ノルウェー陸軍では主力戦車「レオパルト2A4」の更新以外にも歩兵戦闘車と長距離精密射撃システムの調達を計画中で、ユーロサトリ2022で韓国のハンファとノルウェーのコングスベルグは両システムの開発協力で合意したと報じられている。
参考:Hanwha, Kongsberg partner on combat vehicle, long-range fires system
両社はレッドバックと天武をベースにノルウェー陸軍モデルを共同開発することで合意したという意味だろう
ノルウェー陸軍は主力戦車「レオパルト2A4」を更新するため次期主力戦車調達プログラムを開始、厳寒期の今年1月にドイツが提案するレオパルト2A7NOと韓国が提案するK2NOが実地テストを行って注目を集めたが、韓国が提案中のK2NOはノルウェーのコングスベルグが開発した統合戦闘システムやRWSの統合、現地の気候に合わせて強力な暖房システムや補助動力装置(APU)の追加、ノルウェー陸軍が望めばと言及していたイスラエル製のアクティブ防護システム(APS)を追加されたノルウェー陸軍向けのカスタムモデルだ。
韓国防衛産業界とコングスベルグの協力関係はK2NOだけの話ではなく、K-9の海外輸出(ノルウェー、フィンランド、エストニア、オーストラリア)でもNATO規格に対応したコングスベルグ製の火力支援システム「ODIN(戦闘管理システムと通信システムと統合したシステム)」を採用、レッドバックがオーストラリア陸軍に採用された際の現地製造を行うコンソーシアムにもコングスベルグは参加している。
つまりノルウェー陸軍が2025年~2026年頃から調達に動く歩兵戦闘車(新設される部隊向けの調達)や長距離精密射撃システム(恐らく退役したM270の代わりとなるシステム)の需要を狙い、両社は歩兵戦闘車「レッドバック」と多連装ロケットシステム「天武」をベースにノルウェー陸軍モデルを共同開発することで合意したという意味だろう。
複数のノルウェー企業によって開発されたCV90の開発・製造権は英国資本のBAEに移っており、コングスベルグとしては協力関係を構築済みの韓国企業と手を組んで「陸軍の戦闘車輌需要に食い込みたい」と、ハンファ側も「レッドバックや天武をノルウェーに売り込むには現地企業との協力が欠かせない」と考えているはずなので中々興味深い動きだ。
因みにウクライナ侵攻を目の当たりにした欧州諸国は「対戦車兵器に対する保護能力」を備えた戦闘車輌に注目しており、対戦車ミサイルなどの化学エネルギー弾を無力化するアクティブ防護システム「IronFist」、太陽熱による負荷軽減とマルチスペクトル信号の低シグネチャー化にも効果的な「ソーラーΣシールド」、シースルー装甲の概念を実現して状況認識を拡張させる「IronVision」を備えたレッドバックに強い関心を示していると米DefenseNewsは報じている。
※韓国のハンファとノルウェーのコングスベルグは両システムの開発協力で「合意」しただけで開発契約を締結したわけではない。
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※アイキャッチ画像の出典:Australian Army
>複数のノルウェー企業によって開発されたCV90の開発・製造権は英国資本のBAEに移っており
CV90って北欧の歩兵戦闘車ってイメージだったけど、違うのか…
自分らで開発製造出来ないんじゃそりゃCV90諦めてしまうよなぁ
売り込む側、売り込み先、お互いのWin-Winを狙ってますね。
韓国側は自国兵器をベースとしつつも相手側の要望も盛り込んだ協同開発とする事で
売り込み先の防衛産業にも旨みを持たせ、かつ、こうする事で国産兵器を自国環境
だけの箱庭兵器、ガラパゴス兵器にしないで、自国とは違う相手側環境のノウハウが
得られて信頼性など質的な向上が望めます
海外との協同開発も、計画時からやるとあれもこれもと互いの要求をマシ盛りにして
コスト高騰を招いたり、やもすればお互いの要求仕様の違いから分裂したりしますが
この様に完成品からの協同開発(アップデート計画)で持ちかければ、そう言ったリスク
も少ないし、開発のイニシアティブもベース国が握れます。
ウクライナ戦の戦訓も盛り込めて、それを自国向け兵器にもフィードバック出来れば
なお良し、韓国防衛産業界は上手くやってるなと思います。
コメントの全体的な主旨は同意なんですけど、一点だけ。
>自国環境だけの箱庭兵器、ガラパゴス兵器
↑これ、実際にはそういうほど具体的に何かあるのかな、と日頃感じているんですよ。
どうでしょう?「ガラパゴス」って表現は何かと便利な表現だとは思うのですが。
自国の文化、環境の中から1歩も外に出た事が無い
その中でしか使われた事のない兵器って意味で
箱庭兵器、ガラパゴス兵器って表現にはなりますかね
むろん、ヤキマ、リムパック、グアムなど、陸海空とも
海外に出て訓練する機会こそはありますが、それをもって
海外の環境で揉まれた兵器とは言えんと思うのです
ガラパゴスと言うのは、閉じられた環境の中で独自の進化を遂げた意味だから、10式なんかは日本固有の道路·輸送事情を考慮した点等からガラパゴスと言えるかもしれないが、韓国のMBTはどうなんだろう?
