア技術に触れられるような装備を共同開発だけど、いざやるとなるとどうするんだろうか?
ニュージーランド海軍はオーストラリア海軍と共通の艦級を採用する事が多いため、個人的にこれは実現の可能性はかなり高いと思います。
省力化ももがみ型以降FFMの売りだしね
オーストラリア分の国内生産が終わった後でも、製造速度を維持するんならそれなりの速度で納入できそうだし、ぜひNZにも新型FFMを導入してもらいたいね
価格の折合いが付かなければ、既存のもがみ型護衛艦を売却しても良い。
流石に未だもがみ型仕様でも造れるんじゃ無いの…?其れに一桁艦隊用な新型FFMと二桁艦隊用なもがみ型では役割違うから海自運用分をそう簡単に引き渡せるかは。
人員面で言えばアンザック級よりはマンパワー削減出来ますし、OZが新型FFM使う以上はかなりの確率でニュージーランドも続きそうではある
アンザック級の先例に則り、豪造船所産の新型FFMを導入する話に見えますが、どうなんでしょうね。
日本へのアプローチは日産と豪産の比較の為でしょう。
オーストラリアがニュージーランド向けの艦を建造する余裕は無いと思います。
また、人件費高騰で製造業が壊滅的なオーストラリアは、コスト競争では日本に全く歯が立たないでしょう。
豪軍の余裕(対中国)と、豪政府の余裕(造船所雇用)とニュージーランドの余裕(財政)を計算して、日本に発注あるいはもがみ型の下取りが出来たら良いとは思いますが、もがみ型を下取りした際の保守メンテ効率考えて良案なのか、理解出来ないですね。
半ば義理かなと
豪州はいつも仕方なく、NZの面倒をみてるので、いつものだなと思つてます
豪州が建造するならNZ用割引きがあるので
豪州も、船も人も全く足りておらず現役艦艇の傷みや消耗が予定より早すぎると問題になつています
多少援助しても自分で動いてくれる方がずっとマシなので
いきなり日本が「改もがみ型を豪が自由に建造して輸出して良い」なんつー輸出の仕方をするわきゃなく、仮に豪で作ってニュージーランドに出すとしても日本の許可は必要でしょう。
政府の連立相手が公から維になった事だし、兵器輸出も正々堂々できるような法整備も期待できそう。
公明党に阻止された移転三原則の5類型の廃止は達成されるでしょう。
取り急ぎ防衛装備移転三原則の5類型はすぐに撤廃してほしい、あれは本当に邪魔な縛り。
そしてNZ海軍の切実な懐事情、貧乏は辛えな・・・
その点改もがみ型は運用人数少なくて済むからNZ海軍にはピッタリですよ奥さん(誰目線?)
アンザック級の置き換えで売れたとしても2隻と数は少ないですが、外販実績を積むという意味では貴重な機会です、是非とも実現してほしいですね。
2隻(or場合によっては1隻?)の調達が実現したら嬉しいですね
建造はともかくメンテナンスは豪州で出来るわけですからメリットは多いですし、日本としても上手く後押ししていって欲しいところ
素晴らしい。
オーストラリアとの合同任務、オーストラリアの整備拠点も活かせますから最高ですね。
ODAが批判を集めていますが、こういった案件は政府が三菱重工に資金支援してでも獲りに行くべき案件です。
良いねぇ
悪くない流れだ
しかし、高い金を出さないと人は寄ってこんのやな……
折角船作るのなら、もっとワリの良い雇用を生み出して貰いたいものだ
実現すれば喜ばしいニュースだと思います。
共同通信も同じような内容で報道してるので、報道内容は事実だと思われます。
先例を見ると豪国内で生産されることになる気がしますが、自国分8隻があるので、余裕があるのかは少し疑問。
(豪の11隻も今ある唯一不安として、自国建造がきちんとできるのかという点があると思います)
もしNZが本当に金がないのなら海自の中古FFMを下げ渡し、海自が新型FFMを2隻新造もありな気がします。
