台湾の上報は15日「台湾海軍は次期6,000トン級戦闘艦計画について日本の改良もがみ型護衛艦に照準を合わせている」「日本は台湾に対する護衛艦の設計図輸出規制を解除した」と報じたが、Naval Newsの日本人寄稿者=稲葉義泰氏は「現実的には台湾へのもがみ型輸出は極めて困難」と指摘した。
参考:【台日合作】打造下一代作戰艦 海軍瞄準日本最上級多機能護衛艦
参考:Taiwan eyes Japan’s New FFM as frigate option
現実的には台湾へのもがみ型輸出は極めて困難、水上戦闘艦の輸出は日中関係に決定的なダメージを与える
台湾国防部は海軍向けの装備開発・調達における重点分野や発注に関する文書(民國114年度下半年列管軍品清單)を2026年1月末に発表、国営メディアの中央通信社も2月「この文書の中で特に注目すべきは潜水艦救助艦×1隻、玉山級揚陸艦×1隻、高速戦闘支援艦×1隻、軽フリゲート艦×10隻、救難艦×2隻の調達に計3,156億台湾ドル=約1.5兆円を投じる点だ」と、USNI Newsも「台湾は2028年から2040年の12年間で防空戦専用と対潜戦専用の軽フリゲート艦(2,500トン~3,500トン)を各5隻ずつ建造する」「主要な造船計画に予定されている99億ドルの投資のうち78億ドルが軽フリゲート艦調達に投じられる」と報じた。

出典:總統府
台湾海軍は元々、震海計画=国産レーダーを採用した4,500トン級フリゲート艦の建造を計画していたが、中科院が開発した国産AESAレーダーは性能要件を満たすことが出来ても重量が非常に重く、このレーダーアレイを船体マストの高い位置に4面も設置すれば4,500トンの船体では重心の不安定化=トップヘビーを招く恐れがあり、最終的に震海計画を「軽フリゲート艦計画」と「次期フリゲート艦計画」に分割し、2026年1月末に発表した軽フリゲート艦はGibbs&Coxの設計をベースにしているらしい。
台湾の上報は15日、海軍の次期6,000トン級戦闘艦計画について「台湾海軍が日本の改良もがみ型護衛艦に照準を合わせている」「日本は台湾に対する護衛艦の設計図輸出規制を解除した」と報じて注目を集めている。

出典:海上自衛隊
“台湾海軍は次期6,000トン級戦闘艦の建造に向けた事前作業として2025年10月末「下一代作戰艦設計評估專業服務=次期戦闘艦の設計評価作業」の公募を発表し、プラットフォームの設計基準策定を進めている。国内で艦艇の設計能力を有する船舶・海洋産業研究開発センター(SOIC)、台湾国際造船(CSBC)、中信造船(JSSC)も米英の造艦設計企業との接触を開始している”
“関係者によると日本は安全保障分野における台湾との連携強化に伴い「護衛艦の設計図輸出規制」を解除したという。既に台湾海軍は次期6,000トン級戦闘艦の要件を満たせる護衛艦について評価を進めている。この取り組みの狙いは現役の護衛艦設計図を取得することで、実用的で成熟した技術によって建造リスクを低減し、建造スケジュールを短縮し、海軍の戦力整備ニーズを素早く満たすことにある。さらに護衛艦の設計は米国製システムの互換性が高いことも利点だ”

出典:海上自衛隊
“次期6,000トン級戦闘艦の基本構想は「ネットワーク化」と「高度な自動化」であり、乗員数は100名体制が理想的とされている。そのためイージス戦闘システムを搭載する1万トンクラスのこんごう型、あたご型、まや型は評価の対象外で、排水量と基本性能の面であきづき型やあさひ型は海軍の要件に合致するものの、ステルス性能と高度な自動化という点で改良もがみ型の方が海軍のニーズに適している。関係者は改良もがみ型の設計図取得のみを目指すだけでなく「同艦に採用されている自動化技術の導入」も重点項目となっている。ただし主要な武器システムに関しては中科院が開発した国産を主体とする方針だ”
“一方で海軍の艦艇建造に最も豊富な経験をもつ台湾国際造船はBAEシステムズと「水上艦艇のシステム統合」や「無人海洋ソリューションにおける潜在的な事業協力」を共同で模索する覚書を締結した。これは次期6,000トン級戦闘艦を見据えた布石だと解釈され、台湾国際造船はBAEの協力で英海軍の艦艇設計図やシステム導入を狙っている。英企業は国産潜水艦の建造計画にも主導的な立場で関わっており、これらのコネクションや知見は両者の協力関係を後押しするものになるだろう”

出典:Ian Dick/CC BY 2.0
“軽フリゲート艦を受注している中信造船が次期6,000トン級戦闘艦に参画してくるなら、引き続きGibbs&Coxとの協力を推進する可能性が高い。海軍は次期6,000トン級戦闘艦の契約設計を2026年下半期に開始する予定で、この入札条件が公告されれば次期戦闘艦としてどのモデルを選択しようとしているのかが明らかになるだろう”