元々米国ベースだし。
自然界を見ると、「閉じられた環境の中で独自の進化を遂げた」後、大躍進した硬骨魚類のような事例もあります。
「ガラパゴス」と称される製品群も、そのような気概を見せて欲しいですね。
ちなみに、硬骨魚類は次のような展開を経た様です。
◆生存競争に敗れた弱者が、淡水域に逃げ込み、次のように劇的に進化
・浸透圧の違いを解消するため、身体を守る固い鱗を獲得
・血中の塩分を排出するために腎臓を獲得
・川を上るための流線型体型、尾や鰭のような物を獲得
・流れに逆らう筋力を支え、淡水域で不足するミネラルを貯蔵するために脊椎を獲得
・水生植物を掻き分けるために骨の入った大きな鰭を獲得
・酸素濃度の低い環境に適応し、潮の満ち引きでの水位変化にも対応するため、肺を獲得
・水中生物への適用を進めたグループは、肺を浮き袋に作り変え、効率的な浮力調整機能を獲得
◆劇的進化を遂げた後、海に回帰して席巻、現代に至るまで繁栄を続ける
>・水中生物への適用を進めたグループ
一方、陸上へと進出したグループは、私達も属する陸生の脊椎動物群に進化しました。
韓国の武器市場で成果がどんどん出てきて話題になってますが、
その理由として営業力があるという話は確かにそうですが、それ以外の側面を見ますと
良く考えたら韓国の国防予算は日本とほぼ同額で、故に韓国にとって国防予算はGDP3%程度を占めるんですよね。
日本で言えば15兆円規模の予算。これはピンと来ないと思いますが地方交付税と同額になります。
日本の公共事業+防衛予算で10兆円です。韓国の国防予算5兆円は、韓国にとってはどれだけのプレゼンスがあるかという事ですね。
だから韓国では多分国防関連の産業は国の中でもブイブイ言わせる立場で、裾野まで入れると数十兆規模の市場規模があるでしょうし、国の中では結構な規模の産業なんですよね。
積極的に外販に腰を入れて取り組んでるのはそういう所もあるでしょうね
韓国企業の躍進はすごいですね。
自民党が提言した防衛研究費一兆円や、防衛装備移転三原則が予定通り緩和されることを期待したいです。
武器輸出国ランキング(2020年データ)は、1位が断トツで米国、2位がロシア、3位が仏・4位が独・5位が西(以下10位まではほぼNATOの主要国)、中国が8位かそこら、そして韓国は6位という具合。韓国は独・西とはさほど金額差はなく、独は足元欧州で評判を落としている事もあり下落の可能性も高いためすぐに世界4位の位置に食い込む事だろう。ちなみにフランスと韓国は現時点でおよそ2倍強の売り上げ金額差ではあるが、欧州市場での躍進で勢いに乗って今後東南アジアやアフリカへの輸出が増加すれば、あるいは米露に次ぐ世界第三位の武器輸出国になる可能性も無くも無い。
ただし、韓国、いや韓国政府が、自国が今まさに武器輸出主要国という立ち位置に向かっている事に関してどんな認識なのかどんなビジョンなのかはっきりしないところが個人的にはすっきりしない。とはいえ、まぁ祝辞は贈るにやぶさかではないのだが。
2位のロシアが今後どうなるのか気になる
下がりこそすれ上がる事は無く、その顧客・需要を韓国が巧く拾ってシェア拡大するような想像をしています。
自己評価だけはやたら高い、どこにも売れない日本製兵器と違い、韓国製兵器は世界中から大人気
近い将来、日本は韓国に頭を下げて兵器を売って下さいと懇願する時代が来るだろう
もっと建設的な意見を書いて下さい。
ここは基本、匿名禁止だよ。
韓国アゲ男って名乗ってみたら。
(日本サゲ男でもいいけど。)
>ここは基本、匿名禁止だよ。
投稿ごとに名前を自由に設定できる時点で、みんな匿名と同意になる。
であるから、あなたの「成層圏」も匿名なのだから禁止になるよ。
