防衛装備庁は3月末「小型の機雷捜索用水中無人機=OZZ-7の14基調達について日立製作所と契約を締結した」と、HIIも1日「日立から12基以上のREMUS300を受注した」と発表、OZZ-7の用途、発注数、REMUSシリーズの導入実績を加味するとOZZ-7の正体はREMUS300である可能性が高い。
参考:HII and Hitachi Lock In Multi-Year REMUS 300 UUV Production Agreement
OZZ-7の正体がREMUS300なら海上自衛隊の機雷捜索用水中無人機戦力はREMUS100、300、600、国産のOZZ-5で構成され
防衛装備庁は3月末「小型の機雷捜索用水中無人機=OZZ-7の調達について日立製作所と契約(14基で約86億円)を締結した」と、Huntington Ingalls Industriesも1日「日立から12基以上のREMUS300を受注した」「今回の調達は太平洋地域における米国の重要な同盟国である日本との関係性に基づいたものだ」「REMUS 300は世界中の複数の国で運用され重要な相互運用性を提供している」と発表し、OZZ-7の用途、日立製作所に発注したOZZ-7数、防衛装備庁とHIIの発表時期、REMUS100とREMUS600を導入済みであることを加味すると、OZZ-7の正体はREMUS300である可能性が高い。
日本も機雷捜索用水中無人機=OZZ-5を独自開発したが、この分野で最も成功を収めているのはKongsbergの子会社=Hydroidが実用化したREMUSシリーズで、同子会社は2020年にHIIが買収したためREMUSシリーズはHIIブランドに変更され、これまでにNATO加盟国14ヶ国を含む30ヶ国(米海軍、英海軍、海上自衛隊、アイルランド海軍、アルジェリア海軍、フィンランド海軍、オランダ海軍、カナダ海軍、クロアチア海軍、ルーマニア海軍、ニュージーランド海軍、ウクライナ海軍)が700基以上のREMUSシリーズを導入。
REMUSシリーズは基本型のREMUS100、作動深度とペイロードが拡張されたREMUS300、大幅に連続運用時間と作動深度を拡張したREMUS600、6,000mの深さまで潜れる大型UUV化したREMUS6000で構成され、米海軍はREMUS600に独自の要求要件を追加したMk.18 Mod2を沿海域戦闘艦や機雷掃海飛行隊に、Razorback UUVを潜水艦部隊に配備しており、海上自衛隊もREMUS100をOZZ-1、REMUS100の改良型をOZZ-3、REMUS600をOZZ-2、REMUS600の改良型をOZZ-4として採用している。

出典:U.S. Navy photo by Lt. Tyler Baldino/Released
HIIはREMUSシリーズの優位性について「過去23年間に納入されたREMUSの90%以上が現在も運用中で、これはREMUSのの耐久性とライフサイクルの価値を証明している。この2点は装備品調達の決定における重要な要素だ」と説明し、2022年11月に登場したREMUS620は「REMUS600のサイズで作られたREMUS300の能力強化バージョン(HII的にはREMUS600の後継機扱い)」と呼ばれ、連続運用時間は70時間から110時間、水中速度も5ノットから8ノットに向上し、REMUS620は小型のUUVやUAVを発射することも、REMUS620自体も水上艦、潜水艦、ヘリコプターから発射することもでき、潜水艦による水中回収にも対応。
米海軍のモートン少将はREMUS600ベースで開発したRazorback UUVについて「ダイバーによる水中回収が面倒」「任務を終えたUUVは移動している潜水艦の魚雷発射管に自力で帰還する能力が必要」「この機能が実装されれば全てのSSNはUUVの母艦になる」と述べ、自律的な回収に対応したRazorback UUVの後継機=Medium UUVを開発中で、このプログラムを主導しているスミス少佐は「新型MUUVは数年以内に実戦投入される」と、潜水艦司令官のゴーチャー少将も「太平洋の潜水艦部隊がL3Harris製のUUVを魚雷発射管から発射・回収に成功した」と明かしている。
HIIも「米海軍が取り組んでいるUUVを魚雷発射管から発射・回収するソリューションはREMUS620と互換性がある」「米海軍とREMUS620導入について協議している」と述べており、UUVもUAVに負けないレベルで進化が進んでいるようだ。
