産経新聞は28日「日本政府は防衛装備移転三原則の運用指針を4月下旬にも改定して5類型を撤廃する」「小泉防衛相は4月下旬から始まる大型連休にフィリピンとインドネシアを訪問する予定で、5類型の撤廃後早々にトップセールスを本格化させたい考えだ」と報じた。
参考:<独自>装備移転指針、4月下旬改定へ 小泉防衛相が大型連休にトップセールス
中古護衛艦や中古潜水艦を気前よく無償譲渡するのではなく、しっかりと日本の防衛産業に利益を確保した上で話を進めるべき
産経新聞は28日「日本政府は防衛装備品の輸出ルールを定めた防衛装備移転三原則の運用指針を4月下旬にも改定する方向で調整に入った」「国家安全保障会議を開き装備品輸出を非戦闘目的に限定している5類型を撤廃する」「小泉進次郎防衛相は4月下旬から始まる大型連休にフィリピンとインドネシアを訪問する予定で、5類型の撤廃後早々に装備品のトップセールスを本格化させたい考えだ」「フィリピンとの間では中古護衛艦の輸出に向けて水面下で調整している」「インドネシアは海自の中古潜水艦取得に関心を示している」「5類型が撤廃されれば海外販路を開拓する上で障壁となっていた輸出ハードルが大きく下がる」と報じている。

出典:Philippine Navy
フィリピンのアキノ政権は軍の役割を「国内治安の維持」から「領土・領海の保護」にシフトさせるため軍近代化計画(Horizon)を開始し、Horizon1(2013年~2017年)ではFA-50×12機、ホセ・リサール級フリゲート(現代重工業のHDF-2600)×2隻を取得、Horizon2(2018年~2022年)でもラジャ・ソレイマン級哨戒艦(現代重工業のHDP-2200)×6隻、ミゲル・マルバル級フリゲート(現代重工業のHDF-3200)×2隻を取得、特にミゲル・マルバル級はホセ・リサール級導入で得られたフィリピン海軍の教訓や要望が反映されて非常に高度なカスタマイズが実施されているらしい。
Horizon3(2023年~2028年)は南シナ海での領土防衛を含む外部脅威に対応した近代化計画で、フェルディナンド・マルコス大統領は2024年1月にHorizon3の期間と規模を拡張した「Re-Horizon3(2023年~2033年)」を承認したため、3段階に分かれていた最後の近代化計画はフィリピン史上最大規模の国防投資(約2兆ペソ=約5.5兆円)になり、既にFA-50 Block20×12機、ミゲル・マルバル級フリゲート×2隻が発注済みだ。

出典:Philippine Navy
読売新聞は2025年7月「日本とフィリピンがあぶくま型護衛艦の輸出について協議している」と報じたが、Horizon1~Re-Horizon3で取得する水上艦艇ニーズはほぼ韓国が独占供給しており、Re-Horizon3の中でもあぶくま型に相当する水上艦艇取得は予定されておらず、残っている枠は高速攻撃艇、揚陸艇、港湾タグボートぐらいで、あぶくま型のニーズはRe-Horizon3ではなく対潜戦向けに取得したコンラド・ヤップ級コルベット(浦項級コルベット6番艦)の戦力拡充にあるのかもしれない。
浦項級コルベット×24隻は建造当時(1982年~1993年)の韓国でもメンテナンスが可能なように設計されており、艦艇保守のため確保しているスペアパーツも豊富で、仁川級フリゲートへの更新が始まると高度な水上艦艇を保有しない国々(朝鮮戦争参戦国もしくは韓国製兵器購入国)への無償譲渡が開始され、コロンビア海軍、エジプト海軍、ペルー海軍、フィリピン海軍、ベトナム人民海軍に計8隻譲渡され、フィリピン海軍も対潜戦の訓練向けに1隻取得した。

出典:Philippine Navy
フィリピン海軍は浦項級コルベットをもう1隻取得することを検討したが、韓国側が提案したBatch IVの13番艦譲渡を辞退し「より能力が高い19番艦~24番艦(Batch V~Batch VI相当艦)の譲渡を希望しているという噂」があるものの、対潜戦の訓練を兼ねた中古艦艇取得に対する関心は続いており、この部分にあぶくま型護衛艦の(無償譲渡による)取得を検討していても不思議ではない。
インドネシアに関しても昨年12月の外務・防衛閣僚会合で「海自の中古潜水艦など日本の艦艇取得に関心を示している」と報じられ、産経新聞は「フィリピンとインドネシアにあぶくま型護衛艦とおやしお型潜水艦の中古艦輸出が浮上している」と報じているものの、フィリピンはHorizon1~3を通じて新造の韓国製艦艇を12隻も調達中、インドネシアでも2025年7月に仏製スコルペヌ型潜水艦(リチウムイオン蓄電池タイプ)の現地建造が始まっており、あぶくま型護衛艦とおやしお型潜水艦を売却するのは困難なので無償譲渡が関の山だろう。

