インドは「モディ首相のロシア訪問中止」と「パキスタンの民間機及び軍用機のインド領空通過禁止」を発表、パキスタンのアシフ国防相は「時間の経過とともに軍事衝突の可能性が高まっている」「神が衝突回避に手助けしてくること祈る」と述べたが、双方の情報戦は戦争への雰囲気を煽っているように見える。
参考:Pakistan defence minister says chances of conflict with India increasing with passage of time
参考:Chances Of Conflict With India Increasing, May God Help Avert A War, Says Pakistan Defence M
参考:Info wars
DAWNの指摘は理性的だが、ウクライナとロシアの戦争で学んだように「憎悪と敵意に基づくコンテンツ」は真実ではなく相手を攻撃できるかどうかが重要
インドとパキスタンは帰属問題で対立するカシミール地方のテロ事件後、双方とも「相手が停戦協定に違反して実行支配線沿いで発砲を繰り返している=25日~30日まで6日間連続」と非難し、インドは「テロ事件を起こした武装勢力=Resistance Frontとパキスタンの繋がりを示す証拠がある」「パキスタンはテロリストに断固とした措置を取れ」と、パキスタンは「インド側の主張は口先だけで証拠を提示していない」「テロ事件はモディ政権の支持回復を狙ったインド側の自作自演」「公正で中立的な調査な受け入れる」と述べ、双方とも事態収束に相手の譲歩を求めているため状況は悪化し続けている。

出典:Public Domain
インドのモディ首相は29日に開催された安全保障閣僚委員会の会合で「テロリズムに壊滅的な打撃を与えるのがインドの国家的決意だ」「インド軍は必要な作戦上の決定に自由(実行支配線を越えた攻撃の方法、標的の選定、実施のタイミングなど)を有する」と述べ、パキスタンのタラール情報相も「インドはパキスタンがパハルガムのテロ事件に関与しているという根拠のない疑惑を口実に行動を起こすつもりだ」「24時間~36時間以内にインドが軍事的行動を起こすという信頼できる情報を持っている」と発表。
さらにモディ首相はパキスタンとの緊張状態を理由にロシア訪問(5月9日にモスクワで行われる戦勝パレードへの出席)をキャンセルし、パキスタンの民間機及び軍用機のインド領空通過禁止を発表、パキスタンのアシフ国防相も「時間の経過とともに軍事衝突の可能性が高まっている」「神が衝突回避に手助けしてくること祈る」「インドが良識を取り戻すこと願っている」と、仮にインドが軍事行動に出た場合についても「パキスタンの反応はインドの行動よりも大きなものになるだろう」と述べた。

出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Samantha White
両国のメディアも積極的に情報戦を展開しており、パキスタンメディア=DAWNは「我が軍が占領状態のカシミール上空(実行支配線を越えていないインド側支配地域の上空)を飛行しているインド空軍のラファール4機を発見、パキスタン空軍の懸命な行動によってラファールはパニックを起こして逃走を余儀なくされた」と報じたもののインド側は情報戦だと取り合っておらず、逆にインドメディアはテロ事件に対する各国の反応を引用して「我々の主張が認められている」「テロ事件とパキスタンの繋がりを認めた」という雰囲気に持っていこうしている。
因みにインド政府は28日「虚偽、挑発的、社会的に問題があるコンテンツを拡散している」と理由でパキスタン主要メディアを含む16のYouTubeチャンネル(Dawn News、Irshad Bhatti、SAMAA TV、ARY NEWS、BOL NEWS、Raftar、The Pakistan Reference、Geo News、Samaa Sports、GNN、Uzair Cricket、Umar Cheema Exclusive、Asma Srizi、Muneeb Farooq、SUNO News、Razi Naama)へのアクセス禁止を発表。
