豪ABC NEWSは汎用フリゲート入札について23日「日本は入札に勝利するため自国よりもオーストラリアを優先すると誓ったが、ドイツも実績とオーストラリアのニーズに合わせた設計案をアピールしている」と、この入札の勝者についても「クリスマス前までに決定される」と報じた。
日本とドイツの一騎打ちは12月までに結論が出るようだ
アルバニージー政権は海軍再編に関する分析結果を昨年2月に発表、この報告書は政府に「水上艦戦力を2倍に増やせ」と求めており、具体的にはハンター級フリゲートの取得数を9隻→6隻、アラフラ級哨戒艦の取得数を12隻から6隻に削減し、有人運用も可能な大型無人艦(6隻)と汎用フリゲート(11隻)を取得するよう勧告。
アンザック級フリゲートの後継艦を想定した汎用フリゲート取得は「Project Sea 3000」や「GPF Project」と呼ばれており、最終的候補に残ったのは日本が提案する令和6年度型護衛艦(以降はもがみ型改と表記)とドイツが提案するMEKO A-200で、ABC NEWSは今年1月「日本は入札に勝利するため自国よりもオーストラリアを優先すると誓った」「日本の提案を受け入れればオーストラリア海軍は海自よりも先にもがみ型改の1番艦を入手できる」と報じたが、ドイツも実績とオーストラリアのニーズに合わせた設計案をアピールしていると報じた。
ABC NEWSは23日「ドイツも契約を獲得するため16ヶ国に輸出したMEKO A-200の実績を強調している」「国防省も豪海軍採用のSaab製戦闘システムを統合したMEKO A-200のオーストラリアバージョンを高く評価している」と報じ、両者の強みについて「日本はもがみ型改が競合よりも高速でステルス性が高く、米軍との共同作戦に適していると言う」「ドイツはMEKO A-200が競合よりも信頼性と実績で上回り、アンザック級がコスト超過や計画遅延なしで完成し、建造についても豪産業界の関与は記録的なものだったと言う」と指摘している。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Holly L. Herline
因みにABC NEWSは「どちらが有利なのか」については特に言及せず「政府関係者は入札の勝者をクリスマス前に決定し、来年の3月までに契約を締結したいと考えている」と述べており、日本とドイツの一騎打ちは12月までに結論が出るようだ。
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※アイキャッチ画像の出典:ThyssenKrupp
日独、非常に興味深い競争ですね。
日豪は安全保障面では、準同盟国として協力関係を深めてきました。
有事を見据えれば弾薬融通の協定だけでなく、太平洋諸国として修繕がしやすいこともアピールできるでしょうから、総合的な提案でコンペを勝ち取って欲しいですね。
総合的に考慮してドイツと発表する予感
個人的には日本勢の勝利を願ってはいますがおそらくドイツに軍配があがるかなと。
それでも武器輸出ルーキーの日本にとっては今回の入札は良い経験値になるでしょうから決して無駄では無いかと。
ドイツが選ばれると思ってる人がいるけど、オーストラリア側の関係者が日本案に惹かれているような情報を目にしてきたのでそうとも言えないのでは…
総合的に判断すれば日本案になる可能性は高いと思いますが、唯一懸念するのは、「もがみ型」ではダメコン管制がCICに統合されているので、戦闘でCICの全機能を喪失した場合には総員退艦を選択肢とする運用構想である点ですね。
省人化を優先し妥協した結果ですが、その構想を豪州海軍が納得して受け入れるかです。一般的に海軍は伝統を重んじ保守的な傾向があるので強硬に抵抗するかもしれません。
「もがみ型改」ではどうなっているのか情報が無いので、あくまで懸念事項ですが。
>有人運用も可能な大型無人艦(6隻)
これが結構気になってるんですよね
削減されたアラフラ級の後を埋めるぐらいの艦なのか、改もがみ型やA-200と共に戦えるぐらいの火力強めの艦なのか
そういやどんな艦なんだっけと調べたらこんな情報が出てきてマジかとなってる。マジか?
・イージスベースライン9(CEC対応)
・対空、対弾道ミサイル防衛可能
・VLS32セル
・無人、有人運用可能
リンク
EUとアメリカの距離が広がってきてるから政治的にアメリカに近い日本を選ぶ可能性もあるんじゃ?