要するに「台湾海軍は改良もがみ型護衛艦を高く評価し、船舶・海洋産業研究開発センターが次期6,000トン級戦闘艦の要件を満たすかどうか改良もがみ型護衛艦を評価中」「台湾国際造船はBAEシステムズと協力して26型フリゲートやレーダーを台湾海軍に提案する見込み」「中信造船は軽フリゲート艦建造で協力しているGibbs&Coxと関係を活かして米国設計を持ち込んでくる」となり、艦艇の設計出身国的には日本、英国、米国の争いになる格好だ。

出典:海上自衛隊 水上艦隊
ちなみに、Naval Newsの日本人寄稿者=稲葉義泰氏は「日本政府は防衛装備品の輸出制限を撤廃することを決定した。今回の政策転換によりFFMのようなプラットフォームの輸出は容易になるだろう。ただし、台湾に関して日本は主権国家として正式に承認しておらず、公式な外交関係も結んでいない。非公式レベルにおいて一定程度の防衛協力が存在すると指摘されることもあるが、FFMのような水上戦闘艦の輸出は誰の目にも明らかな公然たる防衛協力であり、日中関係に決定的なダメージを与えるだろう」「したがって、高市政権が保守層からいかに強固な支持を獲得しても台湾へのFFM輸出は極めて困難だ」と指摘している。
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※アイキャッチ画像の出典:Australian Defence Force/LSIS Danyellah Hill





















日本側のコア技術が省力化技術だけなら、別にffmのライセンス権を取得して準拠品を作る必要ないのでは。むしろレーダーと武装を国産で置き換えるなら船体設計にも手を加えるのはマストな訳ですし、潜水艦の時みたいに技術提供だけ受けて自主建造すればいいような気がします。
どうしてもffmが良いと言うなら、ffmのライセンス権を取得している豪Austalから供与を受ければ日本はほぼ無関係ということにできますね(?)
問題は豪の生産能力ですよね。
4隻目からは自国生産になりますけど、最初はドタバタするでしょうし、自国分作ってから台湾向けだと、いつになるんでしょ…
台湾向けはオーストラリアで建造し、
オーストラリア向けは日本で建造する。
代金はこの三国でまわす。
三角貿易のように。
出来るんじゃないでしょうか。
台湾は早期の戦力化したいから既存艦ベースに考えていると思うし、超音速で重量が1.5tと重い雄風III型だと17式の倍以上で同じような重量にするなら弾数は半分にする必要がある。嫌なら重量増を考慮する必要があるレーダーが重いなら当然トップヘビー対策が必要になる。
新しい方のアーレイバークとかのハシゴですらステルスを考慮した物で、ステルス性とか安定性とか艦の性能に関してはは実際に作って運用している時点で情報がある訳です。しかし、オリジナルを作れば良いと言うならそれらのデータを取る方から始める必要がある台湾にそんな資金と時間があるのかな。
もがみ型の省力化ツール、乗員装備の生態センサーや艦内監視カメラ、統合艦橋システムとかの情報渡すだけならそこまで新型艦建造に寄与するかは微妙です。煙突部分を隠し排気を空気と混ぜて廃棄する構造とかトータルでステルスや省力化をパッケージングとしてインテグレードしてあるのがもがみ型の価値であり、そこから外れると言うならば米国コンステレーション級ミサイルフリゲートみたいな事になりかねないでしょう台湾にそんな余裕なんてありませんよ。
日本単独で作り上げた物をAustalからのライセンスなんて韓国みたいな輸出に関してはフリーになってないでしょう。基本オーストラリアの国内建造と運用だけに留まっていると思うし、将来的に古くなったとして別の国へ移管するにしても日本の許可は要ると思いますね。
>超音速で重量が1.5tと重い雄風III型だと17式の倍以上で同じような重量にするなら弾数は半分にする必要がある
それはキャパ一杯である場合でしょ、トン数的に倍積んでもトップヘビー対策が必要になるとは思えないけどね
台湾の潜水艦建造、日本などが技術協力したという話しを思い出しました。
Anduri・ラッキーパーマーさんが、台湾に武器販売などを行ったということで、中国から経済制裁を受けています。
(既に)三菱重工なども経済制裁を受けているわけですが、中国市場を失ったり・さらに厳しい経済制裁があるとして、どれくらいの影響が出るのかは気になる所ですね。
追記です。