出典:PT PAL Indonesia
この種の中古艦艇を無償譲渡する場合「善意による譲渡」ではなく「武器取引に関連した譲渡」が一般的で、南シナ海で軍事的圧力を強める中国への牽制に役立つというような建前だけで中古護衛艦や中古潜水艦を気前よく無償譲渡するのではなく、しっかりと日本の防衛産業に利益を確保した上で話を進めるべきだ。
昨年11月「日本政府がフィリピン側と03式中距離地対空誘導弾輸出に関して非公式協議を行っている」と報じられが、これはRe-Horizon3で取得が計画されている地上配備型防空システムの取得に関連している可能性が高く、ラファエル製のSPYDER-MR、ディール・ディフェンス製のIRIS-T SLM、コングスベルグ/レイセオンのNASAMSが有力候補らしい。

出典:rafael
もしかすると03式中距離地対空誘導弾輸出とあぶくま型護衛艦の輸出(譲渡)はリンクしているのかもしれないが、5類型を撤廃することで海外販路を開拓する上で障壁となっていた輸出ハードルを下げることが出来ても「輸出を前提としたパッケージ化」を行わないと輸出市場での競争力が伴わず、防衛装備品の移転(輸出)をビジネスとしてやる気がなければ5類型を撤廃しても状況は変わらないだろう。
ちなみに、Re-Horizon3の戦闘機調達はグリペンで決まりそうな雰囲気だが、潜水艦調達にはスコルペヌ型、S-80Plus、KSS-IIIPN、U212NFSが提案されており、各国とも調達資金の金融支援、技術移転、保守関連作業での雇用創出を積極的に売り込んでいるため誰が契約を受注するのか全く読めない。
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※アイキャッチ画像の出典:護衛艦隊司令部





















