国内の報道でも、日本の次期戦闘機「F-3」開発に、米国はF-35のソースコードを開示・提供はしないというニュースが報じられた。
米国側、日本側に「コンピューターシステムの中枢技術は開示しない」と伝える
今年の4月、日本が開発を検討している次期戦闘機「F-3」開発に、米国がF-35戦闘機のソフトウェア関する機密部分を日本に開示し、共同開発を行うことを提案したという情報を読売新聞が流した。
読売新聞の記事によれば、F-35に搭載されているエンジンなどの部品とミサイルを制御するために機体に組み込まれたソフトウェアについて機密を解除し、日本側に提供すると言うもので、戦闘機開発で多くの検証が必要になる、エンジンの制御と、戦闘機と搭載兵器との統合部分で開発期間が省略(時間とコスト)出来ることが期待出来る。
特に、日本製のエンジン(開発中のXF9等)や、搭載兵器(AAM-4、AAM-5、日英共同開発中のJNAAM等)を自由に機体へ統合出来る点で、報道当時は、大きな関心を集めた。
しかし、1ヶ月後の5月、英国のジェーンズが、米国側は日本の次世代戦闘機「F-3」開発のために、F-35のソースコードを開示・提供するという提案をしていないと報道した。
米国の国防総省は、日本との二ヶ国協議の内容に関する内容については明らかにしなかったが、日本の読売新聞が報じた、日本と共同で次世代戦闘機開発を行うパートナーの地位獲得のために、機密情報であるF-35のソースコードを開示・提供するという提案をしていないと強調したという。
この時点で、読売報道が報じた「F-35戦闘機の機密部分であるソフトウェア提供」が、誤報であることが、ほぼ確定していたが、何故か国内では、あまり報道されていなかった。
そして、今回の報道だ。
ANN NEWSによれば、日本の次期戦闘機「F-3」開発に関して、共同開発のパートナー最有力候補であるロッキード・マーティンは、日本側に「コンピューターシステムの中枢技術は開示しない」と伝えていたことが分かった。
何のためのに日米共同開発なのか不明な点が多い
今回の報道を受けて、いくつか管理人が指摘したい部分がある。
1つ目は、ANN NEWSが報じた「コンピューターシステムの中枢技術」が、一体何を指しているのか不明瞭な点だ。当然、以前の報道の記憶が残っているため、中枢技術=F-35に搭載されているエンジン制御とミサイル制御に関するソフトウェアだと思うが、報道では全く触れられていない。
2つ目は、米国がF-22とF-35をベースとする戦闘機の共同開発案を、日本側に提案していると言われているが、日本側は金を出すが「米国側は一体何を差し出すのか?」不確かで、何のためにF-22とF-35をベースに開発するのか説得力のある説明がなされていない。
3つ目は、仮に技術的なメリットがなくても、日米が共同開発した戦闘機を、日本だけでなく、米国も採用するのであれば量産数が増えコストダウンに繋がるという利点もある。しかし、米空軍はF-22を更新するための第6世代戦闘機「F-X」を、米海軍はF-18E/Fを更新するための「F/A-XX」を、それぞれ開発中で、F-3が完成しても採用するのは日本だけだ。
日本が支出する開発費で、機体も技術も全て1から開発し、日本しか採用しないのであれば、米国と共同開発を行う意味がなく、日本単独開発か、英国が共同開発を提案している「テンペストプロジェクト」へ参加した方が、よっぽどマシという話だ。
もし、このまま日米共同開発という形をとるのなら、「国際協力を視野に日本が主導する開発」という理想からは、随分、かけ離れたものになるのは間違いない。
※アイキャッチ画像の出典:Attribution: 防衛装備庁 / CC BY 4.0 X-2初飛行
わかりきっていたこと
そもそも日本側がどうしたいのかすらまともに明らかになってないんで
何がどうなってるやら外から見ててもさっぱり分からんね
日本に首輪つけときたいアメリカが首突っ込んできてさてどうしましょ?って今から考え始めるレベルでしかないような…
システム周りについてはBAeと協力できるから
米製誘導弾が使えなくなっても国産と欧州製でなんとかなるだろ
最初から想定済み
勝手な事は許さんって事でしょ?
YF-23ブラックウィドウが良い
よってロッキードマーティン社との共同は無しでお願い申し上げたい。
管理人さん、興味深い記事をありがとうございます。
F-35の機体を制御する組み込みソフトウェアは、C++言語で記述されているそうです。因みにF-22はAda言語で記述されており、その規模は220万行、F-35では諸情報ありますが1900万行と桁違いの規模になっており、飛行環境でのテストが膨大となりその結果、機体の完成までの期間が年退位で遅れたとの記事があります。
ソースコード提供となると、今まで蓄積された機体制御のノウハウが全て日本に渡ってしまうため、アメリカとしては非常に神経をとがらせていると思います。
日本がという次元ではなく、アメリカ国外に渡ることが問題視されているようです。
身近な例では、パソコンがあってもハードウェアを効率的に制御できるOSが無いと使いものにならないといったところです。
パソコン用の身近なOSのソースコードはメーカーの社外非公開といった関係に非常によく似ていると思います。
将来戦闘機の方針と米・英との協力については、岩屋防衛大臣の発言が一番信頼できるのでは?
↓参議院 外交防衛委員会 2019年3月19日、31:46~将来戦闘機について
リンク
将来戦闘機に求められる5つの要素の説明と、海外企業との協力がP-1・C-2と同様のモノであると回答しています
技術の吸出しと、足枷をつけてアメリカのおかげという功績を作り日本のブランドが築かれることを阻止してアメリカからは何も渡さない。
よっぽど日本が兵器を輸出することが嫌なんでしょうね。
まぁ、今ならヨーロッパ(イギリス)と交渉する道があるんじゃないですかね。
流石に直接的なメリットが全く無いのに共同開発はクソすぎる。
世界に輸出することも念頭に置くのならヨーロッパと手を握るべきでしょうね。
これ去年夏の情報要求の際の話じゃないの
F-3は昨年12月に国産ということで決まったはずだけど…
「米国側」というのが国防省なのかロッキマなのかはっきりしない読売の記事といい
いつの話なのか全く分からないこれといい記事内の情報が不足しすぎてるんだよなぁ
米国メーカー側から見るとF-3開発に技術まで出して参加するメリットがあまりないように思う
F-3はXF9-1ベースのジェットエンジンで2基だから、F-35のエンジンコントロールソフトは役に立たないのでは
F-2の開発でも機体制御ソフトは日本で開発しているので、米国からの技術移転が必要なのは米国製兵器の部分だけだろう
ただ、米国としては日本単独で開発されるのは阻止したいでしょうね
ところでF-3は何機ぐらい生産する見通しなんでしょうね
2030年代のF-2の90機分の置き換えは当然として、40年~50年代?のF-15改の更新も
F-3改とかで行うのでしょうかね。まあ先の話過ぎて中の人もそこまでの計画は構想ぐらいの段階でしょうかね
何にしろF-2の様に90機とかで終わって欲しくない。予算効率が悪すぎるし