小泉防衛大臣が、フィリピンに『中古のあぶくま型の提供』を協議するために、2026年5月上旬フィリピンで防衛相会談を行うようですね。
AIに質問した所、三菱重工の連結売上高に占める対中国の比率は、2022年度や2023年度が約5%で、2024年度以降は横ばいかやや減少方向みたいです。
完全に無くなると流石に痛いだろうけど、比率は意外と少ない印象でした。
情報ありがとうございます。
超大手企業なので大きい金額になりますが、5%ならば何とかなりそうな気もしますね。
三菱電機も、もがみ型改に関わっているようですが、AIによると中国市場が大体10%いかないくらいで縮小傾向という感じがしました。
問題は、輸出のために台湾を国家として承認する必要があるわけですが、それらをやって中国から本気で経済制裁を掛けられた時に民間経済がどれだけダメージを受け、中国の対日緊張度がどれくらい高まるかですよね。たとえば最大どころの観光については中国は中国系店舗のみを回る中国人ツアーで日本に殆どお金を落としていないので消滅しても差し支えないわけですが。技術流出も怖いところです
ほんと仰る通りです。
台湾目線、日本を引き込むのは良策になります。
台湾海峡の戦闘シミュレーションでは、『日本を引き込まないと厳しい』これもあるからです。
日本目線、日露戦争みたいに最前面に出ることになれば、甚大な被害がでるだけで最悪なんですよね…。
日本の民間経済へのダメージ、思考実験の範囲だとしても、どの程度になるのか仰る通り気になっています。
『TSMCを対価として貰う』極端な話し+冗談の範囲ですが、軍艦数隻だけでは対価として釣り合わない気がしますね。
仰る通りですね。
台湾目線で言えば、日本を引き込みたいという前提が、あるとしまして。
オーストラリアの販売事例と違って、代償あまりにも大きいリスクがありますから、台湾側が余程の対価を出さないならば割に合わないなあと感じています。
政治的な難しさはもうどうしようもないね
ここで大々的に日本が台湾を国家承認、護衛艦輸出したら表面上だけの喧嘩では済まなくなる
記事にあるように設計図渡すとか、現場に技術者をこっそり派遣するとかで何とかするしかない
しかし新型FFM、6000tもあるのか
満排水量でも4000tくらいだと思ってた
もがみ型でさえ、満載排水は 5,500tありますし。
新型FFMは 6,200t程度だと言われていますね。
新型FFM、重さだけならむらさめ型やたかなみ型より重いからね
あさひ型あきづき型>新型FFM>たかなみ型むらさめ型
これを100人以下で動かすのは自動化が進んでる半面、個人に結構なマルチタスクを求められ、かなり忙しいという話を聞きます
ぶっちゃけた話、使い勝手を考えるならもっとサイズが欲しいと言われるもがみ型ですら満載5000t超えるがあぶくま型後継と考えたら新型であろうが5000t以内に納めたい感じがする。
新型FFMの規模感を考えると13DDXが恐らく積める物は積む次世代日本版イージス艦みたいな感じで最低満載8000tのVLS64セルは狙うと思うんだよね。ただ艦の目的が違うと言われようが規模的に似通った艦を装備すると言うのは財務省的にどうなんだろうね。
価格や性能的にハイローでF-15とF-16みたいな物だろうと言ってしまえばそれまでかもしれないがサイズ的には13DDXがこんごう型位にならないと明確な差別化は出来ないと思う。新型FFMは多用途性を無くしてよりDD構成に近づけて排水量を削るか規模を拡大して7年後から建造予定の13DDXと統合しないと棲み分けの面では違和感を感じる。
FFMと既存DDの全長差約17m満載排水量差約700t(まだ分かる)、新型FFMと既存DDの全長差約8m満載排水量は古いDDと同じ(もう同規模では?)。
自前のレーダーや兵装使うから図面寄越せはさすがに舐めすぎでは
ローカライズに手慣れてる韓さんに先ずはお願いしてみてはとしか
韓国は日本には牙を剥くが軍事大国には大人しいスネ夫国だから無理
すみませんウチではそういうのはやってなくて……ただ、何故だか知りませんが皆さんオーストラリアの窓口に行かれますね。
軍需でも三店方式出来るとはたまげたなぁ
そこは、ほら、日本では長い歴史があるから。w
日本と台湾は防衛装備移転協定を締結していないので、現状では輸出不可能です。防衛装備とは自衛隊が使用している装備の事なので、三菱の米国子会社が独自開発したもがみ型似の駆逐艦、或いはもがみ型の建造、自由な輸出権を持つ第三国との契約なら可能かも知れませんが
台湾への武器輸出って米国・フランスなど幾つかの国が既に行ってますよね、それらの国のやり方を真似したら国家承認なしで輸出出来ませんかね?
