インド太平洋関連

豪空軍、KC-30Aを使用したF-2との空中給油適合試験が完了したと発表

豪空軍は空中給油機KC-30Aによる空自F-2との空中給油適合性確認試験が完了したと発表、これでF-2はKC-30A=A330MRTTから正式に空中給油を受けることができるようになった。

参考:RAAF achieves milestone refuelling of Japanese aircraft

8月~9月にノーザンテリトリーで実施される演習(Pitch Black 22)への空自参加が容易になった

豪空軍は航空自衛隊との相互運用性を拡張するため3月末にKC-30A(A330MRTT)を名古屋の小牧基地へ派遣、日本海と太平洋上の訓練空域でF-2との空中給油適合性確認試験を実施していたが、先月29日に「一連の試験を通じてKC-30AとF-2の機械的互換性を確認、様々な構成の両機があらゆる状況下で安全に飛行できるようになった」と発表、つまり空自のF-2はKC-30A=A330MRTTからの空中給油を受けることが正式に認証されたという意味だ。

出典:Royal Australian Air Force

豪空軍のダレン・ゴールディ准将は「今回の試験に成功したことで8月~9月にノーザンテリトリーで実施される演習(Pitch Black 22)への空自参加が容易になった」と述べている。

因みにPitch Blackは豪北部準州のダーウィン空軍基地とティンダル空軍基地で行われる豪空軍主催の国際演習で、日本が初めて参加するはずだったPB20(米国、カナダ、フランス、ドイツ、ニュージーランド、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、韓国)はCOVID-19の影響で中止されており、PB22への参加国はまだ正式発表されていないが空自の参加は確定しているのだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:Royal Australian Air Force

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コメント

    • kankan
    • 2022年 5月 01日

    こんな事やっとったんだね
    全然知らなかった…

    36
    • や、やめろー
    • 2022年 5月 01日

    もしもの時も多分大丈夫…なのかな?

    2
    • 黒丸
    • 2022年 5月 01日

    これでF-2もKC-30Aを配備しているNATO加盟の他の欧州諸国からも
    空中給油を受けることができるのかな。
    また、C-2も空中給油適合試験を受験する計画があるのかな?
    実施機体を増やしてほしいが、日本オリジナル機体で空中給油できるのはこの2機種だけと思うので、
    他は他国機で実績あるので試験は簡単に済むのかどうか知りたいところです。

    20
      • 匿名
      • 2022年 5月 02日

      「受油」って言葉が浸透して欲しいといつも思う次第…

      7
    • さめ
    • 2022年 5月 01日

    純粋に良いニュースだね
    非同盟国とも相互運用能力が向上するのは喜ばしい限り

    27
    • たいわ
    • 2022年 5月 02日

    良いニュースだ。これで韓国からも給油が受けられるようになるな。

      • ごめんあそばせ。
      • 2022年 5月 02日

      あら。
      竹島での対日戦の為に、韓国は給油機を導入したって、ご存知ないのかしら?

      13
      • 匿名希望
      • 2022年 5月 02日

      理論上は受けられるね。
      理論上は
      信用が全くないから韓国から受ける可能性は重大事故とか無い限り多分なさそうだが

      19
        • ねこバス
        • 2022年 5月 02日

        なんか、奴らは混ぜ物を入れていそうだな。

        9
    • 内務大臣
    • 2022年 5月 02日

    かなり再設計された部分もあるとはいえ、F-16とほぼ同じ機体だろうに適合試験が必要なんだな
    航空機の世界は厳しいね

    2
      • バーナーキング
      • 2022年 5月 02日

      問題になるのは工業製品としてどうこうじゃなくて空力的な相互の影響なんだからね。
      主翼だけでも翼幅でほぼ2割、翼面積で25%違ったらもう完全に別モンでしょ。
      ほぼ同じ材料・作り方の凧でも横幅が2割違ったら飛び方も後流の流れも全然別モンになるのは分かるでしょ。

      12
      • 匿名
      • 2022年 5月 02日

      空中給油関連は、F-16→F-2変更の際のデグレード箇所の様です。
      JWingsの2022年6月号で未須本氏﹙F-2空力設計メンバーの経歴をもつ小説家﹚が、連載中のヒコツクで次のような事を記しています。

      >F-2の機体中央上面には空中給油装置が設けられており、以前はその前方にアンテナがついていました。
      >ところが給油機のフライングムーブ﹙給油パイプ﹚を接続しようとするとアンテナと接触してしまうため、対策として当該アンテナを最小限の大きさに変更し、能力低下を補うべくインテークの下側にもアンテナを追加装備して対応することになりました。
      >これは設計者が実運用を理解していない一例と言えます。

      最後の一文は、当事者の反省の弁でしょうが、
      当時だと、空中給油は政治的に使えない無い機能と考えていたでしょうから、仕方のない面もあると思います。
      ただし、小型化した今でも、空中給油口前方のアンテナはF-2空中給油の際の注意事項の様です。

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