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自衛隊の迎撃ドローン取得に38社が提案、8月下旬に量産契約を予定

防衛省は6月5日に迎撃ドローン早期取得プログラムの実施を発表、小泉進次郎防衛相は今月3日「迎撃用の無人機取得計画に38社から提案があった」と明かし、迎撃ドローン早期取得プログラムは実証試験を終えた後、8月下旬に調達契約を結んで「9月納入」を視野に入れている。

参考:装備庁の「迎撃ドローン」公募に38社 防衛相「空の脅威に対処」
参考:【ドローンを初公開】海上自衛隊“警戒監視” 日本政府、大量のドローン攻撃などへの対応急ぐ

飛行している敵ドローンの真上から手榴弾を投下して破壊するというタイプの迎撃ドローンは見たことがない

防衛省は5月27日、沿岸防衛構想「SHIELD(シールド)」に含まれる「レーダーサイト防衛用UAV」の情報・提案要求書を公開し、この中でレーダーサイト防衛用UAVについて「敵のUAVを探知・識別し、これを迎撃UAVにより対処することでレーダーサイト等を防護し得るシステム=迎撃UAVシステム」と定義し「製造・販売に関連する実績又は技術的な知見、能力等を有する企業等から情報・提案を広く募集し、今後、企業等から提出された情報・提案の内容を踏まえ、その早期装備化に向けて事業の具体化を行っていく」と説明。

出典:防衛省・自衛隊

防衛省は迎撃ドローン早期取得プログラムの実施を6月5日に発表し、この中で「昨今の安全保障における攻撃型の無人航空機及びそれに対する迎撃ドローンの役割の飛躍的な向上を踏まえ、自衛隊ではより迅速に、より実効性のある迎撃ドローンを獲得し、駐屯地、基地、艦艇等の防御能力向上への寄与度等を確認するため、令和8年7月に迎撃ドローンを用いた実証試験を計画している。本事業の実施にあたり装備品等に関連する実績、知見、能力を有する民間企業者のうち、迎撃ドローンに関する提案を行う意思のある企業を広く募集し、7月の実証試験のための迎撃ドローンを調達することを想定している」と言及。

防衛省は迎撃ドローンについて「概ね高度18,000ft=5,486m未満、速度250kt=463km/h程度で飛行する無人航空機(重量600kg以下)、特に長射程自爆型UAV(例えばシャヘド型やHARPY型等)に対処する無人航空機=米軍基準のGroup3以下の無人機に相当」「遠隔管制装置及び搭載装置(ソフトウェア及びハードウェア)の操作指示により遠隔操縦が可能な飛行体」と定義しており、迎撃UAVシステムで要求した「地上装置から自動誘導される迎撃UAV」とは異なり「カメラ映像を見ながら地上要員が操縦する仕様」の迎撃ドローンかもしれない。

出典:Wild Hornets

令和8年7月上旬までに実証試験に用いる迎撃ドローンを選定(複数機種を選定する可能性有り)し、令和8年7月下旬~8月上旬までに迎撃ドローンを取得して実証試験を実施、令和8年8月下旬までに量産調達契約を締結して令和8年9月の納入を予定しているが「実証試験の結果によっては量産調達契約を実施しない」とも言及している。

迎撃ドローン早期取得プログラムは「諸外国軍隊等で既に運用され、シャヘド136等の長射程自爆型UAVを撃墜している実績を有しているもの」という条件はないものの「速度250kt=463km/h程度で飛行する長射程自爆型UAVに対処する無人航空機」と定義しているため、これはロシア軍が多用しているGeran-2/Shahed-136(約185km/h)ではなくジェットエンジンを搭載したGeran-3/Shahed-238(約350km/h~500km/h)やGeran-4(約500km/h)クラスへの対処能力を示唆している可能性が高い。

出典:防衛省・自衛隊

小泉進次郎防衛相は3日「防衛装備庁の迎撃用の無人機取得計画に38社から提案があった」「空からの脅威に効率的に対処することが必要だ」「迎撃ドローンは有力な選択肢の一つだ」「北朝鮮がドローン開発を含め通常戦力の増強にも力を入れている」「日本の安全保障にとって従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威だ」と述べ、日本経済新聞は「迎撃ドローンはシャヘドなどを念頭に、長い距離を飛んで攻撃するドローンへの対処を想定している」と報じた。

日本テレビのnews zeroは2日の放送で「各国が戦場で欠かせない兵器としてドローンを取り入れるなか、日本政府は大量のドローン攻撃などへの対応を急いでおり、この対応に名乗りを上げた国内のドローン企業(名古屋のProdrone)を取材した。この企業は自衛隊の南海トラフ想定訓練にレスキュードローンを提供するなどの実績がある。そんな企業が開発しているのが大量のドローン攻撃を想定した迎撃ドローンだ」と報じ、弾頭を搭載しない直撃方式の迎撃ドローン、敵ドローンの真上から手榴弾を投下して破壊する迎撃ドローンを披露している。

