韓国のLIG Nex1は2023年5月「Phantom Strikeと同じ空冷式AESAレーダー=ESR-500A」を披露して注目を集めたが、今月23日「オランダ国立航空宇宙技術研究所と共同で飛行テストに着手した」と発表、さらにESR-500Aの送受信素子モジュール数についても「500以上だ」と明かした。
参考:LIG넥스원, FA-50용 AESA 레이다 비행시험 착수
韓国国内ではHanwhaとLIG Nex1がLCA向けレーダーで競合している格好だ
韓国航空宇宙産業(KAI)が2021年に発表したFA-50のアップグレード計画=Block20にはAESAレーダー、大型コックピット用ディスプレイ、電子戦システム、目標照準ポッド、新型の戦術データリンク、空対地巡航ミサイル、視界外空対空ミサイル、密着型増槽/CFT、空中給油能力などの統合が予定され、AESAレーダーは「KF-21向けのものを小型する」と噂されていたが、LIG Nex1が披露したFA-50に搭載可能なAESAレーダー=ESR-500AはPhantom Strikeと同じ窒化ガリウム(GaN)技術で製造された半導体製送受信素子を使用する空冷式だった。
LIG Nex1は今年7月のファーンボロー国際航空ショーで「航空宇宙分野と開発と能力評価に定評のあるオランダ国立航空宇宙技術研究所と共同でESR-500Aのテストを行う」と、今月23日「オランダで飛行テストに着手した。様々なシナリオ下でテストを繰り返し、ESR-500Aの完成度の信頼性を引き上げる予定だ。2026年までの2年間で空中、地上、海上の目標検出及び追跡、最大検出距離、同時運用モードなど要求要件に性能が合致しているか検証する」と発表。
さらにESR-500Aの技術的特性についても「空冷式のESR-500Aは水冷式と比べて体積と重量を減らすことができ軽攻撃機への搭載に適し、FA-50に搭載されている機械式レーダーと比較して3~4倍の戦闘能力を保証する」「ESR-500Aは500以上の送受信素子モジュールを電子的に制御し、より速いビーム操作と拡張された検出能力、同時運用モードによる複数ミッションの遂行能力を提供でき、複数の標的と同時交戦も可能になる」と言及し、FA-50にESR-500Aを搭載すれば価格競争力の確保、潜在的な顧客増が見込め、海外市場における需要拡大に大きく寄与するだろうと付け加えている。
ポーランド向けのFA-50PLには「Phantom Strikeが搭載される」と予想されているが、恐らく米議会の輸出承認が必要なので、KAIやLIG Nex1は同等の国産レーダーを用意して輸出の自由度を確保したいのだろう。
因みにHanwhaとLeonardoは2023年にパリ航空ショーで「HanwhaがもつKF-21向けAESAレーダーアンテナ技術とLeonardoがもつ信号処理および電源技術を組み合わせ、LCA(軽攻撃機)向けAESAレーダーの開発・輸出に協力することで合意した」と発表、Hanwha側は「Leonardoが欧州市場に供給した機械式レーダー(恐らくGrifo346)アップグレード事業進出へのチャンスが開かれた」と、Leonardo側も「Hanwhaとの協力でLCA市場での立場を強化できる」と言及。
#Leonardo & #Hanwha join to expand their cooperation in the airborne #AESA fire control #radar segment, to penetrate new markets and establish a joint sale network leveraging on mutual expertise and support #LeonardoPAS #ParisAirShow #PAS23 pic.twitter.com/Z4eEcRdPax
— Leonardo (@Leonardo_live) June 19, 2023
この動きもLCA市場におけるPhantom Strike独走を阻止するための布石と見られ、韓国国内ではHanwhaとLIG Nex1がLCA向けレーダーで競合している格好だ。
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※アイキャッチ画像の出典:LIG Nex1
国内で競合とは豪勢な話だ
かたや、なんでF-15MJは、APG-63(V)1にしたんでしょうね。
F-3までのつなぎに国産レーダーを採用するには未成熟だったんでしょうか。
検討はしたけどボツになった様ですね。
F-15は米国の許可(有償)なしにはいじれないですし、その上で開発費込み、MJ数十機の少数調達で「EXアビオ流用改修」より高いコスパを達成するのはなかなか難しいでしょう。
JSIの費用が高騰して改修保留したタイミングで「どうせ高い金掛けるなら国産でやるわ」して欲しかったところではありますけどね。
F-15MJのシステム設計開始が2009年、試改修初号機初飛行が2015年です。時期的に見て同機用国産AESAレーダー開発が間に合う状況ではなかった。また、提案しても米側が認可しなかったでしょう。当時の状況からAPG-63(V)1採用は必然の流れだったのでは。
現在進行中の近代化改修機の能力向上(JSI)では国産レーダー搭載も検討されたようですが、事業予算の圧縮が求められた経緯もあり、米側から推奨されたであろうAN/APG-82(V)1 に総合的判断で決定したものと思われます。
そら当時(98年)にそれしか許可がないから>63V1(廃盤になる70は除外)
F-15とかのアメリカ機に関しては、アメリカ製レーダーを載せ替えるのは許可が出るかもしれんが
国産レーダーがでるのはイスラエルだけと考えればわかるし
イスラエルとてF-15のレーダーには手をつけてないからね。
わざわざ突っ込んで調べるまではする気がしないけど、疑問を投げかけると教えてくれるここが好きです。
レスをくださった方に感謝。
国内の競合も行き過ぎるとオーストラリア向け輸出の護衛艦みたいに一本化できず相手に不信感を持たれたりするんですけどね。
メーカーに技術持たせたいのかもしれんが
その前に国が技術持て案件だな
広い日本の領土領海EEZの防衛には軽戦闘機は不向きで練習機も武装なし
近年,韓国軍需産業のローエンド市場への参入意欲は凄まじい
スクランブル専用に維持費安い機体が欲しいんですよね
無人機飛ばして自衛隊機をスクランブルさせて機体寿命を消耗させようとする中国の罠を何とかしないと
世界各国で空だけ軍と警察が分かれていないのは機材が交代できる時間的余裕がないからなので、
スクランブル用の安い機材というのは成立しないんじゃないでしょうか
将来はF-3やF-35が求められる任務だし、中国の回数が多いとはいえ寿命が問題になるほどではなさそうです
ウィングマン構想の日本での用途は、まず2機体制のスクランブルを有人機1機+無人機の形になるんだろうなあ。
ウィングマンてそんなに高性能機でしたっけ?