オーストラリアは何があってもアメリカと行動を共にする国だろうから
ABC NEWSは今年1月「日本は入札に勝利するため自国よりも
オーストラリアを優先すると誓った」
「日本の提案を受け入れればオーストラリア海軍は海自よりも
先にもがみ型改の1番艦を入手できる」と報じた
これが本当なら、今年起工予定の2隻のうちのいずれかを渡すのかな。
ホントに約束したのかな?。
自分がOZだとして、大型の正面装備の輸出実績もなく、現地サポートも手薄な国の船を買いたいかというと…どう考えても当て馬でしょ まあ最終候補に残れただけでも御の字
衰退の一途をたどる国内市場だけでなく、国外市場に売れるものを作って欲しいですね、せっかく防衛装備庁に税金使ってんだから
韓国並みの輸出実績を目指して欲しい
俺はかなりの確率で日本が勝つ可能性あると思う
Reddit, Youtubeコメ,Twitter,ニュースコメ見続けてるけど、この案件の初期の頃は現地民としても日本案は泡沫だったけど日本とドイツに絞られてからはかなりの意見が日本に対して好意的に変化している
まじで驚くレベルで日本への支持が強い
オーストラリア政府関係筋としても日本案に好意的な見解が漏れ聞こえてくる
日本案の一番の問題点は、日本にとって初めての経験になること云々よりも、ドイツ案とは違って現時点でペーパーなことかな。もがみや200Aと異なりまだ開発製造の途上
これはオーストラリアが呈示している前提条件に明らかに抵触するため、三菱としてなにかしらの解釈のねじまげが必要
とはいえ俺は性能他地政学的な関係とうとう踏まえるとかなり日本案に対して楽観的だよ
「標準的な3,700トンのMEKO A-200」ならともかく「豪海軍向けにカスタマイズされた4,700トンのMEKO A-210」はもがみ型改(豪海軍がどうするにせよ今年度起工予定)以上にペーパープランかと。
大前提として、ドイツはA210を提案していないからまずはそこを把握してくれ
当初はA210と呼称される船の提案をするという見方もあったが、結局A200のみの提案となった
まさしくオーストラリアが示した前提を守るためだろう
それゆえ性能差や拡張性等で改もがみ型と差をつけられているが、ある意味でより誠実な提案ともいえる
「ある意味」とは、どのような意味でしょうか?
まるで、もがみ型改が誠実さで劣っているように聞こえるのですが。
わたし、気になります。
昨年末の記事で豪のリチャード・マーレス国防大臣が「日独『3つ』の設計が候補に上がってる」と言ってますので「提案してない」というのは違うんじゃないですかね?その後「取り下げた」か「弾かれた」なら分かるけど。
で、この記事でも「Saab製戦闘システムを統合したMEKO A-200のオーストラリアバージョン」と言ってますから既存のA200そのままではないでしょう。
そして「オーストラリアのニーズに合わせた『設計案』」ですから稼働実機があるとも思えませんが…
豪州計画では1番艦納入を2031年としていますので、それより早める必要性が無いのであればですが、その時点で海自「もがみ型改」1番艦就役後3年が経過していることになります。同型艦は2030年度末までに8隻が就役している建造計画ですので、十分と言えないまでも海自における運用実績があると言えるのでは。
もし系列艦として「もがみ型」の運用実績もカウントしてくれるのであれば現時点での状況は問題ないと思います。
現場責任者なら使い慣れたドイツ、作戦責任者なら能力と相互運用性で日本だな。
日本政府が国内造船業の再生に着手するようだが、その対象は民間向けが主で成果が出るのはまだまだ先の話。目先の国防を考えるなら余力も無い癖にオーストラリアにもがみ型改1番館を渡すと言うのはいかがな物だろうか?まだ欧州の国のドイツにリソース裂いて貰って太平洋側の海軍力をトータルで見て引き上げるようにする方が良いと思うので日本には負けるか降りて欲しい。
国防考えるなら尚の事もがみ型改の輸出を成功させて海外への武器販売の実績を一つでも作らなきゃでしょ?
・国防=防衛産業が不可欠。
・そしてバカ高い金が掛かり平時では需要が少ない防衛産業を維持するには海外輸出でコストを少しでも下げる事が不可欠。
ただでさえ日本は平和憲法とかいう訳の分からん憲法のお陰で戦後80年も自国装備を海外に輸出出来ずに防衛産業が壊滅しかけてんだから何がなんでも輸出して実績を積み重ねないと。
じゃなきゃ日本の防衛産業は死んで軍艦からヘルメットまで全部海外製に依存する羽目になっちゃうよ。
せっかくの日本の防衛装備輸出の機会なのに、ここで降りるなど言語道断です。
そんなことになれば国内防衛産業の未来は暗くなるでしょう。
他国もいろいろ犠牲にしてながら輸出を勝ち取ろうとしています。
年2〜3隻ポンポン建造する艦を1隻、5000km先の準同盟国に優先して譲るのが国防に大きなマイナスになるとは思えません。
艦を導入するなら運用施設も整える必要がある訳で、もがみ型(改)の整備が可能な施設が5000km先にある、というのは有事を考えたら頼もしいことだと思いますが…
出来れば、アメリカ、カナダ、オーストラリア、日本で艦艇は出来る限り共通化してそれぞれの太平洋側のドックでお互いに修繕出来れば、理想ですね。
アメリカは無理だとしても、せめて(まずは)準同盟国のオーストラリアと共通化出来れば頼もしいです。
その為にはおっしゃる通り、多少身を切っても、全体で見ればメリットが大きいと思います
「目先の国防」と同時に「将来に渡る国防」も安全保障の大事では。
PVが中々見ごたえあるね
見た事ある光景だなと思ったら三菱の長崎造船所だコレw
オペレーションルームが少人数で済む事も視覚的に理解できるし分かりやすい
たぶん、他所の国の海軍関係者が一番ビビるのは、建造予定数・建造スケジュールのところじゃないかと。
ペーパープランじゃなくて、実際に過去のオンスケジュールの建造実績もありますからねえ。