大型のクアッドコプターが敵陣地や静止した車両に手榴弾を投下するタイプは頻繁に見かけるものの、飛行している敵ドローンの真上から手榴弾を投下して破壊するというタイプは管理人もこれまで類似の運用例を見たことがなく「何かの間違いではないか」と思ったが、Prodroneの戸谷代表取締役社長が「この手榴弾を上空から投下して無人機を破壊する」と述べているので(実現可能かどうかは謎だが)事実なのだろう。

迎撃用の無人機取得計画に提案した38社がどこなのかは不明なものの、日本の防衛ベンチャーは経験も知見も欠けている可能性が高いため当初は変なものが出てくるかもしれないが、それは一種の通過儀礼のようなものかもしれない。

ちなみにウクライナのミハイロ・フェドロフ国防相は1日「武器輸出に向けた透明性の高い仕組みを初めて承認した」「これによりウクライナ企業は国際的なパートナーと協力するための明確なルールを確保し、生産規模を拡大し、投資を誘致できる。同時にウクライナ軍のニーズに対する優先的な供給が保証される」と発表し、ウクライナは禁止してきた武器輸出を遂に解禁した。

さらにウクライナは迎撃ドローンにとって聖杯=シャヘド迎撃プロセスにおける自律性獲得にも成功し、フェドロフ国防相は先月「ドローンの発射、シャヘドへ誘導、最終的な迎撃プロセスの95%を自動化することに成功した」「すでにハルキウ州での実戦テストに成功した」「オペレーターは目標の動きをリアルタイムで監視し、目標を選択して攻撃の指示を与えればシステムは自動的に迎撃ドローンを目標に導き、シャヘドを自律的に認識してロックオンする」と発表している。

これでウクライナは元Google CEOのエリック・シュミット氏が設立したProject Eagle製のメロプスシステムに追いついた格好で、オペレーター1人で複数のシャヘドと同時に交戦することができ、オペレーター依存だった迎撃密度は飛躍的向上するかもしれない。

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※アイキャッチ画像の出典:Terra Drone

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コメント

  • コメント (18)

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    • kitty
    • 2026年 7月 03日

    ボットン式は田舎の方に行かないと、なかなか残っていないぞw。

    FPSタイプで、巧みにケージ付きのAFVに隙間を狙って着弾させる動画は見たことあるけど、さすがに手榴弾クラスを落とすなんて5年くらい古い感覚としか。

    10
      • nachteule
      • 2026年 7月 04日

       FPSタイプが引っ掛りますが、別にそうは思いませんけどね情報が少ない中では想像でしか語れない。

       良い方に考えるなら対応出来るドローンの条件(速度・高度)は不明だがその範囲内では迎撃に使用できる訳でしょう。速度的に追いかけられないが、未来位置予測と向かってくるドローンに対して安全圏で高い位置で待ちのポジションが作れるなら種類は問わず撃撃は出来るのではないか。
       単独での標的の探知に関してもカメラではサイズによる誤認があるだろうから1~2カメラ+100m位は探知出来るLiDARで正確な補足は出来る仕様だと思う。実用面を考えるなら見越し射撃ならぬ見越し投下で攻撃出来る能力を持っていないと話にはならない、投下タイミングはオペレーターの暗黙知に頼るとか有り得ないでしょう。空中目標に対して高確率で狙った場所に投下出来るなら陸海の標的に対してはより高い効果を見込めるでしょう。

       見た感じ現状投下を想定しているのが攻破片を飛ばすタイプの撃型手榴弾で爆風がメインの防御型を使用する想定では無い。力が要るピンの引き抜き機構があるなら特定の手榴弾では無く汎用性のある物だと思うし、保持部は汎用性有りの物なのか3Dプリントですぐに作れるだろうから殺傷非殺傷あらゆる手榴弾に対応は出来るでしょう。 

       最初に書いた通り想像でしかないけど真っ当な対空能力を持っているなら陸海空問わず効果的な攻撃が出来、投下する手榴弾の種類を選ばない(製造国・煙幕・焼夷・破片・爆風)ならかなりの場面で使用出来るでしょう。このドローンの本質は効果的なドローン対策が出来るなら用途がかなり広く出来る所に有ると思う。
       自衛隊が起こした手榴弾事故や、実戦で投げたら木に跳ね返って戻ってくるとかのリスクがあるからドローンからの投擲は古い感覚とは思いませんね攻撃の幅を広げリスクを下げらるなら新しいも古いも無いでしょう。
       
       

