トランプ大統領は10日「インドとパキスタンが完全な即時停戦で合意した」と発表したが、両国とも「相手が停戦の合意を守っていない」と非難し、インドは「停戦合意から僅か数時間後にパキスタン軍のドローン侵入した」と、パキスタンは「停戦を守っていないのはインドの方だ」と主張している。
参考:The US takes credit for India-Pakistan ceasefire, but it was pushing on an open door
参考:Ceasefire breached: Pakistani drones enter Indian airspace, explosions heard hours after truce deal
参考:Pakistan remains committed to ceasefire implementation, forces are handling situation responsibly: FO
参考:At least two Indian jets appear to have crashed during Pakistan strikes, visuals show
トランプ大統領が唐突に即時停戦を発表したが、この停戦が安定的なものになるかどうかはまだ分からない
米国のヴァンス副大統領はインドとパキスタンの軍事衝突について「根本的に我々には関係ない」と断言していたにも関わらず、トランプ大統領は10日「インドとパキスタンが完全な即時停戦で合意した」と発表して大きな注目を集めているものの、この停戦合意に果たした米国の役割については態度が別れており、パキスタンのシャリフ首相は「停戦に対する米国(ヴァンス副大統領とルビオ国務長官)の貢献」を称賛したが、インド政府は「隣国が停戦に直接協力した」と述べて米国の関与を軽視した。
What the hell just happened to the ceasefire? Explosions heard across Srinagar!!!
— Omar Abdullah (@OmarAbdullah) May 10, 2025
トランプ政権が今回の停戦合意にどれだけ関与しているのかは不明だが、両国とも「相手が停戦の合意を守っていない」と非難しており、ジャンムー・カシミール州のアブドラ知事は「停戦合意から僅か数時間後にシュリーナガルで大きな爆発が発生した」「停戦は一体どうなったんだ?」と訴え、インド側はシュリーナガル、バラムーラ、アナンタナグ、バンディポラ、サファポラ、ヴェリナグ上空でパキスタン軍のドローンが確認され、インド軍が防空システムを用いて速やかに撃墜したと主張。
パキスタン外務省は「パキスタンは停戦を履行するため尽力している」「インドが一部地域で停戦違反の行為を続いている」「それにも関わらずパキスタン軍は責任と自制心をもって事態に対処している」と述べ、停戦合意に違反しているのはインドの方だと主張しており、まだ両国の停戦が安定的なものになるかどうかは分からない。
This is no ceasefire. The air defence units in the middle of Srinagar just opened up. pic.twitter.com/HjRh2V3iNW
— Omar Abdullah (@OmarAbdullah) May 10, 2025
インドは今回の停戦について「実行支配線や国境沿いの戦闘を中止するだけでインダス川水資源条約の停止といった措置は継続する」と述べており、軍事衝突を招いた直接的な原因=テロ事件の責任についても有耶無耶になっている。
因みにWashington Postは「ネット上に投稿された数十枚の画像と動画を検証し、少なくともラファールとミラージュ2000と一致する残骸を確認した」と報じた。
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※アイキャッチ画像の出典:The White House
パキスタンはインドの支配地域で起きたテロを自作自演だと言いましたが
あれで発言の信用はゼロに近くなったと思います。
自作自演かは、わからないが、インド国内の少数宗教派の不満が高まっているのは間違いなく、そうなれば、インド国内でのテロは起こるだろう。モサドやCIAが操っているイスラム国みたいなテロ集団が不満を持つインドの宗教少数派を扇動したり、みずから破壊活動することは十分にありうる。したがって、パキスタンが仕掛けなくとも、十分にインド国内で発生するだろう。しかも、インダス川の水のせき止めに至る事の早いこと早い事。モディになって、ヒンズー至上主義となって、他の宗派に弾圧をかませているらしいから。どこまで本当かはわからないが。単に日本の戦国武将の領土争いとは異なる様に思える。
5/9 ヴァンス副大統領「インドとパキスタン?知らん。関係ないね」
5/10 停戦 トランプ大統領「停戦はアメリカが主導した!」
私にはトランプが手柄を掻っ攫ってるようにしか見えないんだが……
私もびっくりでした。
このパキスタンとインドの紛争について、トランプは何もしないという批判が多かったので、私はトランプは深入りしたくないのだろうと考えていました。間違いました。
しかし、おっしゃるようにトランプは手柄だけさらったのか。たまたまなのか。それともトランプ政権が直ぐに動いていたのなら、トランプのスピードは凄いと思います。
もしそうだとしたら、トランプ政権はウクライナ戦争の停戦に対しても、ウクライナとロシアに対して実際はかなりのプレッシャーをかけている可能性もありますね。
トランプ関税で各国が生産拠点を中国からインドに映す動きが出ると、こういう事態が起きて中国製兵器が大活躍と・・
偶然なんだろうけど、なんか釈然としないなぁ