これはこのブログの管理人さんの認識だ。
機能的にできる、できないということと、発言に責任を持って欲しいという管理人さんの気持ちとは関係ない。
訳の分からない屁理屈こねるんなら、このブログ見ないことだね。
繰り返すが、匿名禁止は管理人さんのルールで、このブログは管理人さんのブログ。
>匿名禁止は管理人さんのルール
「匿名」「名無し」「 」の入力を禁止していない。
故に、それは成層圏さんの単なる思い込み。
誰が、「日本は韓国に頭を下げて兵器を売って下さいと懇願する時代が来るだろう」だよ。敵国の兵器買うバカがどこにいるんだよ。だいたい韓国だって売らないわ
私は韓国よりもノルウェイに関心を持っている。
数年前にも日本の巡航ミサイルにノルウェイ製の巡航ミサイルの導入が決まったことがある。
ノルウェイの国防予算の規模は知らないが、日本に比べればその金額は小さいのに良く作るね。
確かノルウェイはイギリスと同じく北海石油に関係している。
自国内に兵器の生産システムを持っている、NATOのメンバーでもある。
憲法改正とかいう理屈の前に必要なのは兵器の生産システムを早く作ることだ。
あんたの言う「兵器の生産システム」とはなんぞ?
防衛費5兆円増額よりも科研費5兆円増額の方が5倍くらい抑止力ありそうな印象ありますがどうなんでしょうか。印象です
富国無くして強兵無し
防衛費増額論も財政的な裏付けが無ければ絵に描いた餅です
財源無視して掲げる政策では無いと思っています。
個人的には、今の「少子化・縮小する日本社会」な傾向を打破しない事には、富国など夢のまた夢だと思っています。
約1.26億の人口が、今のペースだと約50年後には約0.88億人と7割弱になる見通しですよね?
子供を一人産んだら一億円プレゼントぐらいなきゃ少子化は止まりそうにありませんけどね。
政策を打ち出す人達も、そのくらいの危機感を感じて欲しいよね。
現状国防費や科研費では胡散臭すぎるのが問題だと思うんですよね。要は強兵策でしょ?と
やはり教育費5兆円増額とそれに伴う増税が日本の取れる抑止力の限界かなと思う次第
近年のウクライナの武器供与体制で、製造国の承認ができなくて供与ができないという現状があります。
韓国製の部費のニーズは価格以外にも何かメリットがあるのでしょうね。
それだけ海外の情報に精通してるなら日本の海外輸出話や、10式が海外で話題になってるとか見つけてこれないの?
アクセス稼ぎのために韓国の話題ばっか書くなや!
それとも日本語を巧みに操る親韓国サイトか?
管理人を叩くのは筋違い
なぜ売れているのか?日本との違いを簡潔に述べた偏っていないこのブログはミリオタにとって貴重な場所
根拠なき日本スゲーが見たいなら別の所に行ってください
日本の海外輸出話や10式が海外で話題になっていないから見つけられないのでは。
もし貴方が見つけているのでしたら是非ご教示願います。
私個人としては、こちらのブログの韓国関連記事は日本と必ずしも関係が良好でない隣国・韓国の軍備や兵器に関する国際的・客観的な評価を知る事ができる価値ある情報として読んでいる。この記事で韓国万歳だの韓国凄いだの日本ダメだのという底意で記事掲載されていると感じたのなら、そう感じたあなたの思考が歪んでいる。
愛国心とは、他国を蔑視するためのものではなく、自国を溺愛するものでもなく、彼我を比べて一喜一憂するためのものでもない。むしろ我が母国に問題点や短所があればそれを正面から向き合い認め、問題解決を求め願う、それが本当の愛国心ではあるまいか。
日本の輸出話だったらユーロサトリの記事で触れられていましたね。私が寡聞にして存じないだけかも知れませんがその事に多少なりとも触れたのはここくらいではないでしょうか?