主題から大きく脱線してしまったが、防衛装備庁が発注したOZZ-7は国内開発ではなくREMUS 300導入の可能性が高く、これが事実なら海上自衛隊の機雷捜索用水中無人機戦力はREMUS100、300、600、国産のOZZ-5で構成され、何れはOZZ-2/4の後継機にREMUS620を導入するかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Huntington Ingalls Industries
アイキャッチ画像、上部に吊り下げ用だと思うのですが取手が付いているからか、フラッグマンが掴まって水中工作するようにも見える(CoD脳)
問題はいつ使うのかってことだと思うんだよね。
一応もがみ型は島嶼奪還時に敵が防御を整えた島嶼の機雷掃討を行って
上陸部隊の経路を啓開し、自己の武装で生き残って5インチ砲で対地支援もする
というつもりなんだろうけど…
PLA相手に制空権取れる気せーへんしもがみ型が島嶼に近づく前提作れるんすかね。
那覇とか使える滑走路の数5本くらいしかないし全部潰されて新田原かグアムから
飛ぶハメになるだろう、これじゃ制空権は絶望的だとしか言いようがないが…
陸自は地対艦ミサイルを南西島嶼に配置しているようだが陸自のやってることの方が
ずっと現実的だと思う(水機はともかく)。
取り返すのは普通に無理だから最初に接近拒否をするしかないだろう。
先月末にもがみが自衛隊で初の無人機による機雷処理をした。OZZ-5で機雷を探知後、無人水上艇で自走式機雷処分用弾薬(EMD)を投下。
ぶっちゃけ日本なら敵の戦力を削ってからの上陸だと思うし、島嶼奪還時と言っても掃討のタイミングで余裕ある環境下でないと機雷処理なんてする物なのかはある。機雷を敷設すると言う事は自分達の首を絞める事態になりかねないし、それがある前提なら空からのアプローチが中心か長距離兵器で敵を叩くのが中心になると思う。
戦闘力がある艦ではあるが従来の掃海部隊の仕事から逸脱するのは余程の事が無い限り有り得ないと思うし、日本周辺ならたまに見つかる二次大戦時の機雷処理とか、周辺国有事にばら撒かれる機雷の処理とか、実施される可能性が高まっているホルムズ海峡封鎖みたいな遠方でのミッションに従事する方が普通じゃなかろうか?
下手すればアヴェンジャー級掃海艦が全艦退役したタイミングで米国が関わる日本に直接関係無い戦争での露払いの可能性の方が高いんじゃないの?
海外の有望な防衛企業を買収なんてするもんなんだ。意外。
誤解を招きそうですがHydroidを買収したHIIはアメリカのHuntington Ingalls Industriesの略称なので日立とは無関係ですね
ウクライナの防衛技術プラットフォームブレイブ1が楽天と提携して日本に進出するらしいわ、つまり楽天が軍需産業に参入!?
「ダイバーによる水中回収が面倒」
「任務を終えたUUVは移動している潜水艦の魚雷発射管に自力で帰還する能力が必要」
「この機能が実装されれば全てのSSNはUUVの母艦になる」
悪いとは言いませんが、SSやSSNの使い方としてどうなのでしょう?。
WW2で日本海軍が行った海峡の機雷封鎖が今でもこたえているのか?。
当時の潜水艦損失の少なからざる部分が機雷によるとされていたようだし。
意味不明
妄想日記はチラシの裏にどうぞ
> WW2で日本海軍が行った海峡の機雷封鎖が今でもこたえているのか?
どうでしょうか?
UUVを使う以上は掃海ではなく掃討を意識しているのでしょうが、機雷に対する掃討は欧州由来の概念ですから。
米潜水艦 対 日本海軍の機雷 との戦いは、日本側がここを突破されることはないと踏んでいた対馬海峡の機雷堰を新型ソナー装備の米潜水艦8隻が1945年6月に正面突破して決着が付いています。
自演で擁護書き込みみっともないです
HIIてなに?
ハンティントン・インガルス・インダストリーズ(英語:Huntington Ingalls Industries、HII)
アメリカの造船会社ですよ、原子力空母を建造出来る唯一の会社で、原子力潜水艦を建造出来る2社の内の1つ。
ジェラルド・R・フォード級航空母艦、アメリカ級強襲揚陸艦、サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦、バージニア級原子力潜水艦、等を手掛けているそうです。
我が国の水中無人機独自開発は敗北・終了のお知らせですか?
これでちうごく沿岸部を封鎖したらそれなりに影響力ありそうですね。
世界の工場たる中国からの輸出入が止まるので、世界経済の大混乱待ったなしですね!