防衛省は迎撃ドローン早期取得プログラムの実施を発表、小泉防衛相も今月3日「38社から提案があった」と明かしていたが、防衛装備庁は15日「実証試験を受託する企業が決定した」と発表し、実証機種にはBVQ404、QS INTERCEPTOR 、TerraB1、IonStrikeが選定された。
参考:防衛装備庁
参考:迎撃ドローン早期取得プログラムの実証機種の決定について
参考:テラドローン、防衛装備庁の「迎撃ドローン早期取得プログラム」に採択~38社が提案した審査の中から選定
参考:Army Air Defenders assess IonStrike interceptors to support Eastern Flank Deterrence Initiative
相変わらず4つの区分が何なのか説明がないので選定の意図が良くわからない
防衛省は迎撃ドローン早期取得プログラムの実施を6月5日に発表し、この中で「昨今の安全保障における攻撃型の無人航空機及びそれに対する迎撃ドローンの役割の飛躍的な向上を踏まえ、自衛隊ではより迅速に、より実効性のある迎撃ドローンを獲得し、駐屯地、基地、艦艇等の防御能力向上への寄与度等を確認するため、令和8年7月に迎撃ドローンを用いた実証試験を計画している。本事業の実施にあたり装備品等に関連する実績、知見、能力を有する民間企業者のうち、迎撃ドローンに関する提案を行う意思のある企業を広く募集し、7月の実証試験のための迎撃ドローンを調達することを想定している」と言及。

出典:防衛省・自衛隊
防衛省は迎撃ドローンについて「概ね高度18,000ft=5,486m未満、速度250kt=463km/h程度で飛行する無人航空機(重量600kg以下)、特に長射程自爆型UAV(例えばシャヘド型やHARPY型等)に対処する無人航空機=米軍基準のGroup3以下の無人機に相当」「遠隔管制装置及び搭載装置の操作指示により遠隔操縦が可能な飛行体」と定義し、令和8年7月上旬までに実証試験に用いる迎撃ドローンを選定し、令和8年7月下旬~8月上旬までに迎撃ドローンを取得して実証試験を実施、令和8年8月下旬までに量産調達契約を締結して令和8年9月の納入を予定しているが「実証試験の結果によっては量産調達契約を実施しない」とも言及。
迎撃ドローン早期取得プログラムは「諸外国軍隊等で既に運用され、シャヘド136等の長射程自爆型UAVを撃墜している実績を有しているもの」という条件はないものの「速度250kt=463km/h程度で飛行する長射程自爆型UAVに対処する無人航空機」と定義しているため、これはロシア軍が多用しているGeran-2/Shahed-136(約185km/h)ではなくジェットエンジンを搭載したGeran-3/Shahed-238(約350km/h~500km/h)やGeran-4(約500km/h)クラスへの対処能力を示唆している可能性が高い。

出典:防衛省・自衛隊
小泉進次郎防衛相は3日「防衛装備庁の迎撃用の無人機取得計画に38社から提案があった」「空からの脅威に効率的に対処することが必要だ」「迎撃ドローンは有力な選択肢の一つだ」「北朝鮮がドローン開発を含め通常戦力の増強にも力を入れている」「日本の安全保障にとって従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威だ」と述べ、日本経済新聞は「迎撃ドローンはシャヘドなどを念頭に、長い距離を飛んで攻撃するドローンへの対処を想定している」と報じた。
防衛装備庁は15日「迎撃ドローン早期取得プログラムの一環として、本年6月30日~7月6日まで海上自衛隊より実証試験に向けた公募を実施し、本日7月15日、 4つの区分全てについて実証試験を受託する企業が決定した」と発表し、タイプ1にBeyond VisionのBVQ404、タイプ2にQuantum SystemsのQS INTERCEPTOR 、タイプ3にTerra DroneのTerraB1、タイプ4にDZYNE TechnologiesのIonStrikeが選定されたが、相変わらず4つの区分が何なのか説明がないので選定の意図が良くわからない。
ポルトガルのBeyond VisionにBVQ404という製品(というよりも、Beyond Visionの製品ポートフォリオに迎撃ドローン)は存在せず、ドイツのQuantum SystemsにもQS INTERCEPTORという迎撃ドローンは存在せず、まだ公式に発表されていないウクライナ向けのストリラ迎撃ドローン(ロケットブースター付きで迎撃高度まで数秒で到達できる)である可能性が高く、日本のTerra DroneにもTerraB1という製品は存在せず、Terra A1の派生型か全く別の新型かもしれない。
米国のDZYNE TechnologiesにもIonStrikeという製品は正式にラインナップされておらず、これも米陸軍向けに開発中の地上発射型迎撃ミサイルで、まだ米陸軍の第52防空旅団が評価中のシステムに過ぎず、IonStrikeは迎撃ドローンというよりも低コストの対無人機用迎撃ミサイルだ。