韓国の話題ばかりといいますが記事の割合ではそれほどではないと思いますね
一度過去の記事を見直してカウントしてみるのはいかがでしょうか?
NATO加盟国の内でも最も戦場に近い国トルコ・ポーランドに続き、ロシアに国境を接するフィンランドが韓国兵器を導入する方向である事が韓国兵器の信頼性を証明しているんやないかと思うんやけど、ワイの『自軍兵士の為に軍は予算内で最適の選択をする』推論は乗ってるだけで兵士を戦闘不能にする兵員輸送車を量産する英国によって否定されていて悔しいんやわ。
まあ、英国は戦場からは遠い上に最大障壁の海があるから余裕がありまくりからなんやろうけど、ウクライナ支援にアレを提供するかもしれへんし油断は禁物やね。
販売先のニーズに合わせた商品開発は韓国家電販売の常套手段となっとるんで、これからはそれぞれの国向け専用モデルを提案するんやろ。 世界最高峰の日本兵器を言い値で売ってあげてもええでっが世界に通じるかはやってみんと分からんけど、家電品では通じひんかったみたいやし方針を変えたほうがええんとちゃうかなっとは思うんやで。
99式は国産やったんが、19式では車体全体がドイツ製なのは日本の軍事技術開発能力の先行きに不安を感じるところなんや。
>19式では車体全体がドイツ製なのは
どこで読んだか忘れたけど、もともと重装輪回収車に使われた車体を流用してファミリー化する予定だったんだけど、りゅう弾砲機構を載せたら車両制限令の何かの制限を超えるなど要求仕様を超えてしまったため、諦めて海外の既存の車体を使ったって聞いたけど。
すでにある要求仕様に合致した車体が海外にあったから使っただけで、100%国産にこだわることはないと思うよ。
ノルウェーがK2NOを採用する代わりに無茶苦茶な要求はさすがに簡単には飲めないか
ノルウェーの要求の要約:韓国のAFVに採用されるRCWSを全面的にノルウェー製を採用し、次世代戦車開発にノルウェーが参加、F-35のミサイルも買え
ふと思ったんですけど、K2NOのオプション装備のAPSはイスラエル製でK2PLのAPSは韓国製のを見込んでるんですね。PL型は発注が決まってから追加で開発する要素が色々あるのに対してNO型はあくまで既存使用の拡張型なので、提案済みの案件に未開発の装備含められないとか顧客の要望とか色々あるんでしょうが、韓国型APSの開発進捗ってどの程度なんだろう…(K2と同時並行で開発していたものは途中でキャンセルされていましたが)。
ハードキル型APSといえば、導入意向すら示していなかった日本が装備庁試作は続けていたり、APS研究で最も先行していたロシアが随伴歩兵への損害を気にして結局実践であまり使っていなかったり(ウクライナ戦におけるロシア軍はERAすら一部はパッシブの装甲に置き換えている)将来的な扱いがブレている技術でもあるので、ぜひ韓国軍需産業が最適解を見つけてほしいですね。
ここの所、韓国やトルコなどの新興国の兵器が売れてきているが、大きなパラダイムシフトが起こっていると思う。その理由は
1、新興国兵器輸出国は供給国に対して極度のブラックボックス化、モンキー化などをしない。
このことは、以前のアメリカ、ドイツ、ロシアなどの兵器供給国と違い、フラットな関係である。(以前は上下関係)
2、兵器輸出を(極度に)政治利用しない。
このことは、将来の政治的リスクを減じることができる。
これらのことが、新興兵器国の台頭を生み出してるんじゃないかな?
(もちろん、営業のガッツやリベート、先進国の技術のパクリ、新装備の発達、先進国兵器の更新設計を怠ったなど、他の原因もあるんだけど。)
買う側とすれば、一々小難しい制約や条件ばかり並び立ててくる「大手企業」より融通や小回りの効く「中小企業」の製品に目が移るのも仕方がないかと
但し、製品としての使い勝手に大差ない事が最低条件ですが…
兵器のコモディティ化が進んだ結果でしょうが、
兵器だと、所詮はパイが限られるので、何らかの方法で再び高付加価値化が進むような気がします。
その時のプレーヤーは、「コモディティ化が進む前」とは入れ替わっているかもしれないけど。