豪州の人達からして日本に頼んだ方が…論が結構あれますし…
雇用の為の産業育成とはいえ、効率が…
自慢のハンタークラスもだいぶ先らしいですし
日本から東アジア各国に同型の巡視船を供与したり、海保との共同訓練の機会を設けた結果、汚職や不用意な衝突が減ったって事例があるらしい。新品の船に乗れるから仕事にプライド持つようになるし、訓練で顔見知りだからケンカになりにくいんだと。
兵器売るとなると、やれ死の商人だと後ろ指指すような人もいるけど、巡視船の例みたいに周辺国の連帯感高めたケースもあるし、売らなきゃドイツ製や中国製の船が採用されるだけなんだから、積極
的に売れば良いのにと思う。
AUSとの共通性を重視するならもがみ改になるが、海自もがみ型を中古で購入する方がNZの状況に合っていると現地の識者だかマニアだかが言っていたな…
NZには高過ぎるって
海自に余裕があればもがみ型2隻譲ってもがみ改を追加建造でいいのだろうが、奔放も切迫した状況だしね
とはいえ有望な機会を逃す手はないので頑張ってもらいたい
なぜかNZ向け近代化改修するとかいう願望が混ざっているとか何とか
もがみ型のコンセプトの源流は沿海域戦闘艦で、低強度紛争対応(海賊対処や掃海支援など)を念頭に置いて設計され、そこに揚陸作戦の火力支援といった役割が追加された、平たくいうとやや歪な戦力です。
正規の軍艦とやり合うには機能的に中途半端で、特に防空面は事実上SeaRAMしかなく、同型艦複数でも洋上戦力としては当てにならないため、多くの艦艇数を確保できない海軍向きではありません。
ただコンパクトで小国の海軍には扱いやすいサイズですし、ユーティリティスペースも確保されているので使い勝手も良く、バランスを重視した兵装に置き換えれば十分機能できると思います。
差し当たり、ESSMの運用能力の付与が最低条件で、可能であれば主砲を127mmから57mmに換装するぐらいでしょうか(漁業警備とかにも使いやすい)。127mm砲は、USから開発中の高速弾を購入できれば残す意味もあるでしょうけど、貧乏海軍には贅沢すぎるので57mmの方が合っていると思います。
Mk41のセル数は、16セルもあれば十分で、8セル32発ESSMで、残りの8セルはオーストラリアと日本次第でしょう。対潜用のSUMを積むか積まないか、はたまたトマホークか(貧乏なので、多分当社は空かも)。対潜戦は、短魚雷とヘリがあれば最低限機能できるので。
対艦ミサイルは、オーストラリアとの相互運用性でNSMになるでしょう。
問題は、もがみ型にESSM運用能力を付与できるキャパがあるのか、どれほどの改造が必要か(=コスト)、という問題でしょうか。
ESSM運用能力は、海自のもがみ型にも適用できますが、海自としては艦としての能力がキャパ不足というのであれば、同様の改修を施して、基本沿岸海軍であるフィリピン、ベトナムなどに供与するという方策もありと言えばありかも。
もがみ型は7番艦からVLS16セルがつきました。(1〜6は後日搭載)
新型FFMは32セルつくはずです。
もがみ型は小型ではなかったり…
まずコルベットに分類される事がないですから…
更にいえば、小国には虎の子なので、豪州と整備補給で連携できない改修は…
この勢いで次はカナダに売り込めないかな?
カナダも英26型ベースの新フリゲートが順調に進んでいるようにはみえないし。
このまま進むと国内後回しにして国外ってなりそうなんでそろそろブレーキがいる
もしかしたらFFMとセットで哨戒艦も売込行けるか?何か哨戒艦の方も置換え時期らしいし。丁度哨戒艦の方もFFMと同じく省人化意識して造ってるからね。同じ悩みで苦しんでる同士どう?
ややこしいこと考えずにみやこ型巡視船とくにがみ型巡視船をそれぞれ2隻ずつ日本で建造でよいと思いますが。