On the recommendations of the Ministry of Home Affairs, the Government of India has banned the 16 Pakistani YouTube channels including Dawn News, Samaa TV, Ary News, Geo News for disseminating provocative and communally sensitive content, false and misleading narratives and… pic.twitter.com/AusR1fCkvN
— ANI (@ANI) April 28, 2025
これについてDAWNは「インドメディアのYouTubeチャンネルも好戦的で扇動的な反パキスタン・反イスラムのコンテツを拡散している」「インド政府、一部のメディア、市民社会は戦争への雰囲気を意図的に作り出しているように見える」「だからこそパキスタンメディアが別の視点を提示することを脅威に感じているのだ」「我々の側にも愛国主義的な声があるのは間違いないが、インドメディアの規模と影響力の大きさを考えるとインド国民は簡単に戦争ヒステリーへ巻き込まれる可能性が高い」と指摘した。
DAWNの指摘は理性的だが、ウクライナとロシアの戦争で学んだように「憎悪と敵意に基づくコンテンツ」は真実ではなく相手を攻撃できるかどうかが重要で、これが憎悪と敵意を更に増幅するため「抜け出せない負のスパイラル」に陥りやすく、この状態に一度でもハマってしまえば「互いを傷つけ合う攻撃的なコンテンツの量産」は「より大きな別の脅威=新たな敵」が登場しないと止まらない。
関連記事:インドが軍に作戦上の自由を認め、パキスタンは36時間以内の軍事衝突を予告
関連記事:インドとパキスタンの間で数日以内に戦争勃発の可能性、アシフ国防相は否定
関連記事:インドがインダス川堰き止め工事を予告、パキスタンは水を巡る戦争を示唆
関連記事:インドとパキスタンの軍事的緊張、カシミールの実効支配線付近で両軍が衝突
関連記事:核兵器保有国間で新たな紛争の可能性、インドもパキスタンも強硬姿勢
関連記事:弾道ミサイルで攻撃されたパキスタン、イランへの報復攻撃を開始
関連記事:パキスタンが導入したJ-10Cを公開、力の不均衡を是正するの役立つ
関連記事:中国、インドS-400導入に対抗するためパキスタンへDF-17売却の可能性
関連記事:高まる対ドローンシステムの必要性、無人機がレーダー探知をすり抜けインド軍基地を攻撃
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Alejandro Peña
> ウクライナとロシアの戦争で学んだように「憎悪と敵意に基づくコンテンツ」は真実ではなく相手を攻撃できるかどうかが重要で、これが憎悪と敵意を更に増幅するため「抜け出せない負のスパイラル」に陥りやすく、この状態に一度でもハマってしまえば「互いを傷つけ合う攻撃的なコンテンツの量産」は「より大きな別の脅威=新たな敵」が登場しないと止まらない
こういうの、Xだと毎分レベルで観測できますね…
本当にインドをGCAPに誘って大丈夫か?
情報戦については「戦争プロパガンダ10の法則」って本が分かりやすくてお勧めです
これは初の総力戦、第一次世界大戦の情報戦について分析されたものですが理論は当時でほぼ完成していることが分かります
まあこう言うのってマニュアル通りにすれば初見で対抗はまず不可能ですからそこまでの革新は必要無いんでしょうね
逆に言うとマニュアルを知ってしまうと白けるので感動したいという人は読まない方がいいです
理性的な話し合いなんて所詮知的ぶった詐欺師であって、こういう憎悪と感情が溢れてる口論こそが人間らしさを感じますね。
次は煽られた過激派が行動を起こしてそれを世論が英雄を讃えて燃え上がるってところが次のステップでしょう。