出典:U.S. ARMY
乱暴な予想だが、迎撃ドローン早期取得プログラムのタイプ1はクアッドタイプ、タイプ2はロケット型の迎撃ドローン、タイプ3は固定翼タイプの迎撃ドローン、タイプ4は低コスト迎撃ミサイルなのかもしれない。
追記:Terra Droneは15日「防衛装備庁が実施する迎撃ドローン早期取得プログラムにおいて、当社が提案した迎撃ドローンが2026年7月に実施される実証試験の供試器材として38社より採択された」と発表したが、TerraB1が何なのかについては言及していない。

出典:海上自衛隊補給本部
追記:こめさんが教えて下さった海上自衛隊補給本部の「令和8年度「迎撃ドローン早期取得プログラム実証試験業務委託」の契約希望者募集要項」によれば実証試験業務委託の条件は以下の通りだ。
| 共通事項 | ア 終末誘導が自動化されていること。 イ 中間誘導について、GCSを用いた自動化への拡張性について考慮されていること。 ウ 最高速力250km/hであること。 エ バッテリー駆動方式であること。 オ 垂直離着陸方式であること。 カ 長射程自爆型UAVの迎撃に関する試験等の実績を有すること。 キ 輸入品(部品を含む)の場合は、輸出規制に関して考慮されていること。 ク 量産機の納期が概ね3か月以内であること |
| タイプ1 | 機能拡張することなく、単一の管制装置から複数機の同時管理・目標割当が可能であること。 |
| タイプ2 | 最大射程が約40km以上であること |
| タイプ3 | 国産であり、国内生産基盤が整備されていること |
| タイプ4 | 最高速力が400km/hであること |
防衛省が発表した「迎撃ドローン早期取得プログラムの実施」の中では迎撃ドローンについて「概ね高度18,000ft=5,486m未満、速度250kt=463km/h程度で飛行する無人航空機(重量600kg以下)、特に長射程自爆型UAV(例えばシャヘド型やHARPY型等)に対処する無人航空機=米軍基準のGroup3以下の無人機に相当」「遠隔管制装置及び搭載装置の操作指示により遠隔操縦が可能な飛行体」と定義しており、共通事項の速度で対処可能なのか謎が残る。
謎のBVQ404は置いておくとしても、Quantum SystemsのQS INTERCEPTOR(恐らくストリラ迎撃ドローン)は迎撃ドローンの中で最速(ストリラはジェットエンジンを搭載したシャヘド迎撃を念頭に開発されたため最高速度は400km/h以上)に近く、謎のTerraB1は国産枠採用、IonStrike(ロケットブースターで打ち上げ+プッシャープロペラによる電動推進)はタイプ4の条件を満たしているのか全く情報がなく、現時点で実戦経験があるであろうと予想されるのはストリラ迎撃ドローンだ。
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※アイキャッチ画像の出典:Quantum Systems





















