日本はエアバス、ダッソー、レオナルドのコンソーシアムが開発を進める大型無人機=Eurodrone(ユーロドローン)計画にオブザーバー参加しているが、エアバスは26日「川崎重工業と協力してEurodroneの日本向け対潜戦バージョンに関する協業の機会を分析・検討する」と発表した。
参考:Airbus signs Memorandum of Understanding to explore Japanese anti-submarine variant of the Eurodrone
Eurodroneの日本向け対潜戦バージョンにはメリットとデメリットのトレードオフが存在する
中高度を長時間飛行できる武装可能な無人機=MALEタイプのUCAV開発・製造は米国、イスラエル、トルコ、中国の独壇場で、この状況を打破するためフランス、ドイツ、イタリア、スペインは約71億ユーロの資金を投じて独自の無人機=Eurodrone(ユーロドローン)開発計画を2015年に開始したものの、試作機製造に関する契約締結はCOVID-19の影響で2019年から2022年に、初飛行も2024年から2029年に、量産機引き渡しも2027年から2029年以降にずれ込んでしまう。

出典:Airbus
欧州4ヶ国は開発を請け負ったコンソーシアム(エアバス、ダッソー、レオナルド)にEurodroneを60機と地上管制システム20基を発注すると確約しているが、ドイツが「単発機の場合、エンジンが停止すると最悪都市部に墜落する可能性があるので双発機として開発してほしい」と要求したため、EurodroneはMQ-9ではなくMQ-4に近いサイズ感(全長16m、翼幅26m、最大離陸重量11トン)になってしまい、無人機3機と地上管制所1基で構成される1システムあたりの調達コストは約3.55億ユーロ、Eurodrone1機あたりの調達コストは約1.18億ユーロ=約217億円と非常に高価だ。
MALEタイプのUCAVはウクライナとロシアの戦争でも有効性(EO/IRセンサーによる戦場認識力の拡張など)が再確認され、MQ-9やTB2は輸出を大きく伸ばすことになり、コンソーシアムに参加するフランスは国内企業にMALE UCAVの開発を指示し、さらに4月に提出した改正軍事計画法案の中で予定していたEurodrone取得を取り消して共同開発から事実上撤退、イタリアのレオナルドもトルコのバイカルと提携してバイラクタル TB3やバイラクタル アクンジュへの欧州バージョン(レオナルド製センサーなどの統合)を共同開発する予定で、トルコ海軍はレオナルド経由でバイラクタル TB3を取得して空母カヴールに統合する予定だ。

出典:Baykar
このEurodrone開発計画には日本も関与しており、防衛装備協力共同機構=OCCARにオブザーバー参加を2023年9月に要請し、防衛省は2023年12月「Eurodrone計画へのオブザーバー参加が決まった(日経曰くMALE UAV開発・運用に関する知見や技術取得が目的)」と発表していたが、エアバスは26日「当社は川崎重工業と覚書(MOU)を締結した。このMOUに基づきエアバスは川崎重工業と協力して欧州初の大型長時間滞空型無人航空機システムであるEurodroneの日本向け対潜戦バージョンに関する協業の機会を分析・検討する」と発表。
“Eurodroneは広大な海域監視を必要とする日本のような国に最適だ。最も近い競合機と比較してEurodroneは非常に長い滞空性能を誇り、対潜戦用のソノブイや魚雷を含むより多くのミッション・ペイロードを搭載して飛行することが可能だ。Eurodroneの導入により日本は現在の有人対潜哨戒部隊を極めて効率的な無人プラットフォームで補完し、自主的かつ持続可能な形で海上安全保障を強化することができる”

出典:Airbus
“次のステップとしてエアバスは川崎重工業と協議を行い、将来の日本向け海上バージョンのEurodrone設計、開発、商業化に向けた選択肢を検討する。これには想定される機体構成の定義、日本製センサーや兵装などの統合、生産および維持・整備段階における日本産業界の潜在的なワークシェアの検討が含まれている。これらの全てはEurodrone取得を決定した場合、日本が一切の制限を受けることなくユーロドローンを主権的に運用できるようにすることを目的としている”
“日本とのこの分野に絞った協力関係は日欧防衛構想の戦略的枠組みを深化させると同時に、Eurodrone計画をさらに強化するものとなる。さらに日本独自の派生型開発から得られる知見は、将来の欧州向け海軍バージョンのEurodroneに対しても運用面および兵站面で多大な優位性をもたらすことが期待されている”

出典:General Atomics
P-8AはMQ-9Bの対潜戦バージョンと連携予定だが、P-1とMQ-9Bの間でデータを直接共有することは技術的に可能でも「データ主権の問題(F-35が収集したデータを同盟国やパートナー国のC4システムとシームレスなデータ共有が出来ないと同じ)」が絡むため実現性に疑問があり、エアバスは「Eurodroneの日本向け対潜戦バージョンについて川崎重工業と共同開発し、この機体には日本製センサーや兵装などの採用だけでなく生産への日本産業界関与の機会も提供し、本機に対する日本の武器主権も確保する」とアピールしている。
一般論で言えば「武器主権の確保」は非常に魅力的だが、Eurodroneの機体サイズはかなり大きく取得費用も高価で、プラットフォームの将来も安泰だとは言い難く、Eurodroneの日本向け対潜戦バージョンにはメリットとデメリットのトレードオフが存在する。