      1
    • 病まんと
    • 2026年 7月 03日

    そう言えばウクライナ商工会議所と日本企業により3月発足されたらしいウクライナ・日本ドローンクラスターが7月6日に記者会見するようですね
    軍事関係で何かニュースないかな……

    8
      • ブルーピーコック
      • 2026年 7月 03日

      新製品にしろシステムにしろ、知見を利用させてもらえれば有難い話ではあるんですけどね。

      他方で日産の追浜工場(横須賀)をアンドゥリルが取得してドローンを生産するかもって情報が出ましたが、他にもドローン工場として転用できる場所があればいいんですが。真っ先に思い出したシャープの堺工場はデータセンターとか亜鉛ハロゲン電池の工場になってましたけど。

      3
        • 奈々氏
        • 2026年 7月 03日

        他だと秋田や宮城、九州あたりなら大規模な生産を一手にやれそうな所はあります。
        ただ、製造手順が定まっているならわざわざ弱点になるような集積はせずにコンポーネント毎に分散して製造するというやり方でも良いようには思います。

        15
      • 奈々氏
      • 2026年 7月 03日

      ウクライナの外相が訪日してたり日本側からも外務副大臣が訪問してたりする状況なのでなにかしら政府側(投資、補助金含め)のアクションもありそうですね。
      ウクライナ以上に人的部分の圧迫を受ける日本側でも更にドローンをシステムの一部分としての活用が広がると良いのですが。

      5
    • ブルーピーコック
    • 2026年 7月 03日

    三式弾か。直下に落とすという斬新な手法だけど。防衛省が研究している火薬式EMPが実現すればあるいは有効なのか?それでも落としに行くのは手間だけど。
    実は人間迎撃用ドローンだったりする可能性ががが

    14
      • NHG
      • 2026年 7月 03日

      自分も対人だけど角が立つから対ドローンを銘打ってるだけな気がする
      地上ドローン対策とするには地上ドローンの話聞かないし

      17
    • Mr.R
    • 2026年 7月 03日

    私もこのニュース見てました。
    「ドローンを手榴弾投下で無力化…??」と宇宙猫になりましたが、とりあえず対ドローン用と言っているだけで対人用なのかなと思うことにしました笑

    11
    • 寒い
    • 2026年 7月 03日

    多分対地攻撃用だと思います。手榴弾投下型を提案したかは分かりませんが、言ってしまうと、抗議電話をかけてくる輩かいるので迎撃用と言っているだけかと。

    27
    • 中村
    • 2026年 7月 03日

     APSの迎撃弾的なモノを真下に落とすって意味かも知れない。日本の民間企業が現物を入手できる訳もないし、テレビのスタッフに言ったって通じる訳も無い。

     流石に手榴弾が時限信管で破片が無指向なのを知らないとは思えない。散弾が下にしか飛ばないと使えない筈だ。

    2
      • 中村
      • 2026年 7月 03日

       よく聞くと「投下物を投下して無人のモノを」と言っている。破片手榴弾だと的は主にナマモノなので、着発信管付きの成形炸薬弾や自己鍛造弾でUGV。指向性散弾でFPVドローン辺りを想定してるのだろう。

       でも、まあ、ナマモノ用に見える。

      2
    • 58式素人
    • 2026年 7月 03日

    38社とは随分と多いような。
    「敵のUAVを探知・識別し、これを迎撃UAVにより対処することで
    レーダーサイト等を防護し得るシステム=迎撃UAVシステム」
    とあるから、システムを構成する各分野(探知・識別)のメーカーも含むのかな?。
    そもそも、探知・識別から始めないといけないのだし。
    レーダーや音響探知機や取得データの転送装置、データの集約/判定/蓄積、
    攻撃側意図の分析ソフトや、ひょっとすると迎撃作戦立案のAIソフト、
    コンピューターのハード、同表示モニター、電源装置などの会社も含むのかしら?。
    迎撃UAVの完成品がそんなにあるとは思えないし。

    • せい
    • 2026年 7月 03日

    これはこれで開発を続けて欲しい
    自縛でなく弾薬補修式なら一機で複数回の成果も狙えるし
    どんどん挑戦して、日本のニーズに合った物を生み出して欲しい

    8
    • G8
    • 2026年 7月 03日

    プロドローンの手榴弾投下型のアレは対地用でしょ
    ウクライナで運用しているような突撃型の迎撃ドローンも同時に紹介してたんだしそっちでしょ

    5
    • ハムスター名無し
    • 2026年 7月 03日

    日本のドローン・スタートアップは
    「日の丸を張り付けただけで中身は中華製」
    みたいな詐欺行為を働く輩も多いので気を付けて進次郎

    15
    • 武蔵野
    • 2026年 7月 03日

    「敵ドローンの真上から手榴弾を投下して破壊する迎撃ドローン」は草

    3
    • ねじ
    • 2026年 7月 04日

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