複数種の迎撃ドローンを、保有したいのか・見積もりの為に争わせたいのか、意図がよく分からないですね。
実戦配備するのであれば、同じ種類のものを大量配備したいものですが、無人機の速度に対応するために複数種を保有したいんでしょうかね?
タイプ1-4があって、それぞれのタイプの中で争うならともかくカテゴリ違いの物なら相見積もりも糞もないでしょう。タイプ1は恐らく低速なドローンに対するローコストの迎撃ドローンで、コイツがいくら安くしますと言ってもタイプ2と4の性能を満たさないなら選択肢たり得ないでしょう。
この中でタイプ4が1番高性能で万能型だが採用数増やしたいからと言って極端なバーゲンセールなんてしないでしょう。
四つの区分の説明が無く、選んだ機種から区分の予測を立てるしかない
小泉大臣、これは解りにくいよ
管理人氏が解りにくいなら、一般の人にはまず解らないよ
Xとかで防衛装備のウォッチやってる人達が、何か掴むのを待つしかないかな…
とりあえずウクライナで試して導入しよう
防衛省がのんきに実証実験してる間に
戦場ではるかに進化してるだろう
必要なのは性能と生産量だから、意図は後々でもいいかな
取りあえず決まった物は日本国内で生産できるようにして欲しい
てかそうできないなら意味が無いまである
>北朝鮮がドローン開発を含め通常戦力の増強にも力を入れている
まだ中国は名指しできないのかね
主敵を北朝鮮で誤魔化すからいつまでも防衛費伸びなかった
これから採用される迎撃機はコレから採用される爆撃機に対応してなきゃ仕方が無い訳で、既存の機体では何時まで経っても一周遅れです。
ロボットアニメ並というか、第一次大戦の航空機並の新型機登場ペースになるのが当然でしょうし、実際にそうなってませんか?
こればっかりは専門誌の解説が出ない事には詳細わからないですよね。
4つの区分でそれぞれ1機種しか実証試験しないとなると、最初から採用ベースでの実証試験なんですかね?
普通なら1つの区分付き複数の機種を試すべきだと思うんですけど。
海上自衛隊により実証試験に向けた というのが気になります。
どのタイプも揺れる艦上から発進でき、電波で艦の所在位置を明らかにすることがない
ドローン単体のパッシブな手段で目標補足が可能という意味なのでしょうか?
哨戒艦からばらまく迎撃ドローンみたいなものを想像します。
ウィルス並みに機種の型番変わってんじゃね。
それくらいのスピード感がないと実戦では役に立たなそう。
防衛省もミリヲタも誰もわかんない、だれか解説してくれドローン名人さん
タイプは海自の募集要項にありますね
リンク
②タイプ別提案事項
ア タイプ1
機能拡張することなく、単一の管制装置から複数機の同時管理・目標割
当が可能であること。
イ タイプ2
最大射程が25マイル(約40km)以上であること。
ウ タイプ3
国産であり、国内生産基盤が整備されていること。
エ タイプ4
最高速力が400km/h以上であること。
これのタイプ1~4って「令和8年度「迎撃ドローン早期取得プログラム実証試験業務委託」の契約希望者募
集要項」(リンク)に記載されてることですよね
> ②タイプ別提案事項
ア タイプ1
機能拡張することなく、単一の管制装置から複数機の同時管理・目標割
当が可能であること。
イ タイプ2
最大射程が25マイル(約40km)以上であること。
ウ タイプ3
国産であり、国内生産基盤が整備されていること。
エ タイプ4
最高速力が400km/h以上であること。
ご指摘ありがとうございました。
Beyond Vision BVQ404は同社の公式Instagram上のEurosatory 2026に関する投稿(リンク)に登場したものだと思います(当該投稿4枚目右下に機種名の記載あり)。
Quantum Systems QS INTERCEPTORについても、同社の公式インスタグラムの投稿においてイメージ図が明らかにされています(リンク)。
募集要件の中に実績があったと思うのだけど・・・。
案外と、ウクライナで、こっそり(笑)試験しているのかな?。
そうだとしてもおかしくはないでしょうが。
ドローンに限らず、いまだに内緒のものは多いだろうし。