防衛省は日豪防衛相会談の結果の中で「両国は有人戦闘機に随伴する無人戦闘機=CCAに関する進展を認識し、MQ-28Aに関する日豪協力の協力拡大を歓迎し、2026年度に実施される飛行試験に研修として航空自衛隊が参加する意図を確認した」と明かした。
参考:Collaborative Combat Aircraft, YFQ-42A takes to the air for flight testing
参考:日豪防衛相会談等の概要
参考:Boeing, RAAF Prove MQ-28 Operational Effectiveness
日本とオーストラリアの関係強化は「異なる強みを共有しあう補完関係」と呼ぶのが妥当なのだろう
米空軍は有人戦闘機に随伴可能な協調戦闘機=Collaborative Combat Aircraftの第1弾調達にYFQ-42AとYFQ-44Aを選択、5月に実機による地上テストを開始し、General Atomicは8月27日「YFQ-42Aが初飛行に成功した」「我々と空軍は僅か1年でYFQ-42Aを製造して飛行させることが出来た」「本当に素晴らしい瞬間だ」と述べ、飛行テストのスケジュール消化が順調なら2026年に生産決定が決まり、早ければ2027年にもCCAの量産機が出てくるかもしれない。
YFQ-42Aよりも先に登場したオーストラリア空軍とボーイングのMQ-28A(初飛行は2021年2月)も開発が続いており、英海軍にアレスティング・フックを装備したMQ-28を提案し、Rheinmetallともドイツ空軍向けにMQ-28ベースの無人戦闘機について協議中で、ボーイングも5日「オーストラリア空軍が設定した課題を予定より4ヶ月早く達成した」と発表した。
“MQ-28Aは2万時間以上のシミュレーターテストと150時間の飛行テストを完了し、Capability Demonstration 2025も予定よりも4ヶ月早い6月上旬までに終了して自律的行動と任務遂行能力、複数機による同時運用能力、ティンダル基地へ展開能力、E-7Aとの連携能力、MQ-28A間でのデータ統合・共有及び有人プラットフォームへのデータ転送能力が検証された。一連の検証が完了したことで次のステップ(交戦と評価)を加速させることができ、今年後半から2026年初頭に予定されている空対空兵器の発射が可能になる”

出典:Boeing MQ-28
さらに防衛省は日豪防衛相会談の結果として「両大臣は日豪防衛産業基盤間の防衛装備・技術協力を更に進展させる機会を追求するとともに、5月に署名された『防衛物品及び防衛役務提供に関する覚書』により、防衛能力イニシアティブに関する二国間協力が拡大することを歓迎した。またCCAに関する進展を認識し、MQ-28Aに関する日豪協力の協力拡大を歓迎し、2026年度に豪州で実施される飛行試験に研修として航空自衛隊が参加する意図を確認した」と発表。
日本は欧米諸国と異なり既存機=第4世代機、第5世代機、他の有人プラットフォームに随伴して協調可能な無人戦闘機の開発や調達に言及しておらず、令和8年度概算要求によれば次期戦闘機(F-3=第6世代機)と連携する無人機の構想設計が2026年から開始され、概算要求に掲載された小さなスケジュール表のみで判断すると「無人機の開発終了は次期戦闘機の開発終了=2035年と同じ」となる。