スクランブル任務の必要急行度に足りない印象がありますが、任務と機体双方に自分の誤解がありますかね…。
日本の場合は、まだ仕様も固まっていないでしょうし、わからんのでは。
いつものくせで過剰性能の機体になりそうです。
亜音速上限まで出せるなら有人機の実用速度とそれほど速度差はないし、
人が乗る時間を要しない分離陸までの時間も分単位で短縮できるし、ウィンチやカタパルトで離陸・加速をアシストする事も無人な分容易にできるでしょう。
何なら滞空寄りSTOL機にして石垣基地から飛ばしちゃえば西方面から来る機への対応は那覇からの有人機より断然早いでしょう。早過ぎて単独で到着しちゃいそうですが。
日経新聞に大々的に取り上げられてネットニュースでも大きな話題になっていますが、日本の一人当たりGDPがついに韓国に抜かれました。30年前には考えられなかったような韓国の華々しい躍進と日本の急激な没落。一つ一つのニュースを取ってみても本当に感慨深いです。来年以降もこの傾向はさらに加速していく事でしょう。
全くですね。
思うに、韓国が成長できた大きな要因は、1997年にIMF危機と呼ばれる財政破綻を起こしたのが原因な気がします。
IMFの外圧により、社会改革が一気に進みました。
もちろん韓国の中の人たちは大変だったでしょうけど。。。
ただ日本も韓国も、絶望的に少子高齢化が進行しているので、このままではともに没落していくと思います。
ついでに中国も。
「GDPがドイツに抜かれた」と同様に、ただの数字比べに終始せずにどれほどの事態なのかを勘案することは必要でしょう。
ただし、一つだけ間違いなく言えるのは、「自分達の伸びが乏しいから抜かれる」ということですね…
そのかわり、韓国にせよ、中国にせよ、勝ち組・負け組のはっきりした苛烈な競争社会なので、国民生活が幸せなのかどうかは、実際のところわかりませんがね。
しかも中国には負けた時のセーフティーネットはほぼ無いそうで
絶対中国には住みたくないなー
ただの不動産バブルと円安政策による数字上の話しで何の意味もない
強大国中国相手に憂うならともかくとして、韓国程度のもう成長原動力を喪失して資金が投機に流れるしかない弱小国が一時的に一部の指標で日本を上回ったからと一喜一憂する価値などない
GDPの計算方式とその罠について調べてからにしようね
あと国ごとに計算方式が違うという事も把握してからにしよう
ちなみに、投資によっても数値が跳ね上がるので、投機熱が酷く国民の借金が世界一のお隣の国は当然。GDPが自動的に跳ねあがるようになっているよ
あと前文政権時にした(不況で雇用が全く足りないので)公務員を増やす(ただし事実上アルバイト型式)事でGDPの数値水増ししてるのも隣の国のメディアに報道されてるからね
ついでに言えば、一定の以下の所得の層はカウントされない計算方式という事も把握しておくべきかな
あと隣の国は、統計は大統領に忖度して数値弄ってる、歪めてるのも度々報道されてる
まあそもそも、経済が良かったなら「職がないので、日本に就職に行きましょう」だの「今の流行りはベトナム。ベトナムに行きましょう」だとと、お隣の国のメディアが報道したりしないんだよなぁ…
アンテナサイズの制約があるんだろうけど、素子数500って少なくないか?
我が国でF-2戦闘機用に開発されたJ/APG-1が800素子だそうですから、まあ妥当なのでは…。
J/APG-2は素子数1200以上、F-3用試作レーダーはF-2に搭載可能なサイズで2500、との報がありますね。
それより機体規模の近いグリペンEの半分なのが気にはなりますが「軽戦闘機用空冷レーダー」ですのでコストや発熱量を考慮すれば妥当と言えば妥当な気もします。