出典:海上自衛隊
果たして川崎重工業の動きは独自のものなのだろうか?それとも防衛省の意向が絡んでいるものなのだろうか?
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※アイキャッチ画像の出典:Airbus





















確か鳴り物入りで導入したMQ-4って、日本側はほとんど触れないのに、性能も中途半端って話を聞いたことがあるけど
こんな経験をやってしまうと、多少のリスクを踏んでも、自分達で自由に出来る無人機が欲しくなるんだろうか
MQ-4は退役が加速するらしいし
ただ、ユーロドローンか…
フランスの抜けた穴に、ちょうど入れられた感じじゃあるまいな?
>Eurodroneは広大な海域監視を必要とする日本のような国に最適だ。
「日本ぐらいしか、導入できる国がねーよ」って言われてる気がするよ…
まず、MQ-4CはEP-3とOP-3を兼ねた兵器。また飛行高度が15,000m以上で活動する戦術偵察機に分類される。
対潜哨戒機で海面近くを飛ぶP-1とは全く互換性がないから、日本は興味を示さなかったと思われる。
次に、フランスはMQ-9の後継としてユーロドローンに参画したのにそれよりデカイ機体になったんで、AAROKを独自開発するすることにした。
もし、日本がMQ-9で満足しているなら、フランス同様にユーロドローンはいらないでしょう。
せめてグローバルホークに近い性能を出せるなら後継候補にできるんですけどね。発表されてる情報だとグローバルホークより大きいくせに実用上昇高度が5000メートル近く低い。
元々P-8がMADブームを廃止したのは無人機との連携が前提の為で、塩害に問題抱えるP-1が無人機連携でMADブームを止めれば問題の一つは解決するのではと思います。まぁそれ以前に無人機との連携はこの先の状況を考えれば必須ですが。
※P-1の塩害問題による稼働率低下は予算増による交換部品の大量購入、整備の効率化により改善中
今まで防衛省はアメリカとオーストラリアとは無人機で協力するとは言ってましたが、GCAP以外で欧州(ウクライナを除く)とは無人機で協力する話はなかったので、あわよくば欧州にP-1を売り込みたい川崎重工が先行してるのかもしれないですね。
次期有人哨戒機があるならエンジンの焼き付きが起きない温度まで意図的にTTIさげるんじゃあないですかねー
P-1でMADしないなら4発の専用機であるP-1の必要があるのかって感じですけどね。低空飛行が必要だと言って構成した物なのに問題を解決する為に辞めますとか本末転倒としか。
辞めるにしても着いているけど絶対に使用しないなのか。いざと言う時に使用はしますかで対応は変ります。使用する可能性がありますなら整備も必要だし訓練も必要。機体バランスは分からないけど撤去する位はすべきでしょうね。
エアバスはA320をベースとしてP-8みたいな軍用型を開発したいが
失敗したときに備えて日本とも手を繋いでおきたい
日本は環境変化時に速やかに無人機で哨戒体制強化・強靭化をするために
縛りの少ない国と協力体制を構築しておきたい
という、どちらもリスク回避のためのバックアップが欲しいということで
哨戒分野に関しては日欧で仲良くできそうな気がします。
引き続きシーガーディアンでいいんじゃないかな
まあ付き合い長いからなエアバスとカワサキ。この流れでU145(輸送用で無人のH145)も提案してくるんだろうか。
今時はソノブイやMADの生データをすたーりんく
誤送信失礼。
ソノブイやMADの生データをスターリンクで地上側に送って処理すれば、端末側は対潜ヘリに固定翼が付いた程度の機体で良いと思います。
総重量11tで滞空時間が14時間。MQ-9でハンターキラーチーム2機が1機分で済むならそんなモンじゃ無いでしょうか。
前世紀だとソレが出来なかったからP-1やP-8が必要だった訳で。
日本の海洋上で使う長距離無人機が二つに分化するのかな。
高空での哨戒用のMQ-9と、低空でP-1と組んで潜水艦狩りをする機体と。
潜水艦狩りのためには、低空に降りる機体は必要だろうし。
ただ、作戦地域への長距離移動に時間が掛かるのはよろしくないのでは?。
P-3のターボプロップからP-1のターボファンへの変更はそれもあったはず。
運用でカバーするのか、それともジェット化かな?。
それと、P-1の欠点とされているらしい塩害対策をきちんとしないと、では?。
ジェットの方が塩害を受けやすいなら低空担当はターボプロップの方がいい気もします
そうですね。塩害対策ではそうかもです。
ただ、移動速度も考慮すると、ターボファンでは?。
ホンダジェットやHe-162のように機体の上部に
エンジンを外装式に置く形では?、などと妄想します。
ホンダジェットなどは遅い機体ではないと思います。
あるいはA-10みたいに。
お題のユーロドローンは機体後部の両側にターボプロップ
エンジンを外装していますから、これの取り付け位置を
機体の上部側に移動し、ターボファン化したら?、とも妄想します。
ユーロドローンは大きいのですから、MADとか大量のソノブイとか
積みがい(笑)はありそうですね。
機体に収まりきらなければ、翼下のパイロンにコンテナを
付けたりしても良いのかな?などとも妄想します。