出典:防衛省
空自が研修目的で参加するMQ-28AのテストとはCCAの交戦と評価段階、つまり「基本的な機能や自律性が確認されたCCAによる攻撃能力の実証」である可能性が高く、CCAに必要とされる構成要素(AI制御による自律性、センサーが収集したデータの統合と評価、有人プラットフォームとのデータ共有、戦場空域で無人を制御するためローカルネットワーク構築など)の研究開発で出遅れている日本にとっては貴重な経験になるだろうし、MQ-28Aに関する協力拡大は独自開発や調達を予定していないF-15、F-2、F-35のウイングマン調達に関連した動きかもしれない。
オーストラリアは無人化技術(空中、地上、海上、海中の全て)に100億豪ドル=約9,660億円以上、その内43億豪ドル=4,100億円以上を無人航空機分野に、その内19億豪ドル=1,800億円をMQ-28Aに投資済みで、これまでにMQ-28A開発を通じてオーストラリアが獲得した技術や経験はCCA開発競争において限りなくトップティアに近く、日本とオーストラリアの関係は「日本が艦艇をまともに建造できないオーストラリアを手助けしている」という傲慢なものではなく「異なる強みを共有しあう補完関係」と呼ぶのが妥当なのだろう。
It’s called “Unmanned Air Superiority Fighter” “无人制空作战飞机”
So will use UASF onwards for this large tailless CCA with EOTS/DSI until we get an official designation https://t.co/oBb8zUIaz1 pic.twitter.com/yPbcoB0CrX
— Húrin (@Hurin92) September 3, 2025
Only one has dsi in the group (top left)
Top right has carret pic.twitter.com/xTtffu9kub
— Húrin (@Hurin92) September 3, 2025
🇨🇳 BREAKING: China showcases a massive fleet of advanced drones during WWII Victory Day parade. pic.twitter.com/hyR7Lq5BK2
— Defence Index (@Defence_Index) September 3, 2025
因みに中国は「新しい戦闘能力を披露する」と予告していた9月3日の抗日戦争勝利記念日の軍事パレードで「有人戦闘機に随伴するCCA相当」を最低でも4種類披露し、他にも核兵器を搭載可能な空中発射式の弾道ミサイル=JL-1(DF-21Dの空中発射バージョンの可能性)、ラムジェットエンジンを搭載するYJ-15、ウェーブライダー形状の極超音速滑空体を搭載すると思われるYJ-17、スクラムジェットエンジンを搭載する可能性が高いYJ-19、弾頭を複数搭載している可能性が高いYJ-20が初確認された。
地上車輌や防空システムでも未確認のシステムが多数披露され、中国の軍用機開発に精通したリック・ジョー氏は「公式発表や過去のパターンに基づけば『国家レベルのパレードに展示されるシステム』は運用中か運用開始が間近のものだ」と指摘しており、こんな沢山の新兵器を同時に開発したり実用化できるわけがないと侮るのは止めておいた方がいい。
もう9月3日に登場した新しいシステムの数が多すぎてお腹いっぱいかもしれないが、中国人民解放軍が公開したJ-35Aの鮮明な映像も登場し、中国海軍は既にJ-35Aを量産機を3機取得している確認でき、中国国営放送の番組でJ-15Tの最終組立ラインが公開された際「塗装前のJ-35」が複数映り込んでいたことまで加味すると、中国の第5世代機調達はJ-20とJ-35の2本立てに移行した可能性が高い。
さらに中国空軍は第4.5世代機=J-10CやJ-16の調達も同時並行で進めているため、米空軍が直面している戦闘機戦力(F-16C/D、F-15C/D,F-15E)の老朽化問題とは無縁なように見えてしまう。
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※アイキャッチ画像の出典:Boeing





















具体的な無人随伴機の性能や運用を探れるのは最高
日本は軍事に対して後ろ向きすぎるというデバフがあるが、友好国との交流でどんどん遅れを取り戻さないと
研究が進んでる国と開発内容を共有して貰えるのはありがたい限り。
しかし大型無人機だけで、米(海保海自)、土(陸自)、豪(空自?)と色々入り混じることになるな…
まぁ機能が違うし要求も違うからそれ自体は仕方ないが、部品単位で共通化できたりしないものか?
仰ってる通りで、機能、要求が異なるものを共通化すればいいとこどり≒高いとこどり≒重いとこどりになります。
数を揃えて損耗を許容したい無人機ではデメリットの方が大きいでしょう。
部品も無理に共通化するよりCOTSや規格品活用、AM多用によるコストダウンの方が現実的かと。
あるいはGambitみたいな同一プラットフォームからの派生型なら技術的には可能かもしれませんが。
そもそも経済・貿易面は、『産業が全く競合していない』ため国民感情も良好です。
遠交近攻の観点だけでなく、『適度な遠さ』『対中国の問題意識』もあるため、日本=オーストラリアは相性がいいんですよね。
日=EUほど遠くなりすぎれば、国民同士の交流が薄くなるだけでなく、有事の時は遠すぎて大して役に立たないわけで。
EU=中国が、2000年代に密接な関係を続けてきたことを考慮すれば、日本はオーストラリアと結びつきを強めた方が現実的なんですよね。
F-35やF-15JSIに統合できると、戦闘機戦力の増強になりそうですね。
これは物凄く助かる。
オーストラリアとは無人機開発で積極的に協力を仰ぎ日本はオーストラリアの苦手な艦艇建造分野で積極的に協力して行こう。
更に言えばMQ28が実戦運用可能になれば日本も積極的に購入するのも良し。
アメリカ政府が計画に介入しないのであれば、日本政府が投資ナリして計画にコミットするのも有りですよね
開発がボーイング・オーストラリアですか
F-2も怪しいからね>機能追加
率直に言って国産の随伴無人機が2035年はびっくりするほどノロマなスケジュールだわ
バージョン0.9のドラフト版が数年以内に出て、GCAPの前にメジャーアップデートが数回あるくらいのスピード感じゃないと周回遅れってレベルでも済まなくなるだろ
先ず外国産(完成品輸入?ライセンス国産?)導入→国産化の流れじゃないかな。