ミラージュもやられたんですかね
パキスタン空軍の練度の高さ(年間飛行時間が長い)に高性能な装備が加わったからインド空軍は怖いでしょうね
そういえば、中国軍パイロットの飛行時間は米軍パイロットよりも長いという話もありましたね。
彼らの刀は断じてなまくらでも錆びてもいないようです。
中国兵器が「高性能」の側に数えられるようになったのは、一昔前の感覚からすると隔世の感がありますな
近年ミサイル技術では目を瞠るものがありましたから、いつか来る現実ではありましたが
極音速ミサイル開発用の風洞施設は今のところ中国が最先端だそうで、地対空ミサイルも空対空ミサイルもどんどん改良されているんでしょうかねぇ
何にせよ紛争終決に一歩前進というのは大変喜ばしいことですが、双方の停戦違反行為やインダス川水資源条約の停止等にインドが拘っている様ですと結局は紛争再燃すると思うので一応の一時停戦中に上手くお互いに折り合い所を見つけられることを期待したいですね。
根本的な問題解決に至っている訳ではないので、ここからお互いに冷静になって話し合いで解決してほしいものですが、インド川が強硬姿勢に至った理由は中国にあるのでそう簡単に解決はしないでしょうね
下手すると年内、遅くとも2年以内には紛争再開だと思っています。それも今回より大規模に
なかなか難しい所ですよね、インドは周囲がライバルの中国と宿敵パキスタンに中国依存のスリランカ、ミャンマー、モルディブと中立のバングラデシュにややインド寄りのネパールとブータンという感じに見えますので周囲は敵性国家または頼りにするには小国すぎて話にならない国家という所でしょうし国内世論的にも対外的にも弱腰過ぎてはやっていけない事情もあり、パキスタンに譲歩した形の紛争解決は現実的になかなか難しいと思いますので当面はなんとか停戦を維持出来たとしても根本的に特に何も解決していないので再度紛争再開する可能性は高いでしょうね。
一度戦闘が始まったら、停戦は難しいな。ウクライナとロシアを見ても軍事にシロウトのアメリカが仲介してもうまくいかない。停戦するには、どこの線より前進しない。いつから砲撃しない。とか両軍が合意しないといけない。仲間や家族を殺された兵士が互いに相手を信じて武器を置くはずはなく、いつでも撃てるようにして止まっている。何かあれば、火を噴くだろうから停戦は互いががまんしないと難しい。粘り強く目的達成に働く国連のような外交のプロがするのならとにかく素人ビジネスマンの集まりのアメリカでは、誇大広告ばかりで、後から、あれはみんなも知っている通りの冗談だったと。
交渉チャンネルが、ありそうなのは喜ばしいので、トランプ大統領=アメリカ・その他大国を使い倒してでも限定的紛争のうちに終息させて欲しいなと。
インドは貧富の格差是正の為に、外資系の製造業を呼び込もうとしており。
パキスタンは経済が悪いままですから、両国ともに全面戦争するメリットがないなと(ガス抜きには対価が重いですし…)。
国民性が、両国ともに主張が激しそうですから、カレー食べてチャイでも飲んで落ち着てい欲しいですね。
記事の読み込みが悪かったのだが、インドは停戦しても、インダス川の水の独占を図り、パキスタン人を飢え死にさせようとしているではないか。これでは、停戦、紛争停止の意志が無いと思われても仕方ないだろう。Wikiの情報、怪しいものもあるので話半分だが、モディはヒンズー至上主義らしいからインド人にとって、かなり危険人物だろうな。アウラングゼーブ帝のヒンズー版になったらしゃれにならんだろう。
米国の仲介で終わるのでしょうか。中/露ではなく、英国でもなく。
小t路の発端のテロ事件の扱いはどうなるのかな。その真偽も含めて。
テロがあったなら、インドはその処罰を求めるのでは。
停戦に向けた外交努力にアメリカを含む34カ国が関与しているので、アメリカだけの手柄では無いですけどね。
トランプ大統領はその辺りについて言及していませんが。
なるほど、です。
ご教授ありがとうございます。
インドとパキスタンは、特定の地域での小競り合いと非難の応酬は日常茶飯事
大軍を動かしての戦争は止めて「日常」に戻るのか
マハラジャ同士が争うときに、相手のマハラジャを攻撃する道具として支配者のイギリスを使っていた連中だからなあ。。。
この手の報道な「停戦を守ってな」ってお互いの現場指揮官が暴走してるってことなの?
お互いが疑心暗鬼になって実際は軍事行動でなくても危機感を感じ反応 → 攻撃された!やっぱあいつら守る気ねーぞ → いやお前が先だろ → いやお前が、となるのでは
水が絡む問題は人間という存在である以上、一度争い始めたら収拾付きにくいからな……
日本だって昔は隣村同士で、農業用水巡って殺し合いになってたし
ましてやパキスタンは乾燥地帯多いからなぁ
産業も農業も水がないとできないからね
中東アフリカいまいち産業が発展しないのは水がないから
ハイテク産業は大量の水を使いますからね……
特に今話題の半導体とか
TSMCが熊本に進出したのは、熊本の水が良いからでしょうかね
一連の報道からインド側は全面戦争に至らない限定攻撃で終わると思っていたというのが伝わってます。
従って、戦闘機はアピールで危うい場所を飛んでいたり、即座に狙われると思っていなかったという指摘もありますね。
テログループの拠点とされる場所を攻撃してにらみあいで終わりな筈がパキスタン側が積極的に仕掛けてきたと。
ただ、迂闊な場所にいる相手に奇襲が出来たとしても全部が全部直撃撃墜出来たのかというとまだなんとも言い難いですね。
また、こういう関係から双方の認識の食い違いが激しい。インド側は越境攻撃してくるパキスタン側テログループによる攻撃が続いていてテログループに攻撃してるだけとしてるし、パキスタン側は攻撃に反撃しているだけだとしている。とにかく双方共に実害を出す攻撃を中止させないと話にならないですね。