それぞれの国に在住のインド、パキスタン人への集団リンチが起こりそう。
確かに、そういう感じもしますが…。「知的ぶった詐欺師」は大元の策源地点・情報発信者にこそ存在する様にも感じます。エリートって、他人の感情や願い、恨みや怒りを利用しコントロールしつつ、「自己利益の合理的最大化」とか何とか嘯き高をくくってそうで…。某アニメの某高等弁務官ではありませんが、ネット発達で情報工作・事実改変のハードル低下と技術的簡略化も伺えますので、あんな輩が大量に湧いている印象。表舞台で曲がりなりにも交渉や話し合いの出来る人は(ポーズでなければ)一定の“意図的な愚かさ迂闊さ”が備わっている必要を感じます。少なくとも話し合いの後、結果の“愚かさ”を謗られる覚悟のある人。裏で工作する連中は公に批判される事は皆無に近いので、自己中な「成果」「成功」判定の元、半永久的にそうした(卑劣な)行為を継続可能。本当の身内以外、誰も止められません。
写真の機関銃は、FNMAGと思いますが。
光学照準器(スコープ以上)は付けていないようですね。
7.62mmNATO弾ですと、アイアンサイトだと、有効射程は800m位かな。
光学照準器をつければ、有効射程は割り増しできます。
現地の状況ですが、多分、見通しが素晴らしく(笑)良いのでは。
であれば、光学照準器を付けた方が良いのでは。
ウクライナで、PM1910が現役でいられるのは、光学照準器を
後付けしたのも大きいと思っています。水冷の連射能力もすごいですが。
ハンコックがM2にスコ-プ付けて、長距離狙撃したのがしばらくレコードになっていた時代がありました。
そのせいで.50対物狙撃ライフルが出てきたんでしょうけど。
重機なら、簡易FCS付けたスコープでもペイしそう。
インド空軍のラファール4機を逃走させたとあるけれど、今回のカシミール問題には間に合いないでしょうが最近の報道でパキスタン空軍のJF-17Block3へ中国製長距離空対空ミサイルPL-15とPL-10短距離ミサイルを運用できるように急遽決まりラファールへ挑戦できる体制整えるとの事。
色々と紛争の長期化に備えてパ機数単側も準備が進んでいますね。
パキスタン空軍のF-16戦闘機がインドとの戦いに使用できない条項を今回も無視をするのかどうするのでしょうね?
>神が衝突回避に手助けしてくること祈る
なにやら、キューバ危機の際にケネディが教会に祈りに行ったという情報に「奴は本当にヤル気だ!」とロシア側が考え、その結果態度を軟化させて危機を回避する動きに移った(とも言われている)エピソードを思い出しますが。
まあイスラム教徒にとっては、目をつぶってサイコロを振るのとアッラーの思し召しはほぼ同じことなので(独自の意見です)、単なる口癖みたいなレベルの物言いに過ぎないかもしれません。
トップ画像から何処と無くエディ・マーフィ臭がする
私は鈴木雅之に一票
ここの画像は、インド兵中心なんだけど。インド兵やパキスタン兵って強そうに見える。歴史的にもラージプートやマーラッタ、グルカ。もっと古くは釈迦族の弓。
>「神が衝突回避に手助けしてくること祈る」
あまりにも驕慢になった人類が、自分たちが困ったときに都合よく、神が手助けしてくれると願うこと自体、驕慢な態度。
キリスト教では、回心すれば罪を赦されるとあるが、マリアの奇跡の証言によれば、罪を積み重ね続ければ、いずれ罪を赦されなくなると伝わる。
どちらが悪いのか分からないが、昭和のヤクザの争いのように、麻雀の代打ちで決めるなりすればいいのに。
インシュ アラーは、最強の言葉ですね。
戦争回避、戦争中、なんにでも使えそうなもので…
イスラム圏の貧困国に、経済援助してもインシュアラーなので、やっても無駄と言われれる理由です(神に感謝されるだけでしょうから)
あかん、宇宙人でも、地底人でもなんでもいいから、人類の敵が攻めてこないとマジで第三次世界大戦起きそう。
むしろ「攻めてきたら」大戦が起きる場合があるかも・・・
難民の軋轢、残された生存権と資源の奪い合い。
あるいはちょうど印パのように、紛争地をひそかに攻撃することで人類の内輪揉めを能動的に起こすこともできる。