アメリカには台湾に武器を供与することを定めたTaiwan Relations Act(台湾関係法)があるし、フランスは既存装備の維持・改修みたいな限定案件なのでちょっと厳しいですね…
・台湾独自のフリゲート開発に民間人が勝手に協力
・アメリカが新型FFMを採用、設計図とカスタマイズ権限を購入。アメリカ版FFM誕生。それを台湾がライセンス生産。
トランプが台湾海峡で緊張度を高めるなと言ってくる以上は、これぐらいしか?
台湾も本気で改もがみ型を日本から買えると思ってないでしょうから、ある種の政治的パフォーマンスですかね。
中国に向けてなのか、日本に向けてなのかはわからないですが。
まあ完成してみたら「たまたま」外見が酷似している事だつて有るかもしれないよね。
収斂進化。
>ただし、台湾に関して日本は主権国家として正式に承認しておらず、公式な外交関係も結んでいない。非公式レベルにおいて一定程度の防衛協力が存在すると指摘されることもあるが、FFMのような水上戦闘艦の輸出は誰の目にも明らかな公然たる防衛協力であり、日中関係に決定的なダメージを与えるだろう
承認しちゃえば?(素)
中国が騒ぐから止めるとなると、それ自体が中国に戦略を提供することになってしまう。こりゃダメだ。
台湾の場合、売ってくれそうな国を探すところから検討しているのでは。
気の毒な話ですが。
最近では「AI用ASIC、GPUで払って」とか言えば有効そうw。
その辺はNVIDIAとかGoogle, AMDといった企業が特許を保有し生産委託してるやつなので、いくら生産委託先といえども勝手に売り払いしたらトランプ政権下のFMS米軍横取りより大問題ですね。
オーストラリアが製造する改もがみ型に日本の特許や日本製部品が含まれている場合、オーストラリアから台湾への輸出でもこれらの内容について日本が輸出許可を出さなければならないため、非公開のまま、とはいかないと思います
第一撃で真っ先に沈むやつやん
そんな物より別の所に金かけるべきでは
雨降って地固まると言うし
一度だけなら誤射かもしれない
一度だけ輸出しちゃおっか?
昨今のサイバー犯罪の高度化により『不幸にも』流出した設計図が『たまたま』台湾当局の目に入るかもしれない()
そもそも台湾に輸出したらほぼ間違いなく中国に情報流出する可能性大。
中国に情報流出しても問題ないと腹を括れるかどうか。
あー、その説濃厚。
潜水艦の時はどうやったのかな?
???「中国側には偽物を掴ませました」
形式的にアメリカに売って、アメリカが台湾に売るとか、やろうと思えば、理論的にはやれるとは思う
うろ覚えだけど、国内でライセンス生産したP3CだかF15の部品はそうやって第三国に輸出してた記憶ある
F100-PW-220エンジンの部品輸出は「アメリカが最終ユーザー」であることを前提に輸出許可が降りてます。
これを「アメリカが輸出先管理するからOK」に変えられるか、というと日本の判断が輸出前に必ず入ると思います。
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