カナダにも改もがみを輸出して欲しいです
そして欧州諸国にも…(なんやかんやで欧州製フリゲートも輸出価格になるとお高いので付け入る隙はあると予想!)
そのためにも別枠で毎年1隻を建造できる造船所が追加で欲しい
ついに、ここまで来たのかと感じます。
失敗を恐れず、チャレンジを積み重ねながらノウハウを獲得していって欲しいですね。
メンテナンスにより利益を得るというビジネスモデルもあるため、日本がどこで利益を得ていくの・どういった契約をしていくのかも見定めていく事を期待しています。
先ずは、試供品として旧式艦を無償供与すべきでしょうね。
完全に出遅れているのだから。
目的があるのであれば、妥当な面があると思います。
格安譲渡=メンテナンスで稼ぐ、次世代の護衛艦を購入してもらう足場づくりなど、何れにしても目的を持って上手にやって欲しいものですね。
やれやれ、ようやくスタートラインに立ったって所か。
とは言え今の時点では幼児がよちよち歩きから立って歩ける様になった段階かな。
今5類が撤廃されれも売れる物と言ったら新型FFMぐらいしか無いんだよなぁ
陸戦兵器なんて輸出より、むしろ外の血を入れなきゃ死にそうだし
「輸出しないと国内産業が苦しい」んですよ。
ミサイル類は特に。
ただでさえ大型艦艇の少ないフィリピンから本当に要請されたら『あぶくま型』を譲渡するのは構わないと思うけど。その代わりにレーダーやUH-2の取得数を増やしてもらうとかでも良いだろうし。
インドネシアもフィリピンも無償なら貰うでしょうけど購入となると断ってくるでしょうね
無償で譲渡するとしても将来的な武器輸出に繋げれるように政府には頑張ってほしいです。
浦項級コルベットって無償だったんだ。以外。
しかし、日本の護衛艦にせよ潜水艦にせよ船体は無償譲渡で構わないですが近代化は当然向こう持ちで日本に発注してもらうなどしてもらいたいですね。維持費は最低でも日本に金が落ちるでしょうが。
あるいは03式の売込みみたいに他で便宜図ってもらうとかで。
フィリピンへの中SAMの売り込み上手く行って欲しいです
韓国の天弓が中東で脚光浴びたように対空兵装の需要は高まるばかりな状況ですし
同盟国・友好国がミサイル等で攻撃されて被害が出るのを防ぐための装備で殺傷目的の装備ではないという理由付けで
今の日本の世論でも比較的輸出しやすい商材でしょう。
豪州への新型FFM輸出に続いて風穴を開けてくれることを期待します。
そうなんですよね。
「5類撤廃」の前に「『防空』の追加」を挟むと思ってたので驚きです。
果たしてその分高いハードルを越えられるのかどうか…。
仮に”おやしお級”を譲渡するとして。
二次電池の換装(リチウムのそれに)をしたりはするのかな?。
譲渡される側も、自国で運用できる限り、新しい装備品は欲しいだろうし。
それと、長年の酷使の後で、充分な潜航性能は保持しているのかな?。
相手?であろう?中共潜水艦のそれを下回るわけにはいかないだろうし。
原潜相手ならば、多分、待ち伏せになるだろうし。
あと、相手より深く潜れたとして、深海域用の魚雷は提供するのかな?。
政府が主導しても上手くいかなかったプロジェクトなんて山ほどあるので、結局は企業がどれだけ防衛装備品の輸出に本気になれるかがカギなのではと思います。
日本は海外の政府系インフラ整備、建設の受注を沢山やっているので、よう言われるオフセットを含めてたパッケージ商取引について慣れてないって事はない思います。
C-2やP-1を海外に売ろうとすればラインを新たに増やさないといけないわけで、それには設備に対して莫大な投資が必要になります。
企業はそれを回収するために大きな努力が必要で、その覚悟がなければ自衛隊と細々と仕事していれば良いとなります。
これは全ての日本製防衛装備品に言えますが、企業側が防衛装備品の輸出を自社の事業の柱にするというぐらいの経営判断がなされなければ、今後も政府に対するお付き合い程度の実績しか生まれないでしょう。
逆じゃないかなぁ。
防衛省の少なくかつ不安定な需要だけだとラインの維持が大変だから「輸出をして、かつ輸出需要の変動分を国内需要で平準化する」のがあるべき形かと。
少なくとも新FFMの輸出についてはそれに近い対応(1番艦枠をオーストラリアに譲る)を表明してるので、防衛省もその辺は流石に理解してると思いたい。
国や防衛省側から見たらそうだと思います。
現に今の受注ではやっていけないと防衛産業から離脱する企業増えてるますから。
ただ企業側から見て防衛装備品の輸出についてどういうスタンスでいるのかの話ですね。
韓国は官民一体で武器輸出やってますが、韓国企業は本気で武器市場で儲けるんだという意気込みでやっやってるからこそあれだけの受注を得てるわけです。
日本企業はそれ以上の熱意でやらなければ売れないですよね。ただでさえ実績ないんで。
防衛省はラインの維持の為の輸出促進かもしれないですが、企業は儲からなければラインの維持どころか防衛産業の維持すら出来ないです。
それこそ政府の本気度次第でしょ
企業がどれだけ売ろうとしても、政府の協力が薄いとヘルメットすら売れない
後は国民側に軍事物品の輸出でバイアス掛かった忌避感が無くなるか
仮に三菱が防衛用の対空ミサイル輸出したとして、ミサイルだから人〇しの兵器だ!ってなんとなく悪い印象付けられて、車が売れなくなったら意味ないし
うーん、何を気にしておられるのかちょっと分からない。
別に「輸出する気や体力のない企業に官側のゴリ押しで輸出を強要する」なんて話ではなく「その気のある企業に国内の都合で課せられてた縛りを外す」というだけですよね?
輸出だからって国内生産力の上限を超える注文に応える義務なんてないし、これも新FFM同様、必要で可能なら現地生産する手だってあります。もちろんどこぞのFMSみたいに国内都合でズルズル納期を延ばして平気な顔、なんてのは許されないでしょうが。
もちろん縛りが外れたからって売れるかはまた別の話だし、国外との競争でデリバリー能力が問われることもあるでしょう。
あるいは輸出だけして自衛隊の装備はこれまでの様に国内装備確定とはいかず、これまで以上に国外装備との競争に晒されるでしょうから、この動きをありがたがる企業ばかりではないとは思いますが、そこはパトリア始め既に聖域ではなくなってる訳で。
輸出するにしてもキルスイッチは絶対つけとけよ
東南アジアもオセアニアも信用に値しない蝙蝠連中だからな
海外の輸出事例を見てから言っては?
キルスイッチなんて神話。
F-35で取り沙汰されていたが実態はメンテ切られたら維持できないというだけの話。
額自体は大きくないけど意外と20式小銃とか売れないだろうか
流石にM4には勝てないか?
チャージングハンドルを後ろに移動したM4もどきバージョン開発するとか。
仮に輸出に成功するとノリンコがコピーを輸出しそう。
中国はコピー品のライセンス生産許可をイラン相手にやってる。
日本の兵器の購入を、TPPの加入条件のひとつにすれば、売れると思いますよ。
防衛大臣が飛び込み営業する事はないでしょうし、インドネシア、フィリピンと具体的な国名が出ている以上、水面下で何らかの交渉は進んでいるのだと思います。訪問時な吉報があると良いですね。
日本の防衛装備品も全部が全部そうではないにせよ“商品”として世界マーケットで通用するかが問われる時代が来たと言う事ですかね
さてどうなりますか
輸出に関しては国内の前評判はほぼ当てにならないですからね
トップバッターとしてやたら期待の高かったUS-2は結局この種の救難飛行艇を本気で金を出して買おうという国はもはや世界には残って居なかったという落ちでしたし、P-1は不謹慎な言い方になりますが売れちゃったら日本の信用を思いっきり落とすところでした
逆に新型FFMは私個人の印象としてはこんな簡単に決まるもんなのと拍子抜けするくらいあっさり決まった感じがありました
体の手入れはバッチリな老嬢達の、次の活躍の場が